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2020.10.16
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」( 29 日目)
水野和夫・ 大澤真幸 『資本主義という謎  』( NHK 出版新書) 
水野和夫 『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書  )

​​​  2 度繰り返された ​『愛の手紙』​ の後をどうするか。 SODEOKA ​​​​​​​ さん の記事をヒントにいくつか思いついたのだが、今回はすんなりとは決められなかった。結局、 ​『愛の手紙』​ とは縁もゆかりもない方へ折れ曲がることにする。
​  水野和夫 と​​ 大澤真幸 対談 ​『資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか』( NHK 出版新書) 水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書 ) の2冊。 ​​​​​​​
​​​

​​​​​​ これを選ぶ 「ヒント」 になったのは、 ​SODEOKAさん​ が、短編集の表題作 ​『ゲイルズバーグの春を愛す』​ に触れたところの、

「高度資本主義への危惧」

​  という一節。
 こじつけと言えばそのとおりだが、今回はご勘弁願います、ということで。
​​
​  水野和夫 は、三菱 UFJ モルガンスタンレー証券勤務の後、内閣審議官を務めた経済学者。
​ 
​大澤真幸​ は、社会学者。
 ​最初に読んだのは 『資本主義の終焉と歴史の危機』 の方で、タイトルに惹かれて読んでみた。おもしろかった。出たのは 2014 年。
 ただ経済学の専門分野に関わることは、やはりよくわからないところが多い。本当はそのあたりも一通り勉強するべきなんだろうが、そのままになっている。
​​次に手にとったのが、その著者と社会学者 大澤真幸 との対談集 『資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか』
 ​​
実は、後者のほうが 2013 年出版と、前者より先に出ている。
​​ 今回、後者の対談集の名前を先に出したのは、社会学者である ​大澤真幸​ が時に ​水野​ に疑問を投げかけ、違和を唱えることで、議論の許容量が広がりより興味深く感じられたから。
​​​​ ちなみに、少なくとも ​水野和夫​ の考えについては要領よくまとまったものが両書ともアマゾンのレヴューで読めるので興味のある方はそちらを。
​ 実際、近年ほど 「資本主義の終焉」 を思わせる時代はないのではないかと思う。
利子率の低下、金融市場の異常さ、繰り返される「バブル」、非正規労働者の飛躍的増大、中間層の没落、世界の富の 8 割がわずか 1 %に人間に集中しているという試算、世界中に広がる経済格差と貧困等々。
​​​​  ​水野​ は、これを資本主義が終焉に近づいている兆候と見る。
​ ​ ​水野​ によると、

「「資本主義は「中心」と「周辺」から構成され、「周辺」つまり、いわゆるフロンティアを広げることによって「中心」が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進していくシステム」

なのだが、

「「アフリカのグローバリゼーション」が叫ばれている現在、地理的な市場規模は最終局面に入」

​  り、もはや地理的なフロンティアは残されていない。また「金融・資本市場を見ても、各国の証券取引所は株式の高速取引化を進め、百万分の一秒、あるいは 1 億分の一秒で取引ができるようなシステム投資をして」いるのは、そうでもしなければ利潤が上げられない現状を示している。
​ そして言うまでもなく、各国の政策金利は、コロナ禍の前からおおむね「 0 ( ゼロ ) なのだ。
​ これらを踏まえて自説を展開、説明した 『資本主義の終焉と歴史の危機』 では、資本主義の由来と歴史、現状の分析、そして資本主義をどう終わらせるか等がテーマになる。
​​​​​
​​​​​  ​大澤真幸​ が加わった ​『資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか』​ では、 ​水野​ の説を確認、紹介し、議論のたたき台にしながら、進められていく。仮に資本主義が今後終焉を迎えるとしたらどういう形なのか。あるいはその後はどうなるのか。これが俎上に上がるのが本書でいうと ​第 4 章「成長なき資本主義は可能か?」​ ​第 5 章「「未来の他者」との幸福論」​ 。今回、時間の関係もあってこの 2 章のみを再読してみた。おもしろかった。
​​​​​
 目についたいくつかを書き出してみる。
​​​​​

 経済成長ゼロの「定常的」な社会は可能か。可能だとしてもそれを資本主義社会と呼べるか。​
​ ユルゲン・ハーバーマスの「近代というのは未完のプロジェクトだ」に従えば、資本主義も未完成である限りでのみ機能する。​​
​ 貨幣に関する新しい理論が必要なのにない。そもそもお金が国境を越えるということが想定されていない。​​
​​ ​​企業経営者は株主の配当を増やすために雇用者報酬を削減する。​ ​​
 ​​景気回復は株主のためのものであっても、雇用者のためのものではなくなった。​​
 1990 年代末にグローバリゼーションで資本は国境にとらわれることなく生産拠点を選ぶことができるようになった。​​
​​  ​民主主義政治であったはずの政治も資本家のために法人税を引き下げ、「雇用の流動化」の名目で労働者を解雇しやすい環境を整える。​​​​
 ​サブプライムローン等で自国民から略奪してまで利潤率を上げようとした段階で、資本は国家・国民に対する離縁状を突きつけたことになる。​
​​ 若い世代の「幸福感」の所以。 ​​
 ​成長に期待がかけられればかけられるほど、資本が前進すればするほど、雇用者は後ずさりする。「強欲」は資本主義の固有の性格だった。​​
​​ ​資本主義における抑制と倫理は可能か。​ ​​​
​​今のシステムに未来がないとしても、今の社会に未来がないわけではない。 ​​
​​​ ​未来の他者。 ​​​
​ いくらか説明はあっても経済理論的なところにはついていけていないので理解というにはほど遠いが、それでも各々が何を言わんとしているのかはわかる。
​ 第 5 章の最後に、 ​大澤​ が、 ​吉田大八監督​ の映画 ​『桐島、部活やめるってよ』​ を資本主義社会の縮図として紹介する。
​​​ そして私たちは 桐島 に部活や学校をやめられた生徒の立場にいるのでないかと。小説も映画も観ていない立場では 大澤 の説明に頼るしかないが、これも言いたいことは一応わかる。
​​​
​​​​​​ 最後に ​大澤​ が持ち出す ​「未来の他者」​ というのは、つまり 「後世の人々」 ということで環境問題でも同じことがよく言われる。 ​大澤​ はいかに ​「未来の他者」​ をリアルに感じられるようになるかが大事だと言う。たしかに倫理的にはそのとおりかもしれないが、それがこの社会では実現できないから困っているのだと言えるわけで、どうもそのへんがピンとこない。それより、グローバロゼーションの後の世界の制度設計は政治 ( だけではないにしろ ) の責任だとクールに言い切る ​水野​ のほうに説得力を感じないでもない。​
​​​​​
 ただ、だからと言って具体的なことがいまの時点で何か言えるわけではないのは仕方ない。
​​​​ しかし、 アメリカ バーニー・サンダース上院議員 ( 大統領候補には残念ながらなれないが ) イギリス の元労働党党首 ​ジェレミー・コービン​ が一定の支持を受け、注目を浴びたりと世界で左派的な政策への賛同・支持が広がっているのは確かだろう。
​​​​​ ただ一方、こういう危機的な時代に、アメリカの大統領が トランプ だったり、ロシアが プーチン であったり、日本の首相が 安倍 であったり、中国が 習近平 であったり ( 以下略 ) というのは何と巡り合わせが悪いのかということにもなる。いや、だからこそ世界がこうなったと言えるのかもしれないけれど。
​ 資本主義は終焉を迎えるのだろうか。
 少なくとも今の資本主義のあり方は、はやく終焉してほしいと切に思う。
 ここ近年の個人的生活指針は「なるべく消費をしない」ということだったのを思い出した。
 遅くなりました。 DEGUTIさん 、次回、お願いします。
​( 2020・07・09 T・KOBAYASI) ​​​​​​​​​​

追記2024・02・02

​​  ​100days100bookcoversChallenge の投稿記事を ​​​100days 100bookcovers Challenge備忘録 ​ (1日目~10日目) ​​  (11日目~20日目)  ​​​ (21日目~30日目) ​  ​​​ (31日目~40日目) ​ ​ (41日目~50日目) というかたちまとめ始めました。日付にリンク先を貼りましたのでクリックしていただくと​ 備忘録 が開きます。​​​​​​ ​​​​​​​​​​​

​​​

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最終更新日  2024.02.06 14:24:25
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