仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2015.02.20
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カテゴリ: 仙台
仙台市長の岡崎栄松さんは戦後はじめての公選市長だ。栄松さんの父も祖父も秋保の佐藤家の出身。二口街道の宿場だった馬場部落を過ぎて、上ノ原から名取川の渓谷を対岸に越えて坂路を上ったところを深野といい、すぐ目の前に以前は茅葺き重層の大きな農家があった。ここが佐藤家で、秋保大滝不動堂の中興開山知足上人の生家である。

知足上人は天明8年佐藤家の三代太兵衛の長男太作として生まれ、子どもの頃から親孝行。ある時、母親が眼病にかかった。深野から1キロばかりの秋保大滝に慈覚大師が貞観年中に不動明王をまつったところであるが、太作は大滝不動にこもって祈願を続け、この孝子の念力で母は失明を免れた。これが衆生済度に一生を掛ける動機となる。

太作は家督を弟の太吉につがせ、馬場の大滝不動別当真言宗の西光寺住職順昌法印に決意をうちあけ、文化2年18歳の時、仙台城か八幡町の竜宝寺39世実阿上人について得度して、名を岳蓮(ママ。他では岳運とされる。おだずま注。)と改める。大滝の東南の沢股山の大岩で三七日断食修行を行い、さらに羽黒山の荒沢で千日の穀類断食を修すること2回、引き続き苦行14年、ついに木食となり、知足と号した。

上人の脚力は当時有名で、秋保では空中を飛行したと言い伝え、石巻まで日帰りで往復したという。いつも通過した八幡町では、風のように早く足が地面に着かなかったと伝えている。石巻には帰依者が多かったと見え、寿福寺境内に碑が建っている。

上人の宿願は大滝の道場たる不動堂の再興であった。この脚力で東北くまなく行脚して浄財をつのり、文政8年に地方まれに見る不動堂が成り、翌9年に本尊を安置したのが現存の大滝不動堂である。近世秋保奥地の観光開発に生涯をかけた別当大滝周名氏によって堂は完全に修理され、その傍らに知足上人の木像を安置する開山堂と講舎が建てられている。

本尊の不動明王は銅造坐像で像高12尺、東北第一の巨像。作者は仙台城下北目町の大出屋八代四郎右衛門(津田甚四郎と同一か。おだずま注)。

近くの滝ノ原、野尻、馬場には今も上人の話を語り伝えている。深野坂で上人の集めた浄財をねらった数人の山賊を、上人は呪文で金縛りにかけたという。また、上人は高徳をもって村民を感化し、加持祈祷で多くの人を救った。

しかし修験道の究極は自ら現世の命を絶って魂と化し衆生を済度するを目的とし、その手段は多くの場合生き埋めであった。これを全国的に行人塚と称し、仙台市内にも2か所ある。

知足上人は、文政11年9月5日、直下56メートルの秋保大滝の日天月天と称する瀑口の絶壁から身をおどらして飛びこみ示寂した。41歳。山や畑で働いていた人たちは、大滝の方向にただならぬ大きな音を聞いて、思わずその方角を見ると、不動堂の杉林の中空高く知足上人の姿をはっきり見たという。共同幻覚であろう。



生家の佐藤氏宅に自作の上人木像がある。故岡崎市長は顔が木像そっくりであった。


■以上は、三原良吉『郷土史仙臺耳ぶくろ』(宝文堂、1982年)によっています。

知足上人と岡崎栄松市長について、秋保・里センターのサイト 秋保の歴史的人物 にあります。

■関連する過去の記事
昭和30年仙台市長選挙の無効事件 (2009年12月05日)
仙台市長選挙の無効判決とやり直し (2009年11月21日)
仙台と競馬の歴史 (2006年10月1日)



また、文中で仙台市内に2か所あるという「行人塚」ですが、1つは若林区の行人塚踏切に名を残す古城神社がその場所でしょう。

■関連する過去の記事
行人塚の地名の由来 (2008年9月12日)
ガソリンカーと仙台

すると、もう1か所とはどこなのでしょうか。





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最終更新日  2015.02.22 11:13:54
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Re:秋保の木食知足上人(02/20)  
熊谷幹男 さん
寿福寺にある石碑は知足の書になるものではありません。
私は 知足の書 42点を精査したアマの研究者です。近日 「宮城の木食上人」改訂版を出版します。
是非 お読み下さい。 (2018.12.01 12:54:48)

Re[1]:秋保の木食知足上人(02/20)  
熊谷幹男さんへ
コメントありがとうございました。 (2018.12.06 04:31:17)

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