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1977年、ナイジェリア生まれ。大学町スッカで育つ。イボ族の出身。ナイジェリア大学で医学と薬学を学び始めるが、19歳で奨学金をえて渡米。大学で政治学とコミュニケーション学を専攻、クリエイティブ・ライティングコースでも学び、次々と作品を発表。2003年にO・ヘンリー賞受賞。その後さまざまな文学賞を受賞し、2007年に『半分のぼった黄色い太陽』でオレンジ賞受賞、ベストセラーとなる。ナイジェリアと米国を往復しながら新作を発表している。 「半分のぼった黄色い太陽」 というのは、3年だけあった 「ビアフラ国」 の国旗 です。 骨が浮かび上がるほど痩せているのにお腹だけ膨らんだ 「ビアフラの子」 の写真は、かつて新聞に載っていました。目を離すことができず、今も網膜に焼き付いています。あのころ、栄養失調を 「ビアフラの子」みたい という常套句で言われたのをよく耳にしました。自分と同じ年ごろのはずなのに、もっとずっと小さくてやせている子の写真を見て、激しいショックを受け恐ろしく思いました。しかし、その後も ビアフラ で何が起きていたのか知らなかったし、知ろうともしなかったことに気がつきました。これは偶然の采配。読むべき本に出逢ったと思いました。(ただ、これはノンフィクションではないので、そのつもりを忘れないように気を付けました)
ナイジェリア連邦共和国
・人口 2億1140万人(2022年現在) 世界第7位。
・他民族国家 500を超えるエスニック・グループ。 多いのは、ハウサ人、イボ人、ヨルバ人。
・宗教 キリスト教、イスラム教、伝統宗教。
・名目GDP 5000ドル アフリカ最大 世界第20位 大多数の国民は貧困状態。
・石油 生産量世界12位 輸出量世界8位 原油収入に依存した経済構造。
・ガス 埋蔵量世界10位程度だが、インフラ未整備で利用できていない。
・独立 1960年10月1日 イギリスより独
ビアフラ共和国 (1967年5月30日―1970年1月15日) この ビアフラ戦争 を背景にした小説なので、内戦の混乱、腐敗、飢餓、といった状況はもちろん大変なのですが、登場人物たちに戦争に巻き込まれてかわいそうという思いは持てない小説でした。すごい、あっぱれ、なるほど、そうなのか、などと意外な感想を持ちました。著者は、(戦争に巻き込まれて気の毒、かわいそう)といった固定観念の先立つ読み方を拒否しようとしています。語り手もひとりではなく、3人にして、多様な見方を提供しています。( 著者 は 『シングルストーリーの危険性』 という講演を行っていて、動画をネットでも見ることができます。)
イボ人を主体とした政権・国家。人口1,350万人、面積は77,306km²(1967年)だった。ナイジェリアからの分離・独立のために戦争が起きる。ナイジェリア内戦とも呼ぶ。ビアフラが包囲され食料・物資の供給が遮断されたため、飢餓が国際的な問題となった。
「私たちが死んだとき世界は沈黙していた」 という言葉が何度も出てきます。 ビアフラ戦争 を内側から見た文章です。中身は リチャード が書いていた文章ですが、最終的には別の人がこの文章を書き上げたようです。よかったら、読んでみてください。
追記
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