仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2022.05.14
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カテゴリ: 東北
切妻屋根の日本の住宅では、入り口を切妻側に設けるのが妻入り、屋根の棟と平行な面に出入り口を設けるのが平入りと区別される。

子どもに家の絵を描かせると、東京の子は屋根を三角に書いて玄関を書く妻入り住宅を、京都や大阪の子は屋根の面を横に平行に書いて平入住宅になるという。
実際に調査すると(コンクリート住宅などを除き)、田園調布では妻入り78%(平入り22%)、帝塚山では平入り70%(妻入り30%)だった。

本来日本の住宅は妻入りが基本で、縄文時代の竪穴住居にさかのぼる。屋根が地表面まで葺き下がっている竪穴住居では、出入り口は雨に濡れない三角面の妻側に設けられた。やがて屋根が柱で盛り上げられて平側に壁ができると、平側に出入り口を設けることが可能となる。しかし、雨や雪の多い日本では妻入りが都合がよく、岐阜県白川郷の合掌造りのように、豪雪地帯では妻入り住居が多く、北日本や北海道は現在でも平入り住宅はほとんど見かけられない。

新潟県の出雲崎は、海岸段丘と海岸線の間に、日本最大の妻入りの家並みが、3.6kmにわたって続いている。北前船の寄港地として、さらに北国街道の宿場町として栄えた出雲崎は、今でも街道に面した家屋はほとんどが妻入りで、それ以外でも新潟県の海岸地方には妻入り住居が多い。豪雪地帯に加え、日本海の冬の強風を受ける面を小さくするため間口を狭くして、海岸線と直角の向きに縦長の家を建てたからである。

これに対して、住宅が密集する都市部では、隣家との間隔が必要となる妻入りではなく、隣家と屋根を接続させ境界に空間を要しない平入り住宅が発達する。上方では平入りの商家が町屋と呼ばれる家並みを形成した。

平入りの町屋が残る城下町や宿場町は全国各地にみられるが、東京では江戸中期以降は大規模な敷地と屋敷間口をもった大店(おおだな)と呼ばれる商家が増えて町屋は少なくなる。火事が多かった江戸では、類焼を避けるため、平入り住宅が上方ほど普及しなかったのだろう。

■宇田川勝司『謎解き日本列島』ベレ出版、2020年 から





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最終更新日  2022.05.14 19:22:48
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