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めいてい君 @ 日本の純資産~過去最大の純資産で円建てでは世界最大 [東京 28日 ロイター] - 財務省は2…

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Apr 26, 2019
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​​​​​​​ ​​☆

賢明なる諸兄へ

  from Tsunami クール



前略 過日、

 カレン・アームストロング著  徳永 里砂訳

「ムハンマド 世界を変えた預言者の生涯」

(国書刊行会)を読みましたが、

文中、馴染みの無い人名や地名、

或いは事柄のカタカナ表記が多く、

巻末の「用語解説」を脇に、

ヤット、通読しました。

  そのなか、

巻頭言「はじめに」の15頁表記にあった

次のような記述が印象的でした。



  ……ムハンマドは模範的な人物であり、

 ムスリムだけでなく欧米人にとっても

 大切な教えを持っている。

  彼の生涯は ジハードであった。

  この言葉は「聖戦」ではなく、

「奮闘努力」を意味する。

  ムハンマドは文字通り、

 戦乱のアラビアに平和をもたらす

 努力に汗したのだし、

 まさに私たちは、

 今、それができる人物を必要としている。

  彼の生涯は、

「強欲・不正・傲慢」への

 根気強い反対運動であった。

  彼は、

 アラビアが岐路に立たされており、

 古い考え方では

 もはや立ち行かないことに気付き、

 全く新しい解決法をみつけるために

 独自の努力をしたのである。


  米国9・11同時テロを境に

 歴史は新たな時代に入り、

 私たちはムハンマドと同じように真剣に、

 これまでとは異なる

「ものの見方」を生み出さねばならない。……

  その一方、現実の世界は

 去る4月21日(日)イースター当日、

 スリランカで痛ましい連続爆破テロが起き

 多数の死傷者が出て、

 前途有為な日本人女性 高橋 香さん(39)も

 巻き込まれ命を落とされました。

  世界は、

 ムハンマド時代のアラビアに

 なりつつあるのだろうか…、


 と思わざるを得ない現状を憂います。

  テロ情報に関する新聞報道を

 既に読了済みと思いますが、

 念の為、ここもと添付送信します。

  そして、

 取り返しのつかない運命に遭遇、

 高橋 薫さんの無念を想い

 こころから

 ご冥福をお祈り申し上げる次第です。


   合掌

​​

​<文字・画像拡大方法は下記 >​ ​​​​
​​​ <めいてい君の追加> ​​​​
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3. ​ムハンマド : 世界を変えた預言者の生涯

 ​カレン・アームストロング 著,徳永里砂 訳


<AMAZONから>





​☆


HONZ 書評
仲野 徹氏
https://honz.jp/articles/-/42468



ではないか。といえば、不謹慎になるのだろうか。
抜群に面白い伝記であった。
イスラームの開祖、
より正しくは、アラブにおける唯一神アッラーの
言葉をつたえた預言者ムハンマドの伝記である。
その啓示は、クルアーン(コーラン)として
ムハンマドの死後20年たって公式に編纂され、
聖典となった。
いかにたくさんの人が、クルアーンの朗読に
圧倒されてイスラームに改宗していったかに
驚かされる。
クルアーンの内容の一部が紹介されているが、
どこがそんなにすばらしいのかがわからない。
当時のアラビア半島における社会状況もある
のだろうが、どうやら、それ以上にクルアーン
の美しい響きが重要らしい。
だから、クルアーンはアラビア語でないと
ダメなのだ。YouTubeで聞いてみると、
意味がわからなくとも心地よい。
砂漠のような環境で、美しい調べにのって
語られる、住みよい社会を目指す教えというのは、
当時のアラブの人たちにとって、
よほど心にしみいるものだったのだろう。
絶対的な聖典であるクルアーンとともに
イスラーム法の基礎をなすのは、
ムハンマドの言葉(ハディース)と
慣行(スンナ)である。
その二つが編纂されたのと同時代、
八世紀から九世紀にかけて、
預言者ムハンマドの伝記が書かれている。
それ以後、伝記や教えが種々脚色されていった
ことは想像に難くない。
そのような後の時代の解釈ではなく、
初期に書かれた伝記、それも時には
ムハンマドに批判的である伝記、
を元にまとめ上げられたのがこの本である。

        “
ムハンマドは模範的な人物であり、
ムスリムだけでなく、欧米人にとっても
大切な教えを持っている。
彼の生涯はジハードであった。
        ”


元カトリック修道女で宗教学者にして
ジャーナリストである著者
カレン・アームストロングのメッセージは
これに尽きる。
ただし、ジハードは『聖戦』を意味するのではなく、
『奮闘努力』
-そう、あの寅さんが♪甲斐も~なく、と唄った
奮闘努力-を指す。
その奮闘努力の人生が、順をおって、
マッカ(メッカはこう記述されている)、
ジャーヒリーヤ、ヒジュラ、ジハード、サラーム
の五つの章にまとめられている。
最初の章では、ムハンマドの時代のマッカの状況や、
アラブ諸族の社会制度、宗教などが解説されている。
これがなければ、ムハンマドの教えがどうして
大きな影響と軋轢を生んだのかは理解できない。
預言者となる前の人生はよくわかっていないのだが、
幼くして孤児になったムハンマドが、
商売で成功したハディージャと結婚し、
神の啓示をうけるまでがこの章の内容だ。
あまりアッラーが顧みられることなく、
むしろ多神教的な人が多かった時代に、
アッラーの遣わせた預言者として
突如ムハンマドが現れた。
そのような状況だけでなく、商業上の理由も
大きくのしかかり、ムハンマドの教えは、
貧しい人々を中心とした一部には
受け入れられたものの、
出身母体であるクライシュ族をはじめとする
メッカの支配者層からは反発をうけ、
次第に排斥されるようになっていく。
第二章のタイトルであるジャーヒリーヤというのは
聞き慣れない言葉である。
アラビアにおけるイスラーム以前の「無明時代」と
訳されることが多いそうだが、その時代の男たちの
性行である「暴力的で激しやすい短気さ、傲慢さ、
部族優越主義」をさすらしい。

ジャーヒリーヤになじんだ多くの人たちにとっては、
平和的で神に従順になれというムハンマドの教え
などは問題外だった。なので、ムハンマドとすでに
ムスリムの一行は、マッカでの布教をあきらめ、
あるいは追い出され、マディーナ(メジナ)への
ヒジュラ「聖遷」を決行する。それが第三章である。
ジハードと題された第四章は、マディーナに移った
ムハンマドとクライシュ族の戦闘の物語である。
ムハンマドたちはマッカの隊商を襲い、
そのあがりで生活していたのだから、
マッカの人たちが怒ったのは当然だろう。
戦闘が繰り返され、一度は、ムハンマドが死んだと
いう噂が流れるほどの敗北を喫してしまう。
いよいよ、マディーナに進軍するマッカ軍一万人の兵を、
三千人の兵という圧倒的に不利な状況で
迎え撃つムハンマド。
しかし、ムハンマドの戦略が功を奏し、勝利する。
この本でいちばんの戦闘シーンだ。
そして最終章のサラームは「平安」。
勝利したとはいえ、マディーナにおけるムハンマドの
立場はあまり良くなかったので、
聖地マッカを目指すしかなかった。
危険であるからやめてくれという側近の反対を押し切り、
マッカ巡礼を果たし、争うことなく和平をとりつける。
闘いを好まなかったにもかかわらず、
闘いに明け暮れたといってもいい人生であったが、
最後は、愛する妻アーイシャの腕の中で
安らかに亡くなった。
この本を読む限りでは、ムハンマドは、
悩み続ける指導者というイメージが強い。

最初に啓示が降りた時、ムハンマドは喜ぶどころか、
とんでもないことがおこってしまったと怯えおののく。
以後の啓示がえらくご都合主義のように思える時も
あったりするが、啓示がない時に決断する
ムハンマドの姿はすばらしくりりしい。
そうかと思えば、妻は四人までと決めたのに、
自分はその限りではなく、美人を見つけると結婚を
申し込んでしまう。
読み進めるにつれ、あれやこれやとえらく人間くさくて、
なんだかとってもええ感じがするのである。
一夫多妻制やヒジャーブ(イスラムの女性がかぶる
ベール)など、イスラームの伝統的制度の由来も
説明されていく。
一夫多妻制は、女が男の財産としてみなされていた
当時のアラブ社会において、女性の地位を高めるために
制定されたものであった。
そして、ヒジャーブは、単に、ムハンマドの家において
プライバシーを守るためのルールとして決められた
ものにすぎなかった。
しかし、どちらも、ジハードの意味と同様、
後世、拡大して解釈・適用されていったのである。
これらをはじめ、ユダヤ教徒に対する姿勢など、
ムハンマドの時代と現在のイスラームの違いについて、
目から鱗のような話がたくさん載っている。
ムハンマドの人生はもちろんイスラームの原点である。
しかし、原点というのは、後の広がりの基準とは
なりえても、決してその広がりを規定しうるもの
ではないのだ。 

           “
イデオロギーに突き動かされた安易な類型化を拒み、
時に我々には受け入れ難い、
あるいは受け入れられないことを行ったが、
深遠な才能を持ち、剣に基づくことのない
「イスラーム」―平和と調和-という名の
宗教と文化伝統を創始したのである。
           ”


宗教や歴史の本として読むべきなのかもしれない。
しかし、後にイスラームが爆発的に広がった
ことなど考えに入れずに、ひとりの人間の伝記
として読むだけでも十二分に面白い。 
イスラーム関係の本を読むと、知らない言葉や
人名がたくさんでてきて、ホントにややこしい。
しかし、この本には簡潔だが十分な用語と
人名の解説が巻末についていて、
リーダビリティーが抜群であったことを
最後に付け加えておきたい。  


​​





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Last updated  Mar 31, 2020 03:20:51 PM
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