東京のオペラの森｢パルジファル」

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2010年04月04日

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Spring Festival in Tokyo -Tokyo Opera Nomori 2010-
Tokyo-HARUSAI Wagner Series vol.1
“ Parsifal ”
(Concert Style)

April 4(Sun) at 15:00
Tokyo Bunka Kaikan, Ueno Tokyo

Ulf Schirmer(Conductor)　

Burkhard Fritz(Parsifal)

Franz Grundheber(Amfortas)
Peter Rose(Grunemanz)
In-sung Sim(Klingsor)
Kazuhiro Kotetsu(Titurel)

Tomoaki Watanabe、Koji Yamashita(Knights)
Mana Iwashita、Yuka Kobayashi、Junya Katayose、Tarou Katou(Esquires)
Minako Fujita、Mamiko Sakaida、Yukie Tamura、
Sumie Nakajima、Aya Watanabe、Shizuka Yoshida(Flowermaidens)
Akiko Tomioka(Alto Solo)

NHK Symphony Orchestra, Tokyo(Orchestra)
Tokyo Opera Shingers(Chorus)

Roberto Gabbiani(Chorus Master)
Jendrik Springer(Music Coach)

東京･春･音楽祭－東京のオペラの森2010－
東京春祭ワーグナー･シリーズ vol.1
ワーグナー：舞台神聖祝典劇《パルジファル》 (演奏会形式)　

パルジファル：ブルクハルト･フリッツ
クンドリ：ミヒャエラ･シュスター
アムフォルタス：フランツ･グルントヘーバー
グルネマンツ：ペーター･ローズ
クリングゾル：シム･インスン
ティトゥレル：小鉄和広
聖杯騎士：渡邉澄晃、山下浩司
侍童：岩田真奈、小林由佳、片寄純也、加藤太朗
魔法の乙女たち：藤田美奈子、坂井田真実子、田村由貴絵、中島寿美枝、渡邊史、吉田静
アルトの声：富岡明子
管弦楽：ＮＨＫ交響楽団
合唱：東京オペラシンガーズ
児童合唱：東京少年少女合唱隊
合唱指揮：ロベルト･ガッビアーニ
音楽コーチ：イェンドリック･シュプリンガー

2010年4月4日(日)
東京文化会館　上野　東京

すばらしかった。
めちゃつかれた～
3時5分に始まって、カーテンコールまで終わったのが8時20分ごろだった。

歌手は総じて良かった。
はずれ一つもなし。

その中でも群を抜いて、ミヒャエラ・シュスターのクンドリがすばらしかった。
彼女はずっと役に入っていた。

まさにクンドリだった。
表情が幕ごとに変わっていく。
女優だ～
歌もすばらしくて
パワフルで、まごうことなきワグネリアン・シンガーだった。

ただし2幕では高音に少し苦労していた。
中音域はまったく一貫してすばらしい。

野生の女（善の女）の時は瞳の色と同じブルーグリーンのロングドレスに黒いショール、
妖婦の時は、ワインレッドのロングドレスに何も巻かず。
衣裳も考えていた。

次にすばらしかったのがペーター・ローズのグルネマンツだった。
声が美しいの。
パワーも十分で、ちゃんとわかっている感じ。
年かっこうといい、演技といい、まさにグルネマンツだった。

Burkhard Fritz wurde 1970 in Hamburg geboren

そしてブルクハルト・フリッツ！
さすがバレンボイムの秘蔵っ子。
すばらしいヘルデン・テノール。
パワーはミヒャエラに少々負けていたが、
ちゃんとパルジファルだった。
ミヒャエラ程ではないにしろ演技(表情)もかなりつけていた。
この人のトリスタンやジークフリートを今後聴くことになるんだろうなとすごく楽しみに思った。
にこにこしていて非常に人柄が明るい感じ。
楽譜とにらめっこだったものの、難役を繊細に歌っていた。
またヘルデン・ロールでぜひ来日してほしい。

アンフォルタスのグルントヘーバーも非常に役にあった歌い方だった。
しかし歌いだしのキューをほとんど指揮者にもらっていた。

なまじ変な演出を見せられない分、音楽に集中するので5時間緊張しっぱなしですごく疲れた。
ただしワーグナーは芝居部分のとがきにもびっちり音楽をつけているので、
初見の人は何のことやらこんなに間が開くのかと思っただろう。
脳内で主役の演技を補完しながら音楽を聴いていた。

第1幕

ソリスト用の白い椅子がたくさん並んでいる。
中央の指揮台の後ろに歌手用に指揮者を映した白黒のモニターが2台置いてある。
ほかに小さいモニターが3台置かれていた。
グルネマンツのローズはこれをけっこう見ながら歌っていた。

4人の小姓と、2名の騎士。

荒馬が！と叫ぶ

クンドリの登場。
表情からしてもう違う。
反抗的な不良みたいな表情。粗野で鈍感な女の演技。
口をへの字に曲げて、目をぎらぎらさせている。
いちいち毒づいて見せる。

いよいよパルジファルの登場。楽譜を持ってかみてから堂々と歩いてくる。
タキシードに白い蝶ネクタイ
背が高く、マッチョ。たくましい上半身。
目はブルー、だと思った。違うかも。
長髪を後ろになでつけて、前髪も上げている。
よく海外のプロレスラーにいますよね、こういう人。

白鳥を撃ったパルジファル。
得意満面の表情。

飛んでるものなら何でも落とせるさ。

しかしグルネマンツに諭されるうち、落ち着かない表情になってくる。

罪だとは知らなかったよ…

小姓たちが去る。

グルネマンツは男に尋ねる。
男は何も覚えていないが母親の名前は覚えていた。
クンドリが気づいて、ヘルツェライデが死んだと言うと、
パルジファルは怒る。
譜面台をげんこで叩く。

クンドリは眠りに連れて行かれ、退場する。

グルネマンツは聖杯の儀式に彼を連れていくことにした。

｢誰だい？聖杯って？」
本当におバカさん。

場面転換の音楽のオーケストラがすごい！

少年コーラスが美しい！
日本人が歌っているのに本当に上手だ！
まさに天上の音楽だった。

少年コーラスと女性コーラスは舞台に登場しない。

ティトゥレルは舞台のしもてのそでで歌っているようだ。

悲痛なアンフォルタスの歌唱。
Erbarmen! (憐れみたまえ）で非常に声を出していた。
ここはすばらしかった。

騎士たちの合唱が迫力でいかにもワーグナー！という血気はやる感じの部分。

茫然としていたパルジファルに鵞鳥でも探せ！と言い捨てるグルネマンツ。

第1幕了。

パルジファルは慣例として1幕後は拍手をしない、と聞いていたのであるが、
残念なことに客の７～８割は拍手をしていた。
まあそりゃそうだよねえ～

Part2 へ続く

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