おしゃれ手紙

2009.01.02
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テーマ: お勧めの本(7416)
カテゴリ: 読書


ある日料理店のアルバイトから戻ると、家財道具もろとも同棲していた恋人の姿は消え、部屋はもぬけの殻になっていた。
衝撃的な失恋とともに声まで失った倫子は、ふるさとに戻り、実家の離れで小さな食堂を始める。
お客は一日に一組だけ。
決まったメニューはなく、事前のやりとりからイメージをふくらませて、その人のためだけに作る料理。
食べたお客に変化が現れ、いつしか「食堂かたつむり」で食事をすると願いごとが叶うという噂が広まっていった。
一方、十年前に家を出るもととなった母親との確執は解消されず、依然ぎくしゃくとした関係が続いていたのだが・・・。

読みながら、これは映画のために書いたのではないかと思った。
親の家の離れを約1ヶ月かけて作った、食堂は、それほど作業が魅力的だった。

コンクリートの上にコルク材を敷き、その上にテラコッタを並べ、冬の寒さ対策のために暖色系のかわいいキリムを敷いた床。

熊さん(倫子の村の唯一の友だち)の親が昔作った栗の木で出来た、いい感じの飴色のテーブルは、東洋とも西洋とも言い難い独特の雰囲気だ。

町の古道具屋で見つけた、音楽堂で使われていた椅子は、木の部分をトルコブルーに塗った。
店の中に壁は漆喰の上に天然素材の色を重ねた、オレンジかかった淡い卵色。
その壁には、村に住むアーチストが描いたジャン・コクトータッチの絵。

廃校になった学校からもらって来た、薪ストーブ。
熊さんのツテで手に入れた、大正時代のロウソクを灯すシャンデリア。

元からあった、アルミサッシの扉は、インターネットで落とした重厚な木の扉に。

大正時代やビクトリア時代のカラフルなコップ、ベトナムの古い染付けのどんぶり、古伊万里の豆皿、リチャードジノリの真っ白いスープ皿、製造中止になっている古いバカラのシャンパングラス・・・。
これらの食器は、しっくりといかない間柄の、おかん(母親)が、祖母がおかんのためにと買ったものを譲ってくれた。

みんな歴史があったり、中古だけれど、トイレだけは、最新式のものを。

すると、なんということでしょう~~。
あの離れが、かわいい、居心地のいい「食堂かたつむり」へと変身したのです!!
まさに、奇跡の 大改造!!劇的ビフォーアフター !!

これだけでも、ステキなのに、料理もステキ!!
倫子は、料理も天才的。
お世話になった熊さんには、山で採ってきたザクロ入りカレー。

山から山葡萄を摘んできて、バルサミコ酢を作るとアイデア満載の愛情料理を作る。

インテリアのステキなカフェでご飯を食べるのが趣味の私には、ドンピシャな本。

20人待ちして、年末に図書館から借りた本。
正月に読む予定だったのに、ストーリーも、あまりに面白いので、あっという間に読んでしまった。

美味しいものを先に食べてしまったような感じ。


「食堂かたつむり」映画化されたら、絶対に見に行きたい。

糸通信 ■作者・小川糸さんのHP
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◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。
★1月2日 *ショウガツゴ* UP
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Last updated  2009.01.02 16:59:41
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