仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2011.02.20
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カテゴリ: 宮城
1 本石米

江戸の米消費量の3分の1を賄ったことから、仙台藩産米は「本穀米」と呼ばれ、米取引の建米(価格基準米)の役割を果たしたことが窺える。本来は本穀米(ほんごくまい)だが、記帳の際に 本石米 (ほんこくまい)と当てられることが多くなった。

江戸に出る米の格付けとしては、奥州仙台本石米は中ノ上(4番目)で決して最上級ではない。しかし、中位の価格でまとまった量を供給したことが建米として重要だった。本石米が着くと江戸の米価が下がると言われたが、米価が高まると社会不安につながることから、本石米が定期的に到着することは幕府にとって好ましかった。

ところで近世には城米(幕府天領からの貢租米)、蔵米(各藩の貢租米)、納屋米(商人が集荷した米)の区分があったが、仙台藩域内に天領はないものの、信達地方の天領からの城米が阿武隈舟運により荒浜から海路で江戸に運ばれた。北上川では、仙台藩蔵米が石巻に運ばれたほか、盛岡藩蔵米と志和地方に飛び地を有する八戸藩蔵米も石巻に送られた。本石米の主産地大崎耕土のからは、北上川支流の迫川と江合川を使って石巻へ、また鳴瀬川で野蒜まで運んでいる。

2 買米制度

仙台藩には納屋米の移動がないのが特徴だが、これは仙台藩が貢租米徴収後の余剰米を強制的に買い付ける 買米制度 のためである。江戸の米格付けでは、中ノ上(4等)の奥州仙台本石米のほか、中ノ中(5等米)の奥州仙台前金米があり、これが買米制度に由来するものとされている。

買米制度は藩祖伊達政宗の創始した「御祖法の御買米」とされる。藩庁に買米本金と称する基金を備え、早春農民の望みに従い無利息前金を貸し下げて農事百般の使途に充用せしめ、晩秋収穫時期にいたりその貸下げ本金に応ずる時価の米を収納し、租米、雑穀と共に江戸に廻送して販売し、相場の高低によって生ずる利益を藩庫に収得した。この制度は当時上下共に歓迎し、称して御買米と云い、貸下金を御恵金と唱えていた。



3 仙台藩の米の実収

表高62万56石5斗4升4合の仙台藩だが、内高は享保3年(1718)に99万5879石余、宝暦4年(1754)には102万1831石余、文政7年(1824)に100万9461石余、天保9年(1838)101万4909石余とされている。しかし、享保以降も新田開発が続いたから内高も表向きのものだったとも思える。帆足万里は250万石(『東潜夫論』)、安井息軒は200万石(『読書余適』)の実収があると見ている。

しかし藩財政はほとんど常に窮乏に苦しんでいた。米や大豆の現物による収入があっても、歳出は金銭による物が増加の一途をたどっていたから、歳入欠陥に悩まされていたのである。さらに特別会計として、御直行(藩営事業)があり、製塩、金山、鉄山、山林などがあり、買米制度もその一つだった。また幕末には城下町仙台の商人に特権を付与して御用金を賦課することもあった。加えて、臨時的歳出には、商人から御貸上金、御為替金、御手伝金などの名目の徴収もあり、武士や百姓にも、手伝米、貸上米、上納金を命ずることもあった。

臨時的歳出の大きいのは幕府から課される土木普請などのいわゆる「御手伝」であり、政宗以来13藩主は一代の間に1回から数回の課役を命じられている。

また凶作による減収に際しても臨時的な措置を必要とした。『東藩史稿』などによると幕府に申達された仙台藩の減収高は、天保7年(1836)91万5784石、天保9年(1838)82万6000石などである(土屋喬雄)。

(続く)

■参考
 岩本由輝『本石米と仙台藩の経済』(国宝大崎八幡宮 仙台・江戸学叢書15)(大崎八幡宮仙台・江戸学実行委員会、2009年)

■関連する過去の記事
仙台藩の経済と財政を考える(2 仙台藩の歳入歳出) (08年1月3日)
秋田藩佐竹義和の改革 (07年12月21日)
秋田藩佐竹義宣の改革を考える (07年12月19日)
上杉鷹山の知恵袋 竹俣当綱 (07年1月17日)
仙台藩の経済と財政を考える(1 藩札) (06年07月25日)





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最終更新日  2011.02.20 11:29:11
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