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2023年05月20日
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カテゴリ: ロシア、ソ連
 2023年5月9日、ロシアの第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日の軍事パレードは無事行われた。例年と比べて極めて小規模で……。
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 2023年3月22日、米・国防総省高官は、ウクライナに侵攻したロシア軍が前線で燃料や食料などの補給不足に悩まされ、凍傷を負った兵士も出ているとの分析を明らかにした。ロシア軍が食料や燃料などの再補給を計画するものの実施に至っていないと指摘。洋上の艦船の燃料や、精密誘導兵器などの武器や弾薬の在庫も不足し始めているとした。
 4月30日、ロシア国防省は、兵站担当の国防次官について、ミハイル・ミジンツェフ上級大将に代わり、アレクセイ・クズメンコフ上級大将が国防次官に任命されたと発表した。
 ロシアによるバフムト攻撃を主導しているワグネルの創設者・エフゲニー・プリゴジン氏は、弾薬が不足し「無駄で不当な」損失を被っているとして、10日にウクライナ東部ドネツク州バフムトから部隊を撤退させると5月5日に表明した。プリゴジン氏SNSで「数万人の戦闘員の死傷者」の責任はセルゲイ・ショイグ国防相らにあると非難した。
 5月7日、ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏は、ロシア政府がさらなる武器供給を約束したとして、バフムトからの撤退方針を転換し戦闘を継続する可能性を示唆した。
 ロシア政府は人員・兵器の損耗、不足を隠ぺいするため、対ドイツ戦勝記念日の軍事パレードが中止になるとの、ロシアの兵站不足を案じる見方が報じられた。
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9日に対独戦勝記念日
2023年5月8日 産経ニュース
 ロシアは9日、第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日を迎える。ウクライナ侵略を続ける中、首都モスクワなど各地で行われる恒例の軍事パレードは今年、少なくとも20都市以上で中止が決定されたと伝えられる。3日に起きたクレムリン(露大統領府)への無人機攻撃などを踏まえた安全対策が理由とされる一方、侵略による人員や兵器の損耗を隠すためだとの見方も出ている。
 プーチン大統領は当日、モスクワで行われる式典で演説する予定。軍事パレードとともに国民の愛国心を鼓舞し、団結を内外に誇示する機会としたい思惑だ。
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 ショイグ国防相が3月に説明したところでは、モスクワ中心部の「赤の広場」での軍事パレードには軍人1万人超と戦車など125の地上兵器が参加する予定だ。将兵1万2千人と190の兵器が参加したウクライナ侵略前の2021年より小規模だが、昨年とはほぼ同じ規模となる。
 ただ、例年は事前にパレードに加わる兵器が発表されるが、今年は7日時点でも明らかにされていない。航空部隊の参加の有無も公表されていない。
 軍事パレードについてショイグ氏は3月時点で、22年と同数の「28都市」で実施すると表明していた。しかし露独立系メディア「ビョルストカ」は今月3日、4月下旬~5月上旬に少なくとも21都市でパレードの中止が決定されたと伝えた。ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島や同国国境に近い都市だけではなく、国境から数千キロ離れた複数の都市も含まれるという。
 米シンクタンク「戦争研究所」は4日、各地での軍事パレード中止について、「安全対策」を名目にウクライナ侵略による露軍戦力の損耗を覆い隠そうとしている可能性が高いと指摘。自作自演説が指摘されるクレムリンへの無人機攻撃も、パレード中止を正当化する口実と分析する。
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 5月9日は第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利したことを祝う「戦勝記念日」で、ロシアで最も重要な祝日の1つとし、愛国心を高揚はかるため、軍事パレードにて新兵器の披露や大統領による演説が行われてきた。
 2022年のモスクワのパレードでは、前年と比べて1000人少ない兵士およそ1万1000人が参加した。
 兵器については、前年より60少ない、131披露された。
 2023年の軍事パレードの様子は、兵士8000人、航空機の展示飛行ナシ。戦車は第二次世界大戦時の現役T34-85が1台。S-400防空システムや核戦争用のヤルス大陸間弾道ミサイルがパレードした。T-14など戦車、装甲兵員輸送車などの装甲車両をパレードに出す余裕がないことが示された。
 プーチン大統領の演説では
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 第二次世界大戦のナチス・ドイツとの戦いは、ソビエト連邦で「大祖国戦争」と呼ばれ、苦難の末に勝利した栄光の日と位置づけられている。ソ連邦は、第二次世界大戦で世界最多の2600万人の兵士と市民が死亡したとされている。
 ユーリー・オーゼロフ監督の映画『ヨーロッパの解放』は、ソビエト連邦製作の独ソ戦を描いた戦争映画シリーズ。大祖国戦争に勝利し、ヨーロッパを解放したという体で製作されている。1970年に製作を開始し完成に3年を要した国家的事業の全5部の超大作映画で、総上映時間は合計で7時間48分。第一部 「クルスク大戦車戦」、第二部 「ドニエプル渡河大作戦」、第三部 「大包囲撃滅作戦」、第四部 「ベルリンの戦い」、第五部 「最後の突撃」。
 ナチズムからの解放ではあったが、東欧諸国にとっては、ソ連邦による社会主義体制の圧政の始まりだった。





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最終更新日  2023年05月20日 06時00分09秒
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