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これはAuto C Oneに載った小沢コージの試乗記です。レガシィの最上級、最新モデルですね。
率直な話をしてしまうと、去年出た新型レガシィはある側面「日本市場を捨てた」と言ってもいいと思う。 なにしろ80年代終盤にいち早く、走りに妥協のないステーションワゴンを出して“日本のユーティリティGT”の世界を切り開いたのだ。
独特で個性的かつ端正なデザインと、有名スポーティセダンにも負けない走りに高い実用性は、今だ熱心なファンを捉え続ける。しかし、ボディが大きくなり剛性感が増したことでメリットもあるが、これまでの走りの良さはスポイルされざるを得ない。 よって、クローズアップされるのが「STI」の存在だ。元々はスバルのラリー活動を行うべく生まれた会社だが、その後走りに特化したSTIバージョンも作っており、今の巨大化したレガシィにこそ、その味付けが求められている。 そう、「STI」こそ“これぞ本当の日本向けレガシィ”と呼ばれるべき仕様を作ることができるポテンシャルを持った会社なのだ。
ただ一つ、勘違いされては困るのが、今回STIが手掛けるレガシィは「STIバージョン」ではなく、新たに設定されたシリーズ「レガシィ tS」であることだ。
「t」はチューンド、「S」はSTIの頭文字だと思われるが、レガシィ tSは今までのようにガチガチな硬派さを押し出したものではなく、もっとナチュラル。料理で言えば素材を生かす、上品な手法で作られた逸品だ。 それは人材面の裏付けもあり、かつてスバル実験部のトップだった辰己英治氏が4年前にSTIに転籍。結果、スバルの走りの真髄とでもいうべきノウハウがこちらに移っている。「STIこそ本当のスバル車!」と私が考えるのも、まんざらウソではない。
さて、レガシィ tSシリーズは「強靱でしなやかな走り」をテーマに作られた。辰己氏曰く、助手席の人に「いつもより運転が上手いね」と言われるクルマへと仕上げたという。そこは、断じて「速いクルマだね」ではない。
具体的には、エンジン特性に良く表れている。エンジンはツーリングワゴン、B4共に2.5リッター水平対向DOHCターボで、マフラーこそ替えてあるが燃料系はイジらず、285psの最高出力と35.7kgmの最大トルクもノーマルと全く同じ。
チューニングはそこではなく、内外装と同時にバネ&ダンパーを中心としたボディ回りを中心としたクルマ作りがなされた。
中でも特徴的なのは、エンジンルーム内に取り付けられたSTI独自の「フレキシブルタワーバー」。これはまさにSTI思想の根幹をなすパーツで、構造は非常にシンプルだ。
具体的には途中にピロボールが取り付けられたボディ補強用のバーで、引っ張りや押し込み強度は増すがヒネリは開放する逸品。これがtSシリーズ独自の、シャープさは増せど乗り心地は落とさないという独特のテイストを生むのだ。 まさに「コクがあって、キレがある」と言った感じだろうか。
いつも辛口な自動車評論家O氏にしては、相当に褒めているようです・・・
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