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「さよなら絶望先生」第七集(久米田康治/講談社) 相変わらずのテンション。細かい手書きの記述がおもしろい。 嘘八百のあらすじとか、絶望文学集も楽しみ。 本書でも言われていたけれど、最近、先生、あんまし絶望しなくなりましたよね。 異常な? 状況に慣れてしまったのか(笑) 次は四月発売とのこと。楽しみに待ちます。
2007年02月23日
「ひとりっ子」(グレッグ・イーガン/ハヤカワ文庫) なんとなくタイトルに惹かれて購入し、発売リストを見て気づいた。 あっ、全部持ってるし読んだぞ! 作者買いしたわけではなかったのですが、知らぬ間にその作風にはまっていたのかも。アイデアとストーリー、心理描写が揃っていて、しっかりした物語はとても面白い。 で。「ひとりっ子」を読み進めようとして・・・だんだん難しくなる。うわあ、なんか訳の分からない数学理論がっ! 手持ちの「NEWTON」とかブルーバックスとか辞書とかひっくり返しても、まだ分からない。ネットで調べて、ちらしの裏に分かりやすいように分析してみるも・・・結局は、ちゃんと理解できてない模様。 そうか、ハードSFというのは「理解するのにハードなSF」という意味だったのか(泣) 子供の頃からSF好きだったので、ハードSF作家になるのが夢、というイヤな小学生で(^^;)数学の研究者である父親に「おまえには理系の才能はカケラもない。文系だ」と反対されつつも、しつこく理系を選択、大学受験に失敗。(それも地球物理が環境工学を目指していた)泣く泣く文系に転じたという思い出が・・・。 うーん、やはり私に理系の才能はないのか。ハードSFをきちんと厳密に正確に理解できるようになりたいなあ。 さてさて、本書はイーガンらしく、理論がきちんと把握できていなくとも、とりあえず想像力である程度補いつつ、ストーリーと心理描写でもちゃんと読むことができるので、一安心。(そのうち理論には再チャレンジするぞ!)「行動原理」はストレートに分かりやすい。心理描写が丹念に描かれていて、ギブスンとかエフィンジャーとかお好きな方なら、絶対に楽しめる作品。「真心」は「行動原理」と表裏一体と言えるかもしれない作品。一瞬のきらめき、素晴らしい瞬間を凍結した時・・・人はどうなるのか。とても皮肉で、なぜだかもの悲しい。「ルミナス」このあたりから理論が出始めて苦戦。とはいえ、壮大なる展開にハラハラ。なんとなく「フェッセンデンの宇宙」を思い出してしまった。真実だと信じられる概念、定理が、実は別の部分ではそうではなかったとしたら? 矛盾が同時に存在したら? 何が真実か何が間違いか、それすらも危うくなる。それでいて、我々は我々の論理のもとに生きていくしかない。いろんな意味で考えさせられる作品。「決断者」我々を支え捉え支配しているものは何なのか。感情とは思考とは知性とは。機械とそれがリンクした時、果たして何が見えるのか。考えれば考えるほど不思議になってしまう。人間を細切れに分解して分析したところで、魂や感情をリアルに見いだすことはできない。神経細胞の痙攣、電気の流れ。それらが生み出す幻にすぎないのかもしれない。「ふたりの距離」完全に「一つ」になる、ということはどういうことなのか。科学技術によって、赤の他人同士が完全に感覚も思考も何もかもを共有したとき、何が生じるのか。そしてそれが、愛し合っている恋人同士なら。・・・人間は異なるからこそ、惹かれあうのかもしれない。遺伝子の異なる者同士が一目惚れしやすい、と何かの記事で読んだけれど、つまりはそういうことなのかもしれない。「オラクル」「ひとりっ子」共通した人物が登場する。といっても「オラクル」」では、その存在については謎が多い。「ひとりっ子」で初めて、由来が分かる。個人的には「ひとりっ子」のほうが、ストレートに胸にずん、ときた。両親、特に父親の心情が手に取るように伝わってきて、その愛情や逡巡、さまざまな感情が物語として素晴らしい。平行宇宙というのか、同時にたくさん存在している無数の無限の可能性、無限にある自分。失敗しているかもしれないし、成功しているかもしれない。存在し存在しない、同時多発的な世界たち。それらを巡る物語、とでも言えばいいのか。うまくは言えないけれど、その一点に立つ自己、という認識と理解。うーん、うまく言えない。 頭の悪い私ではうまく説明できないし、どう良かったとかも上手には書けないのだけれど、確実に訴えてくるものがあり、響きます。 また時間をおいて読み直したいな、と思う一冊。
2007年02月21日
「裏中国史 墓どろぼうは金持ちへの道」(山本展男/講談社) 中国に限らず、エジプトとかでも盗掘が横行しているのですが。 どんなものなのかな、と興味を持って購入。 知っていること知らないこと、いろいろあって、寝ころびながら(インフルエンザだったので)楽しく読ませていただきました。 もう少し専門的な、歴代の墓泥棒対策を読んでみたくなりました。 侵入者への罠とか。(インディ・ジョーンズの世界?) 実際に水や砂が吹き出して、侵入者もろとも消え失せるというものが結構あることを知って、興味津々。 そして、現在もなお組織ぐるみで盗掘・転売しつづけているのを知ると、悲しくなりました。もったいないなー。国家の宝なんだから流出しないようにしてほしいし、まもって欲しい。 そして何より歴史的な資料なので、墓とかぶっ壊すな! と思いました。 ダイナマイトなどでめちゃくちゃに破壊された墓を見て、思わず涙をこぼす学者・・という記述に、妙に切なくなりました。 歴史的な遺産はどこの国でも、どこの文化でもできるだけちゃんと保護してほしいものですね。
2007年02月19日
「学校怪談」三巻&四巻(高橋葉介/秋田文庫) お待ちかねの、九段先生登場が三巻。 四巻では昔いじめられっこだった九段先生の過去と、その際に生じた存在とが描かれる。 昨今いじめが問題になっていますが、私が子供の時だってひどいいじめがあったし、実際に私はいじめられる側だったわけで。 なんか今更騒いだって、もっともっと病床は根深いよ、とか思ってしまいます。 いじめっこだった人たちが親になって、子供を育てて。 それで「他人の気持ちを」などという教育がどこまでできるのかな? だからこそ、保護者の無理難題クレームのせいで教師たちが倒れていくという現状があるわけで。 もっと根本的な何か、があるのだなあ、としみじみ。 「学校怪談」では、いつもは強く明るく優しい九段先生。 それでも過去の痛みにつきまとわられ、時に苦悩する。 最大のピンチに現れるのは・・待ってました! のあのお方。 そうか、九段先生って「彼」の子孫だったんですねー。 だから不思議な力があるのか、と納得。 個人的には塚原くんが大好き。イイキャラですよ、彼女とセットで。 それと、台詞なしのマンガが時々あるのですが、それがもんのすごくいい。 ムードはあるし、緊張感はあるし、想像力を刺激させられる。 マンガという手法を最大限に活用した台詞なしマンガ。 素晴らしいです。 というわけで早く続きが出ないかなー。 週刊雑誌の時に既に読んでるのだけれど、楽しみです。
2007年02月17日
喘息も併発して、ここんとこくたばり中。 なんという連休(涙) でも雪はどかどか降るので、雪下ろしと雪かきをやらねばならない日常です。 とりあえず、うんうんいいながら「ホースクラン」とか墓場の「ケイン」とか、マッチョ系列FT(といってもバーバリアン・コナンともちとタイプが違う。コナンとディルビィシュの間って感じかな)を読み返してました。 復刊のぞむ!
2007年02月12日
「ルシタニアの夜」上下(ロバート・ライス/創元推理文庫) 重厚で読み応えのあるミステリ。 ヒロインは少年を誤射して殺してしまった、という心の傷を持つ元警官。彼女が憧れ尊敬していた父親は、パトロール警官時代一度も人を殺すことはなかった。事件をきっかけに父親との仲もうまくいかず、警官を辞めて、彼女は郵政捜査官になる。 相棒になるのが、上司に揺すられて内偵(いぬ)の役割を担うことになった元刑事。妻との仲も不安定で離婚寸前。幼い愛娘と三人の生活を守れるのか。上昇志向の強い豪腕女上司の圧力に苦しみつつも、彼は「精神状態が不安定かどうか」を調査すべく、表向きはヒロインの相棒として、郵便局で起きた殺人事件の解明に向かう。 登場人物一人一人に深みがあり、心の傷があり、苦悩がある。誰もが地に足のついたキャラクターで、非常にリアル。どこにでもありそうな、もしくはどこかにいそうな人物たちの息づかいを感じる。 最初はなんのことはない事件に見えた殺人事件。 しかしそれは連続殺人となり、やがて90年近くも前に投函されたまま未配達だった郵便物が関わっていることが分かる。 90年前。愛があり憎しみがあり苦しみがあり死があった。 過去の人々もそれぞれに生き生きとし、それが現在につづいている。 謎は次第に大がかりになっていき、第二のタイタニック事件ともいえる「ルシタニア号」事件へとつながっていくのだった。 ちなみにルシタニア号事件について分からなくても、心配はいらない。 作者の心配りは行き届いていて、作中にきちんと説明されている。当時から様々な噂があったとか、陰謀説がまことしやかに囁かれていたとか。 現実の事件と架空の物語が巧妙によりあわされて、一本の大きな物語に仕上がっているさまは見事。 ストーリーも、謎解きも、登場人物への感情移入も、すべてが揃った佳品。 実はあまりに面白かったので、三回も繰り返して読んでしまった。 たぶん、一年に一回ぐらいは読み直すかも。(「ファーマシーの一族」とかヒラリー・ウォーとかもそのタイプかな) 本格的なミステリを読みたい方、歴史ものに興味のある方、刑事ドラマが好きな方、それぞれにお勧め。
2007年02月09日
「クトゥルー神話事典 第三版」(東雅夫/学研M文庫) 第一版の緑色ハードカバーも、第二版の文庫ももちろん持っているわけで。 それでもなおまた買ってしまう悲しさよ。 というわけで、そんなに細かくそれぞれの記述を覚えていたわけではないのだけれど、パラパラと見ただけでも「あっ、第二版と違う!」と分かってしまうあたり・・・。 いろいろと増えていたし、書き直しもいっぱいで、新しい一冊と考えても良いのかも。 結局、最初の頁から丁寧に読み直す羽目になる。 なんだかんだ言ってもクトゥルーはいいよなあ。 そいでもって、やっぱり誰がなんと言おうとラヴクラフトの作品が好き。 形容しがたい根源的な恐怖、掴み所のない深淵、絶望的な孤独、憧れの地への切ない想い。 うーん、好きだあ。 実はこの本はネット書店で注文していて、それが届く前夜、クトゥルーな内容の短い夢ばかりをつづけて三本も見たのだった。なんつーかシンパシティ?(笑) ちなみにマイベストはやっぱり「アウトサイダー」。 この作品への偏愛ぶりは揺るがないでしょうね。。。 まあ知り合いに冷静に「ひきこもりオタクの心理?」と言われたけどね。 この孤独と、外界への悲しいまでの憧れ、だけれども外界とは断絶していて・・・というのは、通じる人にしか通じないのかなあ。 名作だと思うんだけどね。
2007年02月07日
「となり町戦争」(三崎亜記/集英社文庫) 新人賞受賞の講評を読んだときからとても気になってはいたのだけれど、結局文庫落ちを待つことになり、ようやく読破。 アイデアが秀逸。 「見えない戦争」 もちろん企業間だって、人間づきあいの中にだって「見えない戦争」はあるのかもしれない。 しかし復興という目的で、公的機関が実施するとなり町との「戦争」。 分かるのは広報紙に載る「戦死者の数」だけ。 本当に戦争しているのか? 本当に戦死者はいるのか? 平凡な青年が、偵察係としての役割を役場から任命され、彼は次第に「見えない戦争」の息づかいを感じ始める。 疑問を抱きながら。 ほのかな恋愛もあり、決して暗くて重苦しい、という印象は「一見」感じない。しかし、丁寧に読めば、行間から伝わる閉塞感、静かな恐怖、迫り来る足音を肌で受け止めることができる。 流し読みやとばし読みなどまったくできず、丁寧に取りこぼしのないように文字を追っていった。 若い人にこそ読んで欲しいな、と思う一冊。 一番印象に残ったのは青年の上司。 彼の心の内を想像するだけで・・・「戦争の傷跡」に思いを馳せざるを得ない。 ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争。 兵士たちの心の傷が癒える時はくるのだろうか。 本当に怖いのは、気がつかないうちに「戦いに賛同」し「参加」していることなのかもしれない。 「否定」しないこと。 それは消極的な「賛同」なのかもしれない。
2007年02月06日
画面が美しゅうございました。 勘助と兄じゃが戦うシーンは本当に迫力もあり、美しく悲しく、うっとりと見とれてしまいました。 兄じゃの子役、大人の俳優さんと顔がすんごく似ていましたね・・・。 今回は勘助と兄のシーンしか記憶に残っていません。 ああいうのに弱いんだよなあ。 だから香港映画にハマったわけなんですが(^^;) 個人的に武田の若の甲高い声も癖のあるお顔も少々慣れにくく、未だに苦手。 イっちゃっている、ギサギザ眉毛のお父上の怪演が素晴らしいです。 あと坊主こええ。 疲れていて見るのやめようと思いつつ、必死になって見ていましたよ。 今年のNHK大河は、私的には大ヒット。 毎週日曜日が楽しみでなりません。
2007年02月04日
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