仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2005.10.20
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カテゴリ: 教育
今日(10月20日)の朝日新聞朝刊( 高校「野球留学」の実態調べたら… 大阪府出身が半数 )ここ10年で隣接しない県の中学から高校に入学した選手の総数は916人。流出は大阪が457人、次いで兵庫59、神奈川57。流入は香川86人、次いで高知84、山形の82など四国・東北地方に集中。大阪は少年硬式野球が盛んで受入側との人脈もある。高校生も甲子園に出られる高校を選択する、という内容。

なお、関連して18日朝日の記事(「 県外選手」の割合 甲子園出場校で2割強 高野連調査 )は、これに先立つ全国調査の記事。東北の夏の甲子園出場校では、酒田南が7割を超えています。禁止されている指導者の中学生への家庭訪問がひそかに行われている問題や、奈良、和歌山、大阪、兵庫の各府県では中退者による再入学や転校生が近年増えたことも各都道府県連盟から指摘。一方で、中学生の進路選択の自由や他の競技団体との整合性など留学抑止に慎重な意見も寄せられたという。同委員会ではこの日、来夏の選手権地方大会から出身中学を選手資格証明書に必ず記入させることが決まった。また、選手勧誘のルール順守の徹底を指導することを確認した。一部の委員からは「実態の改善には県外選手の登録人数の制限が必要」との声があり、実施に向けて議論を重ねていく方針も決まった。

今年の夏の甲子園の開会式をテレビで見ていましたら、中山文部科学大臣が挨拶の中で、「全国から選手を集める風潮があるが、高校野球の原点は、地域で生まれ育った高校生が郷土の代表として出場し、地元の人が応援することにある、関係者の検討を望む」との趣旨を語っていました。
個人的に気になっていましたが、確か翌日の新聞の記事にもなったので、特筆すべき発言だったようです。

中山大臣や規制論者の主張について、考えられる理由としては...
 1 生徒の安易に進路選択(中退・転校も)や経済的負担を抑制させる(パターナリズムの観点)
 2 地元出身者の活躍の機会を保障する(実質的機会の均等の観点)

 4 地元の父兄や住民の応援に力が入るようにするため(社会政策or経済活性化の観点)
 5 不正入学や利権の温床となることを防止するため(現実にありそう)

理由2が中心でしょうか。確かに、青森、岩手、秋田あたりでも最近は公立高校が出なくなりました(秋田商は頑張ってます)。ここは見解の分かれるところでしょう。高校生の選択の自由や学校づくりの自由を重視するのか、枠の中での競争(独占禁止法)の発想でやらせるのか。
人々の総意として後者を取るなら、規制も絶対反対ではないですが... 私は高校生の主体的な選択を重視したいです。高校生(正確には、高校を志望する中学生)たるもの、自らの希望で高校を選べばいい、県外生活も自分で選ぶならいいじゃないか、という意見です。大人の変な「高校野球観」を押しつけてはいけません。高校生中心に考えないと。親の経済的負担などが大変というなら、親が行かせなければいいだけ(というより、高校生もそれぐらい自分で考えなさい)。

実態として甲子園常連校は勉学もせず野球ばっかり、との批判もあります。野球専門校と同じ土俵では一般!?高校が迷惑する、と。
これは重要な問題ですが、野球留学の是非ではなくて(通学生なら良いの?)、学校そのものの問題です。野球ばっかりが悪いというのなら、私学の行政監督権限で是正させるべきです。文部科学省だし。ただ、私は多様な教育の一環で、ある程度許して良いと思いますが。

基本的な部分では、悪平等主義に反対、というのが私の考えです。自由主義論者?ですし、パターナリズムは保護者の責任と考えます。高校も多様性があった方が良い、むしろ望ましいと思います。自由にさらすと個々の「高校」の序列化や衰退を招くという論調がありますが、「高校生」の観点で考えなければなりません。
あえて言えば、公立高校もバンバンと県内外から中学生を獲得してもいいのです。野球でも学業でも。学業で言えば、私は学区制撤廃に基本的に賛成。全県的序列化を懸念するのではなくて、例えば石巻高校をガンガンとネジ巻いて、仙塩(通学可能)から中学生が進学するくらいの本当の進学校にすればいいのです(人口20万の石巻の拠点校が他県の地方中小都市より劣っているのですよ! 宮城の進学率と公立高校を考える(9月6日) )。そもそも「序列化」の頂点になる?であろう仙台の県立高校だって緊張感がないのだけれど。学校や教育委員会の怠慢の言い訳として「学区制」を掲げているような気がしているもので。

それから、高校野球は「高校」の活動の一環なのであって、「県」や「地域」の活動ではない。その点で、国体のジプシー問題とは異なります。根本的に、中山大臣のような人は、例えば酒田南高校に大阪から来る高校生を「異質な」(あるべきでない)存在と見ているのでしょう。あえて酒田を選んで3年間を過ごす若者こそ歓迎すべきなのに。彼らだって、野球留学という意識で来ています。地元の人が、お前野球留学だナ、と言うのは結構。当該「留学生」の堂々たる個性なのだし。応援したくないならそれも結構。
しかし、間違っていけないのは、酒田南高校の生徒であって、酒田南高校の学校活動の一環です。そこに踏み込んで、「その県」あるいは「その地域」の生徒でがんばるべし、というのは学校の主体性を離れた応援者の論理(というより心情)以外の何モノでもなく、ハッキリ言って余計なお世話です。高校生の選択の自由、高校の学校作りの多様性、などの重要な価値に優先するべきではないと思います。


もっとも、コレは、指導者の資質の問題であって、留学抑止、県外者の登録制限などのような馬鹿な方策で解決するはずもありません。
問題の解決を高校生に転嫁してはなりません。良識のある議論を望みます。





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最終更新日  2005.10.20 19:26:16コメント(0) | コメントを書く


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