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2021年10月08日
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テーマ: 電気自動車(314)
カテゴリ: EV  電気自動車
 中国の市場で吉利汽車とBYDは有力なEVメーカー。
 BYDは独自技術だが、吉利はボルボの技術も活用して、EV市場を伸ばそうとしている。
 2020年1月、ダイムラーと親会社の浙江吉利控股集団はEV化を目指してスマートの事業を統括する合弁会社を折半出資で設立した。
 2020年11月、ダイムラーとHV用のガソリンエンジンを共同開発することを発表した。

特別リポート:
変わる自動車業界の勢力図
白水徳彦
2021年9月8日 REUTERS
 「ボルボがどれだけの規模の企業かご存知ですか」。フォード・モーターのドン・レクレアー最高財務責任者(CFO)は尋ねた。
 2008年1月、レクレアー氏は無名に近い中国人実業家から、傘下のボルボを買収したいと申し出を受けていた。その実業家、李書福氏が経営する自動車メーカーの販売台数はスウェーデンの大手ボルボの半分にも満たず、フラッグシップモデルの金剛(キングコング)は中国以外でほとんど知られていなかった。
 米ミシガン州ディアボーンのフォード本社で行われたこの会合に同席した関係者2人によると、李氏の提案は実質的に断られた。
  … (略) …

 2008年にフォードのレクレアーCFOと会談した李氏は買収提案を断られた。だが、その後に世界を襲った金融危機で、フォードは中核事業を守るためボルボを切り離すことを決めた。
買収資金のほとんどは成都、大慶、上海各市からの低利融資でまかなった。 吉利はその後、成都と大慶にボルボの工場を、上海に技術研究所を建てた。テスラやフォードもこの年、低利融資の形で米政府から補助金を受けたが、あくまで金融危機で販売が激減する中での支援策だった。
 一方、中国の自動車市場は活況に沸いており、買収当時に赤字だったボルボは黒字転換した。吉利とボルボの幹部は、中国で存在感を高めるとともに部品とサプライヤー、自動車の骨格である車台を共通化したのが奏功したと話す。
吉利は今、外資との合弁会社を除けば中国メーカーとして最大手となった。 他の多くの中国企業と同様、格差解消を掲げる習近平国家主席の「共同富裕」構想に足並みを揃えている。中国共産党が創立100周年を迎える直前の今年6月、吉利は「共同富裕計画行動綱領」を発表、従業員の福利厚生策を打ち出した。
  … (略) …
     ​
<テスラの優位性>
 吉利がボルボを買収したその年、テスラは米自動車メーカーとして半世紀ぶりに株式を上場した。カリフォルニア州パロアルトに本社を置くテスラは、2人乗りの電動スポーツカーを生産し、販売していた。マスクCEOは、米国人の自動車の買い方、運転の仕方に革命をもたらすと話していた。
 李氏もEVの必要性を感じていた。2013年にボルボとスウェーデンに技術開発センターを、その後共同で環境対応車を販売する「リンク・アンド・コー」と「ポールスター」を設立した。今年に入り、中国で新たなEVブランド「Zeekr」を立ち上げた。
 しかし、李氏と吉利のダニエル・ドンホイ・リー最高経営責任者(CEO)は、投資資金の調達という壁に直面した。ベンチャーキャピタルに支えられているテスラのような企業は、利益が出なくても比較的容易に資金を調達できる。その点、吉利の出資者は年金基金やファンドで、安定した利益を生まないリスクの高い投資を嫌うため、不利だったと複数の同社幹部は言う。
 そこで李氏は、ともにテスラを追う競合の自動車メーカーと組んで経営資源を効率的に投資していくことを模索した。「各社が新たな技術に投資をしなければ我々は死ぬ。各社がばらばらに巨額の投資をしても生き残ることはできない」と、リーCEOは話す。
  … (略) …
     ​
 2017年10月以降、吉利は水面下でダイムラーの株式を買い進めた。そして 2018年2月、9.69%を保有するダイムラーの筆頭株主になった ことを発表し、自動車業界に衝撃を与えた。
 取得額はおよそ90億ドル(1兆円)。資金はどう調達したのか。事情を知る関係者によると、吉利は少しずつ買ったダイムラーの株式を担保に融資を受け、買い増して行ったという。
<競合からの評価>
 中国企業が自国の技術に関心を持つことを懸念していたドイツでは警戒感が広がった。リーCEOによると、ダイムラー株取得を発表した直後に李氏ら吉利の一団はドイツを訪問し、ダイムラー首脳陣や政府関係者、議員らと面会、求めているのは相乗効果だと訴えた。ダイムラーへの関心は同社を牛耳ったり、規模の利益を追求することではない、伝統ある自動車各社が協業し、新しい技術の開発コストを負担し合うことを考えていると説明した。
  … (略) …
 ダイムラーはその後、低迷する傘下の超小型車ブランド、スマートを売却することを吉利に提案した。しかし、李氏はそれで満足しなかった。関係者2人によると、李氏とダイムラーのディーター・ツェッチェCEO(当時)は2018年9月、昼食をともにした。 スマートを折半出資会社にすることで合意し、都市型EVの開発メーカーにすることを決めた。
  … (略) …
 しかし、李氏の野望には課題も多くある。変革には資金が必要で、それにはブランド力を高める必要があると、競合他社の幹部らは指摘する。「最大の障害はその名前だ。もともとは低コストの車、エントリーレベルの車のブランドだった」とホンダのある幹部は言う。「吉利はそこからどうやってアップルのようなブランドを築けるのか。自動車メーカーはどこもそれで苦しんでいる。とくに吉利には難題だろう」。


<米中の分断>
 国際情勢の変化も懸念要素だ。各国の企業と組む戦略は、今より自由なグローバル経済の中で可能だったが、米中2大国の覇権争いは激しい貿易戦争に発展し、米国と西側の同盟国は中国のハイテク企業の進出を阻もうとしている。
  ―  引用終り  ―
     ​
 創業者の李氏は、中国共産党の習近平総書記が「吉利を支援せずしてどの企業を支援するのか」と述べるほど、浙江省党委書記だった時代から習近平と親しい間柄にあるとされている。
 中国政府のEV普及策が中国メーカーに著しく有利になると、テスラといえども販売台数を伸ばすことが難しくなる。





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最終更新日  2021年10月08日 06時00分08秒
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