仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2016.02.06
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カテゴリ: 宮城
今夏には、仙台と石巻を最短路で直結する列車の仙石東北ラインが、女川駅まで直行すると報じられた。女川と仙台がワンサービスで運行されるのは初めてだ(NHKニュースによる)。

石巻から女川までは石巻線を走ることになるが、同線の終点女川駅は、津波被害のあと場所を改めて開業し、温泉浴場と一体となった駅舎や駅前の新しい町の核づくりなど、復興の象徴でもある。

この石巻線の歴史を振り返ると、仙石線に先立って遠田、桃生、牡鹿の地域の足として求められて誕生した経緯が浮かび上がる。

東北本線の開業で商港としての石巻の機能が減少したことから、明治20年代は石巻と東北本線を結びつけようする動きが起こる。桃生郡北村の斎藤善右衛門など216人が発起人となり、27年6月、資本金百万円で、石巻-川渡間62キロの鉄道布設(石巻軽便鉄道)の免許を鉄道省に願い出る。しかし、この動きはさまざまな要因で挫折。

やがて仙台の貴族院議員荒井泰治らが、明治43年に小牛田-石巻間の軽便鉄道を敷設したいと奔走し、同年8月に免許状を下付され、大正元年10月、石巻まで開業。(仙石線の全身の宮城電鉄全線開通は昭和3年。)

これが 仙北軽便鉄道 で、のち大正8年に国鉄に買収され、大正10年には幅も軽便の76センチから現在の105センチにかわる。

石巻線が女川まで延伸するのは、大正11年施行の改正鉄道布敷設法予定線18号によるもので、昭和11年に工事着手、昭和14年に全線開通した。

なお、石巻と女川の間には、かつて 金華山軌道 牡鹿軌道 という馬車鉄道である。

牡鹿軌道は石巻湊と渡波間。明治43年に人車軌道の敷設願が出され、大正元年に工事が始まったが、動力を馬車に変更し、大正4年に湊と浜曽根の間で開業。

渡波女川間の軌道を計画していた金華山軌道が、牡鹿軌道を大正13年に引き継ぐことになり、動力を馬力から内燃に変更して女川まで全線開通したのは大正15年。その後、石巻線の女川延伸に伴い、昭和14年に、国鉄新線並行私鉄の政府補償を受けて休止し、翌年に廃止されている。しかし、並行線とはいえ、両者の経路はかなり異なっている。

金華山軌道の起点は石巻湊で、石巻駅とは離れた旧北上川東側で、中瀬の対岸にあった。現在の日立造船所のあたりにあったようだ。ここから東進して伊原津を経て渡波に至るが、石巻北街道(現在の国道398号)の路面を走る区間があったようだ。渡波を過ぎると、万石浦の北岸に沿って浦宿の谷間を経て女川の町に入る。終点女川駅は、現在の石巻線の(あるいは津波前の)女川駅と異なり、鷲ノ神にあった。

金華山軌道は石巻駅との連絡などに難点があり、地域は石巻線の女川延伸を運動、工事は昭和11年に着工される。石巻線は、石巻駅から陸前稲井駅に向かうこととなり、渡波までの間は全く金華山軌道とルートが異なる。大和田トンネルをくぐって南進してからは大きく180度円弧を描くように渡波市街地(渡波駅)を経て北に向きを変えて進むが、渡波駅の後は金華山軌道とほぼ同じルートである。ただし、石巻線は金華山軌道と異なり、国道の北側に女川トンネルをくぐって女川旧市街地の北に出て女川駅を設けた。

昭和33年には商港整備の一環で女川港まで臨時貨物線1.4kmが建設され、昭和55年廃止された。

■参考
 吉岡一男『宮城の鉄道物語 宮城の街道物語』宝文堂、1987年
 今尾恵介『地形図でたどる鉄道史 東日本編 鉄道近代化の足跡を図上観察』JTBキャンブックス、2000年

■関連する過去の記事
牡鹿半島の先まで行ってきました
石巻線 全線開通 (2015年)
幻の鉄道計画 改正鉄道敷設法の予定線 (その2)(2013年4月20日)





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最終更新日  2016.02.06 18:01:46
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