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先週の木曜日、プールが終わってから、「母性」の映画を観に行った。先日から、戸田恵梨香がいろいろな番組に出ていて、番宣をしている。始まったら観たいなあと思っていたけれど、Kさんも同じだったみたい。【ストーリー】ベストセラー作家・湊かなえが「これが書けたら作家を辞めてもいい」と思いながら書いた渾身の作品を映画化。母性を持てず娘を愛せない母を戸田恵梨香が、母性を求め母に愛されたい娘を永野芽郁が演じる。 女子高生が自ら命を絶った。その真相は不明。普通に見えた日常に、静かに刻み込まれた傷跡。愛せない母と、愛されたい娘。同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、ふたりの話は次第に食い違っていく。母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」。2つの告白で事件は180度逆転するー。ちょっと遅れたので、入ったときは予告編で見る衝撃的な場面だった。死んだのは、主人公の娘役の永野芽郁だと思ったら、すぐに学校の先生役で出てきた。衝撃的な場面と「事故か自殺か殺人か」という強烈なキャッチコピーで引き付けられたけれど、この事件自体はストーリーには全く関係が無かった。でも、この事件の母親が言った「愛あたう限り、娘を育ててきた」という言葉をきっかけに、母親と娘の立場から回想が始まる。内容はよくわからないところもあったけれど、女性4人の演技は素晴らしいなあと思った。戸田恵梨香は朝ドラの「スカーレット」、永野芽郁も「半分青い」以来大好きな女優さんだけれど、二人ともやっぱり演技が上手い。戸田恵梨香は、可憐な娘時代から母親、そして自分を消して生きる嫁と、一つの映画でいろいろな表情を見せてくれるし、永野芽郁も秘密を知ったクライマックスでの演技には目を奪われた。母親役の大地真央、姑役の高畑淳子も、極端すぎる母親像だけれど上手いなあと思った。母性って何だろう。以前にも書いたことがあるけれど、私はずっと母親に甘えられない子どもだった。心の中では母親を求めているのに、手をつなぎに行くのはいつも父親だった。母親に抱きしめられた記憶もほとんどないし、あまり母親に愛されていないと思いながら育ってきた。小学校2年生の時の、母親の膝に座った嬉しさを覚えている変な子だった。母親の愛情を求めているのに、素直になれないのは何故なんだろうとずっと不思議だった。けれど、50才を過ぎて、仕事を辞めて母親と過ごすことが多くなり、ぽろっと母親が言った言葉で、母親が私を産んだあと40日以上も起き上がれなくて、私を抱けなかったことを知った。いつも柳行李に寝かされていたそうで、不憫に思った父親が、仕事から帰ってきて、いつも私を抱いて着物の懐に入れていたそうで、やっと原因がわかったような気がした。着物の懐が膝の上になり、父が帰ってくると甘える私を見て、母親も、なかなか懐かない私に心を痛めてきたかもしれないなあと思えた。母親が病気になり、ぎこちなかったけれど、手を繋いであげたりすると嬉しそうな顔をよくしてくれた。私の中で、こだわりが無くなったのは、母が亡くなる2年ほど前からで、亡くなる前にいろいろ話せて良かったと思っている。そんな風に自分が育ってきたものだから、自分が子どもを産んだとき、すごくかわいいと思っているのに、自分の愛情表現の仕方に戸惑った。娘は、自分の子どもに「大好き」とよく言うけれど、気恥ずかしさがあった。それで、いつも息子には、「○○君、かしこいねえ」娘には「〇〇ちゃん、かわいいねえ」と言って育てていた。私は小学校に勤めていたけれど、子どもたちは産休明けから他の人に預け、1才から保育所育ち。子どもと過ごすのは、朝の1時間ほどと、帰ってきてからの2.3時間だけ。それも、毎日仕事を持ち帰ってくるような生活だったので、一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入って、食卓で仕事をしながら宿題を見たり、お絵かきさせたり。息子は、学校が終わってから実家で過ごすこともあったけれど、いとこが男の子ばかりだったので、娘は実家に行きたがらなかった。それで幼稚園から友だちの近所のAちゃんと一緒に、彼女も実家の両親が忙しかったので、月曜から土曜まで習い事で埋めていた。ピアノ、習字、英語、水泳、そろばん、スケートも習っていたことがあった。それで、習い事は、私の中では私がいない時間の埋め合わせをしてくれるものとしかとらえてなかった。うちの子どもたちは健康で、休むこともほとんどなく、無事過ぎていったけれど、小さな子を持つ女性教師に保護者は厳しく、必死に毎日を過ごしていた気がする。自分では、子どもを精一杯愛しているつもりでも、やっぱりあの時期の私は仕事中心で、自分本位に速くとせかしたり、時間をかけて子どもの話を聞いてあげると言うことに欠けていたと思う。娘がエルちゃんを産んで、ベビーパークという幼児教室に通いだした時、毎日ぎゅっと抱きしめてあげて、「大好き」「たからもの」と言ってあげてください。と言われたそうだ。それは二人の子どもに今も続いているからか、二人とも自己肯定力が高いなあと思う。孫たちも私にくれるお手紙に「だいすき」といつも書いてくれるけれど、人を幸せにする言葉だなあと思う。「愛あたう限り子どもを育てる」のが母性だと思うけれど、相手にちゃんと言葉や態度で伝えることことが大事なんだなあと思う。
2022.11.30
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先週金曜日のAスタジオと言う番組に出ていたのが、原田美枝子。公開したばかりの「百花」の宣伝も兼ねていて、予告編が流れた。観たいなあと思って、翌日、プールが終わってから友だちと観に行った。【ストーリー】『告白』『君の名は。』をプロデュースした川村元気の同名小説を自身が監督し映画化。ふたりで生きてきた親子の、愛と記憶と忘れられない事件を巡る物語。 レコード会社に勤務する葛西泉(菅田将暉)とピアノ教室を営む泉の母・百合子(原田美枝子)は、過去のある事件をきっかけに、わだかまりを感じながら過ごしていた。様子がおかしい百合子を不審に思った泉は病院に連れていき、認知症と診断される。症状は日に日に加速、泉の妻・香織(長澤まさみ)の名前も分からなくなる。ある日、百合子の部屋で一冊のノートを見つける。そこには、母の秘密と泉にとって忘れることのできない事件の真相が綴られていたー。うーん、ちょっと期待外れだった。画面が暗くて見にくいのが残念。母の症状に戸惑い、過去の事件との葛藤の中で、母を理解していこうとする泉を演じる菅田将暉は上手いなあと思ったけれど。最後のエンディングで、永瀬正敏の名前があって、え?どこに?あの人?と思ったら、観終わった後、一緒に行ってたKさんもそう思ったと話していた。ずいぶん変わったのかな?まだ公開して間が無いので、ネタバレは白文字で。ドラッグしてみてください。携帯の場合は、画面を長押しして、ココから~ココまでの範囲を選びコピー。メモなどにペーストしてくださいね。「ココから」忘れることのできない事件と言うのが、泉が子どもの頃、ピアノを教えていた母が生徒(これが永瀬君だったみたい)の男性と浮気し、子どもを捨てて出ていってしまっていたこと。空っぽの冷蔵庫を開けて、「おばあちゃん、お母さんが帰ってこない」と言う泉。後の泉の言葉で、父親がいないし、一年半も母親が出ていってたと知った。祖母が近くにいるとしても、一年半も子どもを捨てて、男に走るなんて考えられない。阪神大震災の場面で、始めは浮気相手の名前を呼んでいたけれど、途中から息子の名前に代わり、それがきっかけで戻ったようだけれど、途中で子どもを思い出して悩むような場面もなかった。大きな地震が無ければ、いつまでも子どもを捨てたままだったのかな。原田美枝子演じる母親には、全く共感できず、嫌悪感を感じてしまった。原田美枝子なら、愛人と子どもを思う揺れ動く演技を、うまく表現するだろうにもったいないなと思った。残された泉は本当に傷ついたと思うけれど、その間の泉の様子も描かなければ、どんなふうに戻ってきたかもわからない。いろんなところの描き方が中途半端だなあと思った。半分の花火が見たいと繰り返す百合子に、訳が分からなかった泉だけれど、子どもの頃、帰ってきた母親と一緒に観た、団地の向こう側に半分見える花火のことだった。でも、その花火があまりにしょぼすぎて、見たいみたいと言うほどきれいじゃない。もう少し、きれいな花火の映像は撮れなかったのかな?それと、認知症の介護が簡単に描かれ過ぎ。母子家庭で入るには、介護施設が贅沢すぎ。実際に、認知症の親を介護している人は、あんなもんじゃないと思うだろうな。「サバカン」が観終わった後気持ちが良かっただけに、よく宣伝している割にはこの映画は、あまり良さが感じられなかった。酷評すぎるかな。「ココまで」
2022.09.14
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草彅剛のyoutubeで、「サバカン SABAKAN」の予告編を観た。つよぽんのナレーションで始まるけれど、懐かしい感じでどうしても見たくなった。どこで上映しているか調べたら、上映館が少なくて、いつも行くイオンシネマでも上映予定がない。それで、水曜日、プールを早く終わって、東宝シネマの上映館へ行って観た。<解説>1980年代の長崎を舞台に、2人の少年が繰り広げる冒険と、それぞれの家族との愛情に満ちた日々を描いた青春ドラマ。1986年、夏。斉藤由貴とキン肉マン消しゴムが大好きな小学5年生の久田は、夫婦ゲンカばかりだが愛情深い両親や弟と暮らしている。ある日彼は、家が貧しく同級生から避けられている竹本と、イルカを見るため海へ出かける。溺れそうになったり不良に絡まれたりと様々なトラブルに遭遇しながらも友情を育んでいく久田と竹本だったが、やがて別れを予感させる悲しい事件が起こる。久田の両親を尾野真千子と竹原ピストル、大人になった久田を草なぎ剛が演じる。ドラマ「半沢直樹」の脚本などテレビや舞台の脚本・演出を手がけてきた金沢知樹が映画初監督を務め、萩森淳と共同でオリジナル脚本を執筆。あーすごく良かった。やっぱり、草彅剛の映画にハズレは無い。主人公は、小学校5年生の二人の少年だ。1986年の夏休みの思い出。当時の懐かしさがあふれている映画だ。うちの息子は、小学校4年だったかな。キン肉マン消しゴムをいっぱい集めていた。同じ世代の人が見たら、タイムスリップしたような気持になると思うけれど、小学校に勤めていた私も、懐かしさでいっぱいだ。教室の中の展示物や、子どもたちのやんちゃな様子、何かあると感激して「みんな拍手」と言うあんな先生もいたなあ。平気で子どもをたたいたり、下品なことを言う久田の両親だけれど、愛情は溢れている。そんな保護者もたくさんいた。「先生、悪いことしたら叩いてや」と言う人もいたし、授業参観に後ろばかり見ると、子どものそばに来て、頭を小突く人もいた。暴力的なところもあるけれど、子どもを誉めてあげて、「私大好きなんです」と言うと泣いて喜んで、子どもを全力で愛しているのも伝わった。そんな両親を、尾野真千子と竹原ピストルが好演。子どもが一番辛いときに、黙って抱きしめてあげる姿に泣けてきた。貧しくて仲間外れされる竹本が、自分のことを笑わなかった久田を、冒険に誘う。まさに日本版「スタンド・バイ・ミー」大人の目線から見たら危ないなあと思うけれど、誰にでも秘密の冒険物語はあるだろうな。主演の二人が、だんだん仲が良くなって打ち解けて、タケちゃん、ヒサちゃんと呼び顔を輝かせていく。二人の子どもの演技も素晴らしい。ああ色んなことを思い出す。ハンドルのゆがんだ自転車。いつも机に絵を書いていた少年。家が貧しくて、口数の少なかった子。いつもおとなしかったのに、友だちができた途端に雄弁に話し出す子。私の初めに勤めた学校は、関空ができる前は海が近かった。6年生の家庭科の授業で、みそ汁を作る時、「先生、海でワカメ採ってきちゃるわ」と言うので、危ないからいいよと言うのに、放課後、採ってきたでと汗をかいて持ってきてくれたこともあった。あの子たちは、みんなどんな大人になっているのかなあ。大人になってからの二人が、幸せになっていて良かった。エンドロールの後の二つの場面も、幸せな気持ちにさせてくれる映画だった。長崎の風景もよくて、挿入歌もよくて気持ちのいい映画だった。サバカンは、たけちゃんの得意料理。サバの缶詰の握り。サバカンを買って作りたくなった。それとエンディングの曲が、りりあ。コロナでステイホームの頃、youtubeで観た弾き語りの曲が耳に残った人だった。こんな風に出てくるのもちょっと嬉しかった。
2022.08.29
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ドライブ・マイ・カーを観たのは4月4日の月曜日のこと。途中まで書いて、眠くなり下書き保存したままだった。早くアップしないと、上映が終わってしまう。以下が下書き保存していた分。月曜日のお昼、話題になっている映画「ドライブ・マイ・カー」をダンナと観てきた。11時40分から2時50分まで、3時間を超す長編映画。途中でトイレに行きたくなったらどうしようと、通路そばの席を確保した。解説村上春樹の短編小説集「女のいない男たち」に収録された短編「ドライブ・マイ・カー」を、「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した濱口竜介監督・脚本により映画化。舞台俳優で演出家の家福悠介は、脚本家の妻・音と幸せに暮らしていた。しかし、妻はある秘密を残したまま他界してしまう。2年後、喪失感を抱えながら生きていた彼は、演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島へ向かう。そこで出会った寡黙な専属ドライバーのみさきと過ごす中で、家福はそれまで目を背けていたあることに気づかされていく。主人公・家福を西島秀俊、ヒロインのみさきを三浦透子、物語の鍵を握る俳優・高槻を岡田将生、家福の亡き妻・音を霧島れいかがそれぞれ演じる。2021年・第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、日本映画では初となる脚本賞を受賞したほか、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の3つの独立賞も受賞。また、2022年・第94回アカデミー賞では日本映画史上初となる作品賞にノミネートされる快挙を成し遂げたほか、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞とあわせて4部門でノミネート。日本映画としては「おくりびと」以来13年ぶりに国際長編映画賞(旧外国語映画賞)を受賞した。そのほか、第79回ゴールデングローブ賞の最優秀非英語映画賞受賞や、アジア人男性初の全米批評家協会賞主演男優賞受賞など全米の各映画賞でも大きく注目を集めた。日本アカデミー賞でも最優秀作品賞はじめ、計8冠に輝いた。3時間の長編だけれど、時間の長さを感じさせなかった。家福は、車の中で亡き妻が吹き込んでくれた「ワーニャ叔父さん」のテープを流しながら運転するのが日課で、妻が無くなった後も、専属ドライバーのみさきが運転する車の中でも、それは続き、セリフを言いながら、家福の思いとも重なっていくところが面白いなあと思った。(ここまでが下書き保存した分)家福が演出する「ワーニャ叔父さんは」多言語の劇で、日本語と中国語、韓国語、そして手話が交じり合う。舞台の上の方に、客席に向けて各言語の字幕で表示されると言う劇。こんな劇は見たことが無かったので、それにびっくり。でも、練習を続けているうちに、映画を観てる私も違和感が無くなっていくのが不思議。ちょっとこういう劇を観てみたいと思った。最後、家福とみさきが心を通わせて、どちらも救われたんだなあと気持ちの良い終わり方だった。最後の場面は、韓国で家福のサーブを運転するみさき。韓国で、家福と一緒に住んでいるのかな?頬の傷も無くなっていて、幸せになったんだなあと思った。村上春樹色の強い映画だけれど、私は好きだなあと思ったのに、ダンナはあまり好きじゃないと言っていた。今週の木曜日には、前進座の「ひとごろし」という劇を観た。映画や演劇を観られることって、幸せなことだなあと感じている。
2022.04.17
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先週の金曜日、土日だと、「鬼滅の刃」などを観に来る人で映画館も混むかなと思い、上映初日に観に行った。ショッピングセンターの中のシネコンは空いていて、私が観たシアターの中は、十数人。通路のすぐ後ろの席を選んだら、前の席には誰もいなくて、マスクを外して飲み物を飲むのも気にせずに済んだ。解説かつて日本を震撼(しんかん)させた事件をモチーフにした塩田武士の小説を映画化。昭和の未解決事件をめぐる二人の男の運命を映し出す。『ミュージアム』や『銀魂』シリーズなどの小栗旬と、『引っ越し大名!』などの星野源が主人公を演じる。星野が出演したドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の演出と脚本を担当した土井裕泰と野木亜紀子が監督と脚本を務めた。あらすじ新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、昭和最大の未解決事件の真相を追う中で、犯行グループがなぜ脅迫テープに男児の声を吹き込んだのか気になっていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)が父の遺品の中から見つけたカセットテープには、小さいころの自分の声が録音されていた。その声は、かつて人々を恐怖のどん底に陥れた未解決事件で使用された脅迫テープと同じものだった。ものすごく面白かった。グリコ森永事件が起こったのは、1984年から1985年。大阪で起こった事件だったし、子どもがまだ小学生で鍵っ子だったので、お菓子に毒が入っていないかと心配した。脅迫テープが子どもの声と言うのはあまり印象に残っていないけれど、「キツネ目の男」や「かい人二十面相」などのワードも、鮮明に記憶に残っている事件。警察や世の中をからかうような事件だったのに、「もう やめや」と言う手紙で突然終わり、いつの間にか話題にもされなくなっていった。この映画は、グリコ森永事件を題材にしているフィクションだけれど、どこまでが真実なんだろう。グリコの社長は自力で脱出したし、凶悪な事件でもないし、身代金を取られたというニュースも聞かなかった。何のための事件だったのかなあと思っていたけれど、自分が株をしている今だから、株の操作で大金を儲けることもできる事件だということも理解できる。テープの子供のその後のことはフィクションだろうけれど、内容にも引き込まれた。小栗旬や星野源などの演技もよかった。大阪弁の映画は、アクセントなどに違和感を感じることが多くて、それが楽しめない原因にもなるんだけれど、二人とも関東出身なのに、全く違和感を感じなかった。おすすめです。
2020.11.03
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今週の週刊文春の原色美女図鑑は、ミッドナイトスワンの凪沙。昨日は久しぶりに「スッキリ」に出てきた。楽しみにしていた草彅剛の映画が今日から始まった。 故郷を離れ、新宿のニューハーフショークラブのステージに立ち、ひたむきに生きるトランスジェンダー凪沙。ある日、養育費を目当てに、育児放棄にあっていた少女・一果を預かることに。常に片隅に追いやられてきた凪沙と、孤独の中で生きてきた一果。理解しあえるはずもない二人が出会った時、かつてなかった感情が芽生え始める。久しぶりに剛君の演技の光る、優しくて哀しい映画を見た。剛君の演じるトランスジェンダーの女性は自然で、違和感が全くない。初めは邪魔に感じた一果に母性が芽生えていく変化も見事だ。一果を演じた服部樹咲はオーディションで選ばれた新人らしいが、バレエが素晴らしい。虐待ににあって無表情は少女が好きなバレエをすると生き生きとしてくる。苦難を乗り越えて、最後の姿が凛々しかった、出演者の演技は素晴らしい。アカデミー賞が、男優賞女優賞を廃止して、最優秀俳優賞にすると決めたけれど、日本アカデミー賞もそうするんだろうか。草彅剛のこの役は、男優賞も女優賞も合わない。廃止して俳優賞とすることを納得させる演技だと思う。ちょっと不満なところもあるけれど、今日は初日。ネタバレになるので、またにしよう。※ すみません、訂正です。 男優賞、女優賞を廃止して俳優賞にすると決めたのはベルリン映画祭でした。 アカデミー賞でも、白人男性中心の映画から多様性を条件に加えていくようで、 性別廃止も今後検討されていくのではないかと思います。
2020.09.26
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日曜日、プールの友達と「糸」を観てきた。緊急事態宣言が解除されて初めての映画鑑賞だったけれど、映画館は、前後左右を空席にして、通路回りも空間をとり、人数も制限されていた。前と右横が通路の席を取ったけれど、空気は常に換気されているみたいだし、前に誰もいないので見やすいし、他の人が全く気にならなくて、映画館は心配しなくても大丈夫だろうなあと思えた。上映が始まったばかりで、番宣もよくしている映画なので、お昼の時間帯に行ったら、時間をずらして複数のスクリーンで上映時間が設定されていた。朝や夜の時間帯には、「千と千尋の神隠し」「もののけ姫」「風の谷のナウシカ」などずいぶん昔の映画も上映されていた。GWには、ジブリ作品をテレビやビデオでしか見たことのない子どもを連れて、家族で見に行った人も多いかもしれないなあ。 糸 【ストーリー】珠玉の名曲、中島みゆき「糸」を北海道・東京・沖縄・シンガポールを舞台に映画化。菅田将暉と小松菜奈のW主演で、平成元年に生まれた男女2人の平成から令和を迎えるまでの31年間を描く。運命に引き離された2人が、再びめぐり逢うまでの壮大な愛の物語。平成元年生まれの高橋漣(菅田将暉)と園田葵(小松菜奈)。北海道で育った二人は13歳の時に出会い、初めての恋をする。そんなある日、養父からの虐待に耐えかねて、葵は突然町から逃げ出した。真相を知った漣は、必死の思いで葵を探し出し駆け落ちを決行するが、幼い2人の逃避行は行く当てもなく、すぐに警察に保護されてしまう。その後葵は、母親に連れられて北海道から移ることになった。漣は葵を見送ることすらできないまま、2人は遠く引き離された。それから8年後、地元のチーズ工房で働いていた漣は、友人の結婚式に訪れた東京で葵との再会を果たす。北海道で生きていくことを決意した漣と、世界中を飛び回って自分を試したい葵。もうすでに2人は、それぞれ別の人生を歩み始めていたのだった。そして10年後、平成最後の年となる2019年。運命は、もう一度だけ、2人をめぐり逢わせようとしていた......。漣と葵、二人の人生を追っていく感じで、最初はあまり個人の背景が描かれないままにどんどん進んでいくなあという感じだったけれど、俳優陣の演技のうまさに徐々に引き込まれていった。菅田将暉の演技のうまいのには定評があるけれど、小松奈々の辛い時に黙々とカツ丼を食べる演技にもぐっと来たし、最後の方子ども食堂での演技には泣けた。この映画のために10㎏減量したという榮倉奈々も迫真の演技だし、スマートにスーツを着こなすやり手社長から一転、世捨て人のように編み笠をかぶり沖縄の海で釣りをする姿のギャップも、斎藤工が演じると全く違和感がなかった。成田凌の彼女役は二階堂ふみかな、おじさんは竹原ピストル?ちょっとしか出てこない役でも、豪華な俳優陣だなあと思った。中島みゆきの「糸」をテーマにしている映画で、二人の人生が糸のように織り成していくイメージはわかるけれど、途中で何回も「糸」の楽曲が流れるのはちょっとどうかな?と思った。それと、葵の家庭環境はわかるんだけれど、漣の家族が描かれていないのは何故なんだろう。どういう家庭環境なのか描かれていれば、もう少し漣の人間性に深みが出るのになあと思った。でも、「泣いている人がいたら、抱きしめてあげられる人になりなさい」という言葉が温かく、観た後に気持ちがやさしくなる映画だなあと思った。
2020.08.25
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「映画の興行収入が前年比96%減、壊滅的な落ち込み」というニュースが、一昨日出ていた。面白そうな映画がいっぱい予定されていたのに、緊急事態宣言で映画館が閉鎖され、映画どころではなくなってしまった。パラサイト「半地下の家族」と「fukishima50」を観て、ブログにアップしようと思ったけど、映画館が閉鎖されていって、下書きに保存したままになっていた。緊急事態宣言が徐々に解除されて、映画館もコロナ対策をしながら開館されていくようで、どちらも上映されそうなのでアップすることにした。私が、パラサイト「半地下の家族」を見たのは、2月10日にアカデミー賞の放送を見た直後。新型コロナのニュースは、1月下旬頃から出てきたけれど、その時は、こんな状況になるなんて思ってもみなかった。「Fukushima50」の上映が始まったのは3月6日から。どうしても見たくて、ダンナと一緒に数日後に観にいった。大阪のクラブでクラスター発生などのニュースが出てきて、大阪市内の映画館は閉鎖されているところがあったけれど、地元は開いていた。座席は、前後、隣と一つ飛ばしで設定されていたけれど、10人ぐらいしかいなかった。映画館の中は、空気を入れ替えているようで、すごく寒かった。映画を見ている間はマスクをしているし、おしゃべりしないで同じ方向を向いているし、人数も少ないから心配ないなと思って帰ってきたけれど、2・3日後に映画館はみな閉館してしまった。「パラサイト半地下の家族」【ストーリー】第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となる<最高賞>パルムドールを受賞した作品。『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』のポン・ジュノが監督を務める。全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、家族の期待を一身に背負い、IT企業を経営する裕福なパク氏の家へ家庭教師の面接を受ける。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが、思いもよらぬ事態が起こる......。面白くて、最後までぐいぐい引き込まれた。最初は、失業中で貧しいキム一家の半地下の生活を、悲しいけれど、ちょっとユーモラスに描いている。半地下は、光がちょっと入るけれど、窓を開けていると、外の道路を消毒している時などは、家の中まで消毒スプレーが入ってきたりする。排水の関係で、床より高い位置にトイレがあり、そこに座りながら、上に階の住人のWi-Fiを探したりしていた。貧しいけれど、家族は仲が良くて頭がいい。知恵を働かせて、家庭教師に、運転手にと、関係を隠して、入り込んでいく。でも、コメディータッチだったのが、だんだんサスペンスに。半地下の生活は、台風が来て、豪雨になると悲惨。雨水が家の中にどんどん入ってきて、排水と一緒になってしまう。韓国では、地下にシェルターを作っているところもあり、半地下ではなく、光の当たらない地下に住む人も。「万引き家族」と共通する格差社会の歪みと悲哀を感じた。「Fukushima50」【ストーリー】原作は、90人以上の関係者の取材をもとに綴られた門田隆将の「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」。2011年3月11日午後2時46分。マグニチュード9.0、最大震度7という、日本の観測史上最大の地震が発生した。全てが想定外の大地震が引き起こした太平洋からの巨大津波が福島第一原子力発電所を襲う。全ての電源を失ったことで原子炉の冷却が不可能となり、原子炉建屋は次々に水素爆発を起こし、最悪の事態メルトダウンの時が迫りつつあった。1・2号機当直長の伊崎は次々に起こる不測の事態に対して第一線で厳しい決断を迫られる。所長の吉田は現場の指揮を執りつつ、状況を把握していない本社とのやり取りに奔走する。緊急出動する自衛隊、そして“トモダチ作戦”の発動とともに米軍もついに動く。福島第一を放棄した場合、避難半径は250km、対象人口は5,000万人。その中で現場に残り続けた約50人の作業員を、海外メディアは“Fukushima 50”と呼んだ。避難所に残した家族を想いながら、作業員達は戦いへと突き進む……。映画の冒頭から、3.11の地震と津波の映像。津波は、予想をはるかに超え、福島第一原発も飲み込んだ。高濃度の放射能が充満する中で、メルトダウンを食い止めるために命懸けでベント作業に取り組む職員たち。失敗すれば、福島だけでなく東北から東京まで放射能で汚染されるところだった。渡辺謙演じる所長の吉田、佐藤浩市演じる1.2号機当直長の伊崎の演技も素晴らしかったけれど、班長の大森役の火野正平の演技が素晴らしいなあと思った。演技する人達が素晴らしいのに、ちょっと残念なところも。状況を把握しきれない総理大臣が現場に無茶を言うところを誇張して描かれていたり、アメリカのトモダチ作戦を大きく取り扱っていたり、最後に復興五輪をアピールしていたり。安倍政権は、悪夢の民主党政権と菅直人の対応を後になって批判するけれど、今回の新型コロナ対策で安倍政権が右往左往するように、民主党政権も突然の災難に戸惑って、対策がうまくいかないところがあったのは事実だと思う。でも、直後に超党派の臨時内閣を作ることを打診したのに、自民党がそれに応じなかったのも事実。不測の事態には、与野党協力して取り組んで欲しいと思うのだが。せっかくいい作品なのに、政府寄りの誇張した描かれ方に、ちょっと残念な気がした。原子力は安全と進めてきたのも自民党だけれど、何が起こるかわからない。吉田と伊崎が「俺たちは自然をなめていた」と言ったのが、心に残った。
2020.05.22
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日本アカデミー賞が発表された。最優秀作品賞に「新聞記者」が選ばれた。そして最優秀主演男優賞に松坂桃李、最優秀主演女優賞にシム・ウンギョンと、「新聞記者」に出演した二人。シム・ウンギョンは選ばれると思わなかったと号泣したけれど、私も、まさかこの作品が選ばれることはないだろうと思っていた。以前、ブログにこの映画のことを書いたけれど、フィクションだけれど、実際の加計問題や伊藤詩織さんの事件を連想するような内容。素晴らしい作品だったけれど、作品を作るのも、出演するのも勇気がいっただろうと思えた。松坂桃李が、「いろんな情報があるけれど、自分の目で、自分の判断で、意思を持とうよ、というこの作品のメッセージに共感して出演を決めた」という風な内容を語っていたけれど、たぶん横やりも何度も入っただろうけれど、力を合わせて乗り切って来たんだろう。優秀賞に、この作品を選んだ人たちも、忖度せずに、自分の意志でこの作品を選んだんだろうなあと嬉しくなった。それと同時に、この映画を選べるということは、ちょっと社会の流れも変わってくるかもと思えた。モリカケに続いて桜も文書破棄。「意味のない質問」とヤジを飛ばす横柄な態度。先手先手と言いながら、北海道知事の真似をしたように見える、唐突な全国一斉小中高の休校。もう一週間早く通達していれば、準備もできるだろうに、子どもたちも先生たちもバタバタだ。自分が勤めていたころのことを考えると、学年最後の一か月ってとっても貴重だ。先生も生徒もいい思い出を作ろうと計画し、準備し、その成果が大きな糧となる。そういう取り組みが、勝手にプツンと切られ、失望感は大きいだろうし、大きな傷を残す子もいるだろう。そして、共働き家庭、ひとり親家庭など経済的な問題や、給食が大きな栄養源になっている子もいる。そんなことを、ちょっとでも考えたんだろうか。議事録もなく、専門家への相談もない。誰も意見する人がいないのか、まるで裸の王様のように感じることがある。検察官の定年延長をごり押しし、三権分立まで崩そうとしているし、このままでは危ないと思えてきたのだろう、最近、安倍政権を不安視するメディアが増えてきたように思う。作品賞を取ったら、また再上映して、多くの人に見てもらえるだろう。
2020.03.07
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日曜日、映画を観てきた。慎吾君の「凪待ち」が観たかったけど、いつも行くイオンでは上映されていない。それで、ちょっと遠いけれど堺のアリオ鳳のシネマで。息子の家族と、お昼を一緒に食べて、別れてから行ったけれど、「凪待ち」の上映時間までは時間があって、歩き回るのも辛かったので、その前にちょうどみられる「今日も嫌がらせ弁当」も観ることにした。今日も嫌がらせ弁当舞台は東京都の島、八丈島。自然と人情が豊かなこの島で、シングルマザーの持丸かおりは、次女の双葉と暮らしている。「大人になったらお母さんと一緒にレストランをやる」と言っていた可愛い娘はどこへ行ったのか、今では反抗期に突入し、生意気な態度で何を聞いても返事すらしない。かおりは娘の嫌がる“キャラ弁”を作り続けて逆襲するのだが、やがてそのお弁当は、会話のない娘への大切なメッセージへと変わっていく。果たして、かおりが想いのすべてをこめた、娘の高校生活3年間のフィナーレを飾る〈卒業弁当〉とは──?何年か前、「嫌がらせ弁当」のブログが話題になっていて、お弁当の写真を見ては、上手だなあとよく思った。今は、インスタでキャラ弁を検索すると、すぐいろんなのが出てくるけれど、そんなのは全くなかった頃。このお弁当観たことあるなあというのがあって、ちょっと懐かしかった。私はちょっと感動は薄かったけれど、このブログを知らない人が見たら、すごい驚きだっただろうなあと思った。ちなみに、ネットでそのお弁当が出ていたので、写真載せてもいいかな?凪待ち毎日をふらふらと無為に過ごしていた郁男は、恋人の亜弓とその娘・美波と共に彼女の故郷、石巻で再出発しようとする。少しずつ平穏を取り戻しつつあるかのように見えた暮らしだったが、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかないことが起きてしまう―。ある夜、亜弓から激しく罵られた郁男は、亜弓を車から下ろしてしまう。そのあと、亜弓は何者かに殺害された。恋人を殺された挙句、同僚からも疑われる郁男。次々と襲い掛かる絶望的な状況を変えるために、郁男はギャンブルに手をだしてしまう。CM以外で、慎吾君を見るのは久しぶり。いつも笑顔で明るいイメージだった香取慎吾が、ギャンブル依存症で、弱くて本当にダメな男を演じている。でも辛くて仕方ないのも、心根は本当に優しい人間であることも伝わって来て、いい役者になっていってるなあと思った。でも、この映画のキャッチコピーは、「誰が殺したのか? なぜ殺したのか?」意外な人物だったけれど、「なぜ殺したのか?」は描かれてない。多分、こういう理由からだろうなと自分で想像するだけ。ちょっともやもやが残った。津波で妻を死なせてしまったと後悔している父親。自分のせいで亜弓が殺されたんじゃないかと、気に病む郁男と美波。辛い3人だったけれど、最後には希望が見えてきて良かった。
2019.07.12
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気になっていた映画が、昨日公開された。早速、初日にダンナと観てきた。【ストーリー】東都新聞の記者・吉岡(シム・ウンギョン)は、大学新設計画にまつわる極秘情報の匿名FAXを受け取り、調査を始める。日本人の父と韓国人の母を持ち、アメリカで育った吉岡はある思いから日本の新聞社に在職していた。かたや内閣情報調査室官僚の杉原(松坂桃李)は、国民に尽くすという信念と、現実の任務の間で葛藤する。東京新聞記者・望月衣塑子の著書を原案にしたサスペンスドラマ。国家の闇を追う記者と若手エリート官僚が、それぞれの正義を貫こうとする。『怪しい彼女』『操作された都市』などのシム・ウンギョンと、『娼年』『孤狼の血』などの松坂桃李が共演。『オー!ファーザー』『デイアンドナイト』などの藤井道人がメガホンを取る。アメリカでは、マイケル・ムーア監督作品など、政権批判をする映画もよくあるが、日本でこういう映画が作られるとは思わなかった。絶対変だと思ったモリカケ問題も、いつの間にかうやむやにされ、マスコミも取り上げなくなった。官僚だけでなく、マスコミも保身のために忖度しているように感じていた。そんな中で、こんな映画を作った監督や、出演者たちの勇気に、頭が下がる思いだ。あくまでもフィクションだけれど、実際に起こった事件と重なるところもあって、役者たちの演技も素晴らしく、ぐんぐん引き込まれた。主演が韓国人の女優だが、父親が新聞記者母親が韓国人という設定だったので、時折たどたどしく感じる日本語も、ありえるような感じがした。でも、そのために批判する人も多いんだろうな。本当かどうか知らないが、ネットを使って、真実を曲げていく内閣調査室の様子を見ると、本当にやっていそうな気もするし、この映画もいろんなところでたたかれていきそうな気もする。選挙前だし、途中で打ち切りになるとも限らないので、なるべく多くの人に見て欲しいな。「この国の民主主義は形だけでいいんだよ」という言葉が心にささった。今の日本はそうなって来ているんだろうな。これでいいわけがない。良くも悪くも、いろんな情報を得て、自分の頭で、正しいことは何なのか考えていかなければ。帰りの車の中で、卒業アルバムにいつも自分が書いていた言葉を思い出した。 「きれいなものを、きれいだと感じる心を、 正しいと思うことを、正しいと言える勇気を」
2019.06.29
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デビュー当時から、かわいがっていた浅田美代子に、バラエティータレントではなく、女優として代表作を持たせてあげたい、と樹木希林が語っていたのを、テレビで何度か見たことがある。樹木希林が企画し、出演した「エリカ38」はぜひ観たいと思っていた。近くの映画館では上映していなくて、今週末で終わりそう。それで、今日は和歌山の映画館まで、観に行ってきた。 <あらすじ>渡部聡子・自称エリカ(浅田美代子)は、愛人・平澤育男(平岳大)の指示のもと、支援事業説明会という名目で人を集め、架空の投資話で大金を集めていた。だが実は、平澤が複数の女と付合い、自分を裏切っている事を知る。彼女は平澤との連絡を絶つと、金持ちの老人をたらし込み、豪邸を手に入れた。老人ホームに入っていた母(樹木希林)も呼び寄せ、今度は自ら架空の支援事業の説明会をおこない金を詐取していく。旅先のタイで、若者ポルシェと出会う。恋に落ちるエリカ。蜜月の時。だがもう警察の手はすぐそこまで伸びていた。数年前にあった実話をもとにしたものだけれど、浅田美代子は熱演していると思う。60を超えて、38と年齢をごまかしても、あまり不自然に見えない可愛さと、年相応に老けて見えるしたたかさと、両面をうまく見せている。相手を褒めて、心を許させてしまう口の上手さも違和感がない。でも、大きな詐欺事件を起こしても、私も被害者と開き直るけれど、そこらへんが何故なのか、ちょっとわかりにくかった。どうしてこれだけの人が騙されてしまったのか、詐欺の内容が詳しく描かれていないからだろうな。カンボジアへの支援したお金が、毎月何割か配当されて、元本も保証されると言うけれど、どんな仕組みになっているのか。実話を一回調べてみよう。樹木希林の、最後の出演作で、去年「日日是好日」と「万引き家族」を観たけれど、その時よりもかなり痩せて、演技もしんどそうに見える。出演しないと言ってたけれど、「私が出ると箔が付くのよねえ」と言って出演してくれたそうだ。最後、老人ホームに入って、うつろな目で手を振るところがあるけれど、樹木希林が好きだったので、ファンに最後のお別れをしているみたいで、この映画を観て良かったなあという気持ちになった。
2019.06.11
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一昨年の9月、娘が出産をして、一緒に映画を見に行くことができなくなったので、去年観た映画はとても少ない。でも毎年書いているので、去年一年間に観た映画のことを書いておこう。今までと同じように、内容が記憶に残っているものを★マークで3段階に好きなものを、☆マークで3段階にしてみた。エヴェレスト 神々の山嶺 ★★☆☆あやしい彼女 ★★★☆☆64-ロクヨンー前篇 ★☆☆夏美のホタル ★★★☆海よりもまだ深く ★★☆☆☆後妻業の女 ★★★☆☆君の名は ★★☆☆聖の青春 ★★★☆☆海賊とよばれた男 ★★★☆☆☆9本しか観てないのか。結局ロクヨンの後編は観に行かなかった。それで、記憶もあまり残っていない。「君の名は」は話題のアニメ。絵がとってもきれいだったけれど、どうしてこれだけヒットしているのか、私にはちょっと理解できない。繰り返し見ている人が多いけれど、もっと深い意味があるのかな。「聖の青春」は、29才でこの世を去った天才棋士、村山聖の生涯を映画化したもの。松山ケンイチが、体重を20キロ近く増やして、熱演している。将棋も好きなダンナは、村山聖と羽生善治の対戦を、実際にテレビで見ていたそうで、松山ケンイチも東出昌大もよく似ていると言う。日本アカデミー賞の主演男優賞をとって欲しそうだ。私は将棋があまりわからないので☆☆だけれど、将棋がわかる人にはすごく好きな映画なんだろうな。去年最後に友達と見たのは「海賊とよばれた男」原作者の百田尚樹は大嫌いなんだけれど、映画は面白かった。モデルは出光の創業者で、社員を危険な目にもあわせるけれど、こういう人物が戦後の日本を牽引していったんだろうな。岡田准一が上手いなあと思った。今年は、もうちょっとたくさん映画を観たいなあ。「この世界の片隅に」が、やっと近くのシネコンに来たので、来週観に行きたいなあと思っている。
2017.01.08
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日曜日だけれど、孫たちは来ないし、ダンナも出かけたので、久しぶりに一人で映画を見てきた。夏休み最後の日曜日で、いつものショッピングセンターの中のシネコンは超満員。夏休みだし、子どもと一緒に見られるアニメ作品も多いからかな、と思ったけれど、「後妻業の女」も超満席。年配の夫婦連れも多かった。「後妻業の女」【ストーリー】妻に先立たれた中瀬耕造(津川雅彦)は、婚活パーティーで年下の女性・小夜子(大竹しのぶ)と出会う。やがて病に倒れた耕造は他界し、後妻におさまった小夜子から公式証書遺言状を見せられた娘の中瀬朋美(尾野真千子)は、遺産は全て小夜子に渡り遺族には一切残らないと知らされる。父の死に疑念を抱く朋美は探偵の本多(永瀬正敏)を雇い、小夜子の身辺を調査するが……。直木賞作家・黒川博行のベストセラー小説を基に、独り身の高齢男性の後妻におさまりその資産を狙う女を中心に、欲にとりつかれた人々が織り成す群像劇。『愛の流刑地』などの鶴橋康夫監督がメガホンを取り、現代社会に潜む危うさを、ユーモアを交えて活写する。ヒロインにはさまざまな鶴橋監督作品に出演していきた大竹しのぶ、彼女と組んで孤独な老人を食い物にしていく結婚相談所所長に、『必死剣 鳥刺し』などの豊川悦司。さらに永瀬正敏、尾野真千子、笑福亭鶴瓶ら実力派キャストが脇を固める。始まったばかりで、ネタバレもあるので、感想は白文字で。ドラッグして見てね。毒のある映画だ。原作は読んでいない。大竹しのぶ演じる小夜子は、本当にしたたかで、迫力のある、腹立たしいくらいの悪女。上手いなあと思う。所長の豊川悦司の悪人と、いいコンビ。途中までは、面白おかしく話が進んで、館内に笑いも起こった。犯罪すれすれのところうまくすり抜けて、上手く遺産をせしめていく、コメディーかなと思っていた。でも、結婚した人が次々死んでいく。実際に殺人に手を染めていた。これは笑えない。実際に関西で起こった連続殺人事件と一緒だ。犯人の筧千佐子は、身近なところでも事件を起こしていて、私が住む周辺の人の関心も高い事件だった。だから、こんなに観客が多いのだろうとも思う。エンディングで、こんな悪事を起こしているのに、小夜子と所長は、警察にも捕まらず、のうのうとまだ婚活を続けていく場面で終わる。やはり、悪事を起こした人はちゃんと裁かれてほしい。いつの間にか、客席から笑い声は消えていた。あまり後味のいい映画ではなかった。下書きに、7月に見た映画の日記が残っていた。「海よりもまだ深く」【ストーリー】15年前に1度だけ文学賞を受賞したことのある良多(阿部寛)は、「小説のための取材」と理由を付けて探偵事務所で働いている。良多は離婚した元妻の響子(真木よう子)への思いを捨てきれず、響子に新しく恋人ができたことにぼうぜんとしていた。良多、響子、息子の真悟(吉澤太陽)は、良多の母・淑子(樹木希林)の家に偶然集まったある日、台風の一夜を皆で過ごすことになり……。『海街diary』などの是枝裕和監督が、『奇跡』以来の阿部寛と樹木希林とのタッグで、なかなか大人になれない男の姿を描く感動のホームドラマ。小説家になる夢を諦め切れないまま探偵事務所で働く男が、たまたま実家に集まった母、元妻、息子と台風の一夜を過ごすさまを映す。阿部と樹木のほか真木よう子や小林聡美、リリー・フランキーらが共演。思っていた未来とは少し違う現実を生きる家族の姿が印象的につづられる。2カ月たって、ほとんど内容を忘れてしまっているけれど、樹木希林の演技が素晴らしいなあと思ったのを覚えている。是枝監督の、樹木希林が出ている作品は、どれも心が温かくなるなあ。「夏美のホタル」【ストーリー】夏美(有村架純)は写真家になるという夢と、付き合っている慎吾(工藤阿須加)との関係で悩んでいたある日、父が遺してくれたバイクで懐かしい森に向かう。小さな店を営む地蔵さん(光石研)とその母であるヤスばあさん(吉行和子)と知り合った彼女は、しばらく泊めてもらうことになる。夏美は地蔵さんの友人雲月(小林薫)には反感を覚えながらも、自然に囲まれた場所で地元の人々と触れ合い、食事を楽しむなど、充実した日々を送っていた。『映画 ビリギャル』『ストロボ・エッジ』などの有村架純をヒロインに迎え、森沢明夫の小説を映画化したヒューマンドラマ。将来や恋人との関係に不安を覚える主人公が、父との思い出の場所で出会った人々との交流を通して、新たな道を歩み始める姿を描きだす。メガホンを取るのは、『ストロボ・エッジ』でも有村とタッグを組んだ廣木隆一監督。日本の原風景の美しさや、人との絆が織り成す温かい物語が心にしみる。昔見た「蛍川」の中のホタルの乱舞のシーンが圧巻で、またそんな場面がみられるのかなと期待したけれど、ホタルの場面はポツポツと飛んでいるだけで、残念。有村架純が好きだけれど、ベッドシーンから始まっていたり、唐突に恋人を連れてきて泊まったり、あまり魅力的じゃないなあと思った。
2016.08.28
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「ロクヨンー前篇」を観に行ったのは、先週の月曜日。スポーツクラブも休みの日だし、クーラーで足が痛くなったら途中で出るかも、と思ったので、一人で見ることにした。入り口でブランケットを借りて入ったけれど、やっぱり左足の太ももだけが冷えて痛くて、あまり映画に集中できなかった。【ストーリー】わずか7日で終わった昭和64年。その年に起きた少女誘拐殺人事件、“ロクヨン”から14年が経過し、未解決のまま時効が近づいていた。そのロクヨンの捜査に携っていた警務部秘書課広報室の広報官・三上義信(佐藤浩市)は、記者クラブとの不和、刑事部と警務部のあつれき、ロクヨンを模倣したような誘拐事件に直面し……。『半落ち』などの原作者・横山秀夫が執筆した小説を、佐藤浩市ほか豪華キャストで映画化した犯罪ドラマの前編。平成へと年号が変わる直前の昭和64年に起きた未解決の誘拐事件「ロクヨン」をめぐり、県警警務部の広報官を主人公に警察内部の対立や県警記者クラブとの衝突などを浮き彫りにしていく。監督は『ヘヴンズ ストーリー』などの瀬々敬久。主演の佐藤のほか、綾野剛、榮倉奈々、瑛太らが出演。緊張感あふれる演出と演技で描かれる、お蔵入り事件の謎や登場人物たちの確執に注目。すごく豪華な俳優陣。端役みたいなところにも、主役級の人がいたりして、後編では重要な役どころになっていくのかな。ただ64年の事件では、何も解決しないまま、何か伏線があったのかもしれないけれど、集中できなかったからか、わからなかった。最後には、64年の事件の模倣犯が現れたようだけれど、事件の詳しいことはわからず、後編を見なければ何もわからない感じで、前篇だけに関していえば、ちょっと物足らなかった。でも、気になるし、佐藤浩市は好きな俳優さんなので、後編も多分見ると思う。明日は、私の誕生日。明後日はダンナの誕生日。だからってわけじゃないけれど、明日は温泉。娘とエルちゃんも一緒に、伊勢志摩へ。去年行った石神さんに、娘はお礼参りというけれど、私は、また腰痛が無くなりますようにとお願いしてこよう。
2016.06.06
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今日見た映画は、「あやしい彼女」 【ストーリー】女手一つで娘を育て上げた73歳の瀬山カツ(倍賞美津子)は頑固でおせっかいな性格のため、周りからは敬遠されがち。ある日、ふと入った写真館で写真を撮り店を出ると、20歳のときの若々しい姿のカツ(多部未華子)になっていた。カツはヘアスタイルやファッションを一新、名前も節子にし、人生を取り戻そうと決意。その後、のど自慢大会で昭和歌謡を歌ったことから……。2014年公開の韓国映画『怪しい彼女』を、『舞妓 Haaaan!!!』『謝罪の王様』などの水田伸生監督がリメイクしたコメディー。73歳の頑固な女性がひょんなことから20歳の姿に戻り、失われた青春を取り戻していく姿を描く。ヒロインの20歳時を『ピース オブ ケイク』などの多部未華子が、73歳時を『うなぎ』『OUT』などの倍賞美津子が演じる。多部による1960年代から1970年代のヒット曲の熱唱や倍賞の毒舌など、一人の女性を演じる二人の女優に期待が高まる。私は、この年になってもかなり自分の好きなことをして生きているけれど、体が不自由でなかった若い頃の体力が欲しいなあとはよく思う。若い頃に戻れたら・・・というのは誰でも憧れること。そんな夢が現実に叶ったら・・・というファンタジー。内面はおばあちゃんだけれど、外見が20代を演じる多部未華子は、とってもチャーミング。ローマの休日に憧れて、ヘップバーンをまねた髪形や洋服も良く似合う。孫のバンドのボーカルとして歌うんだけど、「見上げてごらん夜の星を」「真っ赤な太陽」「悲しくてやりきれない」など、昔を思い出してしまうような、懐かしい昭和の歌がたくさん出て来て嬉しくなった。多部ちゃんの声や歌い方も、昭和チックで懐かしい。どうして写真を撮ったら若返ったの?とか、初めて歌ったオリジナルの歌なのに、周りの人がコーラスしたり、ここまで盛り上がるのは変じゃない?とか突っ込みどころもあるけれど、身体が20代でも、心がおばあちゃんなので、2人の子どもを抱えて感情的に叱ってしまうお母さんの慰め方にも余裕があるし、いろんな人に諦めずにガンバレとエールを送るのが素敵。家族が抱える苦労も分かり合えて、ほっこりあたたかくなる映画だった。 3月に友だちと観たのは、「エヴェレスト 神々の山嶺」下書き保存したままだった。【ストーリー】ネパールの首都カトマンズ。ヒマラヤ山脈が見えるその街で、日本人カメラマンの深町誠は古めかしいカメラを見つける。それはイギリス人登山家ジョージ・マロリーが、1924年6月8日にエベレスト登頂に初めて成功したか否かが、判断できるかもしれないカメラだった。カメラについて調べを進める深町は、羽生丈二というアルピニストの存在にたどり着く。他人に配慮しない登山をするために孤高の人物となった彼の壮絶にして崇高な人生に触れるうちに、深町の胸にある思いが生まれる。第11回柴田錬三郎賞を受賞し、漫画版と共にベストセラーを記録している夢枕獏の小説「神々の山嶺」を実写化したドラマ。あるクラシカルなカメラを手にした写真家が、カメラの逸話を調べるうちに孤高のアルピニストとして名をとどろかせた男の人生に触れていく姿を追い掛ける。出演は岡田准一、阿部寛、尾野真千子ら。メガホンを取るのは、『愛を乞うひと』、『太平洋の奇跡−フォックスと呼ばれた男−』などの平山秀幸。過酷な自然にぶつかっていく男たちの思いが交錯する熱いドラマに加え、大規模ロケを敢行したヒマラヤの荘厳な風景も見もの。山のことはあまり知らないけれど、ヒマラヤの風景は雄大で素晴らしかった。吹雪の中、垂直に切り立つような氷山を上っていったり、滑落してしまった体を立て直したり過酷な場面も多くて撮影が大変だっただろうなあと思った。去年アカデミー主演男優賞、助演男優賞をW受賞した岡田君は、V6のメンバーと一緒にいると気とは全く違って、アイドルであることをみじんも感じさせない。カトマンズの町を、無精ひげを伸ばし、がに股で歩き、黒く日焼けした顔と鋭いまなざし。渋い俳優になったなあと思った。もう一つ、印象に残ったのが、最後の阿部寛の表情。本当に凍っているみたいだった。(ここまでが下書き)1カ月以上たって、阿部寛の表情は思い出せるけれど、内容がはっきり思い出せない。人物の描写があまり、詳しくなかったからだろうな。
2016.05.02
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12月22日、なんばパークスで久しぶりに映画を観た。娘が、友だちとなんばでランチの約束をしたというので、ダイビング仲間のOさんも誘って、一緒に車で行くことにした。1時間ほどでなんばに着いて、娘と別れ、チケットを買ってから、6階の中華バイキング、香港蒸籠(ほんこんちょんろん)でランチ。山田洋二監督の「母と暮らせば」を観た。戦争が終わって3年後、長崎で助産婦をしている信子(吉永小百合)のところに、原爆で亡くなったはずの次男の浩二(二宮和成)が姿を見せる。幽霊との会話で物語が進んでいくファンタジーだ。原爆の様子は、冒頭の一瞬のまばゆい光で、インク瓶がぐにゃっと曲がる様子だけ。その一瞬で、浩二も跡形もなく消えてしまった。戦争の悲惨なシーンは全くないけれど、家族や恋人に何も言えずに亡くなった人の想いや、残された人たちの辛さがひしひしと伝わってきて、胸が痛くなった。良かったねえとOさんと話しながら出て来て、娘にラインを入れたら、映画の終了に合わせて友だちと別れたという。イルミネーションが点灯し始めて、見ながら帰ってきた。ところで去年一年間に観た映画のことを書いておこう。毎年書いているので、今までと同じように、内容が記憶に残っているものを★マークで3段階に好きなものを、☆マークで3段階にしてみた。繕い裁つ人 ★★☆☆悼む人 ★★☆映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記 ★☆くちびるに歌を ★★☆☆風に立つライオン ★★★☆☆☆ソロモンの偽証、前篇・事件 ★★☆☆☆エイプリルフールズ ★★☆☆ソロモンの偽証 後篇 裁判 ★★☆☆ビリギャル ★★★☆☆☆あん ★★☆☆☆愛を積む人 ★★☆☆☆HERO ★★★☆☆天空の蜂 ★★☆☆☆母と暮らせば ★★★☆☆「HERO」を観たのは8月頃。テレビで2001年や2006年のテレビドラマの再放送も見て、かつてのファンとしては、とても楽しみにしていた。でも今回の映画はう~ん。事件の解決までが単純で、テレビ版の方が面白かったように思う。松たか子扮する雨宮舞子が、久利生公平(木村拓哉)のことを好きなのがわかっているのに、煮え切らない態度にも腹が立つ。昔から好きで見ていたので、母親のような心境だわあ。「天空の蜂」を観たのは9月16日。娘と一緒に観て、出産はまだまだと思っていたのに、2日後の9月18日に、急遽帝王切開でエルちゃんが生まれた。「面白かったなあ」と娘と話したのに、その後、生活が目まぐるしく変化して、何故か映画の内容をあまり思い出せない。それでyahoo映画の解説から人気作家・東野圭吾が原子力発電所を題材に1995年に発表した傑作小説を、堤幸彦監督が映画化した社会派サスペンス。最新鋭の大型ヘリを手に入れたテロリストが、日本全国の原発の停止を求め稼働中の原発上空でホバリングさせるテロ事件を描く。困難な直面に立ち向かうヘリコプター設計士を江口洋介、原子力機器の設計士を本木雅弘が演じ、初めての共演を果たす。東日本大震災による原発事故を経験した日本において、改めて社会と人間の在り方を問う衝撃作そうそう、この時期山本太郎議員の、「原発にミサイルを撃ち込まれたらどうするんですか?」という発言もあったりして、原発は必要ないよなあと改めて思ったんだった。
2016.01.02
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来週の7日から、沖縄へのダイビングツアーを予定していた。昨日、一緒に行くOさんとランチを食べながら打ち合わせをしていた。途中から、喉が痛くなってきて、治さないとヤバいなあと思っていたら、昨日の夕方、台風9号発生のニュース。ダイビングを予定している、8日、9日は、丁度沖縄付近に来るみたい。8月下旬ぐらいに、変更することになるかな。それで、今日は、習字の講座と、プールでダイビングとアクアビクスのレッスンに参加ずる予定だったけれど、お休みして、家でのんびり。でも、ちょっと熱っぽくて、体がだるい。ところで、書いていなかった最近見た映画のこと。「あん」【ストーリー】刑務所から出所したのち、どら焼き屋「どら春」の雇われ店長となった千太郎の店に、徳江(樹木希林)という女性がやって来る。その店で働くことを強く希望した徳江を千太郎は採用。徳江が作る粒あんが評判となり、店は大繁盛。そんな中徳江は、つぶれたどら焼きをもらいに来ていた女子中学生のワカナと親しくなる。ところがある日、かつて徳江がハンセン病を患っていたことが近所に知れ渡り……。『殯(もがり)の森』などの河瀬直美が樹木希林を主演に迎え、元ハンセン病患者の老女が尊厳を失わず生きようとする姿を丁寧に紡ぐ人間ドラマ。樹木が演じるおいしい粒あんを作る謎多き女性と、どら焼き店の店主や店を訪れる女子中学生の人間模様が描かれる。原作は、詩人や作家、ミュージシャンとして活動するドリアン助川。映像作品で常に観客を魅了する樹木の円熟した演技に期待が高まる。桜の花の下、どら春で働くようになった徳江の嬉しそうな表情が、桜のの美しさと共に強く印象に残った。不自由な体で、粒あんを作る樹木希林の演技が素晴らしく、本当に美味しそうで、映画館を出てからあんこが食べたくなり、娘と一緒に鯛焼きを買って帰った。ハンセン病に対する差別があったことは知っていたけれど、自分があまり知識がなかったことが恥ずかしいなあと思った。いつもつぶれたどら焼きをもらって帰るワカナは、ネグレクトなんだろうけれど、その生活の様子が、ちょっとわかりにくいなあと思った。「愛を積む人」【【ストーリー】東京の下町で営んでいた工場を閉鎖し、残りの人生を北海道で過ごそうと決意した篤史(佐藤浩市)と良子(樋口可南子)の夫婦。かつて外国人が暮らしていた家を手に入れて暮らす二人だが、仕事一筋だったゆえに篤史は手持ちぶさたになってしまう。そんな彼のために良子は、家を囲む石塀作りを頼む。しかし、良子が以前から患っていた心臓病を悪化させて他界してしまう。深い悲しみに沈む篤史だったが、石塀作りを手伝う青年・徹(野村周平)との交流や、娘・聡子(北川景子)との再会を経て、前を向くようになる。北海道の風景が美しく、心が温かくなる映画だった。篤史と良子、2人の落ち着いた雰囲気がとてもいい。絶妙なタイミングで出てくる、亡くなった良子からの手紙が、だんだん周りの人を変えていく。こつこつと石を積むことで、深いところで信頼関係も固まっていったように思う。役にピッタリの俳優陣だったけれど、ちょっと違うなあと思ったのは、徹の恋人の母親の吉田羊。娘は、吉田羊の無駄遣いと言ってたけれど、もっと土臭い人の方が合うのになあと思った。映画を観たなんばパークスで買ったのは、美瑛ラスク。昔私が見た美瑛は、花とりどりの絨毯で、映画以上に美しかった。また行けるかなあ。
2015.07.02
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書いていなかった2本の映画のこと。「ソロモンの偽証 後篇 裁判」を観たのは、もう1カ月も前。かなり忘れてしまっているなあ。もう映画館の上映期間が終わってしまって、ストーリーをコピーできないわ。これは前篇のストーリー。【ストーリー】クリスマスの朝、雪に覆われた中学校の校庭で柏木卓也という14歳の生徒が転落死してしまう。彼の死によって校内にただならぬ緊張感が漂う中、転落死の現場を目にしたという者からの告発状が放たれたことによってマスコミの報道もヒートアップ。さらに、何者かの手による殺人計画の存在がささやかれ、実際に犠牲者が続出してしまう。事件を食い止めようともせず、生徒たちをも守ろうとしない教師たちを見限り、一人の女子生徒が立ち上がる。彼女は学校内裁判を開廷し、真実を暴き出そうとするが……。前篇を見た後、誰が犯人だろうとワクワクしながら待っていた。でも、あっと驚くようなどんでん返しは無かった。でも、観た後、すがすがしい気分になったのを覚えている。裁判で、犯人捜しをして、追い詰めるのではなく、一人ひとりが持つ悩みを深く掘り下げ、何故そんな行動をとったのか、みんなで考える。素晴らしい裁判の進め方で、いい子たちだなあと思った。オーディションで選ばれたという子供たちだけれど、周りのベテラン俳優たちにも全く引けを取っていなかった。でも、1カ月たって、肝心の柏木卓也君が何故死ななければならなかったのか思い出せない。というか、映画でも詳しく描かれていなかったんじゃないかな。原作には書かれているんだろうか。う~ん、ちょっともやもやが残る。連休が終わって、一人で観に行ったのは、「ビリギャル」【ストーリー】名古屋の女子高に通うお気楽女子高生のさやか(有村架純)は全く勉強せず、毎日友人たちと遊んで暮らしていた。今の状態では大学への内部進学すらままならないと案じた母は、さやかに塾に通うよう言いつける。彼女は金髪パーマにピアス、厚化粧にミニスカートのへそ出しルックで渋々入塾面接に行き、教師の坪田と出会う。塾講師・坪田信貴の「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」を映画化した感動作。成績学年最下位の女子高生が、ある教師の励ましで慶應義塾大学合格というむちゃな目標に向かって突き進む姿を描く。『女子ーズ』『ストロボ・エッジ』などの有村架純が偏差値30の金髪ギャルを熱演。落ちこぼれ女子高生が、人生の一発逆転を狙う笑いと涙の物語に夢中になる。有村架純もお母さん役の吉田羊も、最近とても気になって好きな女優さん。さやかとお母さんにピッタリはまって、適役だと思った。「学年びりのギャル」というけれど、さやかさんは、私立中学に入っているし、もともとできない子じゃないんだろうな。中学高校とエスカレーターで上がってきて、遊びが楽しくなり、叱られて、勉強する気が失せて、だんだん成績が下がっていったんだろう。でも、坪田先生は、どんな時もさやかを信頼して、ちょっとでもいいところがあると褒めて、認めてあげる。子どものやる気はこうして出していくんだと、観ていてすごく気持ちが良くなった。塾や学校の先生など、教える立場の人が観ても、すごく参考になるんじゃないかな。原作本も読みたくなった。
2015.05.25
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観た映画のことを書こうと思うのに、最近、途中まで書くと眠くなってしまい、下書き保存。結局3本分の映画のことがたまってしまってる。3月の終わりの週に2本。娘と一緒に観たのは、さだまさし原作の「風に立つライオン」そして、プールの後、ダイビング仲間のOさんと一緒に観たのが、「ソロモンの偽証、前篇・事件」こちらはもう、後編が始まってしまってる。「風に立つライオン」【ストーリー】アフリカ医療に尽力した医師シュバイツァーの自伝に感動し、医学の道を進んだ島田航一郎(大沢たかお)。ある日、彼は勤めている大学病院からケニアの研究施設へ派遣されることに。離島医療に励む婚約者・秋島貴子(真木よう子)と離れてケニアに渡った彼は、すぐさま現地の戦傷病院からの派遣要請を受ける。そこで目にした凄惨(せいさん)な環境に医師としての使命を感じ、同病院への転籍を決める。忙しい日々を送る状況で、ンドゥングという心と体に傷を負った少年兵と出会うが……。2時間半と長い映画だったけれど、ぐいぐい引き込まれた。麻薬を打たれ、平気で人を殺してきた少年兵ンドゥングが、心を開いていく過程も丁寧に描かれ、ケニアの大自然の中で、朝日を見ながら、「頑張れ~頑張れ~」と自分を励ます航一郎も魅力的で、終わった後、久々にいい映画を観たなあと思った。ちょっと気になったのは、真木よう子や石原さとみを、年相応に老けさせたらいいのになあと思った。年代が行ったり来たりするので、変化が少ないと一瞬わかりにくい。石原さとみも、同じ年代の写真ばかり。作った学校の初代校長をして、10年後癌で亡くなったと言う設定だけど、少しは老けた写真があった方がよかったのになあ。原作は、さだまさしで実話をもとにしているという。でも、モデルの方は生きて戻ってきたらしく、どうして亡くなったことにしたのかなと思った。「ソロモンの偽証、前篇・事件」【ストーリー】クリスマスの朝、雪に覆われた中学校の校庭で柏木卓也という14歳の生徒が転落死してしまう。彼の死によって校内にただならぬ緊張感が漂う中、転落死の現場を目にしたという者からの告発状が放たれたことによってマスコミの報道もヒートアップ。さらに、何者かの手による殺人計画の存在がささやかれ、実際に犠牲者が続出してしまう。事件を食い止めようともせず、生徒たちをも守ろうとしない教師たちを見限り、一人の女子生徒が立ち上がる。彼女は学校内裁判を開廷し、真実を暴き出そうとするが……。面白くて、続きが知りたくて仕方がない。本屋で、並んだ文庫本を見ながら、終わりの部分を立ち読みしたくなったけれど、ガマンガマン。Oさんと、来週後編を観に行こうと約束している。子どもたちは、オーディションで選ばれたと言う。主演の藤野涼子は、作品の役名を芸名にしているけれど、演技派として、いい女優になっていくんだろうなあと思った。今週、娘と観たのは、「エイプリルフールズ」【ストーリー】人に対して恐怖心を抱いてしまう清掃員のあゆみ(戸田恵梨香)は、一晩だけ関係を結んだ外科医の亘(松坂桃李)に対して、身ごもっていると打ち明ける。ところが亘は、エイプリルフールだからとあゆみの言葉に耳を貸さなかった。居ても立ってもいられなくなったあゆみは、亘がいるイタリアンレストランに向かう。一方の亘は、きれいなキャビンアテンダントの麗子(菜々緒)とランチを楽しんでいて……。7つのエピソードが、少しずつ繋がっていて、心温まるエピソードもあって、面白く楽しめる。それにしても豪華なキャスト。松坂桃李が、少しずつ表情が和らいで行って、うまいなあと思った。映画館へ行くと、予告編を見て観たくなる映画が多い。以前予告編を見て、「アメリカン・スナイパー」を観たいと思ったけれど、今週で終わり。もう観られないなあ。5月30日公開の、樹木希林主演の「あん」と言う映画が観たくなった。
2015.04.15
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予告編で見て、観たいなあと思っていた映画が、スケジュールを見ると金曜日に終了。明日は敦賀へ行くし、木曜日は、習字とプールで忙しい。金曜日の夜は近所の集まりがあるし、今日しかないなあと、プールが終わってからイオンシネマへ行ってきた。午後6時55分からの劇場に入ったら、誰もいない。始まっても誰も来ないので、暗くなってから、靴を脱いで足を前の座席に乗せて観た。行儀が悪いけれど、とっても楽だった。映画館で一人は初めて。こんなんで、イオン大丈夫なんだろうか。「くちびるに歌を」【ストーリー】産休を取ることになった親友の音楽教師ハルコ(木村文乃)の代理として、生まれ故郷の五島列島にある中学の臨時教師となった柏木(新垣結衣)。天賦の才能を持つピアニストとして活躍したうわさのある美女だが、その性格はがさつで乗り回す車もボロいトラック。住民たちの注目を浴びる中、彼女はコンクール出場を目標に日々奮闘している合唱部の顧問に。そして部員たちに、課題として15年後の自分に宛てた手紙を書かせる。やがて、部員たちがつづった手紙から、それぞれが抱える苦悩や秘密が浮き上がってくるが……。五島列島の風景がきれいだし、クライマックスの合唱場面では、ハルコが無事出産することを願って、子どもたちの気持ちが一つになり、うたごえが素晴らしかった。悩みを抱えていても、子どもたちは素直で、一生懸命努力する姿に、涙が出てきた。観終わったとも気持ちよく、いい映画を観たなあと思った。子どもたちは素晴らしいんだけれど、所々納得のいかないところもあった。自閉症の兄を持つ桑原君。兄を迎えに行くのが彼の日課で、部活をしたいと言うと、父親に叱られる。ぼくが生まれてきたのは、お兄ちゃんの面倒を見るためと作文に書くけれど、まだ両親が元気なのに、ここまで責任を押し付けるんはかわいそうだなあと思った。それと「適当によろしく」とか、「あなたたちのことが嫌いだった」と言う柏木。いくら心に傷を負っていたとしても、子どもに言う言葉じゃない。もうちょっと魅力的に描けばいいのになあと思った。
2015.03.17
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先週は、頑張って毎日プールへ行った。先週の水曜日、市民病院のK先生に診てもらった。大腿骨の骨頭の黒い影も変形性股関節症の初期症状だと言う。K先生は、内視鏡の手術には否定的で、人工関節も感染症などのリスクがあるので、もう少し様子を見た方がいいんじゃないかと言う。プールで泳ぐなどして、筋力をつけたら楽になることもあるらしい。K先生は、15年ほど前、母の人工関節置換術をしてくれた。母も同じように臼蓋形成不全だったらしい。それで、今年一年は痛くても我慢しようかなと思っている。できるだけプールへ行って、行ったときは、クロール500m以上をノルマにすることにした。と言いながらも、今週は父の命日があったり、娘と出かけたりして、あまり実行できていないんだけど。8日の日曜日は、孫たちとスイミングの後、映画を観に行くことに。近辺の何か所かの映画館のスケジュールを調べて、堺のアリオで観ることにして、娘に連絡を取ったら、ネットで座席を取ってくれた。「映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)」ヒーローに憧れるドラえもんたち5人は、ひみつ道具「バーガー監督」とヒーロー映画を撮っていた。すると、地球に不時着していたポックル星人のアロンに本物のヒーローと間違われて宇宙へと連れて行かれる。到着したポックル星は一見、発展した豊かな星のようだったが、その陰では宇宙海賊のある恐ろしい計画が進行していた…。このままではポックル星は滅んでしまう。ポックル星を救え!ドラえもんたち「銀河防衛隊」!!去年観たドラえもんの映画は、昔の作品のリメイクだったけれど、ドラえもん誕生35周年記念と言うことでオリジナルの映画。主題歌も、昔とは全く違った。子どもと一緒に観るには楽しめた映画だったけれど、宇宙英雄記と言うには、ちょっと迫力に欠けるようにも思った。ジャイアンやスネ夫は昔と違って、やんちゃだけれどいじめっ子ではなく、みんなで力を合わせて宇宙海賊をやっつけるんだけど、宇宙海賊たちがちょっと弱すぎだからかな。自分の子どもが小さい頃は、ドラえもんの映画を観に行ったことが無かった。ドラえもんの映画は、テレビでいくつか見たけれど、もっとハラハラドキドキしたように思うんだけどなあ。
2015.03.12
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この一週間の出来事。木曜日は、習字講座の後プール。金曜日は、予定していた市民病院のCTが、先生に手術が入り中止になったので、娘とランチをして映画を観に行った。土曜日は、ダンナと買い物をした後プール。日曜日は、朝から孫たちと、スイミングに行った後、くらでお寿司を食べて、イオンへ行き、夕食は家で卓上フライヤーを使って串カツ。自分で小麦粉やパン粉を付けながら揚げて、喜んでいた。今日月曜日は、日帰りで敦賀へ。市役所で申告もしてきた。結局今回も寄ったのは、コメダ珈琲だけ。片道200キロ、往復400キロの道だけど、気分的に、敦賀がすごく近くなっているような気がする。明日の火曜日は、退職仲間とランチの予定。水曜日に市民病院のCTが入っている。金曜日に、娘と一緒に、堺のアリオシネマ見たのは、『悼む人』【映画のストーリー】週刊誌記者・蒔野抗太郎(椎名桔平)は残忍な殺人や男女の愛憎がらみの事件の記事を得意としていることから、エログロの蒔野、“エグノ”と陰で呼ばれていた。蒔野が個人的に開設したサイトには、醜悪で卑猥で人はかくも非道になれるのかという加害・被害の実体験の書き込みが全国から寄せられてくる。そんなある日、蒔野は、死者を“悼む”ために全国を放浪している坂築静人(高良健吾)に出会う。人の善意を信じられぬ猜疑心の塊のような蒔野は、そんな静人の不可解な行動に疑念を持ち、彼の身辺を調べ始めるのだった……。その頃、静人の母・坂築巡子(大竹しのぶ)は末期の胃癌を患いながら静人の帰りを待っていた。病院での治療も効果があがらず横浜の自宅でターミナルケアを受けながら死を迎える決意をする巡子。幼い頃から対人恐怖の傾向があり、他人の顔を見て話すのが難しいというハンデを背負う巡子の夫・鷹彦は会社を辞めて巡子の介護に専念する。そんな中、二人の娘で静人の妹・美汐(貫地谷しほり)が、母の病を知り実家に戻ってくる。だが恋人の子供を身籠もっていることが判明。その恋人とは既に別れたという美汐だったが、そこには静人の存在が影を落としていた……。家庭内暴力を受けた女性を匿い“仏様の生まれ変わり”と言われた夫・甲水朔也(井浦新)を殺害した奈義倖世(石田ゆり子)は、4年の刑期を終え出所する。しかし倖世に身寄りはなく、行くあてもない。さらに自らが手にかけた夫が亡霊の如き存在と化し、肩口から語りかけてくるのだった。途方に暮れる倖世は二度と足を踏み入れぬつもりだった東北の町を訪ね、殺害現場で朔也を悼む静人と出会う。動揺する倖世に、静人は「この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか。誰かに感謝されたことはあったでしょうか」と問いかける。静人の真意を訝る倖世は、夫を殺した事実を告げぬまま、静人と行動を共にする……。映画館のHPからコピペした、この映画のストーリー、とっても詳しいなあ。亡くなった人のことを、私も心に深く刻んでおきたいと思ったし、いい映画だとは思ったけれど、観ていてとっても疲れた。いろいろな人の死を、掘り下げていってるからだろうな。静人が、悼む人となって旅するようになったきっかけだけが、私がちょっとぼうっとしていたのか、よくわからなかったけれど、映画に突っ込みどころはあまりなく、エンディングも納得できるものだった。奇妙な行動に見える悼む人の行為も、高良健吾のまっすぐな目と透明感で不自然な感じはしなかったし、母親役の大竹しのぶや石田ゆり子、椎名桔平の演技も素晴らしい。芸達者揃いだなあと思った。でも疲れた。次は気楽に笑える映画が観たいなあ。
2015.02.23
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パークスシネマで「繕い裁つ人」を観てきた。「解説」中谷美紀の主演で、町の仕立て屋と常連客たちとの織りなす日々を描いた池谷葵の同名人気コミックを実写映画化。神戸の街を見渡す坂の上にある仕立て屋「南洋裁店」。初代の祖母から店を継いだ2代目店主・市江が手がけるオーダーメイドの洋服は大人気だが、昔ながらの職人スタイルを貫く手作りのため、量産はできない。市江はデパートからのブランド化の依頼にも興味を示さず、祖母が常連のために作った服を直し、たまに新しい服を作るという日々に満足していたが……。共演に三浦貴大、片桐はいり、杉咲花、中尾ミエ、伊武雅刀、余貴美子ら。監督は「ぶどうのなみだ」「しあわせのパン」の三島有紀子。高谷美紀が、美しく素敵だった。きっちり丁寧に仕事をする職人という雰囲気で、布を裁つ姿、ミシンを踏む後姿などが、映像としても素敵だった。古い上質なものの良さを改めて感じさせてくれた。でも、ずっと感じる違和感。舞台は神戸。海の見える坂道。神戸大丸。古い洋館。タクシーのナンバーも神戸。これだけ神戸が舞台だとアピールしているのに、出てくる人物が皆、標準語。この違和感を感じるのは、私だけかなあと終わってから娘に話したら、娘も同感。主人公は南さんだが、関西人はみなみとは言わない。みなみと普通は言うんだけどなあ。ずっと神戸の映像があるので、私は服装の思い出に、震災のことが出てくるのかな、と最後まで思っていた。でも全く関係がなかった。20年前の震災も経験してきた服という方が、説得力があるのになあと思った。
2015.02.09
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去年観た映画は、少なかった。今日は、これから娘と映画を観に行く予定。去年観た映画のことを書いておこう。今までと同じように、内容が記憶に残っているものを★マークで3段階に好きなものを、☆マークで3段階にしてみた。小さいおうち ★★★☆☆☆抱きしめたい ★★☆☆永遠のO ★★★☆☆ウルフ・オブ・ウォールストリート ★★★☆アメイジング・スパイダーマン2 ★★★☆青天の霹靂 ★☆☆もういちど ★★★☆☆福福荘の福ちゃん ★★★☆☆紙の月 ★★★☆人情噺 文七元結 ★★☆☆☆「アナと雪の女王」はDVDで観た。今日は、車でなんばパークスで。足が痛くても、楽しまないとね。
2015.02.09
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今日は映画の日。今日は娘と一緒に車で大阪へ。人間ドックに行く娘を本町で降ろして、なんばパークスへ。パークスシネマで、わんさか歌舞伎の「人情噺 文七元結」を見た。終わってから、人間ドックを終えた娘と合流。オイスターバーのガンボで遅めのランチを食べて、買い物などして帰ってきた。「人情噺 文七元結」<あらすじ>腕は立つし、人もいい左官の長兵衛は、困ったことに大の博打好き。見かねた娘のお久は、吉原に身を売る決意をします。事情を察した妓楼の女房・お駒は、長兵衛を諭し、50両の金を貸し与えるが、その帰り道...。山田洋次監督、中村勘三郎主演のシネマ歌舞伎を見るのは、「野田版 研辰の討たれ」「野田版 鼠小僧」に続いて3回目。映画の日だけれど、シネマ歌舞伎は一律料金で2000円。でも、これで勘三郎が見られると思うと値打ちがあるなあと思える。これは、2007年10月に新橋演舞場で上演された作品。落語が原作らしいけれど、面白おかしい作品。それが足が痺れた場面や、身に合わない着物を着ている場面など、勘三郎の細かい演技で、ますます面白く楽しい場面に見えてくる。いつも思うけれど、やっぱり勘三郎ってすごい役者だなあ。生きている間に生で観たかったけれど、値段の高い歌舞伎は見られないし、遠くの席だと、表情までわからないだろし、やっぱりシネマ歌舞伎でいいかな?10日ほど前に、岸和田のユネイテッドシネマで観たのは、宮沢りえ主演の「紙の月」一昨日、プールが終わってから、ダイビング仲間のOさんと、Kさんとお茶している時、Kさんが銀行に勤めていると言うので、「紙の月」の話になった。ブログに書いていなかったことを思い出した。「紙の月」 1997年、主婦の梅澤梨花は、わかば銀行の契約社員として渉外係を務めていた。独居老人の平林の家を訪ねた時、大学生の孫の光太と出会う。優しいが鈍感な夫に物足りなさを感じていた梨花は、光太と付き合い始めるのだった。ある日、梨花は光太が学費のために借金していることを知る。梨花は光太のために顧客の金に手をつけ、200万円を渡すのだった。顧客からの信用を利用し横領を重ねた梨花は、光太と高級ホテルやマンションで豪遊を続け…。 映画の予告編を見て、NHKのドラマを見ていたことを思い出した。内容をほとんど忘れてしまっていたけれど、映画を観ながら、いろいろな場面が思い出されてきた。銀行の場面は、丁寧にリアルに描かれているなあと思った。Kさんによると、実際にはこういう横領はできないと言うことだけど。しっかり者で、最後に梨花を追い詰める隈より子役の小林聡美は最高。演技が上手いなあと思った。助演女優賞取らないかな?同じ銀行員で、生意気で不倫もしていて、こちらの方が悪いことをしそうなのに、パッと要領よく寿退社する、相川恵子役の大島優子もいい。こういう子いるよなあと思える。宮沢りえは、濡れ場も多い、体当たりの演技だけれど、普通の平凡な主婦が、大胆な横領までしていく過程が、あまり共感できなくて、唐突な行動に違和感を覚えた。宮沢りえの役を、NHKのテレビでは、原田知世が演じていたけれど、そういうところに違和感を感じなかったように思う。やっぱりじっくり時間をかけた方が、人物の背景や心理描写が深く描けられるんだろうな。ところで「紙の月」と言えば「ペーパームーン」作り物とかまやかしとか意味があるそうだけど、昔観た映画の「ペーパームーン」は、今も記憶に残っている。ライアン・オニールとテータム・オニールの父と娘の共演で、だましながら、聖書を売って行く話。もう40年ちかく昔の映画なのに、今も心に鮮明に残っているってすごいな。いい映画って、心に残るんだなあ。もっと見なくっちゃ。
2014.12.01
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地元の映画館では上映していないので、娘と一緒に、なんばパークスで観てきた。「福福荘の福ちゃん」<あらすじ>古めかしいアパート「福福荘」で暮らし、福ちゃんの愛称で親しまれている中年塗装工の福田辰男(大島美幸)は、仕事に忠実で血の気が多く女性には二の足を踏んでしまう性格。そんな福ちゃんのもとに、中学時代に初めて好きになった女性の千穂(水川あさみ)がおよそ20年ぶりに訪ねてくる。カメラマン修業中の千穂と一緒に過ごすうちに、福ちゃんはかつて自分を女性恐怖症に陥れた張本人の千穂に思いを募らせていく。ほのぼのと心温まるストーリー。笑えるところもいっぱいあって、子どもの頃のいじめの場面はかわいそうになった。傷つけられたトラウマは、いつまでも引きずる。いつも心優しい福ちゃんが、怒って泣き出したところでは、胸が痛くなった。外国の映画賞で主演女優賞を取った大島美幸が、心優しいおっさんを熱演していた。この映画の番宣をいろいろなテレビで見た。鶴瓶の「A-スタジオ」スマスマ、嵐の番組。この映画の話が来たのは4年前。その後24時間テレビの時に17kg痩せたのに、この映画のために数か月で元に戻したのだと言う。ただ、私には、福ちゃんがどうしても男の人に見えなかった。これは、私が大島美幸と番宣を見すぎたからかもしれないなあ。
2014.11.13
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気が付けば、イオンシネマのポイントがたまって、タダで見られるチケットの期限が今月末まで。月末には海洋実習があるので、今日はスポーツクラブに行くのは止めて、午前中に腕と肩にステロイド入りのブロック注射をしてもらい、お昼からダンナと、イオンシネマに行くことに。1人だったら、「るろうに剣心」が観たいところだけれど、「笑点」好きのダンナの意向で「もういちど」あまり話題になってないのでどうかなと思ったけれど、観た後は心ほっこり。観て良かった。「もういちど」【ストーリー】江戸時代末期。あることがきっかけで落語の修業を放り投げ、さまよううちに深川佐賀町の長屋へと流れ着いたたい平。そこで貞吉と知り合った彼は、ひょんなことから落語の稽古を頼まれてしまう。渋々引き受けるたい平だったが、必死に落語を学ぶ貞吉の姿にこの世を去った自分の息子の姿を重ね合わせていく。やがて貞吉親子と接しながら、涙と笑いに満ちた生活や、人とのつながりの大切さをかみ締めるようになる。「笑点」の出演でも知られる落語家の林家たい平が、企画と主演を務めた時代劇。江戸時代末期の深川を舞台に、落語の夢に破れて長屋に流れ着いた男が、そこに暮らす親子との触れ合いを通して前を向いていこうと決意する。メガホンを取るのは、人気アーティストのPVやライブ映像を手掛けてきた板屋宏幸。『もらとりあむタマ子』などの富田靖子、『南の島のフリムン』などのゴリが共演する。人情味あふれる物語に加え、深川江戸資料館内の施設を巧みに生かして再現された江戸時代の街並みも見どころ。去年観たのはシネマ歌舞伎だけれど、これはシネマ落語。シンプルな落語の世界に入り込み、面白い落語もいろいろ聞ける。客席には高齢の人が多かったけれど、落語入門と言う感じで、子どもも一緒に家族で楽しめそうだ。笑点に出ているたい平さんが、企画主演だけれど、落語のすそ野を広げようとしているんだろうなあ。映画の感想は久しぶり。「青天の霹靂」の感想書いてなかったなあ。あれも良かったんだけど・・・
2014.08.26
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昨日の土曜日、一番上の孫だけを見ることになっていた。9時半ごろ迎えに行くと、学童に行ってると思った次男坊が、まだ出かけずに家にいた。長男がうちに来るとわかって、自分も行きたくなったらしい。ママがお弁当を作ってくれているし、明日一緒に映画を観に行こうよと言っても、行くの嫌と言って、お布団にもぐって泣き出した。ママが新しい職場で働きだしたので、次男坊は1月から休んでいた学童に、5月からまた行きだした。でも、先日、勝手に学童を休んで友だちと遊び、いろいろな人に迷惑をかけたらしい。学童に行くのを嫌がったら困るなあと思ったけれど、一度嫌と言ったらきかない頑固な面のある子だ。仕方がないので、一緒に学童まで行ってお休みの連絡をし、2人とも連れて帰ることにした。長男が来たら、ダンナはキャッチボールの練習をする予定をしていた。2人そろうと、次男の方が上手かったりするので、練習は、長男1人だけの方がいいから、今日は止めておくと言う。スパイダーマンの映画を観に行こうかと言ったら、長男は観たくないと言う。それで、別行動。長男はダンナに任せ、先日家に来て、「スパイダーマン」の前作を何度も見ていた次男坊と、2人で「スパイダーマン2」を観に行くことにした。アメイジング・スパイダーマン2【ストーリー】スパイダーマンとしてニューヨークの平和を守り、グウェン(エマ・ストーン)との関係も好調なピーター(アンドリュー・ガーフィールド)。だが、旧友のハリー・オズボーン(デイン・デハーン)がニューヨークに戻ってきたのを機に、充足していた生活が微妙に変化していく。そんな折、サイ型パワードスーツを装着したライノ(ポール・ジアマッティ)、人間発電機エレクトロ(ジェイミー・フォックス)という敵が出現。苦闘を強いられる中、追い打ちをかけるように怪人グリーン・ゴブリンとなったハリーが襲い掛かってくる。キャストとスタッフを一新した人気アメコミ超大作の第2弾。超人的能力を駆使して正義の味方スパイダーマンとして活躍する青年ピーターが、ニューヨークの平和を脅かす敵たちに立ち向かう。監督のマーク・ウェブ、主演のアンドリュー・ガーフィールド、エマ・ストーンと前作のメンバーが再結集した。迫力満点なアクションはもとより、ピーターに降り掛かる試練を見つめたドラマも見もの。3Dの「スパイダーマン」は、USJのアトラクション以上に迫力満点。2時間半の長編だけれど、小学2年生の次男坊も、飽きずに集中してみていた。前作では、スパイダーマンになるきっかけが描かれていたけれど、わからなかった両親の研究や最期が明らかになった。悲しい出来事があって、活動を止めたスパイダーマンだったけれど、最後には、また社会のために闘うために復活した。でも、滅ぼしたと思っていた敵が地下で活動を始めている。「あーちゃん、スパイダーマン3もきっとあるなあ。」「うん、3もまた観ようなあ」「来週からなかよしちゃんと行くんやで、そしたらまた連れてあげるよ」と言うと、うんと嬉しそうに頷いた。3Dのメガネは、今度観に行くときのために取っておくそうだ。2ヶ月に1度くらいは、学童を休んで連れてあげようかなと思う。甘やかしすぎかなあ。でも、甘やかされる経験もあった方がいいような気がしているんだけど。
2014.05.25
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今年になって観た映画は、2月1日の映画の日に、娘と一緒に「永遠の0」節分の日に「小さいおうち」と「抱きしめたい」11日の建国記念の日になんばで、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」感想を書いておこう。まず、同じ戦争のことを題材にした「永遠の0」と「小さいおうち」 「永遠のO」【ストーリー】祖母の葬儀の席で会ったことのない実の祖父・宮部久蔵(岡田准一)の存在を聞いた佐伯健太郎(三浦春馬)。進路に迷っていた健太郎は、太平洋戦争の終戦間際に特攻隊員として出撃した零戦パイロットだったという祖父のことが気に掛かり、かつての戦友たちを訪ねる。そして、天才的な技術を持ちながら“海軍一の臆病者”と呼ばれ、生還することにこだわった祖父の思いも寄らない真実を健太郎は知ることとなり……。ダンナに「永遠の0」を観に行こうよと言ったら、「百田尚樹は嫌いや。」と言うので、行く機会を逃してしまっていた。2月1日、映画の日に娘と一緒に観に行ったら、もう何週間も続いているのに、客席が満席だった。郊外のシネコンで、いつもガラガラなのに、すごい人気だ。海軍一の臆病者と言われながらも、本当は誰よりも家族を思い、優秀な零戦乗りだった祖父久蔵にV6の岡田君はまさにはまり役、最後に祖父が伝えたかった真実も説得力があった。感動的なんだけれど、それだけにちょっと怖いなあと感じた。特攻隊員として、敵の空母に向かっていく久蔵がかっこよすぎ。特攻隊というのは、自爆テロと一緒なんだ、そういう事を、戦争中は命令でさせられたんだということを忘れさせてしまう。百田尚樹の言動を考えると、より一層危険な映画だなと思ってしまった。映画のエンディングで流れるサザンの「蛍」が好きだ。娘が帰りの車の中で、大沢たかおの出ていたヨットの映画の、サザンの曲とよく似ていると言う。スマホで調べたら「天国で君に逢えたら」の中の「風の詩を聴かせて」youtubeで探したら、本当に似ているフレーズがある。よく覚えていたなあ。 「小さいおうち」【ストーリー】健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。先日、ベルリン映画祭で黒木華が最優秀女優賞に選ばれた、というニュースが入ってきて嬉しくなった。NHKの朝ドラ「愛と純」で愛と同期入社の女の子を演じていたときから印象に残った。「草原の椅子」や「舟を編む」にも出ていたけれど、いつも現代的な女の子だった。この映画での若き日のタキは、田舎から出てきた若いお手伝いさん。戦前なので着物の上に割烹着を着て、よく働く。着物では動きにくいだろうに、身のこなしが本当に自然で、若いのにうまいなあと思った。戦前のノスタルジックな風景と、裕福なひとつの家庭の小さな秘密、表だって戦争を大きく扱った映画ではないけれど、何か戦争に向かっていきそうな社会の不安な感じ、知らず知らずにそれに流されていく人々の様子が、何か現代と通じるものがあるような気がした。監督が描きたかったのはこういうところなんじゃないかな。NHKの「ごちそうさん」も同じような時代背景だったけれど、戦前の日本は豊かで、思った以上に明るかった。盧溝橋事件から始まった日中戦争。映画の中の旦那さんは「近衛首相は血筋が良くて頭が良いので安心だ」と言う。昭和12年、南京陥落に、デパートでは戦勝記念セールが行われた。昭和15年、オリンピックが東京に決まり、これからは明るいぞと喜び、昭和16年、真珠湾攻撃も「開戦ばんざい」と人々は喜び合った。新聞には、勝利したことしか載っていなくて、人々には何も知らされなかった。淡々と描いているけれど、タキのノートを読む健史が、南京大虐殺のことをふれていたり、百田尚樹とは違う監督の歴史観がわかる。戦前の雰囲気は今の日本の状況と似ている。国民一人一人が危機感や、戦争は嫌だと言う意識を持っていないと、同じ過ちを繰り返してしまうんだと、警鐘を込めたような作品だと思った。とても心に残る映画で、松たか子も良かったし、最後少し出てくる米倉斉加年も存在感があった。でも、吉岡君だけがちょっとミスキャストかも。不倫相手としては、似合わないと思ったら失礼かな?
2014.02.18
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2007年の暮れ、母にクリスマスプレゼントに、10年日記を買ってもらった。最初の2・3年は真面目に書いていたのに、最近は、とびとびになっている。せっかく母に買ってもらったものだし、今年は、この日記をちゃんと書くことを目標にしようと思った。でも、お正月の頃だけは、いつも真面目に書いている。三日坊主の典型だなあ。去年の日記を見ると、1月4日に姉と神戸に行き、6日には、「レ・ミゼラブル」を見ている。そうだ、そろそろ去年観た映画を書かなくては。一昨年や去年と同じように、 内容が記憶に残っているものを★マークで3段階に好きなものを、☆マークで3段階にしてみた。レ・ミゼラブル ★★★☆☆☆東京家族 ★★☆☆ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 ★★★☆☆草原の椅子 ★★☆☆☆ダイ・ハード/ラスト・デイ ★★☆フライト ★☆☆プラチナデータ ★☆☆王になった男 ★★☆☆☆遺言 明日への十日間 ★★★☆☆少年H ★★★☆☆研辰の討たれ(とぎたつのうたれ) ★★★☆☆☆ 謝罪の王様 ★★☆そして父になる ★★★☆☆シネマ歌舞伎 野田版 鼠小僧 ★★☆☆☆人類資金 ★★☆陽だまりの彼女 ★★☆☆桐島、部活やめるってよ ★★★☆☆あなたへ ★★☆☆☆宇宙兄妹 ★★☆☆舟を編む ★★★☆☆☆ 華麗なるギャッピー ★★★☆☆俺はまだ本気だしてないだけ ★★☆☆映画館で観たのが、上の16本。後は、旅行中の飛行機の中やDVDなどで。陽だまりの彼女のことは書くのを忘れていたけれど、こんな内容。<あらすじ>取引相手を訪ねた新人営業マンの浩介(松本潤)は、そこで同じ中学校に通っていた幼なじみの真緒(上野樹里)と10年ぶりの再会を果たす。学年有数のバカとして名をはせ、何かといじめられていた彼女が、当時の姿から想像がつかないほど魅力的な女性になったことに驚く浩介。再会に運命めいたもの感じた二人は惹(ひ)かれ合うようになり、結婚を決意するまでに。だが、真緒は誰にも知られてはならない、とんでもない秘密を持っていて……。ファンタジーで、心がほんわり温かくなるような映画だった。一番印象に残っているのは「レ・ミゼラブル」3Dじゃないのに、その画面の迫力も、ミュージカルの歌声もすごい。私は20年ほど前にNYのブロードウェーで、実際のミュージカルを観たと言うこともあって感慨深い。去年の元旦に観たいと書いていた、勘三郎のシネマ歌舞伎を2本。やっぱり見ごたえがあって、「研辰の討たれ」は感動した。「野田版 鼠小僧」は「研辰の討たれ」と主人公のキャラクターがかぶるのがちょっと残念だった。今年もシネマ歌舞伎があるそうなので、またガラッと違うのを観たいなあ。じんわりと心に響いたのが、「舟を編む」と思ったら、やっぱり年末の報知映画賞で松田龍平が、主演男優賞を受賞していた。作品もすごく良かったから、これからいろいろな映画賞に出てくるんじゃないかなあ。
2014.01.02
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先週の日曜日、たまたま見た「ぼくらの時代」という番組で、佐藤浩市、香取慎吾と阪本順治監督が対談していた。そして、シネマ歌舞伎のチケットをネットで取ろうかと、なんばパークスシネマのHPを見ていたら、10月26日の「人類資金」のお昼の上映の時、佐藤浩市と阪本監督の舞台挨拶のニュースが出たら、次の日には空席なしになっているのを見た。面白そうな映画だなあと思った。今日は孫たちのところに行かなくてもいいようになったので、早速ダンナと観に行くことにした。「人類資金」【ストーリー】終戦後、ひそかに回収されたというM資金と呼ばれる旧日本軍の秘密資金。それをネタにした詐欺を行い続けてきた真舟(佐藤浩市)は、石(森山未來)という青年から彼が所属する日本国際文化振興会なる財団の人間に会うよう迫られる。だが、財団のビルに足を踏み入れた瞬間、高遠(観月ありさ)が率いる防衛省秘密組織の一団に襲撃される。石の助けを借りて逃げ出した真舟は、そのまま本庄(岸部一徳)という男に引き合わされ、50億円の報酬と引き換えに某投資ファンドが管理する10兆円ものM資金の奪取を持ち掛けられる。『亡国のイージス』『大鹿村騒動記』などの阪本順治が監督を務め、原作の福井晴敏と共に脚本も担当したサスペンス。いまだ、その存在が議論されている旧日本軍の秘密資金、M資金をめぐる陰謀と戦いに巻き込まれていく男の姿を活写する。佐藤浩市、香取慎吾、森山未來をはじめユ・ジテやヴィンセント・ギャロら、海外からのキャスト陣を含む豪華な顔ぶれが結集。彼らが見せる演技合戦はもちろん、壮大で緻密な展開のストーリーも見もの。楽しみにしていた映画だけれど、う~ん。まだまだ続くと思うので、ネタバレはドラッグして見てね。佐藤浩市、香取慎吾、森山未来だけでなく、出演陣がすごく豪華、ロケ地もニューヨーク、ハバロフスク、タイとすごく豪華なのに、何か中途半端で分かりにくく、物足りなさを感じる映画だった。原作は7巻まである長編らしいけれど、映画にするには端折りすぎたのかもしれない。旧日本軍が残した巨額のM資金を取り巻く陰謀、という興味を引く内容だけど、巨大な組織を相手にしているはずなのにそんな感じがせず、国際株式を操作と言うけれど、そんなことのできるような集団には見えず、電話も今までにかけたことのない人が、PDAを使って画像を送れるんだろうかとか、そして、ワイハイが繋がっているんだろうかか考えると、何かすべてが中途半端で、わかりにくかった。もう一回見たらわかるのかな?そんな中で、一番見ごたえのあったのが、森山未来の国連でのスピーチ。若いけれど、やっぱり演技力のある俳優だなあ。
2013.10.27
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退職仲間と観てきたのは、なんばパークスでの、「シネマ歌舞伎 野田版 鼠小僧」台風の進路とにらめっこしながら、行こうかどうしようか迷っていたけれど、警報も出ていないので、やっぱり観に行くことにした。いつも満席になると言うシネマ歌舞伎も、台風の影響で、今日は半分くらいの入りだった。野田版 鼠小僧【あらすじ】お正月、江戸の町では鼠小僧の芝居が大人気。見物客の中では、棺桶屋の三太(中村勘九郎)がずる賢く金稼ぎに励んでいる。金にしか興味のないごうつくばりの三太は、実の兄が死んでも棺桶屋の出番と喜ぶ始末。その上、兄の遺産があると聞いて大はしゃぎ。ところがその遺産は、善人と評判の與吉(中村橋之助)が相続することに。他人には渡すものかと一計を案じた三太は、兄の死体の替わりに棺桶の中へ忍び込むのだが……。「研辰の討たれ」に続いて、勘三郎のシネマ歌舞伎。やっぱりすごい、勘三郎のパワー。長台詞だし、走り回るし、屋根の上をかけのぼるし・・・そして楽しい。吉本の舞台かと思うほど、笑いっぱなし。それなのに、ほろりとさせられる。野田秀樹と中村勘三郎って、すごい才能の二人がタッグを組んだんだなあ。三太とクリスマス、BGMもクリスマスソングって、歌舞伎にしてはすごく斬新な舞台なんだろうな。この作品は10年前の作品。高画質のカメラで撮っていて、涙も汗も表情もはっきりわかる。DVDも出ているので、レンタルであれば是非!
2013.10.25
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先週、娘と観に行ったのは、カンヌで話題になった福山君の「そして父になる」土曜日敦賀のアレックスシネマでダンナと見たのは、「あまちゃん」のクドカン脚本の「謝罪の王様」ギリシャまでの飛行機の中、関空からドーハまでは、途中で眠ってしまったけれど、ドーハからアテネの飛行機では、デカプリオの「華麗なるギャツビー」を見られたし、帰りのアテネからドーハまでは、「舟を編む」を見た。ドーハから関空までは、「俺はまだ本気出してないだけ 」を見ていたのに、最後、残り数分だと思うけれど、到着体制に入って見られなかった。結末どうなったのかなあ。「そして父になる」 あらすじ: 申し分のない学歴や仕事、良き家庭を、自分の力で勝ち取ってきた良多(福山雅治)。順風満帆な人生を歩んできたが、ある日、6年間大切に育ててきた息子が病院内で他人の子どもと取り違えられていたことが判明する。血縁か、これまで過ごしてきた時間かという葛藤の中で、それぞれの家族が苦悩し……。ある日突然、今まで自分の子どもだと思ってきた子が、取り違えられていたと知ったら、二つの家庭の両親の気持ちを丁寧に描いている。対照的な二人の父親、福山雅治は、高学歴で高収入、自分は仕事中心で、子育ては妻任せ。子どもにも優秀さを求め、できれば二人とも自分の元にと考える父親。リリー・フランキーは、収入の少ない自営業者だけれど、子煩悩で、子どもとの触れ合いを大切にする父親。でも、子どもは、ふれあいを大切にするお父さんの方が好きで・・・リリー・フランキーの父親役がうまいなあと思った。母親役は、尾野真千子と真木よう子。どちらも可母親役を好演していた。でも、イメージとしては、尾野真千子の方が、下町の肝っ玉母さんのイメージで、反対の方が合うんじゃないかと思った。「最高の離婚」というドラマで共演していた二人で、そのイメージが残っているのかな。「謝罪の王様」あらすじ: 依頼者たちに代わって謝ることで、彼らが抱える多種多彩なトラブルを収束する東京謝罪センター所長、黒島譲(阿部サダヲ)。ヤクザの車と追突事故を起こし、法外な賠償金の支払いを迫られていた帰国子女・典子(井上真央)は、彼に助けられたのがきっかけでセンターのアシスタントとなる。二人は、セクハラで窮地に陥った下着メーカー社員の沼田(岡田将生)、あるエキストラの起用で外交問題を起こしてしまった映画プロデューサー・和田(荒川良々)など、さまざまな顧客に降り掛かる問題を謝罪で解決していく。俳優陣は豪華だし、「あまちゃん」のクドカンだけれど・・・面白くて笑えるんだけれど・・・あまりにもばかばかしい感じの映画。マンタン王国のちゃちさは、映画としてどうなんだろう。昔の「ハリマオ」や「モスラ」なんかの、子供向けの映画を観ているような感じ。何か意図があるのかな?「ワキゲボーボー ジユウノメガミ」という言葉も、ふざけ過ぎのように感じた。「華麗なるギャツビー 」あらすじ: ニック(トビー・マグワイア)が暮らす家の隣に建つ、ぜいを凝らした宮殿のような豪邸。ニックは、そこで毎晩のように盛大なパーティーを開く若き大富豪ジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)と言葉を交わす仲になる。どこからやって来たのか、いかにしてばく大な富を得たのか、なぜパーティーを開催し続けるのか、日を追うごとに彼への疑問を大きく膨らませていくニック。やがて、名家の出身ながらも身寄りがないこと、戦争でさまざまな勲章を受けたことなどを明かされるが、ニックはこの話に疑念を持つ。豪華絢爛のパーティーは、映画館の大画面で見たら、きれいで迫力あるだろうなあ。機内の小さい画面だけれど、楽しめた。パーティーの理由は、ロマンチックで、でも最後は、ちょっと悲しいストーリー。「舟を編む」あらすじ: 玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強いメンツばかり。仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれし……。辞書の編纂という、地味だけれど大変な作業、15年もかかった「大渡海」ができるまで。地味だけれど、静かな感動を感じる、いい映画だなあと思った。改めて、日本語の楽しさも感じられた。この作品、アカデミー賞にノミネートされるんじゃないかな。明日から、うちの地域ではだんじり祭り。ダンナは、交通整理で、5時集合だ。早く寝ないと。
2013.10.11
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今日の退職仲間とのお出かけは、なんばパークスでシネマ歌舞伎。退職仲間との大人の遠足は、実は先週の月曜日、天川村へ天然のお水をもらいに行く予定をしていたけれど、悪天候が続いて、ちょっと道も危ないかも、と言うことで、どうする?と言うことになった。そこで観たかった、月イチ歌舞伎の「野田版 研辰の討たれ」を提案。月イチ歌舞伎はとっても人気があると言うことで、29日の木曜日、朝8時半、発売開始直後にネット予約。今日は、南海線で待ち合わせして、11時過ぎになんばパークスへ。チケット引き換えを済ませた後、7階のラグジャスでゆっくり90分。イタリアンを食べた後、デザートもたっぷり。パークス内をちょっとぶらっとした後、14時10分からの上映に合わせて入場した。やっぱり満席で、ネットでチケットを取っておいてよかった。「野田版 研辰の討たれ」【みどころ】作:木村錦花脚色:平田兼三郎脚本・演出:野田秀樹木村錦花原作の歌舞伎狂言「研辰の討たれ」を、野田秀樹が新しい視点で書き直し、演出した舞台。平成13年8月の納涼歌舞伎で初演され、大ヒットとなりました。平成17年5月歌舞伎座において、十八代目中村勘三郎襲名披露狂言として再び上演された舞台が、シネマ歌舞伎としてよみがえります。【あらすじ】赤穂浪士討ち入りのニュースは、江戸から離れたここ近江の国、粟津藩にも伝えられ、剣術の道場はその話題で持ちきりです。しかし一人だけ、赤穂浪士を馬鹿にする人物がいました、もと町人、研屋あがりの守山辰次です。仇討ちなんて馬鹿馬鹿しい、武士といえども潔い死を望まない武士もいる筈だと言い出す辰次を、家老の平井市郎右衛門が叱り付けました。すると現実的で抜け目ない辰次はすぐに態度を変え、剣術に優れた市郎右衛門に剣術を学びたいとお追従を言う始末。主君の奥方、萩の江の前で、市郎右衛門に散々に打ち据えられて、辰次は仕返しに一計を案じますが・・・いやあ~、やっぱり、勘三郎、最高。あ~、生きているうちに一回、生で勘三郎の舞台を観たかった。でも、映画でも、満足、満足、大満足の2時間だった。去年、勘三郎が亡くなった時も、野田秀樹がそばにいた。同い年の二人は、無二の親友だったそうだが、こんな素晴らしい作品を一緒に作っていたんだなあ。作りながら、いろいろ新しいアイデアがわいてきて、楽しくてしようがなかったんだろうなあと思えるような作品だ。上の写真にあるように、ウエストサイド物語に出てくるようなダンスや、当時流行った羽田陽区のギャグなども交え、回り舞台を使ったり、客席いっぱいに仕掛けを作ったり、エンターテーメント満載だ。生で舞台を観ていたら、その迫力に圧倒されただろう。でも、シネマの良さは、一人一人の表情が、大画面で、生き生きと見られること。顔中汗にまみれながら、勘三郎は全く力を抜かない。楽しくて笑いがいっぱいの舞台なのに、最後、辰次がはらはらと落ちる紅葉の下で、「生きてえなあ、生きてえなあ」と言いながら死んでいく場面、汗でいっぱいの勘三郎の目から、涙があふれている。去年亡くなった、勘三郎の最期を思ったら泣けてきた。終わった後、良かったねえ、これで2000円は値打ちあるねえ、また観たいねえ、と言うことで、次回の退職仲間のお出かけは、10月の、月イチ歌舞伎「野田版 鼠小僧」に決定。その後なんばの高島屋へ。7階で、展覧会を見て、お茶して帰ってきた。
2013.08.31
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ポイントがたまった映画無料鑑賞券の期限が8月末まで。昔、本を読んで感動した「少年H」が映画化されている。時間を見たら、もう行ける時がないので、プールの前に、慌てて観に行った。そんな慌ただしさの中で見た映画だったけど、行って良かった~。【ストーリー】昭和初期の神戸。洋服仕立て職人の父・盛夫(水谷豊)とキリスト教徒の母・敏子(伊藤蘭)の間に生まれた肇(吉岡竜輝)は、胸にイニシャル「H」が入ったセーターを着ていることからエッチというあだ名が付いていた。好奇心旺盛で曲がったことが嫌いな肇だったが、オペラ音楽について指南してくれた近所の青年が特別高等警察に逮捕されるなど、第2次世界大戦の開戦を機にその生活は暗い影を帯びていく。やがて、彼は盛夫に対するスパイ容疑、学校で行われる軍事教練、妹の疎開といった出来事に直面し……。1997年に発表されベストセラーを記録した、妹尾河童の自伝的小説を実写化したヒューマン・ドラマ。戦前から戦後までの神戸を舞台に、軍国化や戦争という暗い時代の影をはねつけながら生きる家族の姿を見つめていく。実際に夫婦でもある水谷豊と伊藤蘭が、テレビドラマ「事件記者チャボ!」以来となる共演を果たし、少年Hの父母を演じる。メガホンを取るのは、『鉄道員(ぽっぽや)』などの名匠・降旗康男。感動にあふれた物語もさることながら、当時の神戸の街並みを再現したオープンセットも見どころだ。参院選に自民党が圧勝して、憲法改正の動きなど、政治の右傾化が気になるこの頃、お気に入りのわからんtinさんが書かれているように、「機密保全法」なんていう変な法律を作る動きも出てきている。今の時期だから、この映画はとても意義があると思う。日本が戦争への道を突き進んだとき、ほとんどの人は、そのことに気付かなかったと言う。少年Hの父親、盛夫は、神戸で外国人相手の紳士服を作っていたこともあって、他の人より、これはちょっとおかしいと気づくことが多かったのだろう。父親がHに言う。「新聞やラジオが、本当のことを報道しているとはかぎれへんよ」また、「外国人の方が、日本人のぼくらより、この国が置かれている状況をわかってるのかも知れんねえ」韓国や中国との関係、福島の問題、何か今の日本と重なるところもあって、一人一人が、世の中のことに関心を持って、「何が正しくて、何が正しくないのか、自分の頭でちゃんと考えらなあかんよ」と言われているような感じがした。優しい言葉の中に、芯の強さをにじませて、水谷豊の演技が光った。肇を演じた吉岡君の演技も素晴らしい。子どもたちに、是非見せたい映画だなあ。
2013.08.28
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解説: 2011年の東日本大震災で被災した岩手県釜石市の遺体安置所を題材としたルポルタージュ「遺体 -震災、津波の果てに-」を基に、メディアが伝え切れない被災地の真実を描き出したヒューマン・ドラマ。葬儀関係の仕事をしていた主人公を中心に、遺体を家族のもとに帰そうと奮闘する遺体安置所の人々の姿を映し出す。メガホンを取るのは、『踊る大捜査線』シリーズの脚本や『誰も守ってくれない』などで知られる君塚良一。西田敏行が主演を務め、佐藤浩市や佐野史郎など日本を代表する名優たちが共演。東日本大震災の壮絶な様子と共に、遺体安置所の人々を通して日本人の死生観をも映し出す。あらすじ: 東日本大震災の発生直後。定年まで葬儀関係の仕事に就いていた相葉常夫(西田敏行)は、仕事柄遺体に接する機会が多かったことから、遺体安置所でボランティアとして働くことになる。一人一人の遺体に優しく話し掛ける相葉の姿を見て、膨大な遺体に当初は戸惑っていた市職員たちも、一人でも多く遺族のもとに帰してあげたいと奮闘し続ける。先週、ダンナと一緒に観に行ったのが、この映画。冒頭、フジテレビのロゴと、よくドラマで見かける監督の名前が出てきて、どうなのかなあと思ったけれど、とても真摯に作られた映画だなあと思った。 ニュースなどで、津波の様子や瓦礫の様子は出てきても、亡くなった人の姿は出てこなかった。この映画で取り上げるているのは、遺体安置所。津波も瓦礫もCGの映像も出てこない。でも、泥にまみれて、死後硬直で固まった遺体を見るのは怖い。遺体安置所で、何をしていいかわからず立ち尽くす市の職員たち。ボランティアで参加した相葉は、「ここにいるのは死体ではなく遺体なんです」と、土足では申し訳ないと、裸足になって、一人一人に優しく話しかけ、汚れをぬぐい、死後硬直した体をほぐしていく。「遺体に話しかけると、表情が変わるんです」と相葉は言うが、本当にそうなんだろう。職員たちが、徐々に自分のすべきことを見つけていくように、私自身も、怖くて目を背けたいと言う思いが薄れていった。今まで取り上げられなかったけれど、こういうことが現実にあったのだ。実際は、もっと悲惨で、もっと過酷な現場だったんだろう。最初はちょっと見るのに勇気がいるけれど、多くの人に、見てもらいたいなあと思う作品だ。
2013.04.22
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春休みに入って、初めての月曜日。息子もヨメも今日はお休みで、家族でお出かけするそう。スポーツクラブも休みだし、ダンナと映画を観に行くことにした。いつも行く映画館では上映していないけれど、ヤフーなどで高評価の「王になった男」が気になった。【あらすじ】17世紀、朝鮮王朝。大臣たちの陰某が渦巻く宮中で、暴君と化していた15代王である光海君。毒殺に怯える光海の発案で、瓜二つの男を影武者として探すことになる。白羽の矢が当たったのは酔っ払い相手に王の物真似をして笑わせていたハソン。光海が薬を盛られて病床に臥せったのをきっかけに、ハソンが代役として王に成りすますこととなる。ハソンは、最初は戸惑いながらも、徐々に民のことを考える真の王として周りを魅了していくのだが…。 『G.I.ジョー』などへの出演により、国際派スターの仲間入りをした韓国の俳優イ・ビョンホンが初挑戦した時代劇。朝鮮時代の韓国を舞台に、陰謀渦巻く宮中で王の影武者を務める平民の男が少しずつ民のことを思いやる本当の王として尊敬を集めるようになる過程を映し出す。監督を務めるのは『拝啓、愛しています』のチュ・チャンミン。一人二役で暴君と道化師を見事に演じ切ったイ・ビョンホンの演技力の高さに脱帽。面白かった~クスリと笑えるところもいっぱいあって、それでいて感動的な場面も多い。韓国映画によくある、残酷なシーンも、ハードなラブシーンもない。イ・ビョンホンが、道化師から立派な王になっていく過程も、映画という短い時間なのに丁寧に作られていて違和感がない。後半、あれ?と思うところはあったけど、まあ納得。高評価がうなずける作品。おススメです。
2013.03.25
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最近、どういうわけかプールに入ると、瞼が赤くなって、かゆくなる。どうも塩素のアレルギーみたいな気がする。それで、リフォームの間も2週間スポーツクラブに行かなかったけれど、終ってからも、ジムで筋トレしたりサウナで過ごしたり、ちょっとプールに入るのがおっくうになっている。昨日は、習字の講座の後、プールのアクアビクスに入ってから、和歌山の写真講座に行く予定をしていた。でも、習字講座が年度最終で、サンドイッチと飲み物が出て早く終わった。プールまでの間時間つぶしにショッピングセンターに寄ったら、ちょうど「プラチナデータ」の始まるところ。もうプールはいいやと思って、「プラチナデータ」を観ることにした。【ストーリー】政府が極秘に収集した国民の遺伝子情報“プラチナデータ”を基に犯罪捜査が行われ、検挙率は驚異の100パーセントで、冤罪(えんざい)は皆無となった近未来の日本。警察庁の科学捜査機関に所属する科学者の神楽龍平(二宮和也)は、DNA捜査システム関係者の連続殺人事件を担当することに。しかし、同システムは神楽自身を容疑者として示し、思考を繰り広げた結果彼は逃亡するが……。さまざまな作品が映画化されている東野圭吾の小説を、『ハゲタカ』『るろうに剣心』の大友啓史監督が映画化したサスペンス。DNAデータを基に犯罪捜査が行われる近未来を舞台に、自らが携わるDNA解析捜査で連続殺人事件の容疑者となってしまった科学者の逃亡劇を描く。天才科学者から逃亡者へと転落する主人公には、嵐の二宮和也。彼を執拗(しつよう)に追跡するベテラン刑事に豊川悦司がふんするほか、鈴木保奈美、生瀬勝久、杏ら多彩なキャスト陣がそろった。トヨエツと演技に定評のある二宮君で楽しみにしていたんだけど、手に汗握る逃走劇を期待していたのに、ちょっと迫力が無い。頭脳明晰な神楽の逃走だから、もっと頭脳プレーを期待していたんだけどなあ。高度な機械を使って防犯カメラで識別されているのに、取り逃がす警察。ダイハードで迫力のある逃走劇を観た後だから、ちょっと物足りない。二宮君の二面性の演技も、事前の公表しているので、どうして容疑者として疑われたのかも予想がつく。東野圭吾の原作は読んでいないけれど、本の方が面白いのかもしれないなあ。6回映画を観ると無料のチケットがあるので、今日は、ダンナが観たがっていた「フライト」を観に行くことに。【ストーリー】ベテランのウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)は、いつものようにフロリダ州オーランド発アトランタ行きの旅客機に搭乗。多少睡眠不足の状態でも一流の操縦テクニックを持つ彼の腕は確かで、その日もひどい乱気流を難なく乗り越えた。機長は機体が安定すると副操縦士に操縦を任せて睡眠を取るが、その後突然機体が急降下を始め……。『フォレスト・ガンプ/一期一会』のロバート・ゼメキス監督と『トレーニング デイ』のデンゼル・ワシントンがタッグを組んだ話題作。旅客機の緊急着陸を成し遂げたものの血液中から検出されたアルコールにより英雄から一転、糾弾される主人公の機長の苦悩を描く。弁護士を『アイアンマン』シリーズのドン・チードルが演じ、友人を名脇役のジョン・グッドマンが好演。善悪では割り切れない人間の業の深さを描いた深遠な心理描写にうなる。こちらは反対に、冒頭から飛行機の操縦に冷や汗。でも、コカインとアルコールで、こんな風に精神を高揚させて操縦するパイロットがいるのかと思うと、飛行機に乗るのが怖い。普通だと全員死亡するような飛行機を、高度な技術で不時着させても、6人の人が死んでいる。なのにアル中から抜け出せず、最後まで嘘をつこうとする機長にイライラして、こんな映画作ったらあかんやろと思ったけれど、最後の数分でホッ。ここまでが長すぎるわあ。
2013.03.22
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【ストーリー】久しく会っていなかった息子ジャック(ジェイ・コートニー)がロシアでトラブルを起こした上に、ある裁判の証人となったと知らされた刑事ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)。身柄を引き取りに現地を訪れた彼だが、そこでテロ事件に巻き込まれてしまう。相変わらずの運の悪さを呪いながらも、混乱状態に陥った状況下でジャックと再会するマクレーン。しかし、なぜか親子一緒に次期ロシア大統領候補の大物政治家、大富豪、軍人らが複雑に絡む陰謀の渦中へと引きずり込まれるハメになり……。大事件に巻き込まれる不運でタフな刑事ジョン・マクレーンをブルース・ウィリスが演じる、大ヒット・シリーズの第5弾。モスクワで警察のお世話になってしまった息子ジャックを引き取りに向かったマクレーンが、ロシアの命運を左右する陰謀に巻き込まれていく姿を壮大に活写する。『マックス・ペイン』のジョン・ムーアが監督を務め、テレビドラマ「スパルタカス」で注目されたジェイ・コートニーがジャックを熱演。ジョンとジャック親子の掛け合いや連携バトルに加え、ヘリや装甲車も動員したド派手な見せ場にも注目したい。「ダイハード」はみんな観たと思っていたけれど、前作は観てなかったみたい。マクレーン刑事にこんな大きな子供がいたとは意外だった。「ダイハード3」は今から18年前。マクレーン刑事も老けるはずだなあ。一般人をこんなに巻き込んでもいいんだろうかと思うけれど、手に汗握るカーチェイス。ヘリにつかまって、ターザンのようにビルに飛び込んだり、何十階もあるようなビルから飛び降りて、不死身な親子は、エンターテイメントとしては面白いけれど、物語の設定がなあ。まあこれから見ようと思う方もいると思うので、ネタバレは、白字で。(ドラッグしてみてね)マクレーン親子が向かったのは、原発事故のあったチェルノブイリ。悪い権力者が原爆用のウランを横流しでチェルノブイリにため込んでいたので事故が起きたと言うような話にしている。今回の悪人もここに隠していた原爆用の大量のウランを取り、巨額を儲けようとする。なんだかなあと思ったのは、チェルノブイリの倉庫に入り、ウランを取ろうとする所、「長年の放射能がたまっているので、数値が高くて危険だな」「そのために放射能を中和するガスを持ってきたので大丈夫」とガスを噴射、数値が下がってマスクを脱いで倉庫に入っていく。そんな簡単なものじゃないでしょう。放射能で、実際に苦しんでいる人がいることを少しもわかっていない。髪の毛が抜けることを茶化したり、原発のことをあまりにも軽く考えているので、おもしろかったけれど、後味はあまり良くなかった。
2013.03.10
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今日から家の中の工事が始まった。今日は朝の8時半に、最終の汲み取りがあって、その後、床のリフォームと便器の入れ替え。それで、夕方までトイレが使えない。大工の棟梁の家の庭に、仮設トイレが作られていて、使えるようにしてくれているけれど、和式トイレなので、鍵を預けて出かけることにした。午前中は、近所のガストにいたけれど、午後から私は映画を見に行くことにした。「王になった男」「きいろいゾウ」「脳男」観たい映画はいろいろあるけれど、先日、「A-Studio」と言う番組で、佐藤浩市が出てきて気になった『草原の椅子』を観ることにした。パキスタンで長期ロケをしたと言うので、その風景は大画面で見たいなあと思った。「草原の椅子」<あらすじ>カメラメーカーに務める50歳の遠間憲太郎(佐藤浩市)は、取引先の社長である富樫重蔵(西村雅彦)が女性とトラブルになっていたところを助け、親友になって欲しいと頼まれる。最初は戸惑った遠間だったが、同い年ということもあり、だんだんと打ち解けていった。ある日、大学生の娘・弥生がバイト先の上司・喜多川の4歳になる子ども・圭輔を預かりたいと言い出した。は喜多川の妻の連れ子で、彼女から受けた虐待や育児放棄のせいで心を閉ざしていた…。 私がいつも行く映画館では上映されていないし、多分、それほど話題にならない映画なんだろうけど、とても心が温まる、優しい気持ちになる映画だった。佐藤浩市、西村雅彦、そして遠間が心惹かれる貴志子役の吉瀬美智子、主役の3人もいいけれど、圭輔の母親役の小池栄子も、異常な母親を好演。パキスタンの写真を撮ってきたアキラも適役。そして佐藤浩一が言ってたけれど、圭輔役の子が本当にぴったり。パキスタンの砂の山を走っていく圭輔を見ていると涙が出てきた。途中から、この子のために一緒になってよと願っていた。きっと幸せな家族になるんだろうな。パキスタンの広大な景色と、子どもたちの素朴な笑顔が素敵だった。
2013.03.01
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1月に見た映画は、これを入れて3本。私がよく行くシネコンは、月曜日にポイントカードを見せて映画のチケットを買うと1000円。200円で買ったポイントカードは、6回スタンプがたまると、無料で1本映画が見られる。今回は、3Dの吹き替え版にした。本木雅弘が、パイの声を担当している。メガネを持って行って1300円。これで、1月末期限だったポイントがたまった。【ストーリー】1976年、インドで動物園を経営するパイ(スラージ・シャルマ)の一家はカナダへ移住するため太平洋上を航行中に、嵐に襲われ船が難破してしまう。家族の中で唯一生き残ったパイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、ベンガルトラが乗っていた。ほどなくシマウマたちが死んでいき、ボートにはパイとベンガルトラだけが残る。残り少ない非常食、肉親を失った絶望的な状況に加え、空腹のトラがパイの命を狙っていて……。世界的な文学賞ブッカー賞に輝いたヤン・マーテルのベストセラー小説「パイの物語」を、『ブロークバック・マウンテン』などのアン・リー監督が映画化。動物園を経営する家族と航行中に嵐に遭い、どう猛なトラと一緒に救命ボートで大海原を漂流することになった16歳の少年のサバイバルを描く。主演は、オーディションで選ばれた無名のインド人少年スラージ・シャルマ、共演にはフランスの名優ジェラール・ドパルデューが名を連ねる。227日間という長い漂流の中で、主人公がどのように危機的状況を乗り越えたのかに注目。全体を通してとても映像が美しく、3Dが生かされて、ファンタジーのアトラクションの中にいるような気分。ベンガルトラなどの動物は、CGで合成されているんだろうけれど、全く違和感を感じなかった。すごい映像技術が駆使された映画だなあと思った。実話をもとにした映画なのかなあと思ったら、創作の小説が原作だと言う。実際にあったことなのかなあと思うほど、パイはいろいろ工夫して、危機的な状況を乗り越える。227日間と言う長い漂流が終わった後、遭難した日本の船の係りの人が、パイに状況を聞きに来る。シマウマとハイエナとオランウータンとトラと、一緒に漂流していたと言っても信じてもらえない。それで、パイは、傷ついた船員と、残酷なコックと、自分の母親とと、シマウマとハイエナとオランウータンのことをたとえて話す。そしてトラは・・・・え?真実はどっちだったんだろう。月曜日にこの映画を観て、昨日ブログに書きかけていたのに、昨日は9時以降何も口にできないので、早めに薬を飲んだら、途中で眠くなってしまった。今日は朝から胃カメラ。前回の胃カメラから、2年半。ピロリ菌が見つかったのに、薬を2回飲んでも駆除できなかった。2回目は、肝臓の数値がとても悪くなって、駆除できないので、定期的に検査するように言われていた。最近、よく胃が痛くなるけれど、結果はやっぱい萎縮性胃炎。でも、今回は組織を取らなければならないような箇所は無くちょっと安心。でもファイバースコープが、エイリアンのようにうごめいていたので、まだちょっと違和感が残っている。
2013.02.01
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ご近所のKさんと一緒に「東京家族」を観てきた。【ストーリー】瀬戸内海の小さな島で生活している夫婦、平山周吉(橋爪功)ととみこ(吉行和子)。東京にやって来た彼らは、個人病院を開く長男・幸一(西村雅彦)、美容院を営む長女・滋子(中嶋朋子)、舞台美術の仕事に携わる次男・昌次(妻夫木聡)との再会を果たす。しかし、仕事を抱えて忙しい日々を送る彼らは両親の面倒を見られず、二人をホテルに宿泊させようとする。そんな状況に寂しさを覚えた周吉は、やめていた酒を飲んで騒動を起こしてしまう。一方のとみこは、何かと心配していた昌次の住まいを訪ね、そこで恋人の間宮紀子(蒼井優)を紹介される。山田洋次の監督81作目となるファミリー・ドラマ。瀬戸内の小島から上京し、自分の子どもたちと久々の対面を果たした老夫婦の姿を通して、現代日本における家族の在り方や絆などを見つめていく。実力派俳優が集結し、いつの間にか生じた隙間を埋めようとする家族を熱演する。随所にちりばめられた、山田監督による巨匠・小津安二郎の『東京物語』へのオマージュも見逃せない。最初、この映画の設定はいつ頃のことかなあと思った。病院を経営している息子の家は昭和な感じの雰囲気だし、登場人物の服装も、3・40年前の雰囲気。でも、携帯、カーナビ、スカイツリーと出てきて、去年の震災のボランティアで昌次と紀子が出会ったと言う話が出てきて、現代の話だと分かった。登場人物の台詞も、ちょっと昔の映画の雰囲気で、小津安二郎の『東京物語』の雰囲気を大事にしているのかな。でも、家族のテーマは全く古くはない。子どもを思う気持ちは、いつの時代も変わらない。ちょっとほろっときて、胸が熱くなって、見終わった後も、ああいい映画を観たなあと思った。でもやっぱり、両親の家の、台所の瞬間湯沸かし器や、柱時計のボーンボーンという音は気にかかる。小津安二郎の『東京物語』のDVDを借りて、同じ場面を探してみたくなった。
2013.01.21
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「レ・ミゼラブル」をやっと観に行くことができた。【ストーリー】1815年、ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、19年も刑務所にいたが仮釈放されることに。老司教の銀食器を盗むが、司教の慈悲に触れ改心する。1823年、工場主として成功を収め市長になった彼は、以前自分の工場で働いていて、娘を養うため極貧生活を送るファンテーヌ(アン・ハサウェイ)と知り合い、幼い娘の面倒を見ると約束。そんなある日、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、法廷で自分の正体を明かし再び追われることになってしまい……。文豪ヴィクトル・ユーゴーの小説を基に、世界各国でロングラン上演されてきたミュージカルを映画化。『英国王のスピーチ』でオスカーを受賞したトム・フーパーが監督を務め、貧しさからパンを盗み19年も投獄された男ジャン・バルジャンの波乱に満ちた生涯を描く。主演は、『X-MEN』シリーズのヒュー・ジャックマン。彼を追う警官にオスカー俳優のラッセル・クロウがふんするほか、『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイ、『マンマ・ミーア!』のアマンダ・セイフライドら豪華キャストが勢ぞろいする。1999年、娘と一緒にニューヨークに行ったとき、本場ブロードウェーのミュージカルを観てみたいねえと、話の内容を知っているからと、選んだのが「レ・ミゼラブル」言葉がわからなくても、その迫力と、舞台の素晴らしさに感動したのを覚えている。この映画のパンフレットを見た時、あ、あの時の絵と一緒だと、ぜひ見たいと思った。始まってすぐ、囚人のジャン・バルジャンから圧倒された。船の中で多くの囚人が綱を引く様子は、壮大なスペクタクル映像。世界中でロングランヒットするだけあって、ミュージカルの音楽も素晴らしいけれど、この映画は、その音楽に映像の迫力が加わって、2時間半の長編なのに、ぐいぐい画面に引き付けられた。ファンテーヌが亡くなるあたりから、周りから鼻をすする音が聞こえてきたけれど、私が感動したのは、最後の方で、ジャン・バルジャンが長年追われ続けていたのに、ジャベール刑事を許す場面。涙が出始めたら止まらなかった。そして、見ながら昔のことを思い出した。私が、「ああ無情」と言う本に出会ったのは、小学校3年の終わりごろ。4人兄弟の末っ子の私は、いつもお古の本ばっかりで、あまり本を買ってもらえなくて、それが2冊目の本だった。自分の本というのが嬉しくて、何度も読んだ記憶がある。下水道の中を逃げる場面が印象に残って、その場面が出てきて思い出した。昨日、カテゴリを整理して、母のことを書き始めていた。母が、「いい話やで」と、この本を選んだ時すごく喜んだのを思い出したからよけい涙が止まらなかったのかもしれない。
2013.01.07
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昨日の夜、テレビで「麒麟の翼」をしていた。去年観た映画の中では、一番面白かったと思った映画だ。私がよく行くシネコンは、200円のカードを買って、映画を見る度にスタンプを押してもらい、6個たまると1回無料で見られるけれど、今使っているカードは1月に期限が切れるのに、3個しかスタンプがたまっていない。なんばパークスとか他の映画館でも見ているし、去年は少なかったからなあ。もったいないから、1月末までに3回見に行こうか、と思ってしまうわあ。調べてみると、去年観た映画は15本かあ。観たいと思いながら、観に行けなかったものも多いなあ。一昨年や去年と同じように、 内容が記憶に残っているものを★マークで3段階に 好きなものを、☆マークで3段階にしてみた。麒麟の翼 ★★★☆☆☆ALWAYS 三丁目の夕日’64 ★★☆僕等がいた(前篇) ★★☆☆僕等がいた(後編) ★★☆☆ 幸せの教室 ★★☆ソウルサーファー ★★★☆☆☆ホタルノヒカリ ★★☆臨場 劇場版 ★★☆☆ヘルター・スケルター ★★★☆☆苦役列車 ★★☆☆るろうに剣心 ★★★☆☆☆最強のふたり ★★☆☆☆ツナグ ★★☆☆夢売るふたり ★★☆☆☆北のカナリアたち ★★★☆☆「ALWAYS 三丁目の夕日’64」はDVDで観た「続 ALWAYS 三丁目の夕日」の方がずっといいなあと思った。映画館では観なかったけれど、DVDを借りて観た「わが母の記」は ★★★☆☆☆紅白の審査員紹介でも言ってたけれど、樹木希林の演技が素晴らしいなあと思った。今観たいのは「レ・ミゼラブル」もうすぐ公開される「東京家族」も観たいなあと思っている。
2013.01.05
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昨日、プールの後、ダンナと映画を観に行った。プールでは、「のぼうの城」が面白かったと言う声も聞いたけど、「告白」が面白かったので、同じ湊かなえ原作の、「北のカナリアたち」を観ることにした。【ストーリー】日本最北の島で小学校教師をしていた川島はる(吉永小百合)は、ある事故をきっかけに島から出て行ってしまう。それから20年後、東京の図書館で働いていた彼女は、教え子の一人が事件を起こしたことに疑問を抱き、かつての自分が受け持っていた生徒たちに会うため北海道へ向かう。恩師と再会した教え子たちは、それぞれに抱える複雑で苦しい胸中を明かす。『告白』の原作者である湊かなえの小説「往復書簡」の一編「二十年後の宿題」を、日本を代表する女優・吉永小百合を主演に迎え、『大鹿村騒動記』の阪本順治監督が映画化したヒューマン・サスペンス。20年前に起きた悲劇により引き裂かれた教師と教え子たちがある事件を機に再会し、それぞれが抱える心の傷や真実が明らかになっていくさまを描く。共演には柴田恭兵、里見浩太朗、仲村トオル、森山未來、宮崎あおい、松田龍平など、ベテランから若手まで実力派が勢ぞろいする。現代と20年前と交差しながら展開していくが、20年前の子ども達との場面はとてもいい。はるは子ども達に歌の才能を見出し、合唱を教えるのだが、子どもたちの合唱は素晴らしく、表情も生き生きしている。現代に移って、森山未来などの演技もいいんだけれど、吉永小百合にものすごく違和感を感じる。20年前と現代と髪型は違うのだけれど、きれいすぎ。島を追われて、心の傷を抱えているにしては、20年の苦労や葛藤と言うものが感じられないのだ。ほうれい腺ぐらいは、深くメークで刻み込んでほしかったなあ。20年ぶりに会う生徒に、話す口調がいつまでも教師のままというのも、元同業者としては、嫌だなあと思う。それにしても、現代の生徒と話すとき、いつも大きなカバンをゴロゴロ転がしながらというのは、ちょっと変じゃないだろうか。かばんぐらい、どこかに預けたらいいのに。それに、話をする生徒も、仕事をしながら。突然仕事の途中で来られても困るだろうなあ。20年前の事件と言うのも、一人一人の掘り下げ方が軽すぎる。最後のはがきを見て、細部の作り方が雑な気がして、ちょっとガクッと来た。
2012.11.07
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先々週、娘と一緒に観に行った映画は「ツナグ」「わが母の記」が良かったので、また樹木希林を見たくて。あらすじ: 生きている者が、もう一度だけ会いたいと強く願う、すでに亡くなってしまった者。その再会の機会を設けることができる、“ツナグ”と呼ばれる使者の見習いをする高校生・歩美(松坂桃李)。ガンで逝去した母(八千草薫)と会いたいという高慢な中年男・畠田(遠藤憲一)、けんかをしたまま事故死した親友・御園(大野いと)に尋ねたいことがある女子高生・嵐(橋本愛)など、さまざまな依頼人の願いをかなえる歩美。だが、死んだ者と生きる者が再び出会ってはいけないのではないか、それで両者は救われるのだろうかと考え……。樹木希林は歩美の祖母。しっとりと落ち着いた雰囲気だけれど、「わが母の記」で見たような凄みはなかった。映画館の中、左側のすぐそばに座っていた、二人のご婦人、途中から寝てしまって、いびきが気になった。ちょっと私も眠かったけれど・・・右側のカップルの女性は、泣いて鼻水をすすってばかり。それほど泣けるか~?周りの音が気になって、あまり集中できなかった。なんばパークスで観た映画は「夢売るふたり」予告編で見て、行きたくなったけれど、地元は終了してしまってた。「夢売るふたり」はなんばパークスの最終日。なんばパークスのメンバーズカードを持っていると、6回で1回無料で、ちょうど6回分たまっていた。ラッキーあらすじ: 東京の片隅で小料理屋を営む貫也(阿部サダヲ)と妻の里子(松たか子)。店は小さいながらも順風満帆だったが、火事で全てを失ってしまう。ある日、貫也が常連客と一夜を共にし、すぐに里子の知るところとなるが、里子は結婚詐欺で金をだまし取ることを考案する。結婚願望の強いOLなど寂しい女たちの心の隙につけ込んで、店を再開するための資金を稼ぐ二人。しかし、夫婦の関係に影が差し始め……。監督は、『ディア・ドクター』の西川美和さん。松たか子に、ここまでさせるかとびっくり。濡れ場じゃないけど・・・悪事を働いているのに、愛嬌があって憎めない貫也。可愛くて一生懸命だけれど、寂しい里子。演技もうまいし、ストーリーも面白い。観られなかった方は、DVDで是非。
2012.10.24
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ひじかた花梨さん、お先にごめんなさいね。楽しみにしていた映画、お先に観てきました。昨日は、娘が休みで、ランチを食べてから、神戸でも行こうかと言ってたけれど、やっぱり暑いしなあ、と映画を観に行くことに。一番観たい「夢売るふたり」はまだなので、どれにしようか考えてた時に、花梨さんのおススメだったことを思い出した。「最強のふたり」あらすじ: 不慮の事故で全身麻痺(まひ)になってしまった大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、新しい介護者を探していた。スラム出身の黒人青年ドリス(オマール・シー)は生活保護の申請に必要な不採用通知を目当てに面接にきた不届き者だったが、フィリップは彼を採用することに。すべてが異なる二人はぶつかり合いながらも、次第に友情をはぐくんでいき……。解説: 車いすで生活している大富豪と介護者として雇われた黒人青年が垣根を越えて友情を結ぶ、実話を基にしたヒューマン・コメディー。年齢や環境、好みも異なる二人が、お互いを認め合い、変化していくプロセスを描いていく。監督は、本作が長編4作目となるエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュのコンビ。主演は、『歌え! ジャニス★ジョプリンのように』のフランソワ・クリュゼと『ミックマック』のオマール・シー。フランス本国のみならずヨーロッパで記録的なヒットを樹立した、笑いと感動に包まれた良質なコメディーを堪能できる。冒頭から激しいカーチェイス。警察に追いかけられたと思ったら、うまくかわして、今度はパトカーに先導してもらい、大喜びしている二人。終盤、同じ場面がまたあったけれど、不思議なことに、最初と全く感じ方が違った。障害者と介護舎の二人だけれど、二人の信頼関係や絆の強さを感じるから。くすっと笑うところがいっぱいあって、ほろっと来るところもいっぱいあって、素敵な景色もいっぱいあって、心地よい音楽もいっぱいあって、観終わった後、心が温かくなった。花梨さ~ん、これはDVDより、絶対大画面のスクリーンの方がいいわよ~
2012.09.07
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月曜日に、一人映画。5月に東京で「ロミオとジュリエット」の舞台を見て、その後、NHK BSの「裸にしたい男たち」で、舞台に取り組む佐藤健を追ったドキュメンタリー番組を見てから、ぜひ見たいと思っていた映画だ。【ストーリー】幕末から明治になり、かつて「人斬(き)り抜刀斎」として恐れられた剣客・緋村剣心(佐藤健)は「不殺(ころさず)」の誓いのもと流浪人となっていた。流浪の旅の途中、剣心は神谷道場の師範代・薫(武井咲)を助けたことから、薫のところで居候することに。一方、街では「抜刀斎」を名乗る人物による人斬(き)り事件が発生しており……。国内外で絶大な人気を誇る和月伸宏のコミック「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」を、『ROOKIES』シリーズの佐藤健主演で実写化した時代劇アクション。人呼んで「人斬(き)り抜刀斎」こと若き剣客・緋村剣心が訪れた街で、彼の名を名乗る人物が起こした事件に遭遇する騒動を描いていく。剣心役の佐藤のほか、ヒロイン・薫に武井咲、剣心のライバル鵜堂刃衛に吉川晃司、斎藤一に江口洋介、武田観柳に香川照之がふんする。監督は、テレビドラマ「ハゲタカ」「龍馬伝」などの演出を手掛けた大友啓史。実力派俳優たちが息を吹き込むキャラクターたちの活躍を楽しみたい。私の行くシネコンは、いつも空いているんだけれど、珍しく満員だった。「るろうに剣心」の漫画は見たことがないんだけれど、そのファンなのかな?マンガの実写版と言うと、子供だましのようなものが多いけれど、これは、決して子供向けの映画じゃない。映画を見ごたえのあるものにしているのは、やはり殺陣の迫力。そのスピードが半端じゃない。佐藤健にるろうに剣心の役はピッタリだと思う。浪人の緋村剣心としての時は、愛嬌たっぷりに笑い、「~でござるよ」とゆっくり話す可愛い青年。それが、人斬り抜刀斎の立ち振る舞いになると、流浪人としての戦う姿更に一瞬、人斬りに戻った時の鬼気迫る表情...目力があるので、存在感が大きい。きっと映画祭の新人賞で取り上げられるんじゃないかな
2012.08.31
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月曜日観た映画の感想を、忘れないうちに書いておこう。どちらもR15+の2作品、激しい性描写もあって、他の人と一緒だと気になってじっくり見られないかも。一人映画がおすすめ。「ヘルター・スケルター」あらすじ: トップモデルとして芸能界の頂点に君臨し、人々の羨望(せんぼう)と嫉妬(しっと)を一身に集めるりりこ(沢尻エリカ)。だが、その人並み外れた美ぼうとスタイルは全身整形によってもたらされたものだった。そんな秘密を抱えながら弱肉強食を地でいくショウビズの世界をパワフルに渡り歩く彼女だったが、芸能界だけでなく、世間をひっくり返すような事件を引き起こし……。冒頭からの激しい性描写や、きわどい台詞、映画全体の色彩が、極彩色で毒々しいイメージ。映画の後、沢尻エリカが姿を消して、大麻疑惑などが出たけれど、本当に、映画の中のりりこが沢尻エリカ本人と重なる。奇麗でいろいろなものを手に入れているはずなのに、悲しく寂しく、ちっとも満足できないりりこが、沢尻エリカ本人もそうなんだろうなと言う気がして、頑張って演技しているなあと思うけど、無理しているようにも思えて、かわいそうになってきた。さえない感じのマネージャー(寺島しのぶ)や、やり手の事務所のママ(桃井かおり)など、わきを固める俳優陣がいい。2時間、面白く観られたけれど、やっぱり、このどぎつさはちょっと疲れる。「苦役列車」あらすじ: 1980年代後半。19歳の北町貫多(森山未來)は日雇い労働で得た金を酒に使い果たし、家賃も払えない生活を送っていた。他人を避けながら孤独に暮らす貫多だったが、職場で専門学校生の日下部正二(高良健吾)と親しくなる。そんなある日、古本屋で働く桜井康子(前田敦子)に一目ぼれした貫多は、日下部に取り持ってもらい彼女と友達になるのだが……。芥川賞を受賞した西村賢太の私小説の映画化。主人公は、中学時代に父親が性犯罪を起こして一家離散し、15歳から生きるために激しい肉体労働で生活する。唯一の趣味は、本を読むこと。先日、スマステーションに森山未來がゲストで出てきた。決してハンサムじゃないのに、存在感があって、映画のワンシーンが紹介されて、観たいなあと思った。主人公の北町貫多は、ひがみっぽくて、理屈っぽくて、嫌な性格だなあと思うけれど、普通だったら、自暴自棄になって悪い道に走っても不思議でない。本をよく読んでいるので、プライドが彼を支えていたんだろう。そして、彼は、自分で本を書きたいという夢に向かう。AKBの前田敦子が、一皮むけた感じ。下着姿で海へ一緒に入るシーンで、素朴な感じと、優しさが伝わってきた。地味な映画だけれど、心に残った。火曜日に、市民講座の「自力整体」と言うのを体験受講してから、腰が痛い。旅行先で、何万歩も歩いているし、4月からジムではズンバのレッスンも入っているし、楽勝と思っていたのに、できないことが多すぎる。正座ができない、しゃがめない、四つん這いから、腕立て伏せの体型になれない。みんなはヨガマットなのに、バスタオルでしていたものだから、尚更うまくできなくて、変に体をひねったためか、それ以降、腰痛がひどい。この講座は私には合っていないみたい。退職仲間が二人入っているし、安いし、ダイエットに効果があるそうだし、良いと思ったのになあ。残念。
2012.07.27
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