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昨年1年間、コーカサス3国のひとつ、カスピ海沿岸の風の街 アゼルバイジャンの首都バクーに滞在した。長い1年、予期しない異国の文化との出会いがあった。行く先々で、アゼルの人の思いがけない歓待と交流があった。鶏を一匹買って、友人のセキュリティのガールフレンドのところに押しかけて、おいしい家庭料理を馳走になったり。訪ねていった知人は不在だったが、案内した子供の家族に、ここで待てと室内に案内され、結局、夕食をご馳走になったり。朝方、リムジンカーに乗った美しい花嫁にであった。夕方、食事を終えてレストランを出ようとすると、そのホールで、その花嫁の披露宴が始まっていた。カメラで、美しい花嫁を遠くから撮っていたら、まあ、ここに座れと珍しい東洋人に席を用意してくれた。向かいの席には、美しいカスピ海美人あまた。その美形を描いてプレゼントした。そしたら、嬉しそうにみんなに見せて回った。「次は私の似顔絵を描いて欲しい」と、美しい乙女らが、前の席に並んで座って順を待った。結局、目の前に、おいしい祝いの料理が用意され、ウォッカを浴びるように飲まされた。セキュリティがロシア語の先生を紹介してくれた。おとなしいバクー州立経済大学の女子学生。葡萄だなの下での若い集いの夕食や、誕生日に招待された。 お別れに少し高価な日本料理屋でご馳走した。この国の平均給与は、月70ドル。信じられないほど貧しい。もうすぐ卒業と言うので、給与の良い日本の企業を紹介しようとしたら・・・・・。州立大学で成績一番で、来年ソルボンヌ大学に留学し、その後、フランスの企業に就職するつもりとか。写真の私の右側の二番目が、その才媛の方。指導した6社の企業の一緒に仕事で知り合った人たちは、総勢100人を越える。みな、気が良く、無給の人も必死に新しい仕事に取り組んだ。カメラが高価なので、みんなが欲しがる写真を撮って配った枚数は、数百枚。6社みな、西洋の品質管理を学んで導入し、付け刃ながら驚いたことに、ISOという認定に合格しつつある。お祝いの席に招かれて、ロシア語でスピーチしたら、バクーのテレビに映っていたそう。これをきっかけに西洋から信頼されて、注文が増え、彼らが豊かになるのを願っている。楽しい思い出多い一年だった。こんな貴重な体験ができたことに、感謝している。できるなら、次は、また未知の海外プロジェクトに参加してみたい。異国での予期しない体験ほど、日々の心を躍らせるものはないよう。
2004/02/24
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季節に春があるように人の一生にも、春を思わせる時期があるよう。来るべき夏の海のじりじりと焼きつける激しさの前の優しく微風を感じさせる、ときめきに満ちた春の予感。今は遠い遠いむかしの少年の頃。くたびれてけだるいいつもの先生たちの授業に変わって付属小学校に若い大学生の見習いの先生たちが来た。その中に所作、振る舞いのしっとりとした若い女先生がいた。授業の合間に、後ろで聴講しているその先生の横顔にうっとりと見とれていた。いよいよその教習の先生たちが帰るとき、好きな先生へ感想文を送ることになった。迷わずに、ときめく思いをその美しい先生宛に書いた。恋文のような感想文をもらって、戸惑ったことだろう。人を好きになる時のときめき。思いのかなわぬつらさ。それを初めて教えてくれた先生だった。今でも、会えるなら会ってみたい。見てるだけでうっとりするような、不思議な人だった。中学校は、長崎県の大村城のそばにあった。春になると八重桜の参道は桜のトンネルとなり、城址の石垣に桜が舞った。当時、書道で文部大臣賞を取った坂口君と言うのが親友だった。書は心を表す。人を疑わない純粋な心をもった人だった。そんな思い出多い住み慣れた大村の町や友達と別れて一人長崎の進学校に通うために下宿した。ときめいた一人住まいも夜はさびしかった。うっそうと森が茂った長崎の図書館に通って本を借りた。読んだ本はいずれも、ややせつない青春の思いを語ったものばかり。福永武彦の「草の花」伊藤整の「青春」ドイツ留学時代の体験を語った森鴎外の「舞姫」ほろ苦い結末の久米正雄の「学生時代」巴里の夜を,さ迷い歩いて書いた永井荷風の美文「仏蘭西物語」確かに異国の夜をさまよい歩いていると、こんな孤独感に捕らわれる。よく深海魚が海の底を泳いでいるような感じを覚えた。恋する乙女の意外な相手は父親だったと言うツルゲーネフの名作「初恋」。四国の無名の青年が名をあげるまでの青春を書いた徳富蘆花の「思い出の記」特に好きだったのが下記の作品だった。芹沢光次郎の「巴里に死す」シュトルムの「みずうみ」英国貴族が簡潔な文体で書いた恋の名作「アドルフ」カミユの「異邦人」レマルクの名作「西部戦線異状なし」や「凱旋門」岩波文庫や角川文庫の書評を書いた文庫目録から青春を綴った名作は、ほとんど読みあさった。一作一作に新鮮な感動を覚えていた、あの頃にもう一度戻りたい。川端康成の「雪国」を最近読み直したら、その頃とは違った感動があった。もう一度、全部読み直してみようかな。絵は「奥多摩の早春」少年の日々は、こんな早春の風景のように、新鮮な息吹きの中で、生きていたような気がする。したがって、さびしさも感動も、今以上に心に沁みた。
2004/02/10
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