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2023年09月09日
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カテゴリ: 中国、台湾
 習金平の不動産価格締め付け政策により金融が細った中国の不動産業界は業績悪化が続いていた。そこにゼロコロナ政策で一層の不動産取引停滞に見舞われた。中国では不動産開発大手の恒大集団だけでなく、中国では不動産不況で経営が困難になる巨大企業が続いている。 
 2023年8月14日、中国不動産大手の遠洋集団は、2023年1~6月期の最終損益が最大200億元(約4000億円)の赤字になる見通しだと発表した。
 8月22日、中国不動産大手の遠洋集団控股は、資金繰りの悪化により人民元債の償還が困難になり、債権者に期限の延長などを提案すると発表した。利払いが滞った遠洋集団の米ドル建て債券の取引は停止された。不動産不況で業績は悪化により、債務不履行(デフォルト)必至とみられている。
 中国最大の不動産開発会社とよばれる「碧桂園」も経営困難、資金繰りの厳しさが報じられていた。
 8月10日、碧桂園は、今年1~6月期の最終損益が最大550億元の赤字になるとの業績予想を発表した。
 8月31日、米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、碧桂園の格付けを、デフォルトの可能性を示す「Ca」に引き下げた。
 9月2日、碧桂園の経営再建を巡り、9月4日に実質的な満期を迎える人が延長されることになったと報じられた。延長されることになったと報じられた。
     ​
当面のデフォルト回避
2023年9月2日 共同通信
 経営難の中国不動産大手、碧桂園が債務返済の期限延長の承認を債権者から得たと、ロイター通信が関係者の話として2日報じた。当面のデフォルト(債務不履行)は回避できる見込みとなったが、今後も多額の利払いなどを控えているほか建設途中の物件も多数抱えており、市場の緊張は解けそうにない。
 碧桂園は39億元(約780億円)の人民元建て債券の償還期限延長などを提案していた。債権者による投票期限を8月下旬から複数回延長し、9月1日が最終だった。
  ―  引用終わり  ―
     ​
 中国の金融は大きく銀行系と融資の4割を占めるノンバンク系がある。2023年6月末の総融資残高は銀行系が230兆元(約4600兆円)、ノンバンク系が134兆元(2680兆円)で、先進国に比べてノンバンク系の比重が圧倒的に高い。
 不動産不況が、中国金融セクターに波及し始めている。なかでも銀行ではない金融機関・商品、「シャドーバンキング(影の銀行)」とよばれる信託業界に大きな波紋が生じている。
     ​
金融不安定化、懸念
2023/8/14  産経新聞
三塚 聖平
 香港メディアは14日、中国の信託大手、中融国際信託の顧客企業の一部が、期限を迎えた信託商品の支払いが滞っていることを明らかにしたと報じた。中国では不動産市場低迷などの影響で金融部門が不安定化することが懸念されており、市場関係者が警戒を強めている。
 香港紙、明報(電子版)によると、上海証券取引所に上場する少なくとも3社が、投資していた中融国際信託の信託商品が期日までに返済されなかったと開示した。このうち湖南金博碳素については、中融国際信託の信託商品に投資した6千万元(約12億円)に関連するものだという。湖南金博碳素は開示文書で「財務状況は健全であり、正常な企業運営や日常的な資金需要には影響しない」と説明している。
  ―  引用終わり  ―
 不動産バブル崩壊の影響をノンバンクが大きく受け、国営の大手金融機関の経営に影響は少ないという構図を示したのが下記の記事。
 破産法、民事再生法など倒産関連法制の不備、不慣れは、中国の経済立て直しが一朝一夕に進まないことを暗示する。
     ​
秋以降の日本経済に影響が及ぶのは必至だ
2023年9月2日 東洋経済オンライン
  …  (略)  …
恒大集団が債務不履行になっても、銀行経営は揺るがず
 この問題がいかにややこしいか、例の恒大集団の内情から説明するのがよさそうだ。8月28日付の日本経済新聞に、「中国恒大、22兆円の開発用地が重荷 債務超過拡大も」という記事がある。ここに今年6月末時点の恒大集団のバランスシートが掲載されていて、その中身がまことに興味深いのだ。
 恒大集団は総資産が1兆7440億元で、総負債は2兆3882億元。締めて6442億元の債務超過であり、普通の企業ならばこの時点でゲームセットである。1元=20円なので、総資産が34兆円で総負債が48兆円、バランスシートに14兆円の穴が空いている!と考えるとわかりやすいだろう。
 それでは総負債の内訳はどうなっているのか。借入金は6247億元だから、せいぜい13兆円程度である。この程度であれば、恒大集団がデフォルト(債務不履行)したとしても、中国4大銀行(すべて国有銀行)の経営が揺らぐことはあるまい。
     ​​ ​​
 福本智之大阪経済大学教授によれば、中国は1990年代の日本における不動産バブル崩壊の過程を研究していて、「住宅価格の下落が不良債権問題を通じて金融不安を招く」怖さをよく理解している。だから不動産デベロッパーも、銀行からの借り入れは少ない。それは結構なことである。
 だったらどこから金を借りているのか。まず、 未払い金が1兆0565億元もある。これすなわち20兆円である。つまり恒大集団から、金を払ってもらえないカスタマー(たぶん建設会社や製鉄会社や運送会社など)が存在している ことになる。普通だったら、果てしない連鎖倒産を生みかねない規模である。
 ところが、である。 おそらくは恒大集団に対して売掛金を立てている企業群は、ほとんどが国有企業 であって、たぶん党本部から「余計なことするな」というお達しが出ているのであろう。ゾンビ企業を助けるために、周囲も一緒にゾンビになる、という恐怖のメカニズムである。これが20兆円規模だというから恐れ入る。
 もっと罪深いのは、 6039億元の「契約負債」があるということだ。この正体は何かといえば、中国では家が完成する前に3割程度の手付金を払うことになっている。ところが恒大集団に仕事を発注した消費者の多くは、金は払ったけれども家はできていない。それが12兆円規模 、と考えるといかにも恐ろしい。
 いくら中国が民主主義国家ではないとはいえ、さすがにこの問題をスルーするわけにはいかないだろう。ちゃんと家を完成させて買い主に引き渡すか、あるいはお金を返すべきである。とはいえ、そんなややこしい話が簡単に進むはずがない。
  ー  引用終わり  ー
     ​
 日本の「地本主義」に基づくバブル経済の崩壊は、不動産開発会社、銀行、次いで住専などのノンバンク、そして国民が影響を受けた。
 中国は、不動産開発会社、ノンバンクに次いで人民の順で不動産バブル崩壊の責めを負う構図になっている。
 国と国営の銀行は大きな金融的衝撃はないようだが、地方政府は不動産開発会社の経営難の影響をもろに受ける。
 住むところの約束が解消され怒れる人民、債務不履行となり権威だけを振り回す地方政府、人口減少・高齢化社会の環境で、いかに監視システムの整備がすすんだ中国共産党でもかつてと同じように専制的統治を続けることは難しそうに思える。

 外資は中国から着々と脱出をはかっている。大きな生産設備をかかえる日系自動車メーカーも、世界最大の新車市場である中国生産の比重を軽くすることを検討した方がよさそうだ。





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最終更新日  2023年09月09日 06時00分12秒
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