サリエリの独り言日記
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無機質な音 クリュイタンス、パリ音楽院Orのコンビで不思議なのは、もう一つのフランス音楽の雄ドビュッシーの録音がほとんどないということで、その理由はさっぱりわかりません。ドビュッシーがフランスはおろか、ヨーロッパの近現代音楽に与えた影響は、おそらくラベルその他よりはるかに大きく、あるいは21世紀の今日に至るも、まだそれらを吟味し得たのかどうか、私は門外漢なのでうかつなことは言えませんが、マーラーがそうであると同様に、じゅうぶんには終わっていないのではないか。クリュイタンスもいわば満を持して手を付けようとした矢先に急逝したのかもしれず、いずれにしても残念なことではありました。 彼の死後パリ音楽院Orは発展的改組として、それこそフランスの代表オケとして「パリ管弦楽団」と改称したのですが、往年の洒脱な雰囲気は失われ、一言でいえば世界のどこにでもある一流オケという感じで、何だか印象が薄くなってしまいましたね。 さて、話はなぜかここで、唐突に本題のエレクトーンに戻ってくるのです。これまで、気ままにながながとクラシックの話をしてきたというのは、エレクトーン独特のあまりに整序され、乾いた電子音を繰り返し聴いていると、無性にアコースティックなサウンドを耳が求めるのに従ったまでで、ずいぶん寄り道してしまいましたね。 826asukaさんは昨春にCD,DVDで、いよいよメジャーデビューを果たし(今春にも二枚目が出るらしい!)、半年ほどの全国ライブツアーを行いながら、ユーチューブへのUPも精力的にこなされていて、そのパワフルな活動には敬服するばかりですが、還暦をはるかに過ぎた私には、それら一つ一つを吟味していくのは明らかに手に余る。したがって例によって私は、時々の私が気になったもの、心惹かれたものについて、時節柄に関係なく少しずつ話していきたいと思っています。CDの印象についても、ぜひ話したいと思っているのですが、タイムリーにコメントをUP出来なくてごめんなさいね。まあここは、音楽時評欄でも何でもないし。 昨年中に彼女がユーチューブにUPした曲は全12曲。結果的に月平均一曲ということになりますが、その中で私のお気に入りは4曲。クィーンの「I Was Born To Love You」 と、ディズニー映画アラジンの「A Whole New World」 、そして新海誠監督の「君の名は。」と、「 Let It Go (映画『アナと雪の女王』挿入歌)」です。 私にとってクィーンというのは、もともと古いファンであることに加えて、ロックやエレキの奏法はまったくの門外漢ということで、冷静かつ公平なコメントをするのはむつかしい。一つだけ言うとすれば、エレキ特有のチョーキングやクリッピングといった奏法は、結局生きた音楽のグル―ヴ感を表現する手段として現れてきたのではないか。もともとアコースティック・ギターは、きわめて細やかな表現が可能で、数多くの愛用者がいるにもかかわらず、その絶対的な音量の小ささゆえに、クラシック音楽界では片隅に置かれているような印象がありました。今でこそ収音マイクやアンプ、スピーカーなどの発達で、電気的な増幅が可能になって、ごく普通に演奏会場に登場していますが。 エレクトリック・ギターは、そうした電気的な音の増幅過程で登場した楽器で、スピーカーとアンプのキャパが許せば、その音量はいわば無限大に拡大できる。プレスリーが席捲した50年代のアコースティックなロカビリーは、60年代に入るやたちまちエレキのロックに変身したのです。しかし電気的な迫力だけでは、どれも同じ音に聞こえてたちまち飽きられてしまう。ヴォリュームのつまみを上げ下げすれば、簡単に迫力が出せるというのは、考えてみればずいぶんシンプルな話ではありました。それにしてもJ・ヘンドリクス、R・ブラックモア、E・クラプトンといったエレキ・ギタリストの名手たちが、60年代から70年代にかけて、綺羅星のようにさまざまな試みをしていましたね。 この原曲のリード・ギターは、その後継の一人ともいえるB・メイですが、結局目指すところはみな、無機質な音源からいかに「生きたサウンド」を生み出すか、というところに収斂していくように見える。 しかし、エレキ・ギターは電気的な加工を施しているとはいえ、その音源は手指がはじく鉄弦から拾うという意味で、純粋に電子的な音とは言えない。それに比べると、エレクトーンはエレキ・ギター以上に音源は無機質なのであって、逆にその無機質な部分において、エレキ・ギターとの音質の相性はいいのでしょう。しかし、お気づきだと思いますが、それは同時に、そのまま電子楽器通有の弱点も表していると言っていいのではないか?
2020.02.03
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