仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2010.09.22
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カテゴリ: 宮城
葛西氏は、秩父平氏の別族で武蔵国豊島郡豊島の地に居住し、豊島氏と称していたが、豊島清光の三男清重が下総の葛西の地を領有し、葛西三郎と称し、葛西氏の祖となる。文治5年(1189)の奥州征伐に大功があり、磐井、胆沢、牡鹿外数カ所を拝領し、奥州惣奉行に任ぜられ、陸奥国在住の御家人奉行権を与えられたが、幕府の宿老として鎌倉に在住していたらしく、葛西氏が奥州に移住するのは四代清経(仙台葛西氏系図)の代(建治年間、1275年頃)と推定される。(中尊寺経蔵文書)

葛西氏の奥州における居城は、初代清重以来、石巻の日和山とされるが確証はない(奥州葛西記、仙台領古城書上、奥州観蹟聞老志)。六代清貞は南朝方の大忠臣として葛西城(石巻日和山か)を中心に活躍し、16世紀には戦国大名化し、北上川流域の葛西七郡(胆沢、江刺、気仙、磐井、牡鹿、桃生、本吉)を支配し、やがて遠田、栗原方面に進出し大崎氏と対立してゆく。

大崎氏は、斯波氏とも称す。斯波氏は足利氏の一族で家氏が鎌倉時代に陸中斯波郡に所領を持ち、斯波氏を称す。また、下総国大崎地方にも領地を持っていたので大崎氏とも称した。斯波家兼が奥州探題に任命されたのは文和2年(1354)頃と考えられるが、この頃は観応の擾乱がおさまり、奥州南朝勢力は一掃されつつあったが、奥州には、分裂する幕政担当者と結びついた奥州探題(管領)と称する吉良満家、畠山国詮、石塔義憲等がおり互いに対立抗争をしていた。家兼は志田郡師山(古川市)を拠点に他の三探題を次第に圧倒し一探題制を樹立し、以後、代々左京太夫に任ぜられ、仙北の大崎五郡(大崎、小野、新田、中新田、名生)に勢力を確立する。

明応8年(1499)葛西氏の一族、薄衣入道が伊達氏に送った薄衣状(奥州編年史料抄)に奥州探題について「国中の事は探題御下知の上は」と述べたり、大崎氏を「上様」とか「公方」と呼んでいる。また、留守家旧記(余目文書)にも「上様」と呼び、大崎氏を頂点とする身分序列の世界を見事にえがいている。しかし、大崎氏は15世紀以降、家中統制に苦しみ次第に衰退してゆく。天文5年(1536)大崎氏に内訌があり、伊達稙宗は大崎義隆の請を受けて三千余騎をひきい大崎の乱を平定したが、それも一時的で、再び天正14年(1586)大崎家中が伊達派と反伊達派に分かれて争う大乱となり、伊達の大軍が出兵したが、伊達氏の勢力の北上を喜ばない最上義光の調停により和議が成立し、これより大崎氏は伊達氏の勢力下に入る。


秀吉は天正18年(1590)小田原の北条氏を征服すると、8月9日会津黒川城に入り奥州仕置を開始し、小田原不参陣のかどで、大崎義隆、葛西晴信の所領を没収し、秀吉側近の木村吉清、清久親子に与え、検地、刀狩を強行した。木村弥一右衛門清久は、明智光秀の旧臣で亀山城を預かっていたが、光秀の乱の後、城明け渡しが神妙であったので秀吉に召し抱えられた新参者で、300騎の部将に過ぎなかったという(伊達治家記録)。木村親子は、大統治に慣れていない上方の新参者で、鎌倉以来の名門を支配するには荷が重すぎた。

10月16日、大崎、葛西領の旧臣達の反乱は膽沢郡から始まって、たちまち全域に拡大し、佐沼城に木村親子を包囲した。この乱を、政宗、蒲生氏郷が鎮圧することとなったが、政宗は氏郷を出しぬき翌年7月3日討伐を完了した。しかし、政宗は一揆を教唆扇動したと秀吉に報告され、伊達、信夫、田村、安達、刈田、長井の本領を没収され、かわりに大崎、葛西の旧領12郡を新給され、米沢から岩手沢(岩出山)に移り、県南7郡と宇多郡をあわせ20郡の新領土58万石の経営に着手する。

■宮城県高等学校社会科教育研究会歴史部会『宮城県史料集』宝文堂出版、1981年 から





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最終更新日  2010.09.22 22:13:27
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