仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2015.09.22
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カテゴリ: 宮城
気仙沼線BRT駅の乗車人口は本吉駅が一番多いことなどを、先日書いた。

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▲BRT大谷海岸駅とバス(2013年1月)

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▲駅舎の中の様子

気仙沼線の今後については、JRの提示するBRTでの存続案に対して、鉄路での復旧を願う地元の声も根強い。自治体との協議がどう進むかが注目されるが、官民を通じてのコストの問題はもちろん、観光交流人口をどう取り込めるか沿線まちづくりや地域振興策、乗車促進のソフト策なども含めて、皆で一生懸命考えていきたい。

さて、私は地元の人と鉄路復旧について直接論議したことはないのだが、気仙沼線は昭和50年代に全通した比較的新しい路線であることから愛着も大きかろうと思っている。

歴史をふりかえると、大正11年の改正鉄道敷設法別表に掲載された149の予定路線に含まれている。曰く「 宮城県気仙沼ヨリ津谷、志津川ヲ経テ前谷地ニ至ル鉄道 及津谷ヨリ分岐シテ佐沼ヲ経テ田尻ニ至ル鉄道」と。

■下記の記事を参照下さい。
幻の鉄道計画 改正鉄道敷設法の予定線(その2) (2013年4月20日)

まず、1956年に大船渡線の貨物支線として、気仙沼から気仙沼港駅までが、開業。翌1957年には、貨物支線5.8kmのうち気仙沼-南気仙沼間(4.5km)、南気仙沼駅-本吉駅(17.1km)を合わせて、気仙沼-本吉(21.6km)を「気仙沼線」として旅客運送をはじめた(なお、貨物支線(南気仙沼-気仙沼港、1.3km)も編入)。

南側からは、起点を石巻にする論議もあったようだが、1968年に前谷地-柳津(17.5km)が「柳津線」として開業。



JR移行の前の国鉄時代に完成した最後の地方路線とされている。(ちなみに、丸森線(槻木-丸森)は1981年に国鉄の第一次特定地方路線(廃止路線)とされ、1986年に第三セクター阿武隈急行に転換し、国鉄時代からの延伸工事を引き継いで、88年に福島-丸森間を開通。)

最後に開通した区間には、戸倉、志津川、歌津などが含まれる。私と同年代の志津川出身の人に、気仙沼の高校に通うのに鉄道を利用したという話を聞いたことがある。かなり距離はあるが、鉄道のおかげだ。昭和52年に全通して、まだ数年しか経たない時期に、利用していたことになる。

志津川の人たちは、気仙沼や本吉に通学に便利、そして、仙台に向かうにも快速で2時間かからずに行けた。本当に鉄道開業は地域の悲願だったろう。リアスの海岸線に囲まれた各浜にも駅ができて結ばれた。大きな喜びだったはずだ。

ただ、ちょっと意外だったのは、前回記事(9月20日)で調べたとおり、BRT開業後の現在も、震災直前のデータでも、乗車人口は志津川駅より本吉駅の方が多いこと。これには、本吉(津谷)の学生は気仙沼の高校に多数通うが、志津川の学生は志津川高校に通うので本吉や気仙沼にはあまり通わない、という関係が反映しているのかも知れない。

BRTは頻度が高いから便利などの利点があるが、やはり定時性と速達性では列車に適わない。観光利用の際も含めて、この点を問題視する意見があるのは、よく理解できる。

平野部と違い、浜が隔絶して道路交通も決して良好とは言えない。三陸鉄道もそうだが、このような地域における鉄道の意義もあるだろう。

ほんの40年たらず前にできたばかりの鉄路だった。その意味を十分振り返りながら、そして時代の変化を受けて、将来のこの地域の軸としてどのように残すべきかを、考えていっていただきたい。BRT案は優れているとは思う。だが、コストだけにとらわれず、気仙沼や南三陸がこれからどう生き残っていくのか、そのための交通のあり方を、よくよく考えていって頂きたい。消極的選択としてのBRTでは良くない。皆が使って、外部の人も乗って、快適で楽しくて、おそらくは定着人口のみならず観光や交流の人々の足となりうるように、地域作りと一体となったあり方を検討するべきだと思う。

BRTという概念を受け取る、という発想でない方がいい。あれこれ考えて最もふさわしい形を選び取ったら、それが気仙沼・南三陸型の地域作りとその道具としての気仙沼型BRTだったネ、というぐらいのつもりで。

■関連する過去の記事
BRT乗車人口数が多い駅は (2015年9月20日)
BRT大谷海岸駅 (2013年1月31日)
JR各駅の乗車人員を比較する (2012年12月30日)
東北の駅の乗車人員を考える (2007年7月5日)





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最終更新日  2015.09.23 02:19:29
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