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新しき明日の来たるを信ずという
自分の言葉に
嘘はなけれど
( 悲しき玩具 )
冷え切った夢や希望を懐に抱きながら、苦闘する青年歌人について、同じ時代を生きた、ニ十歳年上の 漱石
がどんな眼差しを向けていたのか。実は、どなたもが教科書でお出会いになる 「こころ」
という作品の登場人物の 「先生」
と 「私」
の年齢の差は、 漱石と啄木
のそれとぴったり一致しているのですね。
そのあたりを小説家の 高橋源一郎
が 「日本文学盛衰史」(講談社文庫)
という小説で書いています。この小説は面白かったですね。
もっとも、この小説では、 啄木
はポケットだかフトコロだかに ポケベル
を忍ばせており、貧しいだけの下宿には ビデオ
を再生できる、多分、 テレビ受像機
があるという設定になっていますから、お読みになることはお勧めしますが、くれぐれも癇癪を起こさないようにしていただきたいとは思いますが。
追記2022・06・09
何となくネットを検索していて驚くというか、ちょっと笑いましたが、今や、 石川啄木
も 「5分でわかる」時代
になっているようです。 「5分ですよ、5分。」
あんまり簡単にわかり過ぎて、何がわかったのかわからなくなりそうですね。
最近、 「100分でわかる」
というのがハヤリのようで、それにしても、たとえば 「カラマーゾフの兄弟」
を100分でわかってどうするのでしょうね。物知りタレントらしい伊集院某は 「カラマーゾフの兄弟」
全編を読んだことがあって、その感想と、今、100分でわかったらしいことを比べるということはしているのでしょうかね?
まあ、なんでもわかりたい時代なのでしょうね。 「之を知るを知ると為し、之を知らざるを知らずと為す。これ知るなり」
とかいうエライ人の言葉があったと思いますが、そのあたりは、どうなっているのでしょうね。
なんか、当初の目論見と全く違う追記になりましたが、 ジジくさく
ていいなと思うので、このまま載せることにします(笑)。
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今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇 [ 高橋 源一郎 ] まだ単行本ですが、図書館ででもどうぞ。面白いですよ。 |
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