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初めて付き合った彼女に振られた京大の男子学生が元彼女をストーカーをしつつ、もてない男子学生仲間と過ごす話。一人称で主人公の手記形式。自虐的自分語りと変な事件で日常を異化しているものの、話の内容自体が面白いわけではなく言葉遊びが中心。様々な事件が起きるものの、エピソードが並列的で大きな物語に発展しないまま尻すぼみに終わる。邪眼の上村嬢や集金に来る後輩の湯島などプロットに大して関係しない登場人物の存在も中途半端。見所はふざけた事件よりも、海老塚先輩が失恋を乗り越えて大人になっていたことで主人公の失恋の乗り越え方が示唆されていることだろう。そこに焦点があたらず、雑多なコメディに埋もれてしまったのはもったいない感じ。★★★☆☆【送料無料】太陽の塔価格:420円(税込、送料別)
2011.06.25
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博打で勝った老女に秘密を聞き出そうとする表題作と、ロシアの社交界や盗賊譚を書いた短編集。一番長い短編「ドゥブロフスキー」は土地を取り上げられて死んだ男の息子が追いはぎになるものの相手の娘に恋をする話。前振りが長い割りに復讐も恋もたいして展開せずにあっけなく終わり、構成と場面展開が物足りない。現代のエンタメほど内容も構成も面白くなく、これで代表作とは期待はずれだった。表題作以外は未完成の短篇だったりするので、ロシア文学やプーシキンを研究するとかいう目的以外で読むほどの内容ではない。★★★☆☆
2011.06.17
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結婚したらなぜか妻が不機嫌になっていて、浮気をしていて妻と11年間会話しなかったものの、家を建てるときに妻と会話して、仕事でアメリカに行って日本に戻ったら娘がいなくて妻と二人で終の住処に住むことになった話。主人公視点の三人称。30歳から50歳までの時間をはしょって書いているうえに、登場人物の名前が出てこず人物が抽象的で場面を想像しづらく、主人公がいろいろと思考しているものの人物像が見えないせいで思考に重みがなく、主人公の人間性や価値観が見えないので個々のエピソードもしらける。主人公がどういう思想で恋愛や結婚を考えているのかわからないまま結婚したり浮気したりするし、終盤には伏線もなしに唐突に取締役が出てきて彼の手紙に主人公は影響を受けるものの、これは結局借り物の思考なのでそれで主人公が奮起しても説得力がない。その上マジックリアリズムが混ざって、赤ん坊がシーツの上ですばやく動いて主人公が触れなかったり、変な建築家が二階の屋根に手が届いたりするけれど、こういったマジックリアリズム的エピソードがこの物語に必要不可欠だったのかも疑問。マジックではあるけれどリアリティがなく、これでは単にリアリティを放棄したコメディになってしまう。仕事の現実性と家庭生活の非現実性がアンバランスで、アメリカの仕事で戦うことをクライマックスにするなら始めからサラリーマンの生活をリアリズムで書けばいいし、意味がわからない変なマジックは不要だろう。月はおそらく時間の象徴なのだろうけれど、それがうまく機能しているようには見えない。時間が問題を解決するというのも月並みであいまいな結論で、娘がアメリカに行ったことを夫に黙ってるような妻との夫婦関係は結婚後二十年たっても解決されてないわけだし、終の住処での短い老後の生活で問題が解決するだろうと推測するのも無理がある。★★★☆☆【送料無料】終の住処価格:1,260円(税込、送料別)
2011.06.03
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