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ゆり根はぎんなんとともに茶碗蒸しの名脇役なので、冬のものだと思いがちですが、以前、能登半島・輪島の朝市では秋に買いました。ゆりの茎というか根というか、つまりは「芋」でしょうが、その鱗片のほくほくした感じを味わいます。茶碗蒸しに1片2片入っているのもオツですが、先日は小さなこぶし大のを買ってきたので、バラバラにして、淡い味の卵とじにして楽しみました。ゆり根はおがくずまみれにして売っていることが多いですが、まず優しくおがくずを落としたあと、チラシなどを敷いた上で、包丁の根元で丁寧に1片1片はがしていきます。ひげ根を取り、鱗片の付け根あたりに包丁を入れて、外すようにするといいでしょう。はがれたら、端の黒くなったりした所を落としておきます。大から小まで、たくさんの鱗片に分かれたら、ボウルに取って1つ1つ水で洗い、指で汚れを取ります。ここまで来れば、あとはもう一息です。鍋でもフライパンでも、ゆり根をなるべく重ならないように並べ、200cc弱の水(だし)に、醤油・塩・みりん各少々で薄味にして火にかけます。沸騰したらふたをして弱火にし、だしから出た部分も蒸されて火が通るようにします。3~5分煮いたら、強火にして溶き卵1~2個分を全体に流し、ふたをして吹いてきたら火を止めて、余熱で卵を固めます。少し冷めてからフライ返しなどで切り分けて、盛りつけましょう。煮きが浅ければ、少しシャリシャリし、それからホクホク、ベチャッとなりますので、加熱時間にはご注意ください。
2006年01月29日
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今年は29日が旧正月。田舎では今もこの日を正月の一連の行事の起点にするところがあるのではないでしょうか。たしかに七草なども、旧のほうが芽吹きの加減から言っても、季節的に納得できるように思います。また最近では中国など、まだ旧正月の風習が色濃く残る国々を意識しての「春節」の行事が繰り広げられるのも目にします。神戸や横浜の中華街も賑やかになり、竜が舞ったり、通りでは水餃子やフカヒレ麺、揚げパン、中華バーガー?が人気を集めたりします。それらの中で、ここ数年わたしが気に入っているのが大根餅です。大根餅は、大根おろしを練り込んだ小麦粉の団子の塊を厚めに切ったもので、ごま油を引いた鉄板で両面を香ばしく焼き、餃子のたれのようなものをつけていただきます。中身は大根だけでなく、きくらげ、ハム(焼き豚)、クコの実などが入る場合がありますが、ネットで検索するといくらかレシピがありますので、詳しい作り方はそちらに譲ります。餅米ではないものの、ぷよぷよしてもちもちした「餅」で、ごま油の香りと焼けたにおいが、食欲を誘います。ようかんのような生の大根餅を売っていれば、買ってきて角餅ぐらいの厚みに切り、ホットプレートなどの中火で焼けばいいでしょう。あまり頻繁に裏返したり、いじくり回したりしないのがコツです。焼いている面がきつね色になる頃を見計らってコテでシュパッと裏返し、焼くのは表裏1回ずつでキメましょう (^_^)。中がサクッという感じに焼ければ最高ですが、生でなくて、大根の甘みが感じられるようなら成功です。ちょうど、切り干し大根の寄せ揚げとか、切り干し大根を具にした(信州の)おやきのような味わいも感じられますね。
2006年01月28日
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24、25日は初天神でした。大阪天満宮(天満の天神さん)の境内にも幾らか店が出ていましたが、買って食べるほどのものもなく、周辺を散策しついでに商店街のN屋で60円のコロッケを買って、熱々を食べながら歩きました。小ぶりな小判形で、衣がカリカリして美味しかったのですが、以前から書いているように、わたしはコロッケを作るのが苦手です(^_^;)。そこで、ポテトと茹で卵を使った揚げ物(てんぷら)で、お茶を濁させていただこうかと……。材料:じゃがいも、卵、小麦粉、揚げ油(、あればパセリ少々)。手順:1)皮をむいてサイコロ状に切ったじゃがいもを茹でておく。2)卵も 茹でてサイコロ状に切る。3)小麦粉を水で溶いて衣を作り(みじん切り のパセリ少々を入れてもよい)、じゃがいもと卵を入れてさっくり混ぜ、 一口大になるように大さじですくって揚げる。具は加熱済みなので、衣が 固まればよい。4)よく油を切り、ソースかケチャップを付けていただく。大学生協の食堂でよく食べていたメニューでした。揚げすぎて黄身が溶け出さないように注意してください。なお、混ぜるときに黄身が少々崩れて、衣に混ざるのは良しとします。ボリュームがあるので、充分メインのおかずになります。ただ、食堂のメニューは「ポテトエッグフライ」だったかどうか、自信がありません。とはいえ、簡単なので、ふだんのお惣菜として、名前は適当でもいいのかもしれませんね。勿論、一般名があれば教えていただきたいですが。
2006年01月27日
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わたしが食事時に作る吸い物はたいてい味噌汁で、たまに澄まし汁を作ります。どちらかと言うと味噌汁のほうがいろんな具に合い、澄まし汁のほうが「具を選ぶ」感じがします。たいした具がないときや、手間が面倒なとき、今でこそインスタントの味噌汁やカップスープがありますが、小さい頃はよく、とろろ昆布のおついを飲んだものです。お椀にほぐしたとろろ昆布を鶏卵大か、少し少なめに入れ、醤油少々を掛けてから熱湯をたっぷり注げばできあがりです。昆布茶に似た味わいですが、醤油味がある分だけ食事向きでしょう。昆布茶より粘りが出て冷めにくいので、やけどに注意が必要です。何か具を追加するとすれば、せいぜい三ツ葉かねぎでしょうか。お茶漬け用のあられがあれば、いいかもしれませんね。そう言えば、ごはんの上にとろろ昆布を乗せて同様にすれば、とろろ昆布のお茶漬けになります。鯛の刺し身を2~3切れ乗せておけば、鯛茶漬けです。この場合はお好みでわさびを加えてもいいかもしれません。父は毎晩、晩酌をしていましたが、燗酒を飲んでからごはんに移り、おかずがもう一品欲しいときに、茶碗のふたを皿代わりにして、とろろ昆布を山盛りに乗せ、醤油を掛けてから熱湯少量を注いで、よく練っておかずにしていました(「味の素」もたくさん掛けていましたが)。今のわたしは、その「おショユー掛けて、お茶掛けて」と呼んでいた、練ったとろろ昆布だけでは、おかずにも酒のアテにも物足りなく感じるのですが、父は気に入っていたのでしょうね。
2006年01月22日
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先日、大阪市内の実家に顔を出したとき、母が「去年のお餅やけど」と言って細かく割れた硬い餅を出してきました。「揚げて食べればよい」と親戚に貰ったそうですが、揚げるのは面倒とのこと。そこで、できるだけ細かく手で割り、フライパンで弱火で煎りました。少し大きめのものは、電子レンジに掛けると10秒かそこらでプハッ!と膨らみますので、それも加えましたが、カラカラに煎って少しきつね色になったところへ、醤油をじゅわっと回し掛けました。そのまま湯気が収まれば火を止めて、醤油あられのできあがり。母は「これは昔懐かしい『きりこ』や」と言っていました。多少、煎り足りずに硬いままのところもありますが、そこはそれ、かえって手作り感がにじみます。熱いうちにいただくと、香ばしい醤油の香り。醤油が掛からなかった部分は、まったく素朴な素焼きです。パック餅全盛の昨今にあっては、このような餅はなかなか手に入らないでしょうが、もしあれば、気長にごく弱火で煎ってみてください。なお、残りの餅を貰って帰って、家でもやってみました。ただし、めんつゆで味を付けてやろうと、仕上がりに大量のめんつゆをフライパンに掛けたら、餅が軟らかくなってくっついてしまい、大失敗に終わりました(^_^;)。やはり、液体分は少量に限るようです。それでも、子たちには一定の評価を得たので、さてわが家のお鏡、パックを解いて薄切りにするとポロポロに乾燥するでしょうから、それを幸いに『きりこ』にしようかどうか、迷っているところです。
2006年01月15日
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あり合わせで作る、かぶら蒸しモドキです。もし、「鯛の刺身が余っている」などという方がありましたら、小鉢に何切れか入れてラップをして電子レンジにかけ、火が通ったところへ、このみぞれ煮を掛けていただければ、なおさらかぶら蒸しに(気分が)近づきます。なお、材料の中の平天(さつま揚げ)は、多少油分がほしいかなと思って加えました。そうでないあっさり味がお好きな向きは省いていただいて構いません。とは言いつつ、フレンチフライドポテトを仕上げに加えてもいいかな、などと、半ば本気で思っておりますが(^_^;)。材料=2人前:かぶら(小かぶなら2玉)、しめじ半株、平天1枚、にんじん、 みつば各少々、だし200cc、醤油、酒各適量、みりん少々、かたくり粉。手順:1)かぶらは皮をむき、鍋に加える直前におろす。しめじはさばく。平 天、にんじんは細く切る。みつばは2~3cmに切る。2)鍋に、だしと しめじ、にんじんを入れ、薄めの味付けで煮る。3)煮えたら平天を加え、 おろしたかぶらを汁ごと入れて、ひと煮立ちさせる。必要なら味を補う。 4)火を弱めて、水溶きかたくり粉でとろみを付け、強火にして煮立った ら、みつばを加えて火から下ろす。小鉢によそい分けて、できあがり。冬向きの温かいメニューをどうぞ。なお、ご愛顧いただいております「おリョオリのうた」は、おかげさまでまもなく1周年を迎えます。「料理歳時記」なればこそ、1年でひと回りで、書くことがなくなるはずですが、書き漏らしたことがあったり、昨年2~3月に長く休載したりしましたので、もう少し書き継ごうと思っています。このメニューなどは、はなだんなの専売特許ではなく、みなさんに試していただいてこそ(ちょっと冒険かもしれませんが(^o^) )、だと思っておりますので、今後ともどうぞご贔屓に、よろしくお願いします。
2006年01月14日
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「商売繁昌で笹持って来い!」……えべっさんの掛け声です。今年は下の子を連れて、宵戎の9日に近所の戎神社にお参りしましたが、わたしが小さい頃はやはり地元の大阪・堀川戎に行っていました。自営業でしたので、笹を買い、縁起物の「吉兆」を付けてもらって、1年間家に飾っていました。笹のほかに買ったのが、福飴と延命飴です。福飴はお多やんの顔が出る金太郎飴で、福を呼び込むもの、ねじ飴の延命飴は、節分まで置いておいて食べるものでした。このような細工飴は作るのに技術と手間が要るようですが、砂糖(または糖化させた澱粉)だけの単調な味なので、ぱくぱく食べるものでもなく、たいがい溶けかかった頃にセロハンをようようはがして食べ終えるといった具合でした。堀川戎の露店でも、天神橋筋商店街の和菓子屋でも、外側が赤と白の2種類の福飴を売っていましたので、1人あて2本。食べきるのも大変でした(延命飴は赤い筋のと緑の筋の2種類)。ま、行事と割り切って、食べていましたが。さて、近所のえべっさんには福飴は売っておらず、りんご飴やとうもろこし、たこ焼き、いか焼きなど普通の露店ばかりです。5才の子どもには高いものや熱いものはどうかと思い、どんぐり飴を買ってやりました(1ケ30円)。本人が5つと、おじいちゃんの家にお泊まりに行っているお兄ちゃんに2コ。帰りの道々、1つだけ口に入れて、しっかり歩いて帰りました。飴の言われよりも、子どもが満足してなめる飴は、福飴以上に御利益があるかもしれませんよね。
2006年01月09日
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「ねぎ・三ツ葉・水菜・小松菜・ほうれん草・菊菜・すずしろ=鍋の七草?」。それはともかく、7日は七草。七草がゆを食べる日とされています。でも、旧の1月7日ならいざ知らず、ひと月も早い新暦の1月7日に若葉が揃うはずもない。……そこでスーパーが7種類をセットで売り出すことになるのですが、みなさんは「ほとけのざ」など、野原に生えていても現認できますか? わたしは分かりません。七草に似た苦い草もあるようで、素人は注意が必要です。われわれがこの季節に青菜入りの粥を賞味するなら、上に書いた手に入りやすいもので試してみればいかがでしょうか。すずしろ(大根)だけでなく、にんじん、小かぶの葉(すずな)、わかめ、ブロッコリーのつぼみ・軸も入れて、味噌味・卵とじの雑炊(おじや)にしてみると、家族には好評でした。伝統の行事を比較的大切にしているわたしが、七草がゆに関しては破格なことをするのは、わが家に七草の風習がないからですが、新たに興すなら、新暦の七草では無理のある食材を揃えるより、合理的にビタミンを摂ろうというわけです。もともとは「なーなくさ・なずな、菜っ切り包丁・まーな板……」と囃しながら、青菜をみじん切りにしたという、まじないのようなことをしたようです。「青物の乏しい冬に栄養補給を……」などというのは、現代人の後付けの解釈なのでしょう。この日は5節句のうちのひとつ「人日(じんじつ)」。松の内を7日間とする地方では、この日を限りに門松・〆縄を外すことになりますね。
2006年01月07日
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正月の行事は3日で終わり、祝い箸は小正月・節分に向けて一旦仕舞います。わが家では鏡餅は3日で下げ、4日の朝から切り分けてしまっていました(今はパックなので、食べる時にしか切りませんが(^_^;))。串柿や葉付きみかんは子たちのおやつ、だいだいは鍋物のぽん酢用になりました。切り分けた餅は3が日に食べた小餅の残りとともに餅箱に入れて、かびが来ないように寒い所に置いておき、1か月ぐらいかかって食べました。小さい頃は練炭火鉢があり、網を乗せて、弱火でこんがりと、中が空洞になるまで焼いたりしたものです。焼いた餅は、醤油を付けて2度焼きするのが普通でしたし、わたしはカリカリに焼けた醤油餅が好きでした。ほかには砂糖醤油(これは2度焼きしない)、焼いた餅をお湯にくぐらせて砂糖入りきな粉をまぶした「あべかわ」。また、お椀に焼いた餅を入れ、塩少々と熱いお湯をかけてふうふう言いながら食べました。ふやけた加減と香ばしさが、お茶漬けに入れるあられのような感じです。「餅は貧乏人(乞食)に焼かせろ」とは、こまめに裏返して焼くほうがうまく焼けることを指したものですが、わたしはかなり上手でした (^o^)。それでも、たまにうっかり焦がしたときは「大名!」と言って笑っていました。わたしが焼くと、こぶまで焼いてさらに膨らませ、カリカリにしてしまうので、「おまえのはオカキやな」と父に言われていました。それもこれも、火鉢と(餅焼き網の高さを調節するのに使っていた)金ばさみがあったればこそ、なのですが。
2006年01月04日
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正月2日は、わが家では「名(菜)が上がりますように」と、具の水菜を高く掲げて念じてから食べる澄まし雑煮を作ります。作り方はいたって簡単で、焼いた丸餅とお椀に入る程度の長さに切った水菜を、だしと醤油で作った澄まし汁の中に入れて、ごく短時間煮たものです。水菜のシャキシャキ感を保つために、加熱は最低限にしてください。それでも、餅や餅の焦げが少しは汁に溶け出して、いくぶんコクが出ます。「軽い」ので、餅が多く食べられる感じです。わが家のお節料理・雑煮の中で、青菜を使う異例のメニューです。もっとも、水菜は冬には「鯨のはりはり鍋」などでおなじみですし、漬物や、最近ではサラダでも使います。「名(菜)が上がる」という駄洒落も、他の煮〆一般にも通ずるものですし、縁起をかついだ行事としてあってもいいのですが、比較的新しいような気がします。勿論、ここ最近考え出されたということではなく、芽が出る「くわい」や、先の見通せる「れんこん」などと比較しての話ですが。この雑煮は、雑煮と言うにはあまりにもシンプルで、普段に食べてもいいような感じですが、物足りないかもしれません。水菜を多く使って、しかもシャキシャキした感じを残そうと思うと、合わせる具も限られてきます。「はりはり汁」で紹介したように、牛や鴨を使うか、とり、薄揚げなどの油の出る材料、もしくは煮込むとつるんとした食感になるしめじなどはどうでしょうか。いずれも、水菜は仕上がり時に鍋に入れ、すぐ火を止めてできあがりとなります。
2006年01月02日
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雑煮を辞書で引くと「餅入りの汁」だそうです。実際、丸餅か角餅か、焼いた餅か焼かない餅か、味噌仕立てか澄まし仕立てか(ここまでの「組み合わせ」で8通り)、さらに味噌は白味噌か合わせ・赤味噌か等々、ニッポンにはさまざまな雑煮があります。わが家は関西風の白味噌雑煮で、焼かない丸餅を使います。具も千差万別ですが、わが家では小芋、輪切りにした雑煮大根、角切りの焼き豆腐です。たいてい、年末のうちに具を下茹でして準備しておき、当日は各自に「餅の数」を聞いたあと、味噌汁のように作って、餅を少々煮ます。3が日は、小梅と白昆布を入れた煎茶(おおぶく茶=大福茶 or 皇服茶)から「お祝い」の食事を始めます。前述の「煮〆」もそうですが、この雑煮もたいへんあっさりしており、わが家の、というより、昔の正月はこの程度の「ごちそう(ごっつぉ)」だったのかと思います。補足すると、使う白味噌は象牙色のいわゆる西京味噌、雑煮大根はせいぜい切り口が10円玉大の、中抜き大根より少し太い程度の大根で、正月向けとして特別にスーパーなどに並びます。白味噌は普段は、しじみの味噌汁か、「ぬた」か、田楽か、魚などの漬け床にしか使いませんので、子たちは白味噌の雑煮をとても喜びます。もっと普通に、餅を入れてでもいれなくても、白味噌の味噌汁を作ればいいのですが、ごはんに添える汁物としては甘い仕上がりになり、具も選ぶので、めったに作りません。クリームシチューの和風版として、鶏肉やブロッコリー、芽キャベツ、小たまねぎなどを具にして白味噌の味噌汁を作っても面白いかもしれませんね。
2006年01月01日
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