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男をひきつける美少女の阿佐子の少女時代から大人になるまでの話。三人称で男の視点から阿佐子を書いている。「完璧な美少女、完璧な天使」と阿佐子の美しさを描写しているものの、どう完璧なのか描写に具体性がなく文彩も乏しい。年齢ごとに章が別れているものの、断片的で大きな物語に発展しない。血のつながらない親近相姦の葛藤や特別視されることの苦悩をメインテーマにするなら阿佐子視点にするべきだけれど、男の視点にしたせいで些細な恋愛話で終わっている。★★★☆☆【送料無料】美神(ミューズ)価格:520円(税込、送料別)
2011.02.28
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美大の予備校生イツオがヌードモデルの女に惚れたものの変な人だったという話。三人称でイツオの視点。主な登場人物はイツオと恋人のサワとヌードモデルのナカツカの三人で、会話を中心に物語が展開して、偶数章が短い形式。プロットに抑揚がなく会話がだらだら続くものの、大人になれない青年像を描写するには適した文章かもしれない。男にとってわけのわからない存在として女を書いているのにはリアリティがあるものの、恋愛を通じて主人公が成長するわけでもなく、物語自体が面白いわけでもない。★★★☆☆【送料無料】男の子女の子価格:704円(税込、送料別)
2011.02.28
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保険会社に勤める男が保険金殺人犯に殺されそうになる話。三人称。保険関係の知識のリアリティはあるものの、主人公が不用意に犯人に接近するなど主人公の行動が不自然。プロットを進めるために無理やり主人公に変な行動をさせている感じがして興ざめする。プロットを進める会話や行動以外の心情描写などの表現が不十分で、ほいほい人が殺される割には登場人物の感情の動きが乏しい印象。★★★☆☆【送料無料】黒い家価格:700円(税込、送料別)
2011.02.25
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ブラウン運動やポートフォリオ理論などを紹介した挙句、短期のトレーディングは不毛だから長期のインベストメントをしろとドル・コスト平均法を薦めている本。保有し続けていれば利益があがると年金運用の例をあげているものの、個人投資家は年金のように買い続けるだけの余力があるわけではなく、ドル・コスト平均法を薦めるには根拠が乏しく読む価値はない。無駄に前置きが長く他人の意見を寄せ集めているだけで内容も薄い。★★☆☆☆【送料無料】貧乏人のデイトレ金持ちのインベストメント価格:1,365円(税込、送料別)
2011.02.25
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投資の基本的な仕組みやプロのディーラーのやり方を書いた本。リスク、ポジションのとり方、相場観、投資の心構えなど、内容が細かく分かれていて読みやすい。★★★★☆【送料無料】実践生き残りのディーリング価格:2,940円(税込、送料別)
2011.02.25
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男と付き合い始めた女が大阪の昔の写真を見る話。一人称。日常を詳細に書いていく文体でデッサン的。付き合い始めたばかりの男女のよそよそしさから親密さを感じるまでのゆるい時間の流れを書いていてリアリティがあるのはよいものの、プロットがなく物語が一本調子でつまらない。同世代の女性ならつまらない合コンとかガールズトークとか一つ一つのエピソードに共感できるかもしれないものの、男性から見たら退屈な女性のぬるい人間関係だなあという印象で刺激がない。街を題材にしているものの、街を主体にしたエピソードが展開されるわけでもなく、大阪を知らない人が興味をもてるような書き方でないのは残念なところ。★★★☆☆【送料無料】その街の今は価格:340円(税込、送料別)
2011.02.22
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アメリカの貧乏な白人農家が娘婿の食べ物を盗んだり息子を結婚させたりする話。三人称。貧困家族が主役だけれど、悲壮感はなくスラップスティック的に人が死ぬ。登場人物がみつ口の娘や鼻穴がでかいシスターやうすら馬鹿の息子で、馬鹿ぞろいなのもアメリカ南部のリアリティを反映しているのだろう。皮肉やユーモアはあるものの、プロットには工夫がなく、たいした物語でもないのに冗長で飽きる。車を買ったら壊すだろうなと展開が読めてしまうのは興ざめする。★★★☆☆タバコ・ロード価格:693円(税込、送料別)
2011.02.22
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チラシ配りをしている人が文芸創作教室の課題でメルヘンを書く話。「わたし」の一人称で、7月4日から7日までの出来事が何度も語られながらフランスが舞台のメルヘンが展開する形式。文章が下手なわけではなく、出来事を断片的に展開する凝った構造にしているせいでどの日に何が起きたのかが理解しにくい。グーテンベルク氏が途中でブーテンベルク氏になってたのは誤植なのか何かの意図があるのかもよくわからない。読み返して登場人物や出来事の整合性を調べれば何か面白い仕掛けがみつかるのかもしれないけれど、直感的につまらないと感じたものを再読して得られる面白さもたかがしれているのでめんどくさくて再読する気がしない。読者を煙に巻くのもひとつの小説のあり方だけれど、言葉遊びにすぎず、人間のあり方を書いていないのでつまらなく感じる。★★★☆☆【送料無料】四十日と四十夜のメルヘン価格:420円(税込、送料別)
2011.02.16
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自殺した少年S君の死体がなくなったので探す話。ミチオの一人称とS君の隣人の三人称が交互に展開する形式。冒頭に手際よくプロットを配置していたのはよかったが、S君が蜘蛛に生まれ変わってしゃべりだした時点でこれは期待できないなとどうでもよくなり、一応最後まで読んでみたものの予想通りの竜頭蛇尾の展開だった。謎そのものが面白くないうえに、ただでさえミステリ畑の作家は人間が書けていないのに本作は意図的に人間を書かないのだからつまらなさに拍車がかかっている。人間の生死のリアリティがなければどんな謎解きだろうが登場人物が作者の予定したプロットをなぞっているのが透けて見えてしまって面白くない。ミステリーとしてはまともに読めるものじゃないけれど、ファンタジックコメディとしてみれば失笑くらいはできる。生まれ変わりが起きる世界観ならそれでいいけれど、虫に生まれ変わった人間の哀れみやそれでも愛さずにいられない人間の悲しみを描きだすのが作家のやるべきことだろう。それが人間を書くということだ。生まれ変わりをただの読者だましのトリックとしてしか使っていないのは底が浅い。★★☆☆☆【送料無料】向日葵の咲かない夏価格:660円(税込、送料別)
2011.02.15
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小林という男が暴力をふるったり花壇を壊したりする話。三人称。神の視点で書かれているものの、文章が下手で内容を理解するのに苦労する。どの人物の内面を描写しているのかがあいまいで、出来事を書こうとしているのか、人物を書こうとしているのかが不明瞭。改行が多く出来事が断片的で登場人物のつながりも物語の全体像もわかりにくい。どんな暴力的な話だろうが読者が場面を脳裏に描けるだけのリアリティがなければ描写の意味がないし、苦労して理解しようとしたところで得られるものはなく、読むに耐えうる水準に達していない。渡辺直己は作者を絶賛して「絶望ゆえの笑いを誘いるづける」と評価しているが、一箇所も笑えるところがなかった。あとがきで作者自身がひどい小説だと認めているのだから、素直にひどい小説だと思うことにした。★☆☆☆☆【送料無料】あらゆる場所に花束が…価格:380円(税込、送料別)
2011.02.14
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大学生の女がラブホテルを覗いていたら男がいたので一緒に覗くことにした話とその他の短編。一人称で口語を多用する文体。表題作は若い女性作家がエロを書いたというだけの話で、ストーリーも描写も洗練されておらず特に評価する点はない。デビュー作である表題作はそのまま掲載されているものの、他の短編は文庫化にあたって書き直したらしく技術の向上が見える。「ハニィ、空が灼けているよ。」は戦争から逃れて田舎で男女が暮らす話。文章がこなれていて描写のテンポが良く読みやすい。しかしダーリンとハニィの出会いの同じ出来事を交互に語る多元焦点化は同じストーリーを二度読まされるだけでやる必然性がない。それから交互に一人称で語る不定焦点化でストーリーが展開するものの、男の一人称が下手なうえにプロット上のメリットもさほどないのでやる必然性がない。女性の視点だけで十分だろう。★★★☆☆【送料無料】青空チェリー価格:420円(税込、送料別)
2011.02.11
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友人にいきなり蹴られてバスケができなくなった中学生の話。主人公の一人称。描写が下手で文章がこなれていない上に、冒頭からスクーターが座っていたと擬人化するような不必要な文彩に違和感がある。中学生の読者を想定して描いたのだとしても安易で不用意な表現をしている印象。場面の展開が不十分で、クライマックスでさえ盛り上がらない。なぜ友人が自分を蹴ったのかという謎が主なプロットなのに掘り下げが浅く、クラスメートの邪眼で手がかりを見つけたというのはご都合主義でリアリティがなく、プロットが物語の軸になっていない。ステレオタイプの変わり者の登場人物たちと青春やツンデレラブコメ的な展開を繰り広げるものの、中盤部分の展開が伏線として機能していない。青春や恋愛のいいとこどりしていてもどれも展開が不十分で構成に一貫性がない。下手な小細工でごまかさずに友情なら友情で焦点を絞ってテーマを掘り下げるべきだろう。小説すばる新人賞受賞作だけれどライトノベル並みの仕上がりで文体にも内容にも魅力がなく、こんなんで受賞させていいのかと賞自体の存在意義を疑う。★★☆☆☆【送料無料】でかい月だな価格:600円(税込、送料別)
2011.02.11
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金持ち男爵の娘ジャンヌは修道院を出てすぐ結婚したものの、夫はけちで浮気をしていて、一人息子は事業に失敗して借金をしておちぶれる話。三人称。外面描写中心で比喩もなく時系列順に物語が展開するので技巧の見所は少ない。女性の希望が裏切られて現実にうちのめされる様子を描いていて悲観一色の内容。性格や行動に主人公らしい特色が出ておらず、おとなしくて受身でいかにも普通の女の一生を書いたというリアリティはあるものの、物語としては月並みな展開。主人公の思想がみえず、物語の芯がない。★★★☆☆【送料無料】女の一生改版価格:500円(税込、送料別)
2011.02.11
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夫婦が結婚してからお互いに不倫して離婚するまでの20数年の結婚生活を書いた短篇集。三人称の夫の視点。外面描写が中心のせいで文彩として「ような」が多用されすぎていてワンパターンでくどく感じる。端的な文章で旅行など日常のなかのすれ違いや、愛情と憎悪が入り混じった状態を丁寧に書いていて、誇張されすぎない登場人物の心のうごきが自然と伝わってきてよい。後半の短編は夫婦が口論しているだけの場面が目立ち、物語展開の面白さや短編としての完成度は前半に劣る印象。★★★☆☆
2011.02.01
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