仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2006.01.19
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カテゴリ: 国政・経済・法律
竹中総務大臣の私的懇談会「地方分権21世紀ビジョン懇談会」が12日に初会合をもったとの報道がありました。
 目的は三位一体改革後の将来の地方分権の具体像をビッグピクチャーとして描き、それを実現する抜本的な改革案を議論するもの。検討内容としては下記のとおり。
 (1) 地方の自由度の拡大のための改革(道州制を視野に入れた国と地方の役割分担の見直し等)
 (2) 地方の責任の明確化のための改革(破たん・再建法制の検討等)
 (3) 国と地方を通じた財政健全化のための改革(中期地方財政ビジョン等)
 (4) 地方行革の推進(地方自治体の資産・負債管理等)
 (5) 不交付団体の増加目標
 (6) 制度の簡素化・透明化
■総務省のHP 関係部分



 ある学者の整理によれば、自治体の破たん処理法制として、大きく、現行の準用財政再建団体制度のような「行政的手法」と、民事再生法適用論のような「司法的解決」が考えられる。後者は単純化してキーワードで言えば、裁判所が関与し、債権者意思を尊重して再建計画を作成し、債務の減免ありうるなどの点で、前者と全く異なるアプローチ。
 この「司法的解決」が議論される背景には、現在の制度が自治体の放漫を助長しているという基本的認識があります。言い換えれば、公的債務について暗黙の政府保証が自治体を無責任にしているというのです。
 具体的には、(1)自治体の破産は想定されず、その代わりに財政再建制度(地方財政再建特別措置法)があるが、債務デフォルトはないから、市場による規律が機能していない。この点、例えば米国では自治体にも破産法制を適用することが多い(自治体財産差押えによる行政活動支障を防ぐ趣旨)。また他方で(2)地方交付税がモラルハザードを招来する。
 従って、改革の方向としては、(1)自治体の破たん法制を整備し、(2)歳入の自治・自律を実現する、ということで自治体の財政規律を確保しようということになります。
 この(1)の改革方向が「司法的解決」と言われる施策ですが、具体的には様々な課題もあります。
  ・再生型にとどまるのか清算型倒産も可能か
  ・倒産状態の定義(補助金をどう扱うか)
  ・債権者利益と住民自治(例:債権者集会が増税決定できるか)
  ・行政財産に差押えが可能か
 などで、どこまで「司法的解決」を貫徹するのか課題があります。
 いずれにしても「司法的解決」の制度化によって、暗黙の政府保証を断ち切り、シビアな自治体の財政規律を確立しようというものです。


 懇談会の議論の中身が、現行の再建制度(行政的手法)の段階化なのか、抜本的な司法的解決なのか、詳細はわからないが、河北新報の記述からすれば、総務省の狙いはあくまで前者の方向のようだ。これにプラスして地方債市場を通じた選別で健全化を促す観点が入るようだ。

 米国のような自治体の破産を認める方向は、自治体は納税者の道具というプラグマティズムとして自然なのかも知れないし、コモンローの発想にもかなう。また、何度も破産を通じてビジネス成功者になるアメリカの経営風土とも合致するのでしょう。
 しかしながら、日本の自治にこれを徹底することは、できない。
 論者の真意は、自治体の破たんやデフォルト可能性を意識させることで財政運営の責任を明確化させようという点にあるのだろう。また、同趣旨の議論として、自治体の財政運営のランキング付けなどの議論もさかんになってきた。

 モチーフとしては、良い。しかし、自治の論理をひっくり返すこと(裁判所や債権者が住民自治に優越する?)ことは許されません。



 もっとも、地方財政の現状が今のままで良いというのではなく、何らかの制度上の改革論議は必要です。ただし、公選の首長と議会という代表制をベースに情報公開や住民訴訟などの補完を伴いながら、将来の負担を含めて住民ベースで健全で自主的な財政運営を進めることが基本で、その上で財政再建制度の多様化や交付税の改革などを進めるという方向でなければなりません。そんなのきれい事だ、放漫な地方に外からタガをはめよ、という人はいるかも知れないが、現実に地方財政の歳出削減努力と住民の監視の実態をみれば、まだバラバラだけれど(地方議員と選出者の意識)、結構その方向に進みつつあると思います。古典的?な、おエライ議員さんの利益誘導政治スタイルは、まず崩壊の方向です(地獄を見る人たちも続出)。そもそも増税や地方債発行が自由でないという点で制度上縛られていますし。
 それにつけても、国家財政です。地方は国の暗黙の債務保証に甘えているというけれど(制度上たしかにそう)、ならば国はどうか。歳出抑制もままならず、当然のように増税論議を持ち出す、政官財リバイアサンは、誰に甘えているのか。これはどうしましょう。





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最終更新日  2006.01.19 05:53:07
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場末の公務員です。  
junks7878  さん
今予算の編成作業をしています。
勉強不足&馬鹿なので・・難しい表現はできませんが・・・

われわれ場末の公務員から見ると・・・国は卑怯です。国いうより国の行政組織といった方が正しいのでしょうか・・・。
(抽象的表現でごめんなさい・・・)

そして、ご存知のように 地方財政という実態的なものもありません。

どうも・・・交付税不交付団体というのも 増えそうに無いという うわさもちらほら・・・

さて 仕事しよう^^・・・・ただいま午前6時・・・

でわまた・・・


(2006.01.19 06:19:38)

Re:場末の公務員です。(01/19)  
odazuma  さん
junks7878さん
仕事大変お疲れ様です。苦難や面白くないことも沢山あると思いますが、健康に留意され、よろしくお願いします。

訪問とコメントありがとうございます。

>国は卑怯です。国いうより国の行政組織といった方が正しいのでしょうか・・・。

気持ちは同じです。

私の場合は、例えば、国の出先機関がひたすら補助金消化と縦割り論理丸出しで旧態依然としているサマを見るにつけ、ムダってこれでしょう、と思うのですけどね。

三位一体改革の補助金整理でも、国の改革だという意識をちゃんと持っていれば、相当人員削減できたのに。かたや地方の歳出カットや職員削減は、どんどん未知の世界に踏み出しているのに、ですね。

財務省も、ひたすら交付税を悪玉に仕立て上げようとしているけど、一般歳出にもっと切り込むべき。わかっているけどやらない。マクロ経済論議の格好をしながら、中央官庁に都合悪いことにフタをして増税で生き延びようと言う... それが私には、「卑怯」に見えるのです。自治体の現場を見て欲しいですね。 (2006.01.20 05:12:27)

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