仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2009.11.14
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カテゴリ: 宮城
風邪やインフルではないが、体がだるくて、仕事もせずに朝から家にいた。仙台藩の船乗り津太夫たちの世界一周の旅物語を一気に読んだ。

半年以上にわたる漂流と現地人との遭遇。苦難の大移動。先に露国に漂着した日本人との出会い、大西洋と太平洋の一大航海などなど、数奇な体験と見聞だが、紛れない史実だ。

イルクーツクで息絶えた吉郎次のため、墓石を建て、練習を重ねた太十郎が墓碑を書いた。現実に、明治になって当地で墓が確認されているが、異国で失った仲間の供養には胸を打たれた。

ロシアの生活では、酒は食事の付きもので、種類も多いが、日本のように酔いつぶれる者などいないとの点は面白かった。

当時の皇帝とも会話し、進んだ文化に触れ、極寒の地や猛暑の赤道を含めて丸い地球を一周し、4人が生地奥州仙台に戻った。長い滞在の末ロシア人として現地に残る者もあったが、帰国に際してのそれぞれの判断も複雑な思いが去来しただろう。外交は拒絶しながら列強の内政に強く関心を抱いた幕府や藩の上層部からは、無学の水夫の見聞で役に立たないと見切られた面もあったようだが、それはともかく、極限を生き抜き、そして偶然と運命に翻弄された彼らの悲喜こもごもの実話として、価値が高いと思うのである。

■読んだ本です。
安倍忠正『いしのまき若宮丸漂流始末 初めて世界を一周した船乗り津太夫』1986年、三陸河北新報社発行(発売ヤマト屋書店)

表紙と挿絵は浅井元義さんです。今年の秋の表彰で新聞にお名前を拝見しました。
■関連する過去の記事
日本人初の世界一周 若宮丸漂流民 (07年9月25日)
松島在住の浅井元義さんの画集に出会う (05年12月26日)





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最終更新日  2009.11.14 17:06:49
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