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賢明なる諸兄へ

   from  Tsunami氏クール

前略 日経朝刊に連載した池澤 夏樹氏
(昭和20年生~)の小説「ワカタケル」
は、去る9月10日をもって
終了しましたが、
9月22日の朝刊コラム「文化」で
著者は購読者に対する感謝と弁明を
綴っていますので、
念の為、ここもと添付送信します。
​​ 池澤氏は、
「古事記」の現代語訳をしたこともあり、
古事記上巻(アマテラス、スサノヲ、
海幸・山幸彦、大国主etc)・中・下巻のうち、
天皇たち人間のゴシップが小説に向いている
中・下巻から、

(「めいてい君」が指摘 <*> のように、)

21代雄略天皇を主人公 として
物語を書いた、と記しています。

 そして、最も本質的な困難は、
神話・伝説から歴史への移行期を
扱う小説だったこと、
とも述懐しています。​​
 以上、蛇足まで。   草々


・・・・・・・・・・・・・・
<*>めいてい君のブログ
> Oct26~27,2018
>
> 「ワカタケル」は
> 「日本武尊」より 「雄略天皇」では?
>
>
> Tsunami殿へ
> 
​>  寺尾公男氏の「茜色に燃ゆ 倭三国志演義
> を読んでいると、
​> 「ワカタケル」 という専制君主的な天皇は、​
> 日本では珍しいので解りますが、
​> 「雄略天皇【21代】」 ではないでしょうか?​
> 彼の幼名は、「大泊瀬 稚武」であり、
> 世代的には3世代前なので記憶の範囲内
> であろうと思います。
>  時代背景が、ほぼ同じか、
> 寺尾公男氏が考えるより少し前の時代、
​​> 彼・ 継体天皇(26代) 序章 がそれに当たりそうです。​​
>  今日のブログに追加しておきました。
>
>    めいてい君




​​



<以下はDr.Tsunamiは
  日経新聞を

 スクラップしましたが
 今回は見やすさを優先して
​  日経DIGITAL を利用します>

・・・・・・・・・・

​  感謝と弁明  池澤 夏樹

「ワカタケル」連載を終えて

2019/9/22付日本経済新聞 朝刊

 先日、
「ワカタケル」の連載の最終回を
迎えることができて、
実のところほっとしている。

 話の始まりは5年前にぼくが個人編集の
「日本文学全集」(河出書房新社)で
「古事記」の現代語訳をしたことである。

 翻訳というのは精読だから、
ぼくはこの日本最古のテクストを丁寧に読んだ。

 そして、みなが知っている上巻の
アマテラスやスサノヲ、海幸彦・山幸彦、
大国主などの神々よりも、
中巻・下巻の人間たちの物語の方が
おもしろいと思った。


 これが天皇制を賛美する書物だという
いわゆる皇国史観に基づく誤解も消えた。

 天皇たちの武勲はほとんどなく、
あるのはゴシップばかり。

 これは小説に向いている。


​ そう考えて、
最も念入りに書かれている
21代雄略天皇を主人公 として
書くという方針を決めた。​


 どんな創作にも困難は伴うが、
しかし今回は格別だった。
 まず、通常の新聞小説と大きく異なる手法を
どこまで許容してもらえるかが問題。
 言い換えればどこまで読者がついてきてくれるか、
そこのところを懸念したのだが、
さすが日本経済新聞の読者、
最後まで読んでもらえたようだ。


□ □ □

 初めに登場人物の名前の表記で考え込んだ。

​​​​​  主人公ワカタケルは実在 したが、
彼の名が文字に記されたのは
ほぼ200年後のことである。

「古事記」にある 「若建」
「日本書紀」の 「幼武」 もまだなかった。

 今、 彼は「雄略天皇」と呼ばれる けれど、
この名ができたのは約350年後。

古墳時代には「ワカタケル」としか呼べない
 登場する全員がそうなのだ。​​​​​


 数多く登場する人物がすべてカタカナでは
読者は覚えきれないから、視覚的にわかるよう
漢字を添えることにした。

 読みは歴史的仮名遣いにしないと
「オケ」と「ヲケ」、「イト」と「ヰト」など
同じ読み方の人物が区別できなくなる。


 地名もなるべく当時のものにして、
ふりがなを振る。

 いわゆる旧国名が整備されたのは
もっと後のことだがこれも使わせてもらう。

 「國」は国家、「国」は地域、
「我」という字は主人公のみで
他は「吾(われ)」とする。


​ 最も本質的な困難はこれが神話・伝説から
歴史への移行期を扱う小説だという点に由来する。

 不思議な話に満ちている一方で、

「獲加多支鹵(ワカタケル)」
の文字が刻まれた

稲荷山古墳(埼玉県行田市)の鉄剣や
「宋書倭国伝」のような
中国の史書の記述など、

実証的な素材も多い。

 混じり合うところがおもしろいのだが、
しかし水と油を混ぜて乳化させるには安定剤が要る。
 それが文体だった。​


 古墳時代の人々はみな直情径行、
思ったところを

   そのまま口にし、行動に移す。
 会えば口説き、すぐに寝る。
 あるいは奪い、時には殺す。

 迷いやためらいや悩みが入る余地がない。

 そういう心の動きがなかったのか、
あるいはそれを表す言葉がなかったのか。
 書き言葉の用意がない時代、
思いは意識されなかったのだろうか?
 すぐに忘れられたのか?


 散文はなかった。

 ここにも「古事記」までの
200年の差があると言える。
 彼らの心の表現は
みな詩の形でのみ残っていて、
この小説は読みにくい詩を
(ぼくの訳を添えたとはいえ)
いくつも引用することになった。


□ □ □

 読みにくいテクストを
力強く支えてくれたのが
美術家・鴻池朋子さんの絵である。

 新聞小説の挿絵など
あまりなさらない彼女に、
ぼくは頼み込んで描いてもらった。

 飾りの絵、ストーリーの絵解きが
欲しかったのではなく、
彼女のこれまでの仕事が
そのまま「ワカタケル」に重なるだろう
と予想してのことだった。

 登場人物の顔でも毎回の場面でもなく、
もっと大きく話を掴む。


 実際の話、ぼくは鴻池さんの絵に
牽引されて話を書いた。

 狐や狼の群れ、
虫や妖怪や気味の悪い植物が
次の展開を導いてくれた。

 これは真の意味でのコラボレーションで
あったと思っている。


『日本書紀』に言う「大悪天皇」の姿を
ぼくは不安のうちに書き始めたが、
次第にこのワカタケルという男を
愛するようになった。

 彼が率いた時期のこの國が
好ましいものに思えるようになった。
 ヰト(井斗)という人物を作り出したことが
嬉しかった。


 そういう思いを込めての最終回であった。

 最後にもう一度、
ずっと読んでくださった
読者のみなさんに感謝する。

・・・・・・・・・・・・・・・・





 いけざわ・なつき 
1945年北海道生まれ。
「スティル・ライフ」で芥川賞、
「マシアス・ギリの失脚」で谷崎賞。
近著に「科学する心」など。​


☆​​​​​​​





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Last updated  Mar 31, 2020 02:11:53 PM
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