仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2010.07.21
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カテゴリ: 東北
物覚えが悪いのか、それとも、もともとニュースの本質を理解する能力が足りないからか、言われて初めて、ああそんな事もあったなと、と断片的にかすかな記憶がよみがえる出来事がある。

昨日、ある本を読んでいて思い出した。日本人や外国人にまつわる噂を集めたその本に、中国人留学生を集めた女子大学についての品のない流言が収められていた。学生ビザで日本に留学し、水商売などで荒稼ぎする女性が、その大学の中国人留学生のほとんどだ、という話。誇張された噂だとしても、その解説に、酒田短期大学と出ていた。これで、思い出したのだ。

2001年、酒田短期大学に在籍した中国人留学生が、授業にも出ずに都心などに移り住んで仕事していたことが発覚。定員100名のところ在校生総数は352人、うち中国人留学生が339人を占めていた。同様に、ビザ取得のために悪用されている大学は複数あると言われている。
(石井光太『日本人だけが知らない 日本人のうわさ 笑える・あきれる・腹がたつ』光文社、2010年)

思い出したのは、酒田短大のあの事件、そして学長の名前だ。

この学校は、もともと学校法人林昌学園が東北短期大学として開設、酒田経済短期大学、酒田短期大学と改称される。設立主体が、学校法人天真学園と合併した学校法人天真林昌学園に移り、その後学校法人瑞穂学園に移る。

ここに登場する天真林昌学園は、現在、調理師資格の取れる天真学園高校を運営している学校法人だ。

■関連する過去の記事
調理師資格の取れる高校 in 東北
他にも、酒田南、和順館の各高校を含めて高等学校3校、それに酒田調理師専門学校と幼稚園を設置しているようだ。

2001年に留学生問題が発覚、翌年には休校。みずほ学園短期大学と校名を変更し、03年度の学生募集をしようとしたが、結局04年に、文部科学大臣による初の解散命令で学校法人瑞穂学園が解散に至る。

01年の問題発覚は、仙台入管が入学定員を超えた中国人留学生の在留資格認定を拒否したことで、入国できなくなった事件だ。東京神田の雑居ビルには、サテライト教室が開設されていたというが、結局は学業と仕事の「両立」という名目で、不法滞在を助長したものと見なされても仕方がない。あわてて学校側は本校に戻るよう留学生に指示したが、相当数の留学生の行方もつかめなかった。

少子化という事情はあるとしても、経営の手まずさの後に、再建策として中国人留学生ビジネスに目を付け、学校運営や国際化の理念とはおよそ反するような「経営」に走った学校だ。

そして、学長は稲本洋之助氏だった。よしんば法人の経営には直接関与していないとしても、教育の責任者として明確な説明と適切な対応が求められていた。なのに、学校教育と学生をどう守っていくのか、はっきりとした説明はついぞ行われず、後手後手の尻すぼみの対応しか報道されなかったように記憶している。

おそらくは、法人関係者に任せっきりで、或いは頼まれてパンダとして職に就いただけで余計な仕事には関わらない、関わりたくない、という姿勢だったのだろうか。だとすれば、東北の人間として残念な思いだ。そもそも本当に教育者として職責を全うする姿勢が問われて然るべきだ。

その後の稲本氏の去就は知らない。新聞などでも名前を見ない。間違いがなければ、東大の民法、フランス法の俊英、若い頃から高名なあの学者だろう。私も聴いた。たぶんノートも残っている。

それだけに残念で、虚しい気持ちになったものだ。そんなことを夜中に思い出している。





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最終更新日  2010.07.21 00:47:20
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