「きらりの旅日記」

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ほしのきらり。

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2022.11.14
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カテゴリ: 美術館・博物館
ルソーの絵画を見ていると自然に微笑んでしまうのです〜手書きハート素朴派に分類されてはいますが彼自身は古典を重んじ真面目描いているのです

アンリ・ルソー

Henri Rousseau

『眠るジプシー女』1897年



知らない国の風変わりな植物を見る時、

私は、夢の国へいくような気がします。

[ルソー]


アンリ・ルソー
Henri Rousseau

1844年5月21日〜1910年9月2日(66歳没)


​アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー​

19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した

フランスの「素朴派」の画家。


​【アンリ・ルソーのプロフィール】​


流派= 素朴派(ただし本人に自覚なし)

得意なモティーフ= 肖像画・空想の中のジャングル


尊敬する芸術家=

 一方的にリスペクト。本人いわく、

 助言をもらいに会いに行ったことがあるらしい。

家族・恋愛= 意外と惚れっぽく、二度の結婚。

 未亡人に恋をし、求婚するが拒否された。

行動= 天然?純粋とは限らず、

 兵役で中南米に行ったと偽って、

 ジャングルの絵を描いたり、

 手形詐欺で捕まったりと、

 妙な虚言癖があるのが困りもの。

エピソード= どんな酷評でも、自分に関する新聞記事は、

 喜んでスクラップしていました。





​【アンリ・ルソーの年譜】​

1884年5月21日、 フランス西北部ラヴァル生まれ。

 父は、板金工。母は、軍人の娘。

1863年、 法律事務所に勤務中、金を盗み、

 1ヶ月の禁固刑。出所後は、軍隊に入隊。

1869年、 クレマンスと結婚。

1871年、

1884年、 この頃から本格的に絵を描き始める。

1899年、 ジョセフィーヌと結婚。

1907年、 銀行詐欺事件に巻き込まれ、有罪判決。

1908年、 個展を開く(客はわずか)。

 ピカソのアトリエで、ルソーを讃える夕べが開かれる。

1909年、 手形詐欺事件に巻き込まれ、有罪判決。

1910年9月2日、 パリで死去。享年66歳。



ルソーがまだ税関に勤めていた46歳の時の作品。

セーヌ川畔の風景を背にして立つ自画像で、

前年のパリ万博に完成したエッフェル塔や、

それを祝う気球が描かれています。


でもこの作品、

見ればみるほ変なのです

遠近法はでたらめで、

背景の人々や船と比べると、

ルソーは、

驚くほど巨大びっくり

足は宙に浮いていて、

パレットの持ち方も不自然です。

雲の形や、

空との前後関係もおかしいなど、

ツッコミ始めればキリがありません。



こちらも、ツッコミどころ満載

なのに不思議な魅力にあふれた一枚。

技法や常識にとらわれず描くことで、

独特の温かい味わいを出す

「ヘタウマ絵画」

一般に ​『素朴派』​ と呼びますが、

ルソーはまさにその元祖でした。


ただし、

ルソーはヘタウマの自覚は全くなく、

正統派芸術家のつもりだったようです。



ルソーは、

正規の絵画教育は受けておらず、

パリ市の税関に勤めながら、

独学で描き始めた日用画家。



40歳を過ぎてから、

独立芸術家教会展に出品しますが、

ヘタウマという概念がなかった時代に、

評価されるはずもありません。



それでも彼は、おかまいなし。

49歳で税関を退職し、

年金で食いつなぎながら、

死ぬまで毎回、

出品し続けました。



ルソーは、

印象派など新しい芸術には、

あまり関心がなく、

古典をお手本にしていたとか・・・。



ウケを狙わず、

真面目に描いた挙句にヘタな「天然力」で、

彼は、きせずして

古典的な常識を打ち破り、

印象派すら超える

新しい絵画を創り出したのです



ルソーのヘタウマを最初に評価したのは・・・

巨匠:ピカソや、

詩人:アポリネールら、

モンマルトルの安下宿「洗濯船」に集う

若い芸術家たちでした。


1908年には、

「ルソーを讃える夕べ」を開き、

賛辞の詩を贈呈。


感激したルソーは、

アポリネールと恋人の画家マリー・ローランサンに

2人の肖像画を贈ろうと、

全身のサイズを巻尺で測った挙句に

似ても似つかない姿を描き、

迷惑がられたりもしています。


若者たちも、

たんに老画家の「天然ぶり」を

面白がっていただけではないでしょう。


当時、

アフリカ美術の素朴で、

力強い美にハマっていたピカソなどは、

​ルソーの「狙っていないスゴさ」​

を正しく理解していたはず・・・。


​誰もが、簡単に真似できそうなヘタウマですが、

それを芸術の域にまで高められるのは・・・


ルソーのような天然か?

ピカソのような天才の、

どちらかなのです。


(参考文献:幻冬舎/西洋絵画入門より)
(写真撮影:ほしのきらり)

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最終更新日  2022.11.14 00:10:11
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