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2019.08.02
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石川啄木 「ローマ字日記」(岩波文庫) ​​​​​​  ​​夏目漱石 正岡子規 「往復書簡集」(岩波文庫) の話を、この「読書案内」に書いていて、昔、 石川啄木 「ローマ字日記」(岩波文庫) という日記のことがテレビのバラエティというか、当時はやっていた、 「へ-」 の回数を競う番組で取り上げられた時のことを思い出しました。
​​ ​ ​​​ 「ローマ字日記」 ​​というのは、全編ローマ字で記されている日記なのです。旧制の中学校を中退してしまった ​石川啄木 ​は英語やフランス語はできませんでしたが、 ローマ字は書けました 。だからと言って、どうして、わざわざローマ字なんかで書いたのかと思ってしまいますね。​​

​ いろんな説があるのでしょうが、すぐに思い浮かぶ理由の一つは 「隠し事」 ですね。日記を読む可能性のある人がローマ字を読めなければ隠し事を書き込むことができます。
​ 先ほどの番組では 啄木 家族 に隠れて 「悪所」通い をしていて、その様子が、日記の中で、かなり赤裸々に告白されていることを笑っていました。 「へー」 のタップを繰り返すタレントたちの表情に、ぼくはわびしいものを感じました。​​
 実際に、お読みになれば、わかっていただける方もいらっしゃると思いますが、この日記が隠したかったことは、妻や家族には言えない裏切りや不道徳行為だったのでしょうか。
​ 日記は貧困と病気と空回りする野心の中で苦しみつづけていた 25歳の青年 「苦悩の告白」 なのですが、彼が隠したかったのは 「絶望」そのもの だったようにぼくには思えます。​
 ロ―マ字で書き始めたことには、むしろ、洋行など夢のまた夢であった極貧の文学青年の「明日」に対するかなわない期待が込められていたのではないでしょうか。
​​ ​​彼が明治の文豪の一人と数えられるようになるのは、死んでから数十年もあとのことです。 「石川啄木全集」 などという書物が、 100年後 の図書館の棚に、 全八巻 箱装で並んでいるなんて、青年 「石川一」 は夢にも思わなかったでしょう。​​​​
 七転八倒しながら新しい表現に挑み、夭折した若き天才の不幸な人生を、俗悪で馬鹿なテレビ番組に、仕事とも言えない雛段出演して、食い扶持を稼いでいるテレビタレントが笑うのか。そういう、気分になったことを、今でも覚えています。
 ​​ついでですがテレビ局も 啄木 が浪費したお金は当時の 朝日新聞社 で筆をふるっていた 夏目漱石 の原稿を校正する給料の前借だったという事あたりまでを 「へ-」 の対象にしていれば、少しは認めてあげてもいい感じがしました。
 大体、勉強不足なんじゃないですか、テレビなんてモノは。ぼくはその頃から見ないからわかりませんが、今はもっとひどいかもしれません。​​
啄木 26歳 でこの世を去りました。死んでから、友人によってまとめられた 歌集『悲しき玩具』 の歌をひとつ紹介します。​​
新しき明日の来たるを信ずという​
自分の言葉に
嘘はなけれど
           ( 悲しき玩具 )    ​ ​​

​​​​​​​​  冷え切った夢や希望を懐に抱きながら、苦闘する青年歌人について、同じ時代を生きた、ニ十歳年上の 漱石 がどんな眼差しを向けていたのか。実は、どなたもが教科書でお出会いになる 「こころ」 という作品の登場人物の 「先生」 ​「私」​ の年齢の差は、 漱石と啄木 のそれとぴったり一致しているのですね。​​​​
​ そのあたりを小説家の 高橋源一郎 「日本文学盛衰史」(講談社文庫) という小説で書いています。この小説は面白かったですね。​
​​ もっとも、この小説では、 啄木 はポケットだかフトコロだかに ポケベル を忍ばせており、貧しいだけの下宿には ビデオ を再生できる、多分、 テレビ受像機 があるという設定になっていますから、お読みになることはお勧めしますが、くれぐれも癇癪を起こさないようにしていただきたいとは思いますが。​​

追記2022・06・09
 何となくネットを検索していて驚くというか、ちょっと笑いましたが、今や、 石川啄木 「5分でわかる」時代 になっているようです。 「5分ですよ、5分。」 あんまり簡単にわかり過ぎて、何がわかったのかわからなくなりそうですね。
 最近、 「100分でわかる」 というのがハヤリのようで、それにしても、たとえば 「カラマーゾフの兄弟」 を100分でわかってどうするのでしょうね。物知りタレントらしい伊集院某は 「カラマーゾフの兄弟」 全編を読んだことがあって、その感想と、今、100分でわかったらしいことを比べるということはしているのでしょうかね?
​ まあ、なんでもわかりたい時代なのでしょうね。 「之を知るを知ると為し、之を知らざるを知らずと為す。これ知るなり」 とかいうエライ人の言葉があったと思いますが、そのあたりは、どうなっているのでしょうね。
 なんか、当初の目論見と全く違う追記になりましたが、 ジジくさく ていいなと思うので、このまま載せることにします(笑)。 

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今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇 [ 高橋 源一郎 ] まだ単行本ですが、図書館ででもどうぞ。面白いですよ。​

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最終更新日  2023.05.15 23:30:08
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