~さわやかに香る風~

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2006.10.15
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 巧、希色、亮介の三人は、マジョンナの指示の元、赤崎家に置いたままにされている例の手鏡を急いで取りに向かっていた。
「鏡の向こうに行くのに、あの手鏡を使うってことは…」
 駆け足で巧がつぶやく。
「あいつらが出てきた時みたいに、あのちっちゃい鏡の中にニュッって入るってことなんかな?」
 亮介が苦い顔をして言った。さすがに元陸上部だけあって、息は上がっていない。
 亮介の言葉に、希色も顔をしかめた。
「やめてよ、浅葱くん…私、あの瞬間思い出しちゃった」
「ゴメンゴメン!…にしても、俺走るのは好きだけど、こんなことしてていいんかな~。テストも入試も近いってのに…」

「…ごめんなさい」
 亮介がぼやくと二人が同時に謝りだしたので、彼は慌てて取り繕った。
「あ、いやいや、そういうつもりで言ったんじゃなくて、ちょっと心配になっただけだって」
 しかし希色は首を振った。
「ううん、やっぱり直接関係ない浅葱くんまで巻き込んじゃってるのは事実だし…悪いなって感じてるんだ」
「そんな~、立花さん、関係ないなんて寂しいこと言わんでよ。俺も好きでこうやって付き合ってるわけやし、俺達友達じゃん?俺こそ余計なこと言ってごめん!」
 亮介が笑ってそう言ってのけると、巧も頷いた。
「亮介の言うとおりかもね。俺達もいきなりこういうことに巻き込まれちゃったんだしさ、誰が悪いとかは考えなくていいと思うよ。まぁ、来週テストとかあるのはちょっとやばいかもだけど、なるようになるよ」
「うん…そっか、そうだよね!勉強は明日明後日休みだし、後でやればなんとかなるよね。それよりも今はみんなで力を合わせなきゃね!」
 希色が笑顔になり二人ともほっとする。
 巧は口ではそう言いながらも、ほっとした心の隅にある不安を拭い去れてはいなかった。

 巧はそんな胸の内など当然表に出すことなく、前向きな発言をすることによって、できるだけ気持ちをマイナスに向かないよう持っていった。

 しばらくして、赤崎家に到着した三人。
「じゃあ、鏡取ってくるからここで待ってて」
 巧がそう言って一人で中に入ろうとしたが、希色がそれを止めた。
「えっ、だめだよ、何があるか分からないし、みんなで行こうよ」

 巧は笑ってそう返したが、希色は首を横に振った。
「ううん、やっぱり私も行く。用心するに越したことはないでしょ?」
 そう言われ、断る理由もない巧は「そこまで言うなら…」と一緒に鏡を取りに行くことにした。
「俺も行こっかな。ちょっと喉渇いたし、タクん家で茶飲ませてもらってもいい?」
 亮介もそう言い、結局はみんなで入ることに。
 ま、いっか。俺も後でお茶飲むかな、と思いながら扉の鍵を開ける巧であった。

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最終更新日  2006.10.16 01:12:30
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