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帰途 田村隆一 DEGUTIさん が紹介していらっしゃる 「ことばの危機」(集英社新書) という書名に、条件反射のように口をついて出てきたのがこの詩の冒頭の一行でした。だから、今回のバトン・パスは、実にスムーズに進みました。
言葉なんかおぼえるんじゃなかった
言葉のない世界
意味が意味にならない世界に生きてたら
どんなによかったか
あなたが美しい言葉に復讐されても
そいつは ぼくとは無関係だ
きみが静かな意味に血を流したところで
そいつも無関係だ
あなたのやさしい眼のなかにある涙
きみの沈黙の舌からおちてくる痛苦
ぼくたちの世界にもし言葉がなかったら
ぼくはただそれを眺めて立ち去るだろう
あなたの涙に 果実の核ほどの意味があるか
きみの一滴の血に この世界の夕暮れの
ふるえるような夕焼けのひびきがあるか
言葉なんかおぼえるんじゃなかった
日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで
ぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる
ぼくはきみの血のなかにたったひとりで帰ってくる
ウィスキーを水でわるように という印象的な二行でしめくくられた 「言葉のない世界」 という、今となっては懐かしい詩も収められています。
言葉を意味でわるわけにはいかない
「あきれて言葉を失う」 ような 「詩人」の実像 に出会えると思いますよ。
プロの詩人 を実感させる作品群ですね。
追記2024・03・08
100days100bookcoversChallenge
の投稿記事を
100days 100bookcovers Challenge備忘録 (1日目~10日目)
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(51日目~60日目))
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