仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2012.03.17
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カテゴリ: 雑感
古代から現代に至るまで人々の関心を惹き付けてやまない伝説の島、謎の楽園など。その伝承の経緯も含めて詳細に解説する書物だ。私のこうした話には大いに興味があるので、さっそく読みました。

■辻原康夫『世界の古地図に描かれた「幻の国」を追う』河出書房新社、2011年

さて、最後の項目が日本最東端の島として一時は正式に地図にも載せられた「中ノ鳥島」だ。明治40年8月、東経154度16分(資料により異なる)に周囲6.7kmの小島を山田禎三郎が発見、翌年報告を受けた政府は閣議決定を行い、東京府告示をもって小笠原島庁に編入。しかしその後の度重なる探測作業で島が確認できず、この絶海の孤島は昭和18年に海軍関係地図から、また昭和21年には水路告示をもって正式に海図から消えることとなった。

この山田禎三郎なる人物は、長野県出身の教育者で師範学校校長を経て、教科書会社を設立。短期ながら代議士も経験した人物という。総合的に推理すると、山田氏は発見報告書の提出者ではあったが、実際の発見者ではなく、小笠原諸島の何某が無人島に漂着した話を耳にした山田氏が脚色したと推論すればつじつまがあう、と上掲書辻原氏。

そして結尾は次のようにまとめられている。

ずいぶんずさんでいい加減な話だが、報告書一枚で関係者が長年煙に巻かれてきた経緯は、考古学の常識をつぎつぎに塗り替えたと世間やマスコミを手玉に取った、かの「ゴッドハンド」による遺跡捏造に似た大ボラ話ではなかろうか。

最後の最後、だめ押しにゴッドハンドが登場してしまった。東北人の心の傷ともいえる馬鹿らしくも悲しいあの醜聞。最後に引き合いに出されて、何とも複雑な読後感でした。

■関連する過去の記事(遺跡捏造事件関係。リストアップするのも気がひけますが...)
再び旧石器捏造を考える
旧石器捏造 学界はどう見ていたのか (09年12月12日)
旧石器捏造事件を考える (09年12月11日)
壮大なニセ歴史ロマン (07年5月27日)(旧石器捏造事件関係)





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最終更新日  2012.06.28 20:32:23
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