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10月は、会期の終了までの日曜日午前11時から、学芸員によるギャラリートークがあります。この時刻に合わせて美術館へ行き、会員特典の入場券で観てまいりました。やはり解説があると、見方が深まります。
2017年10月08日
8月5日に観た『日々の生活 – 気づきのしるし』日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念展と同時開催されている『ヨーガンレール 文明の終わり』を金沢21世紀美術館で観てきました。8月のときは、夏休み中だったからかとにかく人が多く、「また別の日に来よう」(友の会の会員は何度でも無料で見られる)と思い、ようやくこの日になりました。石川県立美術館からの金沢21世紀美術館で、着いたのは11時過ぎ。すると、なんということでしょう! 館内のカフェに空席がまだまだたくさんあるではありませんかっ。いつも混んでいる金沢21世紀美術館では私はまだ一度もカフェに入ったことがなく(富山に住んでいたころから来ているのに)、金沢に引っ越してからもその願いは叶えられておりませんでした。ようやく気づきました。ここのカフェに入りたければ、早く来ればいいんだ!と(笑)。ちょうどお腹が空いてきていたものの、ランチビュッフェの時間には早かった(11:30~)ので、メニューの中から軽食を選び、いただきました。お天気も良く、外の景色が見える席に通されて、気持ち良く食事ができて満足しました♪腹ごしらえができたところで、『ヨーガンレール 文明の終わり』を。海岸に流れ着いたゴミだけでできているとは思えないキレイな作品の数々で、思わず「うわぁっ、キレイ…」と声が出そうでした。しかし、以下の「ヨーガンレールの言葉」を読むと、はしゃぐ気にはなれません。。-----概要自然とともに暮らし、その尊さを伝えてきたデザイナー、ヨーガン レール(1944-2014)が「最期の仕事」に選んだのは、深刻な環境の問題に向かい、海岸に打ち寄せられた廃品のプラスティックから美しい照明を作り出すことでした。決して自然に還ることのないプラスティックが、再び実用の場を与えられ輝き出します。また、展覧会ではこれらの照明と共に、ヨーガン レールが、その唯一無二の美しさに魅了され、長い時間をかけて拾い集めた、ババグーリ/瑪瑙石を展示いたします。この対照的な展示には、2014年に急逝したヨーガン レールの、自然への敬意をもって生きることの強いメッセージが込められています。-----ヨーガン レールの言葉「文明の終わり」 (2014年9月)沖縄にある海辺の家で1ヶ月の3分の1を過ごすようになって、15年になります。 畑を耕し、創作のアイデアを練る合間に、犬の散歩と気分転換を兼ねて家の前の浜辺におりるのが私の日課ですが、その度に悲しみと怒りが綯い交ぜになったような複雑な気持ちになるのです。 砂浜を歩きながら、美しい貝殻や珊瑚のかけらを拾うのを楽しみにしていますが、貝殻や珊瑚にも増して目に付くのが、流れ着く大量のゴミだからです。 時にはガラス製の古いブイが流れ着いていたりして、面白く思うこともありますが、流れ着くゴミのほとんどは醜いプラスチック製品のなれの果て…。発泡スチロールの切れ端、 ペットボトルのふた、洗剤の容器や子供のおもちゃなど、日本のものもあれば、どこかアジアの国から流れ着くものもあります。見つける度に拾い集めるのですが、次の日にはまた流れついています。 とうとう私はそれらのゴミを集めて、色ごとに分類して何かを作り出そうと思いました。 ゴミだけで何かを作り出せるほどに沢山流れ着くので、そのことを多くの人に知って欲しかったからです。先日、旅をして与那国島の浜辺に降り立つ機会がありました。砂に足を踏み入れて歩くうちに何ともいえない違和感を覚えました。思わず砂に手を差し込んでつかみ、目をこらしてみて衝撃を受けました。砂の中に、砂と同じくらい細かく砕かれたプラスチック片が、びっしりと混ざっているのが分ったからです。 遠目には美しく見える砂浜なのに、こんなことになってしまっている。誰でもない、人間がしたことです。これは文明の終わり…、私にはそう思えてなりませんでした。 私は日本人ではありませんが、この国に来て40年以上も住んでいます。美しかった日本を覚えています。もしも許されるなら、ずっとこの国で暮らしたい。だから知って欲しいのです。こんなに汚れてしまったことを、そして、ゴミを取り除くことの必要性を、ゴミを出さない暮らしの重要性を。これは日本だけの問題ではなく、世界中に伝えたいことです。 ゴミには目に見えるものもあれば、目に見えないものもあることを皆さんはご存じでしょう。そのどちらも増え過ぎれば、文明の終わりを招き寄せます。おそらく地球自身は、自浄の努力をしていることでしょう。けれど、浄化のための大きな力になるのは、一人ひとりの小さな人間の力の集結でしかないのです。 もし、多くの人がそのことに気付くために何かができるなら、今しなければならないと思う気持ちを止めることはできません。 醜いプラスチックのゴミを大量に見せただけでは、その恐ろしさを分かってもらえないのなら、私はそのゴミを使って、何か自分が美しいと思うものを作り出す努力をします。ただ美しいただけのオブジェではなく、もう一度人の役に立つ実用的なものに変えましょう。これは、ものを作ることを仕事にしている私の小さな抵抗です。それによって、この大量のゴミに目を向けてもらえるように。私はこれを自分の最後の仕事だと思っています。-----
2017年09月23日
富山県人の私が楽しみにしていた展覧会が始まりました!『燦めきの日本画 ―石崎光瑤と京都の画家たち―』-----概要この物語は、石崎光瑤を軸に展開します富山県福光に生まれ、少年期、金沢で琳派の絵師山本光一に学んだ石崎光瑤。早熟な才能の芽は、京都に出ると、竹内栖鳳のもとで一気に開花します。明治・大正・昭和を生きた石崎光瑤ら日本画家たちが、京都を舞台に活躍する様子を、35作家55作品でご紹介します。-----今年は石川県立美術館の友の会の会員になったため、展覧会の開会式への招待券が送られてきていました。4月にも一度その機会があったのですが、そのときは都合が合わなかったので、開会式とやらへの参加は今回が初めてです。。館長等の挨拶のあと、テープカットが行われ(よくテレビで見たシーンだ)、そのあとにぞろぞろと会場へ入って作品を観ます。富山県の福光美術館の協力を得て、福光美術館蔵の作品が多数展示されているのですが、圧巻の作品だらけでした。素晴らしいのひと言!会員特典の入場券もあるので、もう一度観に行こうと思います。
2017年09月23日
石川県立美術館のコレクション展を観に行ってきました。今回のコレクション展はいつもに増して見どころ満載でした。特に印象に残ったのは、『鴨居 玲 ―酔って候―』。いつも観ていた作品(タイトルを度忘れ)も、その色遣いと筆遣いから強く語りかけてくるものを感じていたのですが、こんなに所蔵しているのか!と思うほどの作品が展示室に並んでいると、圧倒されました。概要を読むと、命日の9月7日を含む期間にほぼ毎年特集を開催してきたよう。来年の開催も楽しみですが、この会期中にあと2回くらい観に行きたいと思います。もう一つ印象的だったのは、『秋の名品展 近現代絵画・彫刻』のなかの、洋画部門の風景作品。メキシコを描いた作品(『午後の町』)は、とても色鮮やかで心が躍るような感じがしたのですが、作品解説に「北陸の画家に見られる重い色彩に悩んだ作者は、制作が進まなくなり、転機を求めてメキシコに渡った。」とありました。それを読んで、「やっぱり北陸の画家は色彩が暗いんだ…」と思った次第。福岡県立美術館で感じたのは間違いではなかった。。
2017年09月03日
加賀市美術館 開館20周年記念特別展 空と大地の画家 森本 仁平展 ― 写実から詩情へ ― を観に行ってまいりました。----- 平成9年9月、加賀市の玄関口であるJR加賀温泉駅前に、加賀市美術館(当初は加賀アートギャラリー)がオープンしました。記念すべき開館記念特別展は「森本仁平展」。当館は「森本仁平」により幕を開けたのです。 開館20周年を迎える今年、初心に返り皆様への感謝を込めて、今一度、森本仁平の大展覧会を開催いたします。 今回は、加賀市では初公開となる一関市博物館(岩手県)に寄付された仁平の初期作品をはじめ、西磐井教育会館、石川県立美術館、そして当館の所蔵作品など初期から晩年にいたる合計56点の作品などをを一堂に展示します。 森本仁平(明治44年<1911>~平成16年<2004>)は石川県加賀市大聖寺に生まれました。幼時に東京へ移住し、昭和7年<1932>東京美術学校師範科を卒業、美術教師として岩手県一関へ赴任しました。その後朝鮮、東京、再び朝鮮と幾度か転任し、20年4月朝鮮で現地召集を受け、終戦後、ソ連軍の捕虜となりシベリアへ強制連行されます。しかし、残してきた妻と三人の子どもを憂い脱走を決行、命からがら山岳地帯を1,000kmも踏破して妻子と再会を果たし引き揚げ船で帰国、一関に帰るという壮絶な体験をしたのです。 戦後は一関で日本美術会一関支部を結成、日本美術界のアンデパンダン展に出品、26年に東京に転任し、自由美術協会に出品を重ねます。この頃の作品は社会派としての制作であり、自由への批判精神を作品から見ることが出来ます。47年教員生活を終了後、画業に専念する60歳前後から、作風が変化します。 49年制作の「空の肖像」(石川県立美術館蔵)は初めて写実を志向して描いた作品で、遠くを見据える老人は作者自身であり、還暦を過ぎ、永く勤めた教職も終え、画業一筋を決意したときの自画像です。仁平にとって人物画は数少なく、本領は風景画にあるといえますが、ここにみられる重厚で的確な描写からは決意を秘めたまなざしを感じることが出来ます。 戦後の社会情勢に肉迫したシュールレアリスム的作風から、今日よく知られるノスタルジックな詩情あふれる風景画までの、森本仁平の画風の広がりを、ぜひご覧ください。(チラシより)-----友の会の会員になった石川県立美術館に所蔵されているというものの、まだ私は観たことがありませんでした。が、ある人がツイッターでこの展覧会を紹介しており、調べてみたら、にわかに観たくなったという次第。金沢駅から加賀温泉駅までは普通列車で約1時間。金沢の人が「加賀は遠い」という理由がわかりました。1時間あれば、富山(県庁所在地の富山市)まで行けます。。でも観に行ってよかったです。私の好きな画家になりました。作風が変わる前の作品も、変わったあとの作品も好きです。また石川県立美術館のコレクション展で出会えるのを楽しみにすることにします。
2017年08月20日
お盆休みは16日までという人が多いだろうと思い、あえてお盆休み明けまで待って石川県立美術館へ行ってきました。(とにかく人混みは避けたい)7月30日に記念講演会を聴きましたが、内容の充実さに聴いただけで疲れてしまい、実際の鑑賞は先送りにしたのです。。『これぞ暁斎! ゴールドマン・コレクション』おもしろかったです。鴉や蛙などあまり取り上げられない動物を多く描いているのがおもしろいです。あわせて石川県立美術館のコレクション展も観てきました。また、観るつもりはなかったのですが、金沢21世紀美術館にも寄って美術館のリーフレットをもらってきましたが、まだ夏休みだからか、こちらは若い人を中心にお客さんが相変わらずいっぱい。こちらの企画展が11月5日までであることを確認し、観ずに美術館をあとにしました。
2017年08月17日
金沢21世紀美術館で『日々の生活 – 気づきのしるし』日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念展 を観てきました。■概要デンマークと日本は、それぞれの歴史や文化を背景に、ときに影響し合いながら発展してきました。特に、機能と実用性に加え、美しい意匠をまとった優れたデザインは、両国の文化的アイデンティティと美意識を示すものとして、極めて高い評価が与えられています。デンマークは、建築、家具、生活用品をはじめ、福祉、教育、交通網など、国のグランド・デザインも含めた優れたモデルを構築して、屈指のデザイン大国として世界の人々の強い関心を集めてきました。一方の日本は固有の文化・思想に基づき、時代の象徴となるデザインを創造し、小型でシンプルな形を可能にした技術力、素材の特徴を最大限に引き出す伝統の技とその継承によって、デザインの分野でも独自の価値を提案し続けています。本展では、日本とデンマークのデザイナー、建築家、アーティストによる、日常を豊かにする気づきの「現れ」を紹介し、デザインを通して両国の現代の暮らしに見るモノとコトについて考察します。観る前に、関連プログラムとして開催されたレクチャートークを2つ聴きました。-----トーク・シリーズ VOL.1原 研哉(日本デザインセンター代表)「辺境の洗練ー日本の簡素とデンマークの簡潔」※2002年に無印良品のアドバイザリーボードのメンバーとなられたので、無印良品の哲学をお話くださいました。日本の「空(くう)」という概念の説明がわかりやすく、その良さを再認識しました。-----トーク・シリーズ VOL.2ルイーセ・カンベル(デザイナー)「自分のペースを探して ― 走る人々の時代に歩く人であることの挑戦」※「走る人々の時代に歩く人であること」というタイトルに魅かれました。私もそうありたいと考えているから。気が遠くなるような時間をかけて、丁寧な作品づくりをなさっておられます。-----
2017年08月05日
夜の富山でのコンサートのため、有休を取りました。有休申請したあとに、この日に対応しなくてはならないことが発生したため、お昼に1時間ほど出社。13:20発の高速バスで富山へ。(それにしても、このバス、えらく人が乗っていた)終点の富山駅前でおりて、富山駅前から富山県美術館行きのバスに乗り換え。美術館の開館に合わせて、路線が延長されました。1時間に3本くらいあります。乗り場には何人かの人がいたのですが、美術館行きのバスに乗ったのは私ひとり。それ以外の方々は別のバスを待っていたようで…。貸し切りかよwww とバツの悪い思いをしながらバスに揺られること5分くらい???何せ、歩こうと思えば歩ける距離ですので。(美術館のサイトには、富山駅からは徒歩20分と書いてある)ただ、この時季なのでムリに歩くのは避けようと思ったのと、バスがどのルートを通るのかを単純に知りたかった(笑)。なかなか楽しいドライブになりました。世界一美しいスタバがある環水公園を左手に見ながらバスは進みます。 【2017年の真実】悲報!世界一美しいスタバは既に富山環水公園店ではなかった 世界一美しいスタバと言われる「富山環水公園店」に行ってみた! 私のためだけに走ってくれたバスは富山県美術館に到着!開館は8月26日ですが、中に入ることはできます。いまは開館時の企画展に向けての準備中で展示室は封鎖されていましたが、素晴らしい空間でした。こうなってくると、美術館自体が偉大な芸術作品ですね。この日はあいにく見られませんでしたが、立山連峰の方角は全面ガラス張りになっており、立山連峰を眺めるためだけに来るというのもアリです。開館が楽しみです♪
2017年07月28日
石川県立美術館のコレクション展(いわゆる常設展)が7月13日から展示替えになったので、出かけてきました。「美術館だより」が毎月届く理由がようやくわかりました。ほぼ月に一度のペースで展示替えになっているので、その内容をお知らせするための「美術館だより」だったのです。さて、第4展示室で展示されていた『脇田 和 ―かくれんぼ―』が印象に残りました。この感じ、私は好きです。~「美術館だより」より~ 当館は平成27年度に(一財)脇田美術館より317点の脇田和作品の寄贈を受け、現在321点の脇田作品を収蔵しています。平成3年に脇田和が軽井沢に美術館を建てる際に厳選した作品とそれ以降の代表作を主体とする、油彩154点、水彩素描72点、版画95点の一大コレクションです。毎年これらの作品の中からテーマに基づいた特集展示を行いますが、今回は「かくれんぼ」と題して、子供や窓をモチーフとした作品をご覧いただきます。 脇田の作品は鳥や子供がほのぼのと描かれ、童話の世界をうかがわせますが、一方何が描かれているのか判然としないという声を聞くこともあります。初めドイツでデッサンを学んだ脇田の作品は、厳格な線と形を見せていました。しかし、戦後、形体は簡略化され、記号化された人物や鳥、草花が、ぼかしを伴う淡く美しい色彩で描かれるようになっていきました。 今回展示する《裏町の居酒屋》では茶褐色の画面に大きな四角が描かれ、その中に酒瓶やグラスや電球が描かれ、人間らしき人型がうっすらと見えますし、《二組の家族》では大小の矩形で細かく画面を区切り、それぞれに顔などが描かれます。茫洋とした中に喜怒哀楽が込められる脇田作品は、中に入り込み、探しものをするような楽しみに満ちています。-----別の展示(『北陸ゆかりの画聖1』)で8月5日に展示替えがあるようなので、それ以降にもう一度コレクション展(いわゆる常設展)を観に行こうと思います。今度は、『脇田 和 ―かくれんぼ―』をじっくりと。軽井沢の脇田美術館にも行ってみたいです。
2017年07月17日
こちらも早く観に行かねばと思っていたのに、気づいたら同じく会期終了まで一週間。石川県立美術館のあと、慌てて観に行ってきました。~概要(チラシより)~きわめて細いペン先から壮大な世界を描き出すアーティスト、池田学(1973-)。1日に握りこぶしほどの面積しか描くことができないという画面は、緻密な描写や壮大な構成によって裏打ちされた、現実を凌賀するかのような異世界の光景を現出させ、米国をはじめ世界的に大きな評価を得ています。本展覧会は、池田の画業の全貌を紹介する、初めての大規模な個展です。中でも米国ウィスコンシン州のチェゼン美術館の滞在制作プログラムにより3年にわたって制作された新作《誕生》は必見です。-----遠目に見ると『バベルの塔』を思い起こさせる作品です。近くに行って細部を見ると、背筋がぞくっとするほどの細かさで、全体を描くのにいったいどのくらいの時間がかかるのだろうと思うと気が遠くなりました。ポストカードを買いたい衝動に駆られましたが、その枠のなかでは作品の凄さは伝わらないと思い断念。国内の美術館にも所蔵されているようですので、機会があればもう一度見たいです。池田学展 The Pen ― 凝縮の宇宙 ―
2017年07月02日
日本画が好きなのと、草花を描いた作品ということで、観に行かなきゃ!と思っていたのに、気づいたら会期終了まで一週間。ということで、今年度初めて友の会の会員になった石川県立美術館へ行ってきました。会員証を提示すると、コレクション展(いわゆる常設展)を無料で観られます。行ってみて「失敗した!」と思ったのは、この池田瑞月の展覧会は会期中にかなりの入れ替えがあったということ。そして、行ってみて初めて気づきました。。なんたる失態。~概要(パンフレットより)~ 池田瑞月(1877―1944)は金沢に生まれ、生涯草花を愛した日本画家です。その存在は、地元金沢でも未だ詳らかではありませんが青々会や金城画壇の欠席にかかわるなど金沢で活動したことや、20代後半で京都の木島櫻谷(1877―1938)に師事したことなどがわかっています。入門当時、櫻谷はすでに押しも押されもしない実力派の日本画家でしたが、同年輩の画家に弟子入りした瑞月の、虚心坦懐な姿がうかがえます。そんな瑞月がもとめたものは、中央画壇での華々しい活躍ではなく、自らの筆で移ろいゆく植物の姿をとどめておくことだったのではないでしょうか。 今回紹介する《草木写生画巻》は、瑞月の画業をもっともよくつたえるものです。瑞月が心血を注ぎ、半生を費やした精進の証は、全14巻におよぶ大作として結実しました。現在はそのうちの11巻が確認されます。昨年末、瑞月のご子息より当館へ寄託され、本展開催の契機となりました。 また瑞月の代表作となる《蘭花譜》の原画、櫻谷の系譜を継ぐ花鳥画、瑞月には珍しい歴史人物画などの展示を通し、本県においては謎多き画家池田瑞月の横顔を紹介します。-----亡き母が草花を好きだったので、誕生日や母の日に植物図鑑をプレゼントしたことがあります。展示を見ながら、「母が見たら喜んだだろうに」と思いました。軸を季節ごとに架け替えたら素敵だなぁと思いました(床の間のある和室があればですが)。特別陳列 日本画家 池田瑞月 草花へのまなざし
2017年07月02日
ミュシャ展、バベルの塔展ともに予定よりも早く観終ってしまいました。(あまり待たなくてよかったことと地下鉄の乗り換えがうまくできたことが勝因)新幹線の時刻までだいぶ時間があったので(お得な切符を購入したため変更できない)、国立西洋美術館へ行くことに。世界遺産に決まってから行っていなかったので、外観を眺めるつもりではいたのですが、バベルの塔展で『スケーエン デンマークの芸術家村』のチラシを見て、立ち寄ることにしました。2泊ではありますが、以前デンマークでホームステイをしたことがあり、デンマークには関心があるので。-----潮風が舞う荒野、白い砂浜、どこまでも広がる空と海。バルト海と北海にはさまれたユトランド半島の最北端に位置するスケーエンは、19世紀のデンマークの人々にとって、自国の中の異郷でした。しかし1870年代から、首都コペンハーゲンで活動していた若い画家たち数人がここを訪れ、その広漠とした自然の光景に惹きつけられます。スケーエンの独特の風土は次第に芸術家たちのあいだで関心を呼び、鉄道の駅も港さえもなかった小さな漁村は、19世紀末から20世紀初めにかけて、北欧の国々から画家や詩人、作曲家などが集まる国際的な芸術家村として知られるようになりました。スケーエンを制作の拠点とした画家たちは、フランスに発祥してヨーロッパ絵画の新しい潮流となっていた自然主義の考え方に立ち、漁師たちの労働、海辺の風景、素朴な村人たちの生活、芸術家とその家族の日常を題材とした作品を描きました。現実そのものの中から自然と人間の本質にかかわる主題を見出した彼らの作品は、当時のデンマークの美術界に「近代の革新」と呼ばれる転換をもたらし、今日もなおみずみずしい魅力を放っています。デンマークと日本の外交関係樹立150周年を記念して開催される本展は、スケーエン美術館が所蔵する59点の作品により、デンマークの近代美術を代表するスケーエン派の絵画を紹介します。-----ミカエル・アンカーの、漁師たちを描いた作品はおそろしくリアリティがありました。デンマークと日本の外交関係樹立150周年を記念したものに、記念切手の発行もあります。私の誕生日である5月2日に発行されたのですが、150年前の5月2日に修好通商航海条約が批准されています。「日デンマーク外交関係樹立150周年」の発行
2017年05月18日
開催時期がカブっているなら、ハシゴしようと思い、ミュシャのあと、バベルの塔展も観に行ってきました!私は初めての海外旅行でウィーンへ行ったとき、美術史美術館で『バベルの塔』を観ました。(撮影不可なので、ポストカードを買ってきた)今回は、オランダ・ロッテルダムのボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館所蔵の『バベルの塔』です。ブリューゲルはバベルの塔を題材に少なくとも3作品を制作したとされていますが、現存するのは上記の2点とのこと。ウィーンで観たときのことはほとんど覚えていません。今回観て、「え!? こんな小っちゃいの???」と思いました。題材が大きいから、作品も大きいと勝手に思っていたのかもしれません。ミュシャ展を見た直後だったから尚更かも。
2017年05月18日
念願のミュシャ展を観に行ってまいりました!今回すごいのは、縦6メートル、横8メートルの超大作《スラヴ叙事詩》がチェコ国外で初めて全20点が公開されていることです。大きさにまず圧倒されますが、「原故郷のスラヴ民族」の青のなんと美しいこと。涙がこぼれそうなほどです。
2017年05月18日
メルマガの1月23日号「ことごとく遅れている件(その2)」に書いていた『クラーナハ展 500年後の誘惑』を観に行ってまいりました。『クラーナハ展 500年後の誘惑』だいぶ以前、シャガールか何かを観に名古屋へ行ったことがありました。開館時刻目がけて会場に着いたのですが、着いてみると入場券を買う人たちの長い列。。「都会の美術館はやはり違う」と思いました。入場券を買うのに長蛇の列に並ぶのはイヤだったので、今回はコンビニで前売券を買っておいたのですが、国立国際美術館に着いてみると、外からはさほど混んでいる感じはない。館内に入っても同様で、当日券売り場に待機列はなく、クラーナハ展の入口まで行ってもやはり同じでした。何と言うあっけなさ!ちょっと拍子抜けしました。金沢21世紀美術館の当日券売り場のほうがよほど混んでるんですが。しかし、そのおかげでちょうどよいお客の入り具合で、まったくイライラすることなく、思う存分、心ゆくまでじゅうぶんに堪能できました!「艶っぽくも醒めた、蠱惑的でありながら軽妙なそれらの女性像は、当時の鑑賞者だけでなく、遠く後世の人々をも強く魅了してきました」と、国立国際美術館の解説にありますが、まさにそのとおり。展覧会の公式サイトや雑誌『芸術新潮』で作品は見ていましたが、本物から放たれるそのパワーはハンパなかったです。重かったのですが、図録も購入。じっくり眺めます♪
2017年02月18日
”工芸”はちっともわからないのですが……(笑)。ラジオのニュースを聞いていたら、東京国立近代美術館工芸館が石川県へ移転するとのこと。石川県は国内でも特に伝統工芸が盛んな地域で、藩政期からの伝統技術は現代に受け継がれ、また、伝統的工芸品は身近な道具として、生活に溶け込んでいます。痴呆創世の観点から、国が政府関係機関の地方移転を進める中、このようにして地域に根付いた水準の高い工芸文化が評価を受け、移転が決まったようです。開館は、東京五輪が開催される2020年を目指しているとのこと。日本海側初の国立美術館になります。というわけで、以上の経緯を知って、にわかにこの展覧会に興味を持った次第。今日は14時から学芸員さんによるギャラリートークがあったので、その時間に合わせて出かけてきました。東京国立近代美術館工芸館名品展 近代工芸案内[概要]日本海側初の国立美術館として、東京国立近代美術館工芸館が石川県金沢市に誕生することとなります。国内だけでなく、世界に向けて日本の工芸の素晴らしさを発信する絶好のチャンスと捉えています。新しい施設に、県内外からも足を運んでいただき、日本が世界に誇る工芸を体感・共有し、さらには北陸の工芸を盛り上げていくきっかけにしたいと考えています。工芸館について知っていただくため、工芸館の所蔵作品の中から選りすぐりの優品約50点を紹介します。作品一覧富山県出身の石黒宗麿さんの作品も展示されていたのですが、この方の偉大さが学芸員さんのお話を聞いて初めて知りました。。穴があったら入りたいくらい恥ずかしかった。このことを知ることができただけでも聴きに行ってよかったです。。
2017年01月29日
金沢21世紀美術館で開催中のトーマス・ルフ展へ行ってまいりました。-----トーマス・ルフ(1958年ドイツ、ツェル・アム・ハルマースバッハ生まれ)は、アンドレアス・グルスキーやトーマス・シュトゥルートらとともにデュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に学んだ「ベッヒャー派」として、1990年代以降、現代の写真表現をリードしてきた存在です。本展では、世界が注目する写真家の、初期から初公開の最新作までを紹介します。ルフは初期に発表した高さ約2メートルにもなる巨大なポートレート作品で注目されました。それ以降、建築、都市風景、ヌード、天体などさまざまなテーマの作品を展開、それらを通じ、現代人をとりまく世界のあり方についてのユニークなヴィジョンを提示してきました。私たちの視覚や認識に深く組みこまれた写真というメディアそれ自体も、ルフ作品の重要なテーマのひとつです。ルフは自ら撮影したイメージだけでなく、インターネット上を流通するデジタル画像からコレクションしている古写真まで、あらゆる写真イメージを素材に用い、新たな写真表現の可能性を探究しています。本展は、初期作品である「Interieurs」や評価を高めた「Portraats」、少年時代からの宇宙への関心を背景とする「cassini」や「ma.r.s.」、インターネット時代の視覚・情報空間を問う「nudes」や「jpeg」、そして新作「press++」など全18シリーズ約160点で構成されます。-----写真に興味があるわけではないのですが、トイツのアーチストということで関心があり、会期前にコンビニで前売券を買い、「絶対に行くぞ!」と気合いを入れていました。12月10日から始まっていたのに、今日ようやく行ったのは、「トーマス・ルフ:アイデンティティの写真から、写真のアイデンティティへ」というレクチャーがあったから。講師の清水 穣さんは、日本でいちばんルフに詳しい方とのこと(美術館の方 談)。1時間半のレクチャーでしたが、とてもおもしろいお話でした。やっぱり必ず”ナチス”が出てきます。。トーマス・ルフ展
2017年01月28日
富山県立近代美術館の隣には、富山市科学博物館があります。この日はクリスマスにちなみ、この日だけのプラネタリウム上映があったので、15:45からの回を見ました。スペシャルプラネタリウム「クリスマス」クリスマスの頃の星空や、クリスマスツリーの頂を飾る星の意味についての解説がありました。(解説が聞きたかったんですよねー)ここの入館料は、「土日祝日は高校生以下が無料」「土曜日はカップルが無料」なため、クリスマスイブのプラネタリウム上映を一人で見ている人はさすがにいなかった模様wもはやそんなことを気にする歳でもないし、やりたいことをやるには一人で行動せねば(笑)。
2016年12月24日
富山県立近代美術館は、1981年7月に開館しました。35周年にあたる今年、震災強度の不足等にともなう移転新築にあたり、2016年12月28日をもって閉館します。閉館する前に、移転前最後の企画展は観に行かなきゃと思っていたところ、お得な情報を入手しました。富山近美友の会へようこそ!今月中に友の会に入会すると、 ・富山県立近代美術館の最後の展覧会「MOVING!」のチケットをプレゼント。 ・喫茶ラウンジ「プリズム」のコーヒーチケット2枚(有効期限:平成28年12月28日)を進呈。 ・通常なら平成29年3月31日までの有効期限が平成30年3月31日までとなり、1年間分お得に。 ・豪華!所蔵品のはがきセット(なんと!57枚入り)と、めちゃめちゃお得なので、これを機に入会することにし、入会申込書をダウンロードして記載したうえで、窓口へ持参しました。この日は14時から学芸員によるギャラリートークがあったため、この日に行くことにしたのですが、上記の特典を手にするや否や無料のコーヒーチケットでコーヒーを飲みました。ここの喫茶コーナーは、両親とも鑑賞後によく立ち寄りましたし、中2階にあるため、窓の外から公園の景色もよく見えて、好きな場所でした。コーヒーを飲みながら、ぼんやりと外を眺めていると、「そういえばここ、昔は刑務所があったんだよなぁ…」なんて思い出したり。(市街地に刑務所があるのはいかがなものか?ということで刑務所は郊外に移転。その跡地に美術館が建てられたのでした)コーヒーを飲んだあとに「MOVING!」の無料チケットで入館。ギャラリートークとともに充実した1時間を過ごしました。その後、常設展もしっかり見て、移転前の美術館との別れを惜しみました。ありがとう近代美術館 PART2 MOVING!― ミュージアムが「動く」出品リスト
2016年12月24日
会期があと3日!というところで観に行ってまいりました。浅野総一郎 ― 九転十起の生涯-----果敢な実行力と不屈の精神で、日本の近代化に大きな足跡を残したのが、富山県出身の実業家・浅野総一郎です。若くして大商人になることを夢見、多くの事業を手掛けるも、失敗。それでも、何度でも挑戦する不撓不屈の精神で、失敗のたびに立ち上がり、自分の信じる道を突き進んでいきました。やがて竹皮・薪炭・コークスなどの商いで成功。セメント事業を足掛かりにとして、海運業や炭鉱開発、埋立事業、水力発電などへと事業を展開し、一代で浅野財閥を築く大実業家へと躍進していきました。本展では、総一郎の何度失敗してもくじけないたくましさや、社会に役立つ領域にいち早く着目し、事業を展開していった卓越した先見性・行動力を、資料をとおして紹介します。また、最大の理解者であり支援者であった渋沢栄一や安田善次郎との関わりから、人間・浅野総一郎を浮き彫りにします。(チラシより)-----この日を選んだ理由は、テレビ番組上映のあとギャラリートークがあったから。テレビ番組は、地元のテレビ局が10年前に制作したもの。そのころはまだ富山に住んでいましたが、この番組は見ていません。この「越中人譚」というシリーズにはとても興味があったのですが、いかんせん放送時間に家に居ることがなかったため、見れた試しがなかったのです。。(録画をしてまで見ようとも思わず。。)私が浅野総一郎を知ったのは、大変お恥ずかしいことにこれを見たとき。↓恋するフォーチュンクッキー 富山県 Ver. / AKB48[公式]いい歳をして、それまでまったく知らなかったのです。。さて、見たテレビ番組は、「越中人譚 時代の冒険者たち 第一話 ~近代日本を築いた越中魂~(浅野総一郎/安田善次郎)」です。(2006年 チューリップテレビ 50分)そのあと、この企画展を企画した担当員の方による展示解説がありました。大変わかりやすい説明でした。一人で見ているよりは間違いなく頭に入りますし、興味が増します。
2016年12月17日
映画のあと、金沢21世紀美術館へ行ってきました。ご存じの方も多いと思いますが、とても人気のある美術館で、観光客もたくさん訪れています。今日は、金沢21世紀美術館の「美術奨励の日」。市民がより美術に親しみ、豊かな心を育むよう、この日は、金沢市民が金沢21世紀美術館主催の「コレクション展」を無料で観覧できます。まだ富山に住んでいたころ、たまたまこの日に観に行ったことがあり、「いいなー、金沢の人は」と思ったものでした。ところが、金沢に引っ越してまる5年経とうというのに、この恩恵にあずかったのは今日が初めてwww「コレクション展」― つまり常設展しか観られないのですが、ちょうどよいボリュームでした。映画館から美術館までは歩いて10分弱の距離ですが、今日はお天気が良くてあったかいうえに、中央分離帯の並木がきれいに紅葉していて、とても気持ちよく歩けました。美術館で過ごす時間も増やしたいと思います。コレクション展2 ダイアリー/粟津潔と建築
2016年11月12日
せっかく長野へ行くのだからと、善光寺のお参りは時間的に難しいだろうと思ったので、その隣の、大好きな東山魁夷館へ行くことにしました。長野駅前から善光寺まではバスで。駅前も善光寺周辺も、思ったよりは混んでいなかった。お参りの待機列は長いけれども。12時台という時間帯のせいか、歩きながら食べたり飲んだりしている人が多い。飲食店に入るために並んでいる人も多い。前日に地震があったとは思えないほどwが、善光寺の隣にある東山魁夷館まで来るととても静か。常設展 第II期「白夜の旅」年間テーマは「魁夷をよむ」。東山が遺した随筆作品をベースに、それに呼応する絵画作品で展示を構成します。第II期 「白夜の旅」では、北欧の風景を描いた作品を中心に展示します。北欧へは一度だけ行ったことがあります。私も行ったところの風景があったりして、懐かしく思いました。東山魁夷館で絵を観たら、気持ちも晴れてきてだいぶ落ち着いてきました。来てよかった。”ここ”へは。7月11日から長野県信濃美術館で「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画「マネジメントの父」が愛した日本の美」が開催されるようです。これ、観たいですねぇ。
2015年05月31日
富山の地元紙より五人展が最後との報を知り、出かけてきました。昨年亡くなった大島秀信さんの作品が好きでしたが、自然を描いた作品が師事なさった東山魁夷のそれと通ずるところがあるからかもしれません。私は東山魁夷も好きなのでして…。明日、アウェイ長野戦を観る前に東山魁夷館へ行く予定にしています。善光寺の御開帳最終日はパスして(笑)。-----最後の5人展 県民会館で28日開幕(2015年05月28日 00:13)ことしで最後となる「5人展」の展示作業が27日、県民会館美術館で行われた。メンバーの一人で昨年亡くなった富山市の日本画家、大島秀信さんの追悼展となる。会場には、新たな美の表現に挑み続けてきたメンバー5人の大作が次々と飾り付けられ、28日の開幕に向けて準備が整った。入場無料。北日本新聞社主催。5人展は1969年にスタート。斬新な発想の作品を毎年発表し、40年以上にわたって県美術界に刺激を与えてきた。メンバーだった洋画家の鶴谷登さん(高岡市出身)、鉛筆画家の頭川政始(まさし)さん(同)の2人が既に他界していることに加え、中心的な存在だった大島さんが亡くなったことから、今回で幕を閉じることにした。メンバーの洋画家、野上祇麿(ただまろ)さん(富山市)と林清納(きよの)さん(砺波市)を中心に作業を進め、色合いや陳列の間隔、順路などを考えながら会場を構成した。作家ごとに空間を仕切り、個展形式で作品を展示。新作や遺作をそろえ、5人展の軌跡を伝えるようにした。大島さんの色紙や愛用品も飾った。野上さんと林さんは「来場した皆さんと一緒に、自分たちの足跡をたどりたい」と話した。-----最後の「5人展」開幕 県民会館美術館(2015年05月29日 00:35)■大島さんしのび、「40年」振り返る今回で最後となる「5人展」が28日、県民会館美術館で開幕し、初日から美術ファンや画家らが続々と詰め掛けた。出品作家の一人で、昨年亡くなった富山市の日本画家、大島秀信さんの追悼展でもあり、遺作11点をそろえたほか、現役メンバーの新作など計36点を紹介。来場者は、40年以上にわたる歴史を振り返り、なおも尽きない創作への熱意を感じ取っていた。6月1日まで。北日本新聞社主催。5人展は、当時気鋭と呼ばれた作家たちが1969年に始めた。毎回、斬新な発想の作品が並び、県内外の作家たちに刺激を与えていた。メンバーだった鉛筆画家の頭川政始(まさし)さん(高岡市出身)、洋画家の鶴谷登さん(同)の死去も乗り越え回を重ねてきたが、リーダー的な存在だった大島さんが他界し、今回で幕を閉じることにした。作家ごとに空間を仕切り、個展形式で作品を飾った。大島さんは、過去の出品作の中から、第1回展に出した「赤いグラス」など代表作を集めた。洋画家の野上祇麿(ただまろ)さん(富山市)は「記憶の風景」シリーズの5点、林清納(きよの)さん(砺波市)は「ガンガーの女」シリーズの7点を発表。鶴谷さんと頭川さんのコーナーには、遺作計13点を飾った。開場と同時に大勢が来場し、急きょ解説会も開かれた。林さんはメンバーと主張をぶつけ合ったことを振り返り、「仕事への姿勢が厳しく、毎回どんな作品で挑んでくるのか、楽しみにしていた」と語った。野上さんは「終了は寂しいが、新たな一歩を踏み出すきっかけにしたい」と述べた。開幕直後に訪れた富山市の洋画家、水島紅児さん(73)は「大先輩の作品がそろう最後の機会と思うと、胸に迫るものがある」と話し、同市の日本画家、佐藤日出信さん(78)は「40年以上続けてきたパワーに圧倒された。刺激を受けてきたので残念」と惜しんだ。-----日本画家の大島秀信氏死去(2014年08月31日 01:10)県内画壇をけん引してきた日本画家で、元日展参与の大島秀信(おおしま・ひでのぶ)氏が29日午後9時7分、肺炎のため富山赤十字病院で亡くなった。86歳。自宅は富山市五福581の5。通夜は9月1日午後7時、葬儀は2日午前10時からいずれも富山市稲荷元町のセレモニーホール平安で。喪主は妻、和子(かずこ)さん。戦後間もなく日本画家を志した。日本画家の東山魁夷(かいい)と川崎小虎(しょうこ)に師事し、1951年に23歳で日展に初入選した。「自然との共生」をテーマに叙情的な画風を確立し、70年に特選・白寿賞、81年に特選を受賞した。69年には県内の中堅作家4人と共に「5人展」(北日本新聞社主催)をスタート。今年5月の41回展まで毎回、実験精神あふれる作品を発表し続けた。県美術連合会長や県日本画連盟委員長を務め、後進の育成に力を入れてきた。1995年に北日本新聞文化賞を受賞。2010年には、県と県立近代美術館、県水墨美術館に、初期作品や日展出品作など28点を寄贈した。今月6日、定期健診で肺炎であることが判明し、入院していた。■自然と文明 関係問う自然を破壊しなければ、繁栄を手にできない人間とは何なのか。29日夜に亡くなった富山市の日本画家、大島秀信さんは、作品を通して自然と文明の関係について問い続けた作家だった。幼いころから絵を描くのが好きだった。画家になることを決意したのは戦後間もなく。焼け野原になった富山平野から立山連峰を見て、無性に絵を描きたくなったという。「公募展に挑むなら、最も競争の厳しいものにしよう」と国内最大の総合美術団体・日展に出品。1970年には、氷見の巨木をモデルにした「樹蒼」で特選・白寿賞を受賞。自然を描きつつ、畏怖(いふ)の念を感じさせるメッセージを込めた画面は、師事した東山魁夷(かいい)ゆずりだ。日展という日本画壇の「保守本流」で会員、評議員と着実にステップアップする一方、富山という地方から表現の革新に挑もうとした。躍の舞台としたのは、同世代の仲間と始めた「5人展」。自然美を描いてきた日展出品作とは対照的に「社会」や「人間」をモチーフにした。時には愛車を会場に持ち込み、奇抜なペイントを施して来場者を驚かすこともあった。酒を酌み交わせば、作家仲間と芸術論を戦わせる一方で、自らの体験を交えたユーモラスな話で場を沸かせた。常に作家たちの輪の中心にいた。訃報を聞き、今さらながら86歳だったことに驚かされた。ジーンズを履きこなし、講師を務める北日本新聞カルチャー教室や展覧会などには自慢のスポーツカーで乗り付けた。「やりたいことができた幸せな人だった」と妻の和子さんは振り返る。美術の魅力を伝えようと全力で走り続けた人生だった。(文化部・黒田修一朗)■「ライバル失った」 県内外の画家悼む「ライバルを失った」「もっと教わりたかった」―。富山市の日本画家、大島秀信さんが29日夜、亡くなったことを受け、共に切磋琢磨(せっさたくま)してきた県内外の画家たちからは、突然の死を悼む声が相次いだ。大島さんは20代の時、日本画家の東山魁夷(かいい)と川崎小虎(しょうこ)に師事。小虎の長男で、当時大島さんと一緒に指導を受けた元日展参与、川崎鈴彦さん(89)=東京=は「東山先生に若手のホープとして注目されていた。世界に通用する美術の流れを起こそうと、一生懸命だった」と振り返る。県内作家による「5人展」(北日本新聞社主催)には、1969年の1回展から毎回参加。メンバーの一人、洋画家の野上祇麿(ただまろ)さん(84)=富山市=は「快活な性格で私たちを引っ張ってくれた。突然のことで言葉が見つからない」と肩を落とした。ことし5月に開かれた41回展には新作5点を発表し、次回展への意欲も示していた。もう一人のメンバーで洋画家の林清納(きよの)さん(78)=砺波市=は「どんな作品を出品するのか、毎回楽しみだった。ライバルがまた一人いなくなった」と言葉少なに語った。日展をはじめ、県展や越中アートフェスタなど、各種公募展の審査員を務めた。県日本画連盟委員長の坂田潤世さん(54)=立山町=は「私自身の作品の至らない点を的確に指摘していただいた。まだまだ教わりたかった…」と惜しんだ。-----
2015年05月30日
この日はもともと美容院の予約を入れていたのだけれども、七尾美術館で開催される長谷川等伯展を観に行くにはこの日しかない!ということが判明。そのため、美容院の予約を1週間前倒しにしました。大学時代の友人(七尾在住)に会えればと思い、一週間前に連絡したところ、午後から予定が入っている、とのこと。そこで、午前中に彼女に会い、午後から展覧会という予定になりました。七尾までは、金沢から普通列車で約1時間半の旅。県内なのに、時間的には富山へ行くよりも遠い。能登の人が、仕事で金沢へ出てくることを「出張」というのもうなずける(笑)。七尾駅まで友人が迎えに来てくれ、5月3~5日に行われる青柏祭の曳山行事「でか山」が組み立てられている途中を見せてもらいました。そのあと、高澤ろうそくへ。趣向を凝らしたたくさんの種類の和ろうそくがあって、驚きました!お香も置かれていて、とても良い香り♪そして、茜屋珈琲茶房でお茶。「ハンドドリップの店」と、店の外に出ていただけあって、おいしいコーヒーでした。友人とは、いつ以来会っていないのかわかりませんが、最近の老化現象(老眼、白髪など)の話題で盛り上がりました。やはりそういう歳になったのね(笑)。彼女の午後の予定の時刻に近づいたので、お店を退去し、美術館まで送ってもらいました。■長谷川等伯展~日本障壁画の最高傑作「楓図」公開~能登七尾出身で、桃山画壇に大きな足跡を残した絵師・長谷川等伯(1539~1610)。彼が活躍した桃山時代は、織田信長や豊臣秀吉などの好みが色濃く反映した「絢爛豪華」な黄金文化と、千利休が大成した「茶の湯」がおりなす「侘び」の静寂な文化がそれぞれ流行、相対する2つの精神が同居した時代でした。そのことは等伯の制作活動にも反映され、金碧画・水墨画双方で卓越した技量を発揮した彼の代表作が、金碧画の「祥雲寺障壁画」(京都市・智積院蔵)と、水墨画の「松林図屏風」(東京国立博物館蔵)です。さて、当館では等伯を重要なテーマとして「長谷川等伯展」をシリーズで開催し、等伯とその一門「長谷川派」の作品や資料を紹介してきました。そして20回目の開催となる今回は、当館開館20周年という大きな節目の年であるばかりでなく、北陸新幹線の金沢開業、そして能越自動車道七尾氷見道路の全線開通という、七尾市にとっても重要な年になります。その記念すべき年に開催する本展では、「長谷川等伯一門による金碧画の代表作」であり、また「桃山黄金文化の象徴」としても名高い、京都・智積院が所蔵する国宝「祥雲寺障壁画」から、等伯が描いた「楓図壁貼付」を特別公開。さらに、等伯若年期から晩年期に至る彩色画・水墨画や、「長谷川派」絵師たちの制作になる諸作品などを加え、重要文化財5件を含む名品27点を紹介いたします。近世のはじまりに花開いた、「桃山」という時代の息吹を現在に余すところなく伝えてくれる日本障壁画屈指の名作を、ぜひ等伯生誕の地・七尾でご鑑賞ください。
2015年04月25日
13時に美容院の予約を入れていたため、午前中のうちに高志の国文学館と富山県水墨美術館のハシゴを計画。まずは、9時半の開館と同時に高志の国文学館へ行き、「三禅定(さんぜんじょう)の旅」を鑑賞。■三禅定(さんぜんじょう)の旅 ~ 立山・白山・富士山をめぐる ~富山県の東部には「北アルプス」、「立山連峰」、「後立山連峰」と称される標高3,000m級の急峻な峰々が連なっています。その峰々は、四季折々、時々刻々とその姿を変容させては、見る人の心を魅了し、何かしらを県民に語りかけてきた心のよりどころです。立山は、江戸時代前期にはすでに白山・富士山とともに日本三霊山のひとつに数えられ、この三山を中心に、道程の寺社も巡礼する「三禅定(さんぜんじょう)」が盛んに行われていました。本企画展では、この「三禅定」の旅を中心に、立山を旅する文学作品を題材として、その魅力とともに、山と対峙してきた人々のこころを紹介します。お天気がよかったので、高志の国文学館から富山県水墨美術館までは徒歩で移動。15分くらいかな?富山県水墨美術館にはお昼前に着いたので、まずは館内の喫茶コーナーで食事。思った以上に空いていたので、落ち着いていただけました。■横山大観展 富山を愛した巨匠富山県水墨美術館では、北陸新幹線の開業を記念して、近代の日本画と水墨画史に輝かしい足跡を残した、巨匠横山大観の画業を広く紹介します。近代日本画の創造に生涯を捧げた大観は、「日本画総論」(昭和9年)の中で、“日本画の画題について「人事」と「自然」の二つの原則を深く研究し、充分に認識するように努めることが名作を生む秘訣である”と語っています。そこで本展の第一室では、大観が語る画題「人」と「自然」をテーマに、大観が生涯追究し続けた日本人特有の美意識とその表現について顕彰します。また、大観の代表的なモチーフとして知られる「富士山」について、大観自身が「越中立山の頂上から望む冨士はことに良い」と語っていますが、若い頃富山に旅して、作品を残していることはあまり知られていません。そこで第二室では、「旅」をテーマに取り上げ、大観の立山登山を記録した貴重な書簡を手掛かりに、富山で発見された大観の記念写真や、富山の風景を描いた作品等、大観にとって思い出深い富山との関わりをあわせて紹介します。本展は、これら珠玉の名品を通して、高い精神性に裏づけられた大観芸術の魅力をあらためて回顧するものです。よく調べてハシゴしたわけではないのですが、立山と富士山という共通項があり、偶然とはいえ、なんてラッキー☆と思いました。大観の「立山遠望」は水墨美術館蔵とのことですが、これまで観たことがあっただろうか?単に気づいていなかっただけ???掛け軸の立山もよいなぁと思い、ポストカードを2枚購入。1枚は自分用。もう1枚は、21日が誕生日の千葉の友人(富山出身)宛てに送った。
2015年04月18日
井上さんが振るプログラムでしたが、療養中でいらっしゃるので、大植さんが代わりに指揮をなさいました。久しぶりに生で聴く第九。しかも12月ではないときに。しかし、私が思う第九ではなかったため、いまひとつ入り込むことができず…。弦は美しかったけれど、管と合唱はあまり良くなかったような。全体が合っていない部分もあったし。大植さんの勢いで盛り上げた感がありました。ブラヴォーを叫んでいた人がいましたが、私にはちょっと。。----------大植 英次(指揮)菅 英三子(ソプラノ)山下 牧子(アルト)永田 峰雄(テノール)ジョン・ハオ(バス)オーケストラ・アンサンブル金沢合唱団大阪フィルハーモニー合唱団コープランドリンカーンの肖像(休憩)ベートーヴェン交響曲 第9番 二短調 作品125「合唱付」----------
2014年07月05日
婦人科での検診の前に、久しぶりに富山県立近代美術館へ。平日ということもあり、館内はガラガラ。ゆっくり、じっくり観ることができました!永井一正 ポスター・ライフ 1957-2014KAZUMASA NAGAI POSTER LIFE 1957-2014本展は、日本を代表するグラフィックデザイナーであり、世界のデザイン界にも多大な影響を与え続けている永井一正(1929~)のおよそ60年にわたるポスター制作の歩みを回顧する大展覧会です。永井はデザインの仕事を通して、宇宙や生命など、人間にとって変わらないもの、本質的なものを追求し、それをいかに伝えるか、いかにデザインの枠組みから自由になれるかに挑戦しています。開館から30年余り一貫して永井のデザインによって生みだされてきた富山県立近代美術館の企画展ポスターは、世界でも例のないポスターシリーズであり、その圧倒的なデザインの力において、永井のポスター史にとって重要なシリーズとなっています。本展では、このシリーズとともに、初期の作品から、幾何学的な抽象や宇宙を感じさせるシリーズ、そして、生きる意味を追求する「LIFE」シリーズの最新作まで、変化し続ける永井のポスターの軌跡を、約500点の作品を通して紹介します。
2014年04月25日
-----この展覧会は、富山県内にあるコレクター秘蔵の作品の数々を紹介する初めての展覧会です。珠玉の美術作品は、美術館や博物館だけでなく、企業や個人にも数多くコレクションされていますが、一般に公開される機会は少なく、多くは所蔵家の手元で愛蔵されています。こうした、コレクターが情熱を傾けて手に入れた作品や、名家で長く守り継がれてきた作品には、名品といわれるものも多く、また求めた人の思想や美意識が反映され、作品とコレクターとの間の親密な関係を物語っています。そして、個人コレクターが収集の対象とした作品を一堂に見ることによって、 第二次世界大戦後の経済成長を経て、大きく変化した日本の文化の様相を見る機会ともなるでしょう。本展では、主として明治期以降の絵画を中心に、日本画のみならず、フランスの画家たちの油彩画から日本の洋画家たちの作品まで、約80点を紹介します。(チラシより)-----北日本新聞を見ていて、「なんておもしろい企画展をやってるんだ!」と思いました。そして、私の好きなミュシャを持っている企業があるとは!という驚き。郷倉和子さんを鑑賞後、ミュージアムバス「ぐるりん」で移動。ミュージアムバス「ぐるりん」http://www.city.toyama.toyama.jp/kikakukanribu/bunkakokusaika/myujiamubasu.html存在は以前から知っていたのですが、富山に住んでいたときにはどの美術館へ行くにも自転車で事足りたので、乗ったことは一度もありませんでした。しかし、金沢から高速バスで移動してきた身には、交通費を少しでも浮かせたいという思いがあり、事前にかなり綿密な計画を立てました。11時00分 家を出る。11時20分 金沢駅前から高速バスに乗る。12時12分 富山市民病院前で降りる。 歩いて、富山県立近代美術館へ。12時30分 郷倉和子展鑑賞&コーヒータイム14時12分 富山県立近代美術館前より「ぐるりん」に乗る。14時19分 市民プラザ前で降りる。 富山市民プラザ内 トヤマ グラス アートギャラリーの作品を観る。 (途中、百貨店で買い物)15時19分 市民プラザ前より「ぐるりん」に乗る。 15時36分 水墨美術館前で降りる。 お宝拝見―わが社の逸品展鑑賞。バスには2回乗ったわけですが、通常ですとそれぞれ200円かかります。が、無料で乗れたばかりか、路線バスでは停まることのない建物の真ん前で乗降できるのが素晴らしいところ!歩かなくてよいですし、1時間に1本ではありますが、うまくバスの時間に合わせることができれば、こんなに便利なものはありません。今後もちょくちょく使ってみようと思います。そして、この展覧会は前期と後期とで作品の入れ替えがあります。後期には、また別のミュシャが展示されるようなので、11月6日以降にもう一度観に行こうと思います。お宝拝見―わが社の逸品展
2013年10月19日
-----文化功労者で日本藝術院会員の郷倉和子(1914年東京都出身)は、院展を中心に活躍する富山ゆかりの日本画家です(富山県射水市名誉市民)。郷倉は、女子美術専門学校(現女子美術大学)を首席で卒業後、翌年の院展に初入選を果たし、早くから新しい花鳥画を目指していきます。空間の大きさと透き通るような色調を追求した梅の連作は、30年近く描き続けられ、郷倉の代表作となりました。本展では、初期から近年の代表作品やスケッチにより、独特の気品ある画境で自然讃歌に満ちあふれた郷倉和子の世界を紹介します。(チラシより)-----絵描きになりたかった(笑)父の影響で、子どものころから両親といっしょに絵画(特に日本画)の展覧会に行く機会が多かった。郷倉和子さんの作品にもそんなころから親しんできたが、今回、白寿記念の展覧会が開催されているのを知り、観に行きました。講演会やギャラリートークなどのイベントがなかったからでしょうか。土曜だというのにえらく人が少なく、ストレスがないばかりか、のんびりと思う存分、心ゆくまで堪能することができました。常設展では、お父さまの郷倉千靱の作品も紹介されていました。-----院展で活躍している富山ゆかりの日本画家、郷倉和子の秋の企画展開催にあわせ、当館所蔵の郷倉千靱(1892-1975)の作品を紹介します。和子の父、千靱は、院展を中心に活躍した富山県射水市出身の日本画家です。早くから仏教美術や西域文化に憧れ、研究や取材のために国内のみならずアメリカやインドにまで出かけました。異例の速さで画壇に頭角を現し、日本藝術院会員にも任命され、83歳でこの世を去るまで、生涯筆を走らせました。写実を基盤に、花鳥画や神話、仏教美術を題材にした作品など、自然や動物に対する情愛やロマン溢れる作品を数多く描きました。海辺で戯れる童子の姿を生き生きと表現した「海童」。一本の雑草や自然の情景にも深く心を通わせ精神的な趣の漂う「武蔵野の三角畑」。細やかな自然観察と大胆な画面構成による「庭と仔犬」。インド神話をもとにした「慈悲曙光」と「乳の海」、ギリシャ神話をもとにした最晩年の「レダと白鳥」、中国の伝説の仙女を描いた「西王母」。そしてシルク・ロードの仏教遺跡に取材し、悠久の時の流れを思い描いた「野鶏と赤陽」の8点を紹介しています。(公式サイトより)-----観終わったあとは、お楽しみの「企画スイーツ」をいただいてまいりました。今回は、「黄粉と小豆のロールケーキ」をチョイス!サッカーにうつつを抜かすばかりでなく、美術館で過ごす時間も持ちたいものです。白寿記念 郷倉和子展 心の調べ常設展 常設2 郷倉千靱の世界
2013年10月19日
2日に届いた個展のご案内ハガキ。3月に退職したM.Sさんをお誘いして、出かけてきました。ギャラリーは、マダムのご自宅兼ギャラリーとのこと。ふつうのお宅にお邪魔するようにして、玄関の扉を開きました。ひとりだったら気後れして入れなかったかも、と思うようなお宅。。通されたお部屋がギャラリーなんですが、もともとは少し広めのリビングなんだろうな、というような。ギャラリーというのはこじんまりしていますが、いったん入ってしまうと、ギャラリーらしくなく、とてもくつろげる空間で、とても居心地がよかったです。M.Eさんの知り合いだと言ったからか、紅茶とクッキーまでご馳走になってしまい、作品を購入できなかったのが申し訳ない。。以前から思っていたのですが、1点くらい持ちたいなぁと。ただ、いまの自分の部屋の状態を考えたとき、版画を飾れるような部屋じゃないでしょ! となってしまい…。M.Eさんがまだいらしてなくてお会いできなかったんですが、私たちが駐車場を出るときに、ちょうどすれ違いました。ご挨拶だけでしたが、お目にかかれてよかったです。
2013年09月15日
『ミケランジェロ展』を観に行ったMちゃんが良かったというので、私も観に行くことにしました。せっかく福井まで行くのだから、何かほかにあっていないかと調べたら、なんと!私の好きなミュシャ展も別の美術館で開催中。サッカーにかまけていて、展覧会のチェックをすっかり怠っていたので全然知らなかったのでした。。-----『ミケランジェロ展』システィーナ礼拝堂500年祭記念ミケランジェロ展 ― 天才の軌跡神のごとき!──と讃えられた、イタリア・ルネサンスの偉大なる巨匠ミケランジェロ(1475-1564)。本展では、世界最大数のミケランジェロ作品・資料を所蔵するカーサ・ブオナローティ美術館(イタリア、フィレンツェ)の全面協力により、《レダの頭部習作》《最後の審判下絵》などの素描の傑作群、彫刻、自筆の手紙、関連作品など約60点が来日します。初期の大理石彫刻の名作《階段の聖母》をはじめ半数が日本初公開となります。「日本におけるイタリア2013年」が開催される今年、福井と東京(国立西洋美術館)でのみ特別公開されます。-----やはり《階段の聖母》(最初期の作品)がよかったです。晩年の作品である《キリストの磔刑》と作風を比較できるよう、ごく近くに展示されていました。イタリアでは別々の場所に所蔵されているため、それぞれを見比べられるように展示されることはないため、「この先、一生見られません」と解説会で力強く言われました。-----『知られざるミュシャ展』アール・ヌーヴォーを代表する画家、アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)。ミュシャは、オーストリア帝国の支配下にあった南モラヴィア地方(現、チェコ共和国)のイヴァンチッツェに生まれました。1894年に手掛けたサラ・ベルナール主演の演劇のポスター《ジスモンダ》で一躍脚光を浴び、一気にスターダムにのしあがると、その後も、花や宝石に飾られた美しい女性をモティーフとする装飾性豊かなポスターに代表される数々のグラフィック作品を生み出し、アールヌーヴォーの旗手としての地位を不動のものとします。そして1910年、故国モラヴィアに帰郷後は、1918年のチェコスロバキア共和国の成立時にほとんど無償で紙幣、切手、国章などをデザインするなど、祖国への思いを描き続けました。本展では、日本初公開となるチェコのチマル・コレクションを中心に約160点の作品を紹介します。-----初めて観る作品が多いなぁ…と思っていたら、《チマル・コレクション》というのが日本初公開だったんですね。チマル・コレクションとは、ミュシャの故郷、チェコのイヴァンチッツェ近郊の町に住む医学者ズデニェク・チマル博士の個人コレクション。親の代より長年にわたり現在のミュシャ・コレクションを形成。このコレクションの一部は、2010年にチェコ国立モラヴィア・ギャラリーにて初めて一般公開されました。その後も各地の美術館で公開されましたが、日本でのチマル・コレクションの公開は初めてとなります。と、チラシに書いてありました。ミュシャが好きなこともあり、個人的にはミュシャ展のほうが満足しました。こちらは全国各地を巡回しているようです。福井に向かい途中の列車内で、福井営業所があったときの元後輩に連絡したら、お茶をすることに!彼女は、実家に子どもを預け、子どものお昼寝中に出てきたので、ほんの1時間ばかりでしたが、互いに近況報告をし合って、3年ぶりの再会を楽しみました。
2013年08月24日
後期展に出品されている東山魁夷の作品を見るために、再度行ってまいりました。開館と同時に入ろうと思っていたのに、洗濯やら何やらしていたら、家を出たのが9時過ぎ。ところが美術館に着いたら、入口の前には人が大勢いる。。開館は9時半だった。。秋晴れでさわやかな風が吹いていて、外にいるのがとても気持ちよかったので、美術館の前の広場に置いてあるベンチに座って開館を待つ。前期に行ったときは、解説を読み、近くで観て、遠くからも観て......ということをしていたら、かなりの時間がかかり、けっこう疲れたのである。全体の作品数は少なくても大作が多く、やはり偉大な三山の作品ゆえ発せられるパワーが強くて受け止めるのにもエネルギーを要するのか。なので今日は、じっくり観るのは後期に入れ替えとなった東山魁夷の作品のみとし、あとはざっと通して終えました。もう一つの楽しみは、喫茶コーナーの、開催中の企画展に合わせた期間限定、オリジナル企画のスイーツと特別ブレンドのコーヒー!スイーツは、土曜・日曜・祝日のみの数量限定とのこと。朝イチで入場したのはそのためでもあった(笑)。ところが10時過ぎには企画展を観終えたのに、喫茶コーナーは10時半からの営業。。ガッツはなかったのですが、常設展も観てまいりました。人が少なくてゆっくりと観ることができました。10時半になるや否や喫茶コーナーへ。ショコラテリーヌとブレンドのセットをいただきました。
2011年10月10日
富山県立近代美術館の開館30周年記念して、日本画の巨匠三山(東山魁夷、杉山寧、高山辰雄)展が開かれているので、観に行ってまいりました。東山魁夷の作品は、前期と後期で入れ替えがあるため、全部を観ようと思ったら、後期にも行かなくては!
2011年09月23日
午前中、フェルメールを観る。フェルメール作品の中で、とりわけ重要なモチーフとなっている「手紙」作品の中から、≪手紙を書く青衣の女≫≪手紙を書く女≫≪手紙を書く女と召使い≫の3作品が一堂に会しました。午後は祇園をぶらぶら。途中、建仁寺へ。そのあと、以前友人と食べたくずきりを。夕方、帰途につきました。
2011年08月27日
去年、日曜美術館のアートシーンで紹介されていたミュシャ展の、金沢展の日程をメモし、コルクボートにずっと貼っていた。ずいぶん先の話だと思っていたけれども、あっという間に会期が来て、そのうちに…と思っているあいだに、次の木曜日で終了…ということは、この週末に観に行かねば…ということで、ようやく観に行ってきました。http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=24&d=1172http://hk-event.jp/event/ev_detail.php?ed_no=343大学生のときは、サークルをサボって観に行ったなぁ。そのときは図録も買ったんですが。今回、お値段が高くてあきらめました。。
2011年06月18日
大好きなデュフィの展覧会が開催されていることを昨夜知りました。いまは東京で、そのあと栃木、京都、大分へと巡回するそうなのですが、あぁ、すぐにでも東京に行きたい!!新型インフルエンザがコワイことよりも、お金がないことのほうが切実。観に行くのにいちばん交通費がかからない京都には何としてでも行きたいなぁ。
2009年05月25日
一人で黙々と観るのももちろんいいのですが、このところ、学芸員さんによる解説を聴きながら観るのがお気に入りになっています。自分だけで観ていると「見る」になってしまうことも多々あり、専門家から観どころを教えていただいて観るのとそうでないのとでは、やはり観方の深さが違います。ということで、解説がある日を狙って、「色彩は踊る」を観てまいりました。64作品と62個のパレットが展示されていた(たぶん。記憶があいまい)のですが、パレットなんて見ることがないわけですから、とても貴重な機会だったと思います。絵心のまったくない私ですが、利き手の違いでパレットの向きが逆になることはわかりましたし、色の置き方やパレットの使い方に個性が出て、とてもおもしろかったです。画家としての個性というよりも、人間としての性格の違いと言ったほうが近いかな。真面目な人だなとか、几帳面な人だなとか、豪快な人だなとか、奔放な人だなとか。恒例の喫茶部の企画コーヒーは、コーヒーゼリーでした。
2009年05月05日
学芸員さんによる解説がある日を狙って、「豊かな日本画の世界」を観てまいりました。所蔵作品展だからか、かなりの作品が展示されていたにもかかわらず、入場料が安く(前売を買っていたのでさらに)、しかも、立派なパンフレットまでいただきました。うーん、こんなにスゴイものがあったとは知らなかった、と思う作品もありました。ときどきやってほしいです。1時間余りの解説を聞いたあと、解説されなかった作品をゆっくり観てまわったので、かなり疲れてしまい、観終わったあとは恒例の喫茶部で企画コーヒーをいただいてきました。今回は「珈琲の花」という名前がついていました。
2009年04月05日
学芸員によるギャラリートークが始まる午後2時を狙って出かけてきました。というのも、解説がないとよくわかんないと思ったから。------------------------------------日常と離れて、どこかに出かける、新しいものを知る。私たちにとって、旅はさまざまな発見をもたらしてくれます。人生そのものが旅、作品と出会うことも一つの旅といえないでしょうか。この展覧会では、この「旅」というキーワードによって、19世紀から現代に至るイギリス美術を紹介します。活動した時代も、作品の傾向もそれぞれに異なる12作家の世界にふれることにより、イギリス美術の多彩な性格が浮かび上がってくることでしょう。また本展に出品される多くの作品は日本にゆかりのある作品です。そうした作品を鑑賞するのは、日英の文化のつながりについて考える絶好の機会であるといえます。どうぞ、イギリス美術への旅を、お楽しみください。 (チラシより)------------------------------------鑑賞後にいただく企画コーヒーは、今回鑑賞前にいただいたのですが、途中で時間が来てしまい、ひとくちを残して席を立ってしまいました。なので、メニューに載っているコーヒーの説明を書き写してくることができませんでした。。とてもおもしろい展覧会でしたので、展示替え後の後期展も行こうかしらと思っています。『十二の旅:感性と経験のイギリス美術』
2008年11月22日
7月の下旬から開催されていて、ずっと観たいと思っていたにもかかわらず、何となく先延ばしにしているうちに、とうとう会期の最終日となってしまいました。おとといの土曜日の午後には、学芸員による解説会があったので、本当はそれを聴きたかったのですが、仕事のメドが立っていなかったのであきらめました。。今日は、開館時刻よりほんの少し遅れて入館。最終日とあって、すでに多くの人(いつもよりは)がいましたが、まぁ、何とか許容範囲内でした。大好きなデュフィの作品も1点あり、大満足♪鑑賞後は、いつもの企画コーヒーを飲んでまいりました。今回は、【カフェ・オレ・ド・パリ】。------------------------------------今度の展覧会は、パリの香りがいっぱい!ということで、パリといえば、カフェ・オレですね。また、ここの喫茶からの眺め、雰囲気、ちょっとだけパリのカフェに居るみたい、というおほめの言葉に便乗して、今度の企画コーヒーは、気合いを入れて美味しいカフェ・オレに挑戦!カフェ・オレには、ミルクと相性がいいフレンチ・ロースト(深炒り)の豆を用います。今回はザンビアの豆をベースに、独特のビターな味わいと風味があって、ミルクの味に負けない、しっかりしたテイストに仕上げました。暑い夏はアイスで、疲れてほっとしたいときはホットで、たっぷり、ゆっくりお楽しみください。------------------------------------季節はすでに秋。もちろん、ホットでいただきました。『AIGコレクション 印象派の光、エコール・ド・パリの夢』
2008年10月13日
今年は、”日本オランダ年”だそうです。お隣の石川県七尾美術館で、 『オランダの版画とモダンデザイン』 ~レンブラントからエッシャー、モンドリアン、リートフェルト、ブルーナまで~を観てきました。館内には、オランダの紹介もなされていました。あぁ、ベルギーといっしょに行ってみたい。。鑑賞後は、美味しいと評判のうなぎ屋さんで、うな丼をいただいてきました。
2008年08月23日
たぶん中学校のとき、国語の教科書の上巻の最初に、画伯の随筆が掲載されていて、タイトルが「円山公園の桜」だったと思うのです。そして、白黒でしたが、「花明り」の写真も載っていて、京都の美しい情景がとても心に残ったのでした。私が画伯の作品を好きになったのはそのときから。過去最大の回顧展だけあって、個人所蔵の作品が何点も展示されており、観ることができてよかったと思いました。それにしても、いったいどんな方が持っていらっしゃるのか???展示替えがあるようなので、後期展にも足を運ぼうかと画策中。「生誕百年 東山魁夷展」
2008年07月25日
以前、ある企業の株式を持っていたとき、株主優待として、美術館の招待券が送られてきました。せっかくいただいたのだからと観に行ったのですが、以来、長野市に行く機会があるときには立ち寄るようにしています。今回は、テーマが涼しげでしたし。平日に観に行っただけあって、お客もあまりおらず、作品の保存のためもあると思いますが、空調が非常に効いた館内で、じっくり堪能してきました。「水野コレクション 涼の調べ」
2008年07月25日
……を観に、長野県信濃美術館に行ってまいりました。うれしかったのは、デュフィの作品が3点あったこと♪もちろん、隣接の東山魁夷館も鑑賞してきました。夏には、魁夷の生誕100年を記念して、過去最大の回顧展が開かれます。すでに早期割引券を購入済み☆夏が待ち遠しいです。
2008年05月24日
前売券を買っていて、会期が今日までだというのに、なかなか行くタイミングがなく、午後、ようやく行ってきました。最終日というのは、私のように駆け込みでやって来る人が多いため、過去にもひどい混雑を経験したことがあり、避けたかったのですが、美術館の近くに来ても、道路が閑散としています。混んでいるときは、駐車場に入る車の長い列がついているのに、です。着いてみると、駐車場はガラガラで、「おや、これはラッキー☆」と思いました。中に入ってもやはりガラガラで、ずいぶんゆったりと観ることができました。駆け込みではありましたが、とにかく観ることができてよかったです。『日展100年 富山の作家たち』
2008年05月18日
ぼーっとしていたら、あっという間に日が経ち、そろそろ観に行かなきゃ、せっかくの前期・後期セット券がムダになってしまう……と、焦りの気持ちがふつふつと。「作家が語る「日展100年」」ということで、展示作品について、さまざまな分野の方に語っていただく――というのを前期展で聞いて、とてもよかったので、日曜の午前11時からの開始に合わせて出かけました。『日展100年 一目でわかる!日本の美術』今回は、A先生という大学でも教えていらっしゃる画家でした。ご自身のご専門から、日本画と油彩画を融合させた感じ(もしくは日本画)の作品に関心があるとのことで、そういった作品を中心に解説してくださいました。絵の具の違いなど、技法にも触れられて、門外漢であるからこそ、なかなか知ることのできないお話はとても有意義でした。
2008年05月11日
「作家が語る「日展100年」」ということで、展示作品について、さまざまな分野の方に語っていただく――というのが会期中の、土曜の午後2時からの行事となっていたため、それに合わせて出かけていきました。『日展100年 一目でわかる!日本の美術』お名前をよく聞き取れなかったのですが、今日は、彫刻家と画家でいらっしゃいました。作家でなくては知り得ないお話も聴くことができ、とても有意義でした。教えを受けたことのある出品作家の作品の場合などは、師弟の会話をお聞かせいただけたりして。ヒマがあったら、毎日曜日に観に行きたいくらいです。作品をじゅうぶんに堪能したあとは、いつも楽しみにしている喫茶コーナーへ。今回の企画コーヒーは、【100年の薫り】。------------------------------------エスプレッソコーヒーは、今から100年前、1906年のミラノ万国博覧会にベゼラというエスプレッソマシンが登場したのが始まりでした。最近では、多くのカフェなどでエスプレッソを使ったカプチーノ・カフェラテなどが身近になってきています。エスプレッソに向いたブレンドもありますが、今回の企画コーヒーは、エスプレッソ抽出でもドリップ抽出でも美味しく楽しめるブレンドを作りました。日展100年の作品を思いながらドリップ抽出でお楽しみください。------------------------------------この展覧会は、前期と後期とで展示作品が入れ替わります。前期および後期ともに観ることのできる前売を買ったので、後期に入ったら、もう一度観てきます。
2008年04月19日
最近、絵を観ていないなぁ……と思い、美術館へ出かけてきました。戦後美術の断片 昭和は遠くになりにけり冒頭のような理由で出かけたため、この展覧会でなくてはならないわけではなかったのですが、入口に置かれていた、東京オリンピックのポスターには心打たれるものがありました。ちょうど14時から、学芸員さんによるギャラリートークがあったので、聴きながら、じっくり観てきました。昭和30~40年代の生活を思い出す生活用品も展示されていたのですが、今の若い人には、炊飯器と保温ジャーが別々であることがわからないそうです。若くない私はわかります(笑)。ウチは電気炊飯器だったのですが、炊けたらジャーに移すのが子どものころの私の役目だったので。会場には、昭和30~40年代の、毎年の10大ニュース(世界・全国・富山)も掲示されており、生まれる前のことなどはわからないものも多かったのですが、それぞれの記事のコピーが年ごとにファイルになってまとまっていたため、絵を観たあと、かなりの時間をかけて読んできました。もちろん、昭和41年のファイルを。10大ニュースに該当する記事そのものよりも、その周辺に配置されている別の記事を見て、「昔からこんな事件ってあったのか!」と思うようなわいせつ関連の事件があり、今に始まった話ではないのだと思いました。求人広告のページもおもしろかったです。「新築移転につき、社員大増員!」という会社がこの年にここへ引っ越したことに気づき、今はすっかり古くなったこのビルは、この当時は最先端のビルだったのだ!と思うと、いつのまにか顔がにやけていました。あとは、企業やお店の広告です。いまもある老舗のや、いまは潰れたお店の広告。私の勤務先のお客様は、変更前の社名で載っていて、昔は漢字だったものが、今は略されたものがカタカナになっていることに気づいたときの新鮮さ!いやぁ、おもしろいですよ、新聞。自分の生まれた日の新聞を隅々まで読んでみたいものです。新聞を堪能したあとは、例のごとく喫茶コーナーへ。今回の企画コーヒーは、「ハッピーハート」でした。
2008年03月15日
雨が降っており、とても寒い日でしたが、美術館で行なわれる「詩の朗読会」が聴きたくて、出かけてきました。いま開催中の展覧会も観てきました。作品には、作家自身の解説がついていたのですが、おもしろいことに、猫のことに触れている人が何人かいました。芸術家って猫好きなの???作品を観たあとは、詩の朗読を聴きました。6人の詩人による自作の朗読です。去年、テレビのドイツ語講座で、ドイツでは作家による自作の朗読会がよく行なわれていることが紹介されました。で、そういう機会があったら足を運んでみたいと思っていたのです。1時間余りの会でしたが、たぶん、後半は眠ってました(苦笑)。照明は落とされ、静かであったかい空間の中、ゆっくりと落ち着いた声で朗読された日には、そりゃ眠くなりますって。午後2時開始だったし。朗読のあとは、いつものように企画コーヒーを飲みました。----------------------------------とやま現代作家シリーズ 時の中でスペシャルコーヒー The Best ベストブレンド2007今回の企画展「時の中で」は、がんばっている富山のアーティストたちの展覧会。そこで、企画コーヒーも当カフェのコーヒーをブレンドしている自家焙煎珈琲店セン○ベリーのト○ィ氏がこれでどうだ!と挑戦した意欲作です。本当に「おいしいコーヒー」をめざして、2007年秋のベスト・ブレンドができました。「良いコーヒー」の条件とは、口に含んだときの透明で明るい風味、新鮮なフルーツのようなさわやかさ、そして存在感のある余韻。使用したグァテマラ、エルサルバドル、インガチェクェ モカは、もちろんカップ オブ エクセレンス(国際審査会)入賞豆。芸術の秋、五感を澄ませ、心豊かに味わっていただきたいコーヒーです。----------------------------------窓の近くの座席に腰を下ろし、紅葉が美しい公園を眼下に眺めながらコーヒーを楽しんだあとは、常設展をゆっくりと観て回りました。雨の中の散歩とばかりに、帰りに立ち寄った本屋さんには、『ねこ鍋』や『ねこ鍋』の隣に、『作家の犬』と『作家の猫』という本が並んでいました。犬の好きな作家もいるようです(笑)。
2007年11月18日
行かなきゃ! とずっと思っていた山種美術館所蔵名品展を会期終了を明日に控え、ようやく見てまいりました。日本画はやはり人気があるのか、図録がすべて完売しておりました。会場に入ると真正面にあったのは、千住博氏の「ウォーターフォール」。このシリーズ、先週、松本でも見たよん。先月14日にお亡くなりになった高山辰雄氏の作品が2点ありました。黒いリボンがついていました。この美術展、9月1日からだったので、ちょうど会期中にお亡くなりになったことになります。やさしい色合いの作品が多く、美しく、ため息が出ました。余韻にひたろうと、例によって喫茶コーナーで、喫茶室でのスペシャルコーヒーを飲んでまいりました。今回は「秋の風雅」という名前がついていました。またしても、メニューに印刷されていた説明書きを写してきました。----------------------------------白露の候を迎え、まさに名品と呼びたいコーヒーをお届けします。今回の企画コーヒーは、カップオブエクセレンス(国際審査会)に入賞した最高のグァテマラをふんだんに使って、これぞ!と思えるブレンドに仕上げました。華やかで薫り高く、さわやかな酸味、気品ある特有の苦味、フローラスな甘味がバランスよく調和しています。味や香りに繊細な感覚を持つ、日本人のためのコーヒーと言えるかもしれません。日本画の展覧会にとてもよく似合う華麗な風味のコーヒーになったと思いますが、いかがですか?----------------------------------最近、自宅でもグァテマラを飲んでいるので、この説明を見た瞬間、おいおい…と思いました。しかも午前中に飲みまくっていたので。とは言え、企画コーヒーが、この喫茶室での私の楽しみ☆注文して、テーブルに運ばれてきたコーヒーの香りをまず楽しむと、本当にいい香り♪自分でいれたのではここまでの香りは出せないもんね。味も私好みで、大満足☆店舗のほうに豆を買いに行こうかなぁ。
2007年10月07日
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