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気持ちが少し落ち着いてきたので、父の様子を書き残しておこうと思います。 9月も半ばを過ぎ、痩せた父を見舞いに行くと看護士さんが「お父様、ビールが飲みたいと話しておられましたよ」と。 「そう、じゃ明日買ってくるよ」と父に話すと小さく頷いた。 翌日、ビールを見せると「おお!買ってきたか」とばかりに表情が変わり嬉しそうに一口…二口…。そして「ニガっ?」と言わんばかりに顔をしかめた。 しばらく口元にビールを寄せていたが、二口でもういい…と顔を背けた。 満足したのか、酔いが回ったのかその後はスヤスヤと気持ち良さそうに眠ってしまった。 次の日には、私が行っても気づかずスヤスヤ…。 でも、このころは本当に会いに行くのがツラかった。 目に見えてわかる衰弱の進行が耐え難いものだったから…。 翌日には、酸素吸入器がつけられ、やはりスヤスヤ眠っている。このころから、今日が生きている姿を見るのが最後かもしれない、と思うようになった。 看護士さんに呼び止められ、毎日父の容態を話したいので声をかけてくれと言う。 食事はとれているのか訪ねると、折り返し訪ねられた。 「お父様、もうほとんどお食事召し上がらないんですが…お食事とめますか?」だった。 それって、もう長くないってことなんだ…と思いながらも看護士さんに迷惑をかけてしまうので承諾した。 翌日も、前日と同じ状態でそばにいるのがつらい。 何もしてやれない。「死」を改めて覚悟した。 そしてその日、21日夕方6時過ぎ、とうとう病院のY看護士さんから電話が入った。 「今晩、お父様に付き添ってあげていただけますか。お泊まりになる準備をして来てください。急がなくてもいいですから…」 急いでたくみんにご飯を食べさせ、旦那と3人で家を出た。午後7時半だった。 午後8時半に病院に着く。 着くなりY看護士さんが「お父様、身体全体で呼吸をなさるようになり、血圧も昼間夕方、現在と下がり続けてらっしゃいます。…今晩が…」頷きすぐに病室へ入ると、大きく肩を動かしなから呼吸し続けていた。 私はすぐにたくみんを抱っこしながら父の手を握った。 「おじいちゃん、来たよ。そばにいるからね…」うつろな目は宙を見ながら…一生懸命呼吸する。 Y看護士さんが「話せなくてもちゃんと聞こえていますから話しかけてあげてくださいね。○○○さん、娘さんたちが来てくれて良かったですね。会いに来てくれましたね。」と優しく話しかける。 旦那はたくみんが眠ったときのためにベッドを借りる手続きをしていた。 ぎゅっと握る父の手は、指先から少しずつ冷たくなっていく。 呼吸もだんだん弱くなり、旦那がベッドサイドに座った時には、深呼吸するようになり……… 「おじいちゃん、よく頑張ったね!今までいろいろとありがとう!」と何度か話しかけた時、父の呼吸が止まった……… Y看護士さんが「○○○さん、よく頑張りましたね、お疲れさまでした。」と父にねぎらいの言葉をかけ、先生を呼んだ。到着して一時間。私たちのこと、待っていてくれたんだと思うと涙が止まらなかった。 午後9時27分、長い旅に出た。 それからY看護士さんが、何度も何度も「○○○さん、手と足とお顔も拭きますね、ご家族皆さんで拭いてくれますよ、良かったですね…、気持ち良いですか…○○○さん、今度はかっこいいお洋服を着ましょうね、頭を洗ってお身体もきれいにしましょう…」と、お世話していただく間ずっとずっと優しく話しかけてくれていた。 Y看護士さんは、父の一番のお気に入り看護士さんだったと思う。私も彼女が担当で良かったと思う。 1時間ほど外で待ち、呼ばれて病室に入るときれいに髪を整え、見立てた服に身を包み、指先や顔にファンデーションを塗ってもらい、まるで眠っているかのような父がいた。 かけていた布団をとり、私たちに最後の父のお見立てした服を着た姿を見せてくれた。 その姿を見て、旦那も私も目を疑った。 父の両足がないように見える。 慌てて二人で足を触った。ガンとはこんなにも蝕んでしまうものなのか…… 骨と皮だけになった父を見て、また泣けた……。 こんな姿になってしまっても、最後の最後まで優しく話しかけて面倒をみてくださったY看護士さんにも心から感謝した。長い間ありがとうございました…と。 お彼岸の連休にお通夜と告別式を行った。 秋晴れのさわやかな陽気の中、見送った。 無事に終わった………………………………… お父さん、長い間、ありがとうございました。 もう、身体は痛くないよね、今まで辛かったね… お父さんが静岡に来て、満足できたかどうかわからないけど、私たちは一生懸命にやれることをやりました。 足らないとこは勘弁してね。 本当にお疲れさまでした。 さようなら… 父が息をひきとった後、抱っこしていたたくみんが「キャ」と奇声を発した。そのときだけ、父の喉仏が一度大きく動いた。 あれは…父とたくみんの最後の挨拶だったんだと思う。 不思議です…… 先日は父のことでコメントを入れてくれてありがとうございました。皆さんにも見送ってもらえて、父は本当に幸せでした。心から御礼申し上げますm(_ _)m
2006年09月28日
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いろいろ心配をおかけしましたm(_ _)m 21日、午後9時27分父は永眠いたしました。 この数カ月、たくさんの励ましや嬉しいコメント、本当にありがとうございました。
2006年09月21日
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昨日、病院の先生に会った。 第一声が「どうですか 見ていらして…あとどれくらいか…」だった。 どう見ても、一日一日衰弱していく姿を見て、私なりに今月いっぱいもつかどうか…と思っていた。 そう伝えると先生は大きくうなずいた。 「肺炎もずいぶん悪さをしているので、なかなか咳や痰を退治できません。咳をするだけでも相当しんどいと思います。」と話された。 四国の叔父たちが帰ったあと、気が抜けたのか、ガッカリしたのかどんどんやつれた。 「とうとう立てなくなった…」と寂しそうに話していた。 自分で食事も出来なくなり、座っていることも出来なくなった。 声も出なくなった。 何がきっかけになるかわからないが、いつ亡くなっても不思議はないと言われた。 最期まで、お父さまの様子を見ながら、苦痛にならない状態をキープ出来るようにしますから…と優しい笑顔で話してくれた。 旦那と私は頭を深々と下げた。 そのあと、看護士さんが父が自宅に帰るときの服を用意してくださいと言ってきた。 今日、新しいシャツとスラックス、ベルトと下着を買った。 一度着るだけの服。 「こんなハイカラなの着れるかっ!」と叱られそうだけど、かなり若めの服を選んだ。父に最後のプレゼント。奮発してみた。 本当に、もうすぐ会えなくなるんだなぁ…と思いながらも、まだ気持ちのどこかで『夢』だと思いたい…と思う自分がいる。 やだよ、こんなの…
2006年09月12日
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ここ数日、すっかり弱ってきた父。 食欲も無く、眠っているか宙をじっと見つめているか、そんな日々を過ごしています。 会いに行っても、無表情で悲しくなります。 それでも、ガンの痛みはうまくコントロールされているようです。 ただ…今日、看護士さんに呼び出されて「見ておわかりだと思いますが…」と、そろそろ気持ちの覚悟が必要になってきたようです。 来週、先生が父の今の容態を話したいからと時間を作るように言われました。 帰り道、今までの思い出が頭の中に出ては消え…。 苦しまずに過ごせるよう、出来るだけのことはしていきます、と話してくれた看護士さんの言葉をありがたく思いながら涙が出てきました。 あんなに痩せちゃうんですね…。 力なくたくみんとバイバイした父。 あと何度、たくみんに会えるんだろうか… 寂しくなった。
2006年09月09日
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今日は、朝から旦那は病院へ。持病の糖尿の薬がなくなり、処方してもらうために。まったく、たくさんの病気をかかえ本当に病院が好きな旦那です。でもね、これから老いていく・・・そう考えると、多少医療費がかかってでも、普通に過ごせることが大切だもの・・・と感じるようになりました。父の入院でつくづく実感。思うように身体が動かなくなる日が、いずれ来る。防げるならば、「普通」に生活できるならば、通院で済むならば・・・。夫婦ともに、子供たちのためにも元気でいなくては・・・と思います。いつも、コメントをいただいてお返しが出来なくてごめんなさい。なかなか、旦那がいては遊びに伺うことも、コメントにお返事を入れることも気がひけて・・・ってか、旦那が一時間も二時間もパソコンいじっていると「感じ悪っ!!」と思うので私も極力そういうことは避けようかと・・・。いつまでこんな状態が続くのか、けれど考え方を切り替えて、前向きに進むだけです。いつか、必ず、以前のように書き込みをしたりされたりの状態になるまでは、ごめんなさいです。でも、見捨てないでいてやってください。仲間がいる・・・って幸せです、私。いつも本当にありがとう、これからもいろいろな意見や考えを教えてくださいね。昨日の父、相変わらず元気がなくボーッとテレビを見ているか、眠ってしまうか・・・看護士さんの話では、痛み止めの飲み薬が一つ増えたそうです。眠気をさそうらしく、気持ちよさそうにスヤスヤ眠り込んでいました。痛みに苦痛な表情をされるよりも、赤ちゃんのように眠っている方が見ている側は幸せかもしれませんね。なんとか、夏の暑さを乗り越えてくれて・・・何事もなく、とりあえずホッとしています。本日は、昨日の天気とは打って変わっての晴天。空気も澄んで少し冷たい風が気持ちよいです。栄養剤飲んで、今日も一日頑張ります!!
2006年09月02日
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