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本のタイトル・作者乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…10 (一迅社文庫アイリス) [ 山口 悟 ]本の目次・あらすじ闇の使い魔を従え、闇の契約の書を手にしたカタリナ。目下、古字で書かれた契約の書を解読中であるが―――マリアによると、本人でないと解読した魔法を使えないらしい?!急遽、闇の魔法を習得することになったカタリナは、かつて闇の魔法の使い手だったラファエルに教示を受けることに。道具をイメージをするよう言われ、悪役っぽいドクロのステッキが具現化してしまう。サイラス部署長が収穫した野菜を孤児院に届けるというので、同行することになったカタリナ(一行)だが、そこには澱んだ眼をした子供がいて―――。引用「ちなみに私はカタリナが好きで選んだ相手なら、誰であろうと応援するつもりだから、安心していいぞ」感想2021年読書:224冊目おすすめ度:★★★今回は二重視点がマシだった(ちょっとだけ)。同じシーンを視点を変えて描写されると読むのが辛い…。せめてその前後の変化とか、シーンに現れていない背景とか、ちょっとずらしてほしいんだ…。今回はカタリナが闇の魔法を練習し始めました。「え、それ練習で何とかなるんだ?!」って思った。人を生贄にしないといけない系のやつじゃなかったっけ。そんな簡単に習得できて良いのか…?ラファエルもソラも、多大な犠牲を払っているけど、公爵家令嬢にそんなことさせていいのか、魔法省?今回は、ラファエル多めで嬉しかった。アニメでは最後の方主役はってましたから!最近影薄かったけど、攻略対象のひとりだよ!あとは、キースが「僕も参戦していいんだ」とカタリナを諦めないことを再確認したり頭ぎゅっとされたり、ニコル様がお弁当作って来てくれたり頭ぎゅっとされたり、ジオルドが通常運転でストーカーしてたり、アランが乗っかられたり、ソラの誕生日が決まったり、マリアが体術習い始めたり…。サイラス部署長は、やっぱり、どこまでもマリアラブなんですね~。カタリナにみんな誑かされてほしいんだけどなあ。隠しキャラその2、は誰なんだろう?闇の黒幕もちょぴっと登場。シーズン2はどう決着するのかしら。これまでの関連レビュー・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(1) ・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(2) ・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(3)・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(4)・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(5)・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(6)・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(7)・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(8)・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(9)↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.10.03
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本のタイトル・作者アンと愛情 [ 坂木司 ]本の目次・あらすじ都心ターミナル駅にある東京デパートの地下一階。食品フロアの和菓子屋「みつ屋」でアルバイトをする20歳の杏子。美味しいものに目がない彼女は、和菓子の世界に魅了されていく。○甘い世界こころの行方あまいうまい透明不透明かたくなな冬を告げる豆大福引用「あっちもよかった、って思うんでしょうね」それは、シュークリームと大福みたいに?「でもね、それはそれでいいと思うんですよ。大きなお買い物ですし、これから大人になろうという方が迷うのは当然です。むしろたくさん悩んで、好きなものを選んでいただけたらと思います」悩んで、選んで、また悩んで。選び直して。そうやって、将来は決まっていくのかもしれない。感想2021年読書:220冊目おすすめ度:★★★★Twitterや書評でよく見かけるので読んでみた。そしたら、まさかのシリーズ3作目だった…。和菓子のアン (光文社文庫) [ 坂木司 ]一作目。アンと青春 (光文社文庫) [ 坂木司 ]二作目。登場人物やこれまでの出来事について触れられるので、「こういうことがあったのかな」と推測を働かせながら読んだのだけど、キャラクターが魅力的で面白かったので前の2作も読みたい…。おかしいと思ったんだ、「アンと愛情」って、表紙の写真から和菓子の餡とかけているのだろうけど、「赤毛のアン」をもじるにしても、なぜいきなり「アンと愛情」?って。とにかく和菓子がめちゃくちゃ食べたくなる一冊。私は甘いものが好きで、洋菓子ばかりに目がいっていたけれど、この本を読むと「和菓子、いいな」「季節感エモい」「どんなのがあるのか百貨店に見に行きたい」「高価な和菓子でお茶するのいいかも」と思った。知識と教養、季節感、言葉遊び。お茶請けにお出ししたら、話が弾みそう。きっと洋菓子には洋菓子の蘊蓄があるのだろうけれど。本の中で触れられていた「コーヒーに胡椒」やってみた。カフェオレにブラックペッパーをごりごり挽いてかける。うむ…すんげえ…胡椒だぜ。後味がいつまでも残る。おすすめはしない。坂木司さん、読んだことがあるようなないような?ほかにも色々食べ物系の本を書いてらっしゃるので、読みたいな。でもまずシリーズ前作から!立花さんが気になる!これまでの関連レビュー蘊蓄が好き、知らなかった世界を垣間見たい!・宝石商リチャード氏の謎鑑定 [ 辻村七子 ]美味しいお菓子の話が読みたい!・男ふたりで12ヶ月おやつ [ 椹野道流 ]日常系のぽやんとした話が読みたい!・麦本三歩の好きなもの [ 住野よる ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.10.01
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本のタイトル・作者なんか勝手に人生がよくなる やめることリスト [ 本田 晃一 ]本の目次・あらすじ序章 「自分の本音」を見つける心の旅に出かけよう1章 「人間関係」でついついがんばっちゃう人へ2章 「仕事」でついついがんばっちゃう人へ3章 「恋愛」でついついがんばっちゃう人へ終章 本音の純度を高める感想2021年読書:217冊目おすすめ度:★★★柔らかい語り口で、読みやすい自己啓発本。欝々としている人は、心がふっと軽くなるんじゃないかな。○この本で目が留まったところ・「がんばったら愛される」 →自分の居場所を作るためにがんばっているので、人を認められない →「最低最悪の自分」にもオッケーを出そう・八方美人の時、一人だけ目に入っていない人=自分・苦手な人=野生のクマ(じりじり逃げよう)・実現していないこと=「やりたくない」・ネガティブな感情を出し切る「毒出しデー」(悪人になりきる)・自分のための「がんばる」は楽しい(ワクワク)・「今このとき」を味わう。ひたすら「ある」と感じる。この、「頑張ったら愛される」=「頑張らないと愛されない」=「結果が伴わないと自分に価値はない」という方程式、かなり強固に私にインストールされている。だいぶマシにはなってきたんですが…。いまだに頑張ってしまう。認められるために。褒められるために。「そこにいていいんだよ」と言ってもらいたいんだろうな。赦されたい、という切望。「そのままでいいんだよ」って、言われていたんだろうか。幼い自分を振り返っても、そうは思えないのだ。強く、賢くあること。一人で考えて、決める。手がかからない「良い子」じゃないといけない。そうしないと愛してもらえない。愛してもらうために、愛から離れる。世界に押し潰されそうになりながら。毎晩眠る前に世界の終わりを願い、毎朝目覚めるたびに世界に絶望して。きっとそうではなかったんだろう、と大人になって、親になって、思う。私が何であっても、「愛」されたのだろう。ただそれが、私のかたちにぴったり合わなかっただけで。子供の頃、私は自分がどうしてこんなにも満たされないのか不思議だった。穴の開いたバケツに、水を注ぎ続けているみたいだ。それが生まれつきのものなのだとしたら、私は永遠に救われない。今なら分かる。それは私の持って生まれたものに、家庭環境が合わさった結果だったと。穴が開いていても大丈夫だ、と。あなたは生きていける、自分でその穴をふさぐことができる。ひたすらに石を積み上げて、ただひたすら意志を積み上げて。だから、夜に祈らなくてもいい。朝に死にたくならなくてもいい。生きていけるよ、と。たった1行ですべてが叶う手帳の魔法 [ さとうめぐみ ]自分の気持ちを解放してあげよう、というくだり、この手帳術の「マトリョーシカ」を思い出した。世間体、年齢、…何重にも積み重ねられたマトリョーシカ。その内側で、一番中で小さく縮こまっている「あなた」。もう出てきてもいいんだよ。この手帳術の本で、緑色のペンで自分がワクワクすることをどんどん書き出そう、と言う。お金がかからず、すぐに出来ること。そうしたら、この本で大学生1人が言うんですよ。「今日はスキップをして帰ります」。そういうの、いいよね。そういう自分でいたい。ずっと。苦手な人をクマだと思うの、やりたい。笑「どうしてもきらいな人」がいて、突然攻撃されるのでびっくりする。そうか、あの人、クマだったんだな…。目をあわせずに、じりじり逃げよう。これまでの関連レビュー・毎日を好きなことだけで埋めていく [ 本田晃一 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.29
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本のタイトル・作者自信がつく!毎日が面白くなる!大人の「勉強」大作戦 (日経ホームマガジン 日経WOMAN別冊) [ 日経WOMAN ]本の目次・あらすじPart 1 人生がどんどん面白くなる!大人の勉強スタイル・勉強を始めたら人生がどんどん面白くなってきた人・働きながら勉強している人たちの実態を徹底調査・働く女性たちの勉強ニューノーマル・“仕事以外の資産=スキル”が人生の幸福度を決定する・忙しいのに毎日勉強している人たちの24時間・脳科学的に正しい勉強法・勉強が起こした変化とつながりPart 2 何歳からでも遅くない!人生逆転の勉強術・オンリーワンを目指す女性たちの「勉強×キャリア」ヒストリー・私たち、趣味の学びを極めたら・・・副業になっちゃいました!・なぜ私たちは再び勉強するのか?・大人でも集中力&記憶力はアップする!OVER40からの最強メソッド・脱・ネガティブキャリア!「逆転の学び」のルール・大人の学び直しで人生をアップデート!・何を学べばいいか分からない人向け勉強相談室・哲学者に聞く頑張って勉強したら幸せになれますか?Part 3 英語力がアップした人のイマドキ勉強法・英語力がアップした人のイマドキ勉強法・0円&高コスパでできる英語学習のヒミツ・最短で「英語コミュ力」が身に付く省エネ学習法・『英語日記BOY』新井リオさんが教える コスパ最強!の英語独学メソッド・独学なら「読む」「聴く」に集中するのが正解!差がつく「英語」勉強法Part 4 一生稼げるスキルは“本業”以外で磨く!・「コロナ後」はキャリアの磨き方が変わる!・自分の強みと自信を見つけた人たちのhistory・新時代を生き抜く「勉強」と「キャリア」のルール・自立女子に重要なのは「自分の立て直し方」・フツーの人でも始められる複業入門Part 5 今、身に付けたい 最新・教養Lesson・プログラミング教育を受けていない私たちはやばいですか?・職場でフェミニズム発言、結局、損しませんか?・働く女性のための「FACTFULNESS」入門・趣味→教養→スキルをつくる 「好き!」の磨き方、教えます・私たち70代、まだまだ学び続けてます!・学びの「1000日チャレンジ」始めよう!・噂の「勉強本」タイプ別おすすめ10冊・勉強の質を上げる優秀文具&アプリ感想2021年読書:214冊目おすすめ度:★★★「日経ウーマン」2019年10月号、2020年7月号・9月号・12月号の再編集。勉強特集ばかりをまとめたものなので、本誌を読んでいる人は既読の内容。ただ、勉強のモチベーションを上げたいときにはよい感じ。大人が、みんな勉強していること。リアルライフでまわりにそんなに勉強している人がいないので、刺激になる。「すごいなあ」と思うし、「がんばろう」と思える。私は「小さい子どもがいるフルタイム勤務」の人の時間軸と勉強方法が見たかったけど、あんまりいなかった。実家暮らしとかだと、どうしても「そりゃああんた勉強できるでしょうよ」とひねくれてしまうんだ…。関係ないのにね。勉強するのはあくまでも私であり、私は私として自分で出来ることをやるしかない。私の問題。上を見ても、下を見ても、仕方がないんだ。右田りささんという方が、英国の通信制大学のことに言及されており、この間読んだ海外の有名大学に、リモートで留学する [ 姫松冬紫 ]のことか!と。田中研之輔『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強キャリア資本術』読んでみたい。人材開発などが専門の立教大学経営学部教授・中原淳氏のただ、キャリアと学びについて研究を重ねてきた立場から、『仕事人生の後半』に残念ながら降格・降級されるなど、キャリアという登山の下山途中で遭難してしまった人の特徴を一言でいうと、“学びや変化から逃げてしまった人”。というのが刺さる。私も「降格したい降格したい」と言っているんですが、それって変化から逃げているだけなのかなあ。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授・千葉雅也氏のそもそも勉強は万人にはおすすめしません。勉強することで幸せになるかどうかといえば、むしろあまり勉強しないほうが幸せな場合は多い。(略)今の状態で幸せと感じるなら、勉強しなくても構わない。なぜなら、勉強するとその幸せが壊れてしまうから。(略)物事を知らないほうが幸せという観点もあって、知識をつけて物事に繊細になるより、貧しい感じ方で、ある種エネルギッシュに生きることが幸せという考えを、僕は否定しません。勉強とは貧しい見方が失われるという意味で喪失であり、自己破壊です。実は恐ろしく、勇気がいること。これ。これです。「世界の見え方の解像度が上がる」。勉強をすればするほど、辛くなる。悲しくなる。蒙を啓けば、これまで知らずに済んだことを知ってしまう。そしてもう、戻れない。2019.09.19「本を読む習慣をつけるには?活字中毒者が方法を考える(導入)」2019.09.20「本を読む習慣をつける方法は?(実践編)」を書いていた時に考えた。きっと、本を読むことも同じ。必要としている人と、そうではない人がいる。私はすごく目が悪くて、眼鏡やコンタクトなしだと、ぼやーんとした視界でしか見えない。でも、寝る前のその世界がわりと好きで。「今から私は寝るぞ」「完全にスイッチオフだぞ」という世界の見え方。レーシックをした人が、それが失われたことを嘆いていて、「そうか」と思った。いつも、くっきりはっきりとした世界だと、疲れてしまうから。鈍く生きることもまた、必要なのかもしれない。これまでの関連レビュー・ムダにならない勉強法 [ 樺沢紫苑 ] ・学び効率が最大化するインプット大全 [ 樺沢紫苑 ] ↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.28
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本のタイトル・作者猫のお告げは樹の下で (宝島社文庫) [ 青山 美智子 ]本の目次・あらすじ神社に立つタラヨウの樹。その昔、手紙として使われたその葉に、文字が書かれている。ニシムキチケットポイントタネマキマンナカスペースタマタマミクジという黒猫がそれぞれの悩める者たちに与える啓示。引用「おまえにもあるよ。慎にしかできないことって考えたらしんどいかもしれない。だけど、慎だからできるんだってことが、きっとある」感想2021年読書:213冊目おすすめ度:★★★タラヨウ、近所の郵便局にも植えられている。本当に切手を貼って送れるんですね…!え?生の状態で…?この本は青山美智子さんの二作目。デビュー作『木曜日にはココアを』の専業主夫で画家のパパ、『お探し物は図書室まで』の姫野さゆりさんも登場。一番好みだったのは、「スペース」。かつて漫画家を目指していた35歳の専業主婦ママの話。やっぱりこういう、どんぴしゃ自分と重なって来る人たちの物語に弱い。面白いし、ほっこりするし、前向きになれるやさしいお話たち。モブなんていない、というモットーが感じられる。それぞれがそれぞれの人生の主人公。「はずれ」の人なんていない。ただ、うーん、「全部おんなじだな」と思っちゃうんだよな…。得意だし、書きやすいんだろうけど、もっと他の作品も読んでみたいです…!これまでの関連レビュー・お探し物は図書室まで [ 青山美智子 ]・ただいま神様当番 [ 青山美智子 ]・木曜日にはココアを [ 青山美智子 ]・鎌倉うずまき案内所 [ 青山美智子 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.27
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本のタイトル・作者13歳からのイスラーム [ 長沢 栄治 ]本の目次・あらすじ第1部 イスラームの教え第2部 イスラームのくらし第3部 イスラームと世界第4部 イスラームのいま引用さて、イスラーム君についていうと、どうも最近は悪口や噂を立てる友だちが世界に多いようです。そうした一方的な見方を受け入れて、イスラーム君を「怖い」とか「頭が固い」とか「変な習慣がある」とか勝手に決めつける人が大人のなかに多いのも確かです。でも君たちには、まっすぐな自分の眼で見て、自分の頭で考えて、イスラーム君と本当の意味で仲の良い友だちになってほしいと考えます。感想2021年読書:212冊目おすすめ度:★★★★わかりやすく、内容は歴史から今に至るまでをしっかりまとめていて、この一冊を読むとイスラム教についての概略が分かるようになっている。アフガニスタンのニュースに憤りを感じて、思った。はて、それで私はイスラム教の何をしっているというのだ?何も知らず、彼らの何を批判できる?私はかつてインドネシアに滞在していたことがある。インドネシアは、世界で1番多くのイスラム教徒が暮らす国。彼らの日常にいかに宗教が溶け込んでいるか、生活の一部となっているか。そしてまた私が目にした寛容性は、「イスラム教」としてニュースで見る印象と異なるものだった。ラマダーン(断食月)なんて、苦痛なのだと思っていた。でも、子どもたちは「今年から断食できるんだ!」と喜んでいた。私もそれに参加すると、彼らは大変喜んだ。そして毎晩、日没をカウントダウンするテレビと、華々しい「BUKA PUASA」(断食明け)。私はイスラム教について無知で、ただその生活の中にある宗教を興味深く眺めた。アッラー、アクバール、アッラー、アクバール。洗濯物を取り込みながら、大音量の放送が何を唱えているのかも知らず。神は偉大なり。その昔、子供だったとき。隣家の玄関を入ってすぐのところに、青い空間があった。タイルで出来たそこ。玄関わきに不思議だなあと思っていた。長じてはじめて、それがイスラム教の礼拝の場だったと気付いた。成田美名子『エイリアン通り』という漫画を読んでいた時、世界に私の知らないものがある、と思った。今思えばあれは、人種差別であり、宗教の違いだったんだろう。イスラム教は怖くない。不自由でも不便でもない。と、私は思う。どんなものごとにも、良い面と悪い面がある。何もかもがすべて上手くいくシステムなんてない。ただ、私たちは違うだけだ。自分たちが当たり前としてきたものとの間が、大きいだけだ。扉を閉じないで、目を見開いて。イスラム教の教えは、世界から広く知識を求めよと言っている。女の子が教育を受けちゃいけないなんて、言ってない。私はこの本を読んでそれを知る。そしてアフガニスタンの現状にやはり憤る。私はただ、今の日本に生まれただけで。もしかしたら私は、アフガニスタンに生まれていたのかもしれない。だから、彼女たちは、私だ。この本で「へえ!」と思ったこと・イスラームの語源は「大切なものを他人にゆだねること」 (アラビア半島で家畜をあずけて放牧していた)・ムスリムというのは「神に身をゆだねる人」。・アラビア語の単語は3つの子音(三語根)からなる。 islam の子音 slm に「~の人」という m をつけて muslim になる。・ムハンマド=「預言者の封印」(最後の預言者)・女性は「表に出ている部分はしかたないが、そのほかの美しい部分は人に見せぬように」・イスラム教は今世紀中に信徒の数で最大の宗教になる・1970年代 イスラーム復興・1950年代 イスラーム金融(利子なし銀行)が登場 ムダーラバ 利子ではなく投資によるリターンが目的なのでOK 過剰な投機による経済混乱の危険性が小さい↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.27
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本のタイトル・作者三人の逞しい女 [ マリー・ンディアイ ]"TROIS FEMMES PUISSANTES"by Marie NDiaye(2019)本の目次・あらすじ弁護士のノラは、自分たちを捨てた父に呼びつけられる。かつての栄光を感じさせない落ちぶれた父は、彼女に弁護を依頼する。弟が―――父がただ1人連れて逃げたあのやさしい弟が、ひとを殺したのだ。故郷での教師の職を夫のために捨てたファンタ。夫を失い、義理の家族に追い出され、西を目指すことになったカディ・デンバ。引用あれはわたし、カディ・デンバなの、となおも思った。すでにその瞬間には頭が地面に激突していた。目を大きく見開いたまま、灰色の長い翼を持つ一羽の鳥が、ゆっくりフェンスの上空を飛ぶのを見ていた。あれはわたし、カディ・デンバなの、とこの啓示に眩暈を覚えながら思った。そしてわかっていたーーー自分はあの鳥であり、あの鳥はその事を知っている。感想2021年読書:211冊目おすすめ度:★★タイトルから、オムニバス形式か何かで、三人の中年女性のあれやこれや苦悩や希望を描いたのかと思ったら違った。読みにくかった…。フランス文学、読みにくいよ…。明確な場所は出て来ないのだけど、訳者解説で第1章はセネガルが舞台のよう。フランスにとっての旧植民地の位置づけが理解できないから、ここらへんの意味合いも理解できない。特に第二章は男が主人公で、こいつがほんまにしょうもなさすぎるクズ男で、読んでいて腹が立ってくるし、途中でやめようかと思ったよ…。これはもう、合う・合わないの相性の問題なんだろうな。本作は、フランスでもっとも名誉ある文学賞で、毎年11月、アカデミー・ゴンクールによって「その年のもっとも創造的な作品」に授与される「ゴンクール賞」受賞作。帯によると、NHKラジオ「こころをよむ 歓待する文学」で紹介されていたそうだ。うーん。まあ、好みは人それぞれってことで。最後のカディ・デンバの話が一番好き。彼女がかつての自分の姿を重ね、自分の名前を思い出す瞬間。「妻」や「嫁」だった彼女が、カディ・デンバに戻るとき。彼女は傷だらけになるけれど、傷はもう、彼女の内側に届かない。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.26
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本のタイトル・作者リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ [ こまつ あやこ ]本の目次・あらすじ寿司職人の父の転勤で、マレーシアのクアラルンプールに2年半家族で移住していた岡本沙弥。中学一年の八月終わり、中途半端な時期に帰国して中学に編入することになり、「帰国子女」として目立たないよう沙弥は細心の注意を払う。なのにーーー3年生の図書委員・通称「督促女王」佐藤莉々子が、突然ギンコウに沙弥を連れ出した。ギンコウって何?銀行強盗?!沙弥は莉々子に、「無理やりに連れられてきた吟行は」の続きを詠むよう言われ…。「早く帰ろうジュンパラギ!」引用たとえ今の教室でたまたま毎日一緒に過ごすことになった同い年の人とうまくいかなくても、それがわたしのすべてじゃない、落ち込むことないんだって思えたの。歌会がわたしの居場所になってくれてるんだ。そう思えてから強くなれた気がする。感想2021年読書:210冊目おすすめ度:★★★魔法の呪文みたいな軽快な響きのタイトルに惹かれて手に取った。どこか聞き覚えがある言葉だと思ったら、インドネシア語の「5・7・5・7・7」と同じだ!マレーシア語とインドネシア語がまったく同じでびっくりしたんですが、同じマレー語なんですね。マレーシア、シンガポール、ブルネイ、インドネシアがマレー語を国語にしているそう。(→東京外国語大学マレーシア語)あーだからシンガポールの子もインドネシアで言葉通じてたんかー。国ごとの差異はあれど、基本的には意思疎通できるんだね…。主人公はマレーシアから帰国した沙弥。本の中でマレーシア語の入った短歌を詠むのですが、これが可愛い!外国語と組み合わせると、短歌が途端にポップでモダンに感じられる。あとナシレマ(ココナッツミルクで炊いたごはん)が美味しそう!食べたい!この本のテーマは、違い。多感な時期に読んで、いろんなことを感じてもらいたい、考えてもらいたいという著者の願いが感じられる。爽やかな読後感で、世界がすこし広くなったような気がする本。読書感想文にもぴったり。大きくなった娘に読んでもらいたいな。文化の違い。宗教の違い。日本だと同調・同質性が重視され、「違うこと」を極端に嫌い、恐れる。息苦しいな。この国は、これからどうなるんだろう。「日本人であること」への固執。多様性は、夢物語か。娘の一番の仲良し、ヴィクトリア(仮名)ちゃん。彼女は、くりくりした目と、キャラメル色の肌。給食は食べられないから、お弁当を持ってきている。娘はそういうことを、ごく当たり前に受け入れている。「ヴィクトリアちゃんはー、たべられないおにくがあるから」「でも、たべられるおにくもある」娘にとってそれは、アレルギーがある子と同じ程度の違いらしい。名前が日本人的でない、なんてことも分からない。クラスにはアフリカ系の子も、東南アジア系の子も、ヨーロッパ系の子もいる。でも、娘にとっては、ただ、その子であるだけ。気が合うかどうか、それだけ。だから、その子どもたちの耳に囁くのは、大人なんだろう。あの子は、私たちとは違う。差異を奇異なものとして取り上げるのは、私たち。それは「ふつう」ではない。「よいもの」ではない。「あるべきすがた」ではない。その子を見ない。その人を見ない。言葉が覆い尽くす。真実を覆い隠す。そこにあるものを、見えなくする。違いは、楽しいのに。世界にこんなにもたくさんのことがある。知らないことがある。目を開く。耳を澄ます。心を開けば、それに触れられる。知ることができる。無知な自分を、ちっぽけな自分を楽しもう。世界は、うんと広いのだ。著者は1985年生まれ。学校や図書館に司書として勤務。2017年本作で第85回講談社児童文学新人賞受賞。清泉女子大学の卒業生インタビューを見ました。司書として勤務されながら書いていかれるそう。次の作品も楽しみにしています!↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.26
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本のタイトル・作者14歳から考えたい レイシズム ジュウヨンサイカラカンガエタイレイシズム【電子書籍】[ アリ・ラッタンシ ]"RACISM: A VERY SHORT INTRODUCTION, SECOND EDITION"by Ali Rattansi (2020)本の目次・あらすじChapter1 "人種(レイス)"と人種主義(レイシズム)――ことば遊びのような難問Chapter2 帝国主義、大量虐殺、そして人類の"科学"一九四九年コロンブスが発見した"インディアン"人類、自然、そして性――啓蒙思想のあいまいな遺産人類の分類と啓蒙思想黒人性、性別、美学奴隷制度の問題人類の"科学"科学と病理学人種と国民白人性、黒人性、そしてごたまぜの"人種"ヨーロッパ"内部"のレイシズム人種、階級、性と帝国オリエンタリズムと人種優生学ホロコーストの教訓Chapter3 科学的レイシズムの終焉科学的レイシズムの転落"チェダーマン"とヒトの肌色やほかの特徴の多様性"人種"、文化、国民アメリカの"黒人"と"白人"人種と健康"人種"を定義する――人種は社会構造の一つというコンセンサスはあるのか?Chapter4 人種化、文化的レイシズム、宗教"人種"という概念の晩年公的な言説で使われる"人種"と"エスニシティ"を定義するイギリスの人種、エスニシティ、および統計学的分類人種なきレイシズム――人種的特徴を除去したハードで新たなレイシズム、最初の検討レイシズムのレトリックと否認――イーノック・パウエルのケース"人種化/レイシャライゼーション"という概念の使用について人権化、権力、偏見文化的なちがいと"新たなレイシズム"人種、文化的なちがい、国民のアイデンティティ――ーレイシズムの形勢逆転"人種"はいかにして"文化"を利用するかレイシストと非レイシストのアイデンティティにある二面性と矛盾ただ"自然な"ものとしてのレイシズムと自民族中心主義"文化的レイシズム"は人種差別か?"イスラモフォビア"と文化的レイシズム"新たな反セム主義"Chapter5 構造的レイシズムとカラーブラインドの白人性構造的・制度的レイシズム制度化されたレイシズム帝国主義後のパニックー―二十一世紀のイギリスでの民族分離と"人種暴動"イギリスの人種差別と民族の不平等見ているが見えていない――白人性の真実ゲイツ事件アメリカの黒人と白人――白人性と黒人性の社会的な形成カラーブラインド・レイシズムバラウ・オバマの選挙Chapter6 インターセクショナリティと"暗黙"あるいは"無意識"の偏見インターセクショナリティ研究"暗黙"で"無意識"の偏見Chapter7 右翼政党のナショナル・ポピュリズムの台頭とレイシズムの今後"ポピュリズム"という概念を考察する右翼ポピュリズム――二〇一九年のヨーロッパの簡潔で選択的な調査"四つのD"ナショナル・ポピュリズムと将来のレイシズム感想2021年読書:209冊目おすすめ度:★★★私は、レイシストなのだろう。と、思う瞬間がある。私の「ふつう」「あたりまえ」から外れる出来事を見聞きした時。心に抵抗を感じる。強い摩擦。滑り止め付のトレーみたいに、培われてきた偏見。私は、知りたい。自分の中に植え付けられ、育ったものを、私はどう取り扱えばよいのか。そんな言葉知りたくなかったと思う単語を。こんな出来事なかったことにしたいと思う過去を。これは、Oxford University Press の Very Short Introductions というシリーズ。さまざまなジャンルでたくさん出ている。興味のある分野を読んでいくと、かなり賢くなれそうだ。この本は、タイトルが「14歳から考えたいレイシズム」なんですが。どこがやねーん、めっちゃむずいやんけー!と突っ込み入れつつ、うんうん唸りながら読みました。読み通すのかなりしんどかった…久しぶりに教科書で勉強した感…。日本語の頭注がたくさん付いていて、そこも含めて読むので情報量がすごい。一冊でコンパクトにレイシズムについての歴史と知識を学べるので、かなりコスパのよい教科書ではあるのですが、いかんせん難しい。フェミニズムやジェンダーについての本を読み、黒人差別についての本を読み、考えた。もしかしてこれは、同じことなのかもしれない。人が人の上に人を作り、人の下に人を作る。女であること、黒人であること。生まれつき与えられた符号が、スティグマとなる。私にとって男が透明に見えるように、非白人にとって白人が透明に見えるように。世界はその人たちの属性をデフォルトとしている。けれどそれは、私も同じではないか。日本において日本人であること、その特権。そのことに気づきながら、享受しながら、都合の悪いことに目を瞑り、耳を塞ぎ、口を噤み。そのことをずっと考えている。久々に、読了メモ。これまでの関連レビュー・ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー [ ブレイディみかこ ]・子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から [ ブレイディみかこ ]・世界と僕のあいだに [ タナハシ・コーツ ]・ブルースだってただの唄 黒人女性の仕事と生活 [藤本和子]・無意識のバイアス 人はなぜ人種差別をするのか [ ジェニファー・エバーハート ]・詩人になりたいわたしX [ エリザベス・アセヴェド ]・ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ [ アンジー・トーマス ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.25
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本のタイトル・作者戦場の秘密図書館~シリアに残された希望 [ マイク・トムソン ]"SYRIA'S SECRET LIBRARY The true story of how a besieged Syrian town found hope"by Mike Thomson (2019)本の目次・あらすじアムジャドシリアの「アラブの春」バーシトとアナスダラヤに残った若者たち本の救出作戦シハーダと「評議会」図書館、開かれるサーラと子どもたち希望の壁画家、アブー=マーリク歯学生、アイハームの挑戦本を愛する兵士ウマル図書館、爆撃されるどんな本が好きですかアーイシャの夢は限界ウマルの死図書館との別れイドリブ県図書館の最後引用あと数時間もすれば、街の人々がやってくるだろう。破壊された街並みをぬけ、狙撃兵の攻撃や爆弾で命を落とす危険をおかしながら。それでも人々はここにやってくる。本を読むために。なぜならここは、シリアの街ダラヤの“秘密の地下図書館”だから。感想2021年読書:208冊目おすすめ度:★★★★★すごかった。すごかった。すごかった。もう、それしか言葉がない。元は、BBCの特派員記者によるドキュメンタリーラジオ番組の書籍化。シリアの秘密図書館 瓦礫から取り出した本で図書館を作った人々 [ デルフィーヌ・ミヌーイ ]大人向けの本はこちら。私はたまたま、児童書版を手に取った。主な漢字にはふりがなが振ってあり、解説も丁寧で良かったです。児童書版でも、大人が読んでもまったく違和感ない。シリア。名前だけは聞いたことがある。何かもめていることも知っている。ただ、それだけ。本の冒頭に、できごとのまとめがあった。2010年に北アフリカ・チュニジアの反政府デモをきっかけとした独裁政権への抗議活動が始まる(アラブの春)。2011年、シリアの南部の街ダルアーで、少年たちが政権批判の落書き。その後、シリア全土でアサド政権に対する抗議デモが始まる。政権側が弾圧し、内戦が始まる。2012年、政府軍にダラヤの街が攻撃され、補給路を断った包囲が始まる。2016年、市民は政府から48時間以内の退去を求められる。この本の舞台であるダラヤは、4年もの間、ライフラインをずたずたにされ、食料補給路を断たれ、無差別爆撃を受けていた。そこにいたのは、市民。逃げなかった人たち。彼らは自治組織を作り、公共サービスを自ら提供運営しながら、瓦礫からの本の救出と、知識の普及を始めるのだ。1日に1杯、薄い豆のスープを飲むことが精いっぱいの環境で、命を懸けて、本を収集する。なぜそんなことができるの?そんな最悪な状況で。彼らは街中で作物を育て、同時に本を集めた。体に栄養が必要なように、頭や心にも栄養が必要であるから。体には食べ物を、魂には本を。逃げた人々の家から持ってくる際は、収集場所と名前を記載し、通し番号を振って管理。高価で貴重な本を、いつか持ち主のもとへ返せるように。本のジャンルも題材も問わない。キリスト教すら禁止しない。検閲にさらされてきた政権のもと育った彼らは、その必要性を理解している。違う意見の本を除外することは、無知を助長するから。大切なことは、異なる意見に触れ、自分の頭で考えることだから。本は雨のようなものだ、と本に登場するバーシトは言う。すべての者に分け隔てなく降り注ぎ、その土地に知恵が花開く。本にあふれた日本の日常で、読もうと思えばいくらでも読めるこの環境で、多くの人は本を読まない。それがどれほど恵まれたことであるか。そしてどれほど、土地を枯らしていることか。本を読む。本を読む。本を読む。雨が降る。土を耕す。種が運ばれる。鳥が訪れる。その芽が育つことを楽しみに。本を読む。本を読む。本を、読む。彼らは街を退去し、難民キャンプに居を移す。そしてそこで、移動図書館をはじめるのだ。彼らは自分たちの街の人だけでなく、移住先の皆に本を届ける。よそ者、が歓迎される。コミュニティーが出来る。本を読む。雨を降らせる。種をまく。そのために必要なこと。表現の自由、言論の自由。読み書きができること。蓄積された知識にアクセスできること。自分の頭で考えられること。知識を得るとは何か、それを守るとはどういうことか。すごく考えさせられた本だった。著者は脆弱な現地のインターネットを通じ、スカイプやワッツアップで取材を重ねる。本について語る人々。後ろから爆撃の音が聞こえる。窓の外に切り取られた世界。回線が切れると世界は消える。そのことに著者は違和感を覚える。あとがきで訳者がKnK(認定NPO法人「国境なき子どもたち)の広報者にたずねる。「遠い日本で、わたしたちにできることは?」答えはこうだ。「『シリア難民』という言葉でひとくくりにしたとたん、見えなくなるものがあります。どうか、自分と同世代の、大切な名前を持つ一人ひとりのシリアの子どもたちの顔を思いうかべ、もしも自分だったら……と想像してみてください」私は大人だから、その先に行くことができる。そのことを考えている。何もしていない、ということをどうしようもない債務を抱えているように思いながら。これまでの関連レビュー海にはワニがいる [ ファビオ・ジェーダ ] 西への出口 [ モーシン・ハミッド ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.25
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本のタイトル・作者グリーンピースの秘密 (幻冬舎文庫) [ 小川 糸 ]本の目次・あらすじ2018年、ベルリンで暮らし始めて1年になる日記。感想2021年読書:207冊目おすすめ度:★★冒頭から「ペンギンが五目なますの作り方を聞いてきた」とあって、ファンタジー不条理小説かと思ったらエッセイだった。ベルリンに移住した作者が、ペンギン(夫?)と、犬のゆりねとの暮らしをつづったもの。外国での日常生活を垣間見られて、そこは面白かった。ただ、小川さん、やっぱりちょっと合わんかも…。これはもう、性格とかこれまで培った趣味嗜好の問題なんだと思うのだが…。何だろうな、「小川さんって趣味が似ているし気が合うと思うよ」と同じクラスになって紹介されて、最初は「あ、この子と仲良くなれるかも」と思ってたけど、仲良くなっていくと「価値観ぜんぜん違うな」って気付いて一線引いちゃう関係性になる感じ。何が、というのが分からないんだけど。ふんわりしているから?「かなあ」みたいのが多いから?優しい間接照明みたいなのだ、この人は。そして私は、その明るさでは本が読めない。「じゃあ読むな」って話なんですが、『ミ・ト・ン』は好みだったんです。でもやっぱりちょっと違う。これまでのレビュー育てて、紡ぐ。暮らしの根っこ [ 小川糸 ]ライオンのおやつ [ 小川糸 ]ミ・ト・ン [ 小川糸 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.24
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本のタイトル・作者主夫をお願いしたらダメですか? (単行本) [ 弓家 キョウコ ]本の目次・あらすじはじめに 私の夫は主夫である第1章 どうしてわかってくれないの?コラム 夫さんの今日の# 主夫メシ1第2章 ちょっと主夫、なめてたわコラム 夫さんの今日の# 主夫メシ2コラム 「うちも主夫です! 」&「主夫メシ作ってみました」体験談Part1第3章 今までで一番うれしいありがとうコラム 夫さんの今日の#主夫メシ3コラム 「うちも主夫です! 」&「主夫メシ作ってみました」体験談Part2第4章 夫婦の温度差は成長の証コラム 夫さんの今日の# 主夫メシ4、5おわりに引用あなたがトイレに入る時いつもトイレットペーパーがある私の時は時々ないあなたのごはんはいつもあたたかい私のごはんはいつも冷めているあなたは変わらない私はいやでも変わる感想2021年読書:206冊目おすすめ度:★★★実話をもとにしたコミックエッセイ。ブロガーでイラストレーターの「私」と、元ダイニングバーの店長の夫、2歳の息子。夫が店をたたみ、主夫をお願いすることに。ワンオペ状態で家事育児にさして参加して来なかった夫と、衝突し、ふたりのカタチを作っていくまで。絵があんまりうまくない(ごめん)けど、描写というか、言葉選びに「ああああああああああ」となった。新生児を抱いていた時、一日子供の相手をしていた時。あの時のあの、苦しい気持ち。胸が塞がれて、自分の存在がぺしゃんこになってしまった時の、あの気持ち。めちゃくちゃ思い出した。あああああああああああ。(言語消失)あの時私は、人間は孤独だ、と思った。赤ん坊を抱きながら、乳を飲ませ揺らしてあやしながら。私はひとりぼっちだ、と。ぼろぼろ涙を零しながら、どうしてこんなに辛いんだろう、と考えた。娘が泣き止まない時、それを私が一人で担う時。なぜ、世界中から見放されているように感じるんだろう。世界はしんと寝静まって音もなく。ただ、娘の泣き声だけが響く。こんなに近くにいるのに、夫はなんて遠いんだろう。言葉が積もり積もる。出口を失って溢れる。それは私を溺れさせる。一度、夫にキレて娘を家に置いて出たことがある。授乳間隔があるので、三時間以内しか逃亡できないのだけど。ファミレスに行って、ティラミスを食べて戻った。胸が張って痛かった。でも、帰りたくなかった。ごみを捨てに家を出るだけで、牢獄から放たれた気分だった。このままどこかへ行ってしまおうか、と思ったこともある。思うだけ。それでも。彼は囚われていない。私は囚われている。望んだことなのに、願ったことなのに、その鎖の重さに息ができなくなる。1人目は当初1年3か月(4月復帰)で育休を予定していたけれど、結局1年で復職。2人目ははなから9カ月で復職を計画した。耐えられそうもないと思ったから。2人目はうんと楽だった。アレが来る、と私は知っていたから。その獄(ひとや)に私は入ったことがあったから。終わりがあると、その日が来ることを知っていれば、子育てはまだ、楽しめる。今、子供は5歳と3歳。一人目が生まれたばかりのあの頃と、夫と私の関係性は大きく変わったと思う。夫に「この人は良い人だな」と思う。この人と結婚してよかった。そう思えない日も勿論あるけれど。「でなければならない」母だから、妻だから、育休中だから。重たい鎖。そういうものを手放していく方が、楽に生きられるのだと気付いた。普通のふりをしなくちゃ。みんなみたいにやらなくちゃ。奥さんなんだから。お母さんなんだから。それに雁字搦めになって、鎖を巻き付けていたのは私も同じだった。扉はずっと開いていたんだ。今のほうが、ずっと息がしやすい。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.24
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本のタイトル・作者星落ちて、なお [ 澤田 瞳子 ]本の目次・あらすじ星が流れた。明治22年、春。22歳のとよは、絵師である父・河鍋暁斎を葬った。画鬼と呼ばれ、あらゆる題材を貪欲に追い求め、自在に楽しみ描いた暁斎。5つの頃から絵筆を握り、父を師としてきた娘は、その死を前に惑う。けして届かない存在と知りながら、その影響力を振り払うことも出来ない。その影の中に生き、その道を歩むしかない。ーーー河鍋暁翠として。新しい絵画が勃興し、世が移り変わろうとも。光の見えぬ暗闇に、もがきながら線を引き続ける。牢獄にとらわれたように。引用「ええ。だって、どれだけあくせく働こうとも、どんなにのらくら生きようとも、結局、人はあの世は何にも持っていけないのですよ。ならせっかく生まれてきたこの世を楽しみ、日々を喜んで生きた方が、息を引き取る瞬間、納得できるじゃないですか。それは決して、絵や能だけには限りません。魚を獲る両氏もお役人も商人も……この世のすべてはきっと、自ら喜び、また周囲を喜ばせられた者が勝ちなんです」感想2021年読書:205冊目おすすめ度:★★★第165回直木賞受賞作。はじめ、表紙から江戸時代の話(天体もの?)と思っていたら、違った。明治から大正を生きた実在の絵師の物語。表紙は、河鍋暁翠(とよ)の作。女性の一生を描いた作品として面白く読んだ。明治22年、明治29年、明治39年、大正2年、大正12年、大正13年。それぞれのパーツの接合なのか、全体的にいまいち消化不良な感じがした。絵師だからか、世の中の移り変わりがそこまでとよに迫らない。激変、激動の時代だったろうに。とよが見つめる目線が、絵師じゃない気がするんだよな…?うーん?シングルマザーで、自分の腕一本で、内弟子も養って暮らしていけるって、かなりすごいのでは?そこらへん、さらっとしていて何だか得心いかず。何かの道を究めた人、という意味では渦 妹背山婦女庭訓 魂結び [ 大島真寿美 ]のほうが好みだったかな。物語の中に、江戸時代の女(精神性の美)と、明治以降の女(外見の美)の比較が出てきて、女性差別はどう作られてきたか [ 中村敏子 ]を思い出した。江戸の女はけっこう、自由だったんですよね。良妻賢母がいわれるようになったのは、明治以降。美人画にもその影響があったのか。私なんかは、表紙のような絵をみると「古臭いな」と思ってしまうし、そこに魅力も感じない。でも、違うのかも。もっとよく見てみるべきなんじゃないか。本の中で、とにかく絵を練習しているんですよね。線は、僕を描く [ 砥上裕將 ](2021年6月に読んだ本まとめ/これから読みたい本)でもひたすら線を引いていた。ひとつの絵が描けるようになるまでの、途方もない積み重ね。無知は、無知だからこそ、その価値を蔑ろにすることができる。そこに描かれているものを、歴史を、技法を、知らないから、その凄さが分からない。学ぶこと、知ること、目を養うこと。生涯を通じて、それを楽しみたい。私は今世を味わい尽くして死にたいんだ。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.23
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本のタイトル・作者伝える準備 [ 藤井 貴彦 ]本の目次・あらすじ1章 言葉を選ぶ。そして、ためておく2章 言葉の積み重ねが自分をつくる3章 自分の言葉を、相手に伝える引用ものの成り立ちがわかれば、努力の仕方が見えてきます。努力の仕方が決まれば、あとは頑張るだけ。そこからは単純作業に没頭できるのです。人間だれしも、悩んでいることには「自分の苦手」なポイントが含まれています。その苦手の正体にライトを当て、仕組みを知ることで解決が見えてきます。(略)一方で、できない理由が解明できた時には、その後、飛躍的な成長が待っています。感想2021年読書:204冊目おすすめ度:★★★著者は、日本テレビ系「news every.」のアナウンサー。名前を見ても、お顔を拝見しても、「…?」となった(私がふだん見ない番組なので)。アナウンサーだから、言葉の使い方(発話)がメインなのかと思ったら、タイトルの通り「伝えること」がメイン。日記を激しくおススメされていた。みんな日記書くことを推奨する。やっぱりそれだけ効力があるのだろうな。たくさん日記を何冊も書いている人、本当にすごいと思うし、楽しいだろう。本は、手に入る。出版されたものは、電子書籍なりで、流布する。けれど、手で書いたものは。自分が書いたものは。ここにしかない、その一冊しか。ご本人が見せられない、ということで日記そのものは掲載されていない。み、見たかった…!冒頭のカラー写真で、ご本人の手元と、使い込まれた革カバーのシステム手帳が映っている。見せて…!外側も内側も…!どこのなのそれ…!消せる筆記具は使えず、消せないボールペンで書く。一発勝負の緊張感。これ、私も同じです。消せるボールペンの水気を含んだ感じが好みでないということもあるけれど、その昔Coccoが「言葉を消せないようにボールペンで書く」とSWITCHのインタビューで答えていて、それ以来ボールペン派。著者の言うように、ボールペンの芯が次々空になっていく達成感もたまらない。(受験生がこのボールペンの空芯を溜めておいて、「これだけ勉強したのだから大丈夫だ」とお守りにするというのも聞いたことがある。)著者は、自分と向き合う「5行日記」をつけることを勧める。見出しを付け、限られた言葉に置き換え、何気ない一言を書き留める。言葉の言い換えは、Twitterでも同じだなと思いました。限られた文字数の中で、何を残し、何を削ぎ落とすか。トレーニングになる。5行なら、日記の習慣がなくとも続けやすい。5年日記や10年日記のような連用日記がそれくらいの分量かな。著者は、寝る前に翌日のやることをリストを書き出し、「したいこと」(未来)「しなければならないこと」(過去)に分け、完了に必要な時間を書き添える。自分の敏腕マネージャー。いいですね。これは、手帳じゃなくて紙や付箋など、反故にしやすいもののほうがよいのかな。私は「自分が何をしたか」を残したくてついつい手帳にズラズラ書いてしまうのですが、見返すのが難しかったり、仕事中に手帳を開きっぱなしにするとプライベートな記載が見えるから閉じていて。結果「書いてたのに…」と忘れてたりする。「予定」(手帳)と「やること」(メモ)は分けたほうがいいのかな。残す必要あんまりない。やることリストを見返したこと、皆無だ。先輩の言葉を聞くような、参考になる本でした。特に、後輩アナウンサーへの声掛けのところは、自分も部下にどう声を掛ければいいのか考えた。私は、その人が自分の担当の仕事をしているだけだとしても、とにかく「ありがとうございます」と言うのと(お菓子もたまに渡す)。そして、その人が得意としているところをどんどん口に出して伝えるようにしています。たとえば、「私、あなたの決裁書類のファンなんです」って。付箋を付けてくれたり、見出しをつけたり、色塗りがしてあったり、決裁をする人が見やすいように工夫してくれていると、嬉しくなる。で、みんなの前でそれを言う。「○○さんの作ってくれる書類は、これこれこういう理由で、すごく見やすくて、そのほうが全体の決裁時間の短縮にもなるし、意思決定の間違いも少なくなる。私、○○さんの決裁のファンなんです」他の人も聞いて真似してくれたらいいな、と思いながら。で、他の人が見にくい決裁あげてきたら「○○さんの決裁文書、やさしさが足りないです~。もっと私にやさしくしてください~!」と返す…。笑自分より年上の部下たちへの声掛け、悩みます。角が立たないように、気持ちよく働いてもらえるように。その人の得手不得手を、伸ばして、抑えて、みんなで力を発揮できるようにしたいのだ。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.23
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本のタイトル・作者料理と利他 (MSLive ! Books) [ 土井善晴 ]本の目次・あらすじ第1回 料理から考えるコロナ時代の生き方 土井さんを通すと「おもしろくなる」現象 ステイホームでわかったこと 「ゆっくり」もええもの 環境問題も「まな板」から 「つくる」は「自然・地球」と「食べる」のあいだにある 「家庭料理は民藝だ!」 作為が残っていたら、気持ち悪くて食べられない 磁器も土器も使うところに、日本人らしさがある 誰がつくってもおいしいという世界 いい人間になろうというはからい 人間♡物♡自然♡人間♡人間 土井善晴さんは巨大な器 お芋が気持ちよさそうにしているなぁ レシピに依存すると感性が休んでしまう 素材それぞれがご機嫌なこと 「きれい」は日本人の倫理観そのもの 「これをつくった人に会いたい!」 自分はぜんぶ知っている いいことも悪いことも、仕方がないと認める第2回 自然に沿う料理 今ここにあるひとつの料理にもちゃんとわけがある 人の暮らしのなかから美しいものができてくる 人間の条件の土台になっているのは、地球と労働 和食の「和える」と「混ぜる」は違う 器に盛ったときにいちばんおいしい状況をつくる 食材は頭じゃないところを使ってどんどん選ぶ いつも変えられるのが本物です 自分がおいしくするということはできない パプリカを手でちぎる 縄文の人はマイカップを持っていた!? カンカラカンカンと煮詰める 日常の煮転がしと非日常の含め煮 澄んだらうまいこといってる証明 自然と人工のバランスがちょうどいいところがええ加減 自然と心がつながって料理をすると、めちゃめちゃ楽ちん 強火にすると水だって傷つく 自然塩は味の幅が広い引用中島 そうですね。そして、お互いさまという互恵関係ですよね。あと、それを超えたところにも利他があるかもしれないと思っていて。すべてがぐるぐるまわっているのだから、自分が与えられたものは別の人に、というのが利他の考え方だと思うのですが、そのなかには「自分がやることによって、自分も誰かからやってもらえる」というはからいが含まれているような気もします。感想2021年読書:203冊目おすすめ度:★★★ミシマ社が2020年5月にスタートしたオンラインイベント「MSLive!」。オンライン対談「一汁一菜と利他」の書籍化。中島岳志氏、専攻は南アジア地域研究、近代日本政治思想。土井善晴さんの「おわりに」で、論文を書いてくれていて~と書いてあって、それが前に読んだコロナ後の世界 いま、この地点から考える [ 筑摩書房編集部 ]だった。あー、あの!「コロナ後の世界の話の中で何か知らんが急に土井先生について熱く語り出した人がいる」の人だったのか…!!土井善晴『一汁一菜でよいという提案』を読んで、「そうは言うても家族には受け入れられへんわな」とおかずを作り続けているんですが、それでも「一汁一菜でもええねんで」という提言は本当に気持ちを楽にしてくれたし、おそらく多くの人が救われたと思う。で、この本を読んで、土井先生が言っていたことの本質をよく分かってなかったかもな、と思った。一汁一菜というのは、日常の料理のこと。料亭の和食は、いったん味を抜いて味付けをする。家庭料理はまるごとの料理。素材そのまま、自然の味を生かす。レシピなんて要らない。計量の必要はない。ただ、よく見て、カンを働かせること。「ええ塩梅」「ええ加減」のムラこそが、日常の美味しさ。ハレ(非日常)とケ(忌)、その間に「ケハレ(日常)」があるの初めて聞いた。返礼義務と負債感による支配―被支配の関係性の話、興味深かった。インドで荷物を持ってもらった話、小僧の神様、アイヌ、札幌のシャッター商店街。昔、中国語を勉強していた時、「中国人に借りを返してはいけない」と先生に言われた。それは順繰りにまわっていくもの。繋がりの円環。借りを返すということは、「ここで終わり」と縁を切ることだから。人は人の世話にならずに生きてはいかれない。繋がりの中に身を置くために、借りをぐるぐる回していく。料理を作る。家族から「ありがとう」と言われる―――言わせる。それが違う気がする。この本にそのことが書いてあって、「ああ、そうか」と思った。料理という行為に対する「感謝の気持ち」ではあるのだけど、そこに返戻を求めると、違う行為になる気がして。料理と利他。利他―――他人に利益となるように図ること。自分のことよりも他人の幸福を願うこと。(デジタル大辞泉)料理を作る。食べる。自分のからだのために。命を繋ぐために。家族のために。かれらがすこやかであるように。生きるように。そこに込められた祈りのようなもの。料理は愛情、という言葉に私は怖気を感じる。手間暇をかけて、というのも同じだ。相手に負債を負わせる気がする。どんどん積み上げて、愛情の名前で雁字搦めにする。真綿で締め上げるように。そうではない。私が料理を作るのは、そうではない。淡々と手を動かす。作らなければならないから作る。食べなければならないから。食べさせなければならないから。短い時間で手早く。空腹が満たされれば何だっていいはずだけど、私は何か美味しいものを作ろうとする。一汁一菜だっていいのだ。けれど自分のために、家族のために、私は喜びのために、何がしかの「ごはん」を作る。口から入ったものだけがその人を生かす。食は、人の天なり。自分よりもっと、上のもの。目の前にあるものではないもの。料理は祈りだ、というと、崇高すぎるかな。料理は利己であり、利他だ。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.22
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本のタイトル・作者代理母、はじめました (単行本) [ 垣谷 美雨 ]本の目次・あらすじ2040年、東京。富士山の噴火により、火山灰で覆われた都市から金持ちは脱出し、都市機能は長野に移転した。AIの導入とドローンの開発で失業者は溢れ、インド系・中東アジア系の移民が混ざり合わずに暮らす。貧困にあえぐ16歳のユキは、義父に命じられ中国人の代理母となった。―――女になんか生まれるんじゃなかった。奴隷のように扱き使われ、蔑まれ、食い物にされる。それならいっそ、私が貧乏な女たちを使ってやる。ユキは義父のもとを逃げ出し、幼馴染のミチオと代理母斡旋ビジネスをはじめる。引用代理母たちは、依頼主と対等な立場であることを疑いもしなかった。そのことは、私とミチオの心に様々な変化をもたらした。金持ちと貧乏人の関係だけでなく、白人と有色人種、男と女にも当てはまるのではないか。下位に属するものだけが、虚しくも人間みな平等だと信じている。感想2021年読書:202冊目おすすめ度:★★★現代日本が代理母を認めていない中で代理出産をする話かと思ったら、とんだディストピア小説でした。冒頭で描かれる未来の日本が悲惨。でもこれ、本当になるかもね…。女であることへの嫌悪、憎悪。呪詛。それがたくさん詰まっていた。子供を持つこと。私は結婚して、当たり前のように子供を持って―――子宝に恵まれて。でも、それは、「そうするものだ」と思っていたからかもしれない。子供がいなかったら、結婚しなかったら。どうしていただろう。独身のまま子供を持つ。不妊治療をする。そういうことを、考えたのかな。おそらく、子供がいない人生を考えただろう。子供がいる人生を、苦く思いながら。デリバリールーム [ 西尾維新 ]キッズファイヤー・ドットコム [ 海猫沢めろん ](9月に読んだ本まとめ)ここらへんの本の感じと似ている。垣谷さん、冒頭にボリュームがあってぐいぐい読ませるんだけど、後半が流れるんだよな…。途中で一気に数年進んで「ん?」となった。この本は代理出産や女性の地位をめぐる問題についても書いてあるけど、移民問題についての方が気になった。子どもたちの保育園では、外国籍や、ダブルの子が普通にいる。娘の一番の仲良しの子は、ヴィクトリア(仮名)。宗教上の理由で給食ではなくお弁当持参。いや、ほんと、国際色が豊かになってきたなと肌で感じる。教育現場は多様化に追いついておらず大変だと聞く。通訳がないと保護者と意思疎通ができない。人口減少で働き手が必要。だから移民を受け入れる。単なる労働力として。ロボットみたいに働いてくれるだけの存在を求めて。でもそんな都合のよい存在はないんだ。女も働け、子どもも産め。介護もしろ。それもまた、都合のよい存在。これまでのレビュー老後の資金がありません [ 垣谷美雨 ]後悔病棟 [ 垣谷美雨 ]希望病棟 [ 垣谷美雨 ]子育てはもう卒業します [ 垣谷美雨 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.22
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本のタイトル・作者家にいるのに家に帰りたい [ クォン・ラビン ]"집에 있는데도 집에 가고 싶어"권라빈 (2020)本の目次・あらすじ1 誰よりもわたしの幸せが一番大切2 つらい日々をただ受けいれているだけのあなたへ3 わたしたちが別れた理由がわからないのなら4 わたしたちはふたたび恋をする引用ふと思う。もっと特別な理由やものすごい事情がなければ、心から悲しんではいけないの?なぜ、悩みを他人のものさしではかり、大きさを比べようとするの?すべての瞬間、息がつまる自分を、わたしはどうすればいい?感想2021年読書:201冊目おすすめ度:★★タイトルに惹かれて読んでみた。「BTSのVも読んだ」らしい。絵は素敵(韓国語版も同じ絵)。内容は詩…?エッセイ…?Twitterとかっぽいなあと思っていたら、もとはInstagramらしい。死にたくなる夜に読む感じ。ずどーんと落ち込む。自己肯定できない…。光を求めるのに光が見えない。溺れている。もがき苦しんで、何とか水面に顔を出すのに。3と4は恋愛。なんというか、「夫のこと大事にしよう」と思った…。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.21
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本のタイトル・作者鬼滅の刃 しあわせの花 (JUMP jBOOKS) [ 吾峠 呼世晴 ]本の目次・あらすじしあわせの花誰が為に占い騒動顛末記アオイとカナヲ中高一貫☆キメツ学園物語!!感想2021年読書:200冊目おすすめ度:★★★鬼滅の刃のノベライズ本。漫画単行本と同じサイズの、ジャンプコミックノベライズ。久々に読んだな、この判型。「鬼滅の刃」、私は総集編のアニメを見ただけ。子供たち(特訓話のところだけ視聴)は相変わらず鬼滅の刃が好き。保育園で引き続き流行っているよう。で、「漫画はグロいから、子供用のノベライズを読んであげよう」と思った。…あかんかった。子供用のノベライズは別バージョン。これは漫画のサイドストーリー。残酷シーンはなかったが、対象的には漫画の読者層と同じ年齢。「貪婪(どんらん)」とか出てくる。どんらん!なにそれ!(たいそう欲の深いこと。ひどくむさぼること。)読み仮名がすべてに振ってあるわけでもなく…。保育園児には読めなかった。絵本みたいに読んでみたけど、挿絵もないし子供すぐ飽きる。というわけで私が読みました。本編うろ覚えだけどキャラクター設定だけ分かっていれば読めた!「誰が為に」が好きでした。善逸推し。本編のノベライズ(子供向け)も読んでみよ…。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.21
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本のタイトル・作者団地のコトリ (teens’ best selections 54) [ 八束 澄子 ]本の目次・あらすじバレーボール部の美月は、中学3年生。父は小学4年生のときに過労死し、保育士の母、祖母が遺したインコのピーコと団地の一室に暮らしている。階下の柴田のじいちゃんは、奥さんを亡くしてから塞ぎがちだったが、なぜか最近歌声が聞こえる。ーーーそこに、だれか、いるの?引用勉強は明日の自分へのプレゼントだ。だれのためでもなく、明日を生きる自分の糧となるものだ。感想2021年読書:199冊目おすすめ度:★★★惜しい!という感じがするYA小説。クラブ活動、先輩と後輩、同級生同士の女子のやりとり、進学、貧困、信仰、家庭環境、居所不明児童…。いろんな要素が入っているけど、短くまとめてあるので、なんだか物足りない。中身はパンッパンで、受け止めきれないくらいに詰まってるんだけど…。児童書を、もう「子ども」の目線では読めなくなっているんだな、と思った。私は母の視点で物語を読んでしまう。最後、お母さんは週末里親を申し出る。すごいな。何かしてあげたいと思っていても、それを行動に移すのは難しい。ここ、美月のほうが大人な目線で見ている。この子が本当に良い子かなんてわからないでしょう、と。それでも一歩前に踏み出す。責任を引き受けるのは、難しい。遠いところの誰かにお金を渡す方が、簡単だと思う。私の子供が、誕生日に、クリスマスに、衒いなく欲しいものを口にする。彼らはそういう環境にいるのだ、と感じる。そうではない子供がいる。私は彼らに何の責任も持たないんだろうか。美月は、団地の一階下で、母子が飢え死にしそうになっていたことに胸を突かれる。たくさんの暮らしのモザイク。集合住宅。積み重ねられた生活。壁一枚隔てた先で、苦しみがあるのなら。海の果てで、爆撃に曝された子供を助ける前に、出来ることがあるのか?(けれど一方でその子供を見捨てることも出来ないのでは?)そして、何もしないこと、を選んでしまう。迷っていることを言い訳に、消極的に加担している。世界に。何かをしたい、と思う。出来る範囲で良い。その範囲から、はじめよう。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.20
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本のタイトル・作者目覚めの森の美女 森と水の14の物語 [ ディアドラ・サリヴァン ]"TANGLEWEED AND BRINE"by Deirdre Sullivan (2018)本の目次・あらすじあなたがこれからふみこむのは、新しくなった昔話のなか森の物語靴をはいた娘(シンデレラ)きこりの花嫁(赤ずきん)生まれておいで、愛されるために(ラプンツェル)あなたが苦しむことはない(ヘンゼルとグレーテル)名なしの魔物は友だちと名乗った(ルンペルシュティルツヒェン)フェアという名の娘(フェアとブラウンとトレンブリング)白灰姫(白雪姫))水の物語食いつくすか食いつくされるか(人間姫)うまくふるまうこと(カエルの王子さま)やさしい重み(青髭)川床(ロバの皮)小さな贈り物(ガチョウ番の女)美女と盤(美女と野獣)そして物語は終わる。こんなふうに…目覚めの森の美女(眠れる森の美女)引用あなたは思う。どの命も可能性に満ちている。他に行ける場所はいろいろある、と。感想2021年読書:198冊目おすすめ度:★★★★アイルランドのYA小説。およそYAらしくはないけれど。「本当は恐ろしいグリム童話」的な話を想像していたら、意表を突かれた。うつくしい寓話。詠唱された詩と、語り継がれた昔話の間のような、新しい物語たち。薄暗い場所で瞳を輝かせる女。苔むした石塔に染みついた魔法のにおい。打ちすえられて顔をあげる。おとなしく美しい姫が、男のものになる。勝利のトロフィーとしての象徴。ステレオタイプの昔語りに唾を吐きかける。物語の型への反逆。新しい女たち。おそろしく私好みの文体だったので、ときめいた。比喩と暗喩。婉曲的で形而上学的。やっぱり私、詩的な文体が好きなんだなあ。万人への受けは悪いだろうけれど。著者はディアドラ・サリヴァン。アイルランド西部のゴールウェイ生まれ。特別支援教育の教師をしながら、作家活動を行う。この『目覚めの森の美女 森と水の14の物語』(原題"Tangleweed and Brine"――からんだ草と塩水――は、"Once Upon a Time"の音と重ねているそう)は、アイルランド最高の児童文学賞「CBI最優秀児童図書賞」ほか、アイルランド主要なYA賞を3つ受賞。ほかの作品も読みたくなったけど、まだ日本では出ていないみたい。こういう時、英語が一定のレベルに到達していたら原著が読めるのにな!と思う。電子書籍がリアルタイムにクリック一つで手に入るようになった今なら、英語が読めればおよそ世界中の本を読めるようになった。(日本語には翻訳されていなくても、英語には翻訳されていることも多い)これから日本の人口が減少し、若い世代が減っていく中で、翻訳作品の市場が縮小し、翻訳されない作品が増えていくのではないか?と思う。というわけで、英語勉強しよ…。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.20
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本のタイトル・作者ミレニアム・ファルコンを作った男 45歳サラリーマン、「スター・ウォーズ」への道 [ 成田昌隆 ]本の目次・あらすじ第1章 サラリーマン生活の終わり第2章 自分とは何者か第3章 CGとの出会いと挫折第4章 プラモデル全米チャンピオン第5章 45歳からの就職活動第6章 駆け出しCGモデラ―第7章 ミレニアム・ファルコンに乗る引用私のように多くの人が、若い頃人生を真剣に考えず、流されて生きてきたのではないだろうか。年齢を重ね、社会のことが見えてきて初めて、自分が本当にやりたかったことに気づく、そして誰もがもう手遅れとあきらめてしまう。しかし、「何をやるにも遅すぎることはない」と思う。自分が何に向いているかを、これまでの経験や学歴などに縛られず、まわりの目を気にせず、ゼロから生まれ変わるつもりで考えていければ、誰もが何かを見つけられるのではないか。たしかに日本には厳しい現状がある。年齢や学歴でフィルターをかけられてしまう社会である。やり直そうと思っても、その壁を越えることは難しい。しかし、それならば、その環境に留まっている理由がどこにあるのか。人生は一度きりだ。自分の価値観の殻を破って、もっと外に目を向けてはどうであろうか。この世界には、自分を待ってくれている世界がきっとある。可能性の選択肢は自分が考えているより、もっと広いのではなかろうか―――。感想2021年読書:197冊目おすすめ度:★★★著者は1963年生まれ。名古屋大学工学部卒業後、NECで人工衛星の開発事業に携わる。午後10時まで残業するような生活に疑問を覚え、3年で日興証券に転職。子会社である日興システムセンター企画調査部門でAIを使った投資システムの研究・開発を行う。5年後、社内公募でシリコンバレーのIT調査研究所へ。その後、ニューヨークへ異動し、ニューヨーク駐在員事務所長となる。ハードワークに疲労困憊する日々を送っていた2008年。サラリーマン生活23年、45歳。プロのCGアーティストとなって映画のクレジットに名を刻もうと仕事を辞める。海外勤務の長いエリートサラリーマンの華麗な転職!という内容かと思ったら、紆余曲折と挫折がたっぷり詰まった一冊。最後は夢を叶え、スター・ウォーズのILMでモデラーになる。何かに挑戦したい人、転職を考えている人は勇気をもらえる内容。著者は、子供の頃からプラモデル作りが好きで、映画が好き。とにかく、ハマったらとことん突き詰める性格。アメリカでCG作りにハマったら、ひたすらそればかり。(子供が生まれたばかりでも部屋にこもり切り。奥さんはそれでよかったらしいけど、すごいね、奥さん…)CGを離れてプラモデル作りを再開したら、賞をとるまでやる…。映画作りの学校に通ったり、もう猪突猛進!がすごい。好きこそものの上手なれ。この、「子供の頃に好きだった」っていったい、何なんだろうね。うんと好きで、寝ても覚めてもそのことばかり考えていた頃。おばあちゃん、青い自転車で世界に出逢う [ ガブリ・ ローデナス ]で、子供が興味を持ったものを、好きだったものを書き留めておいてやってくれ、とマルおばあちゃんは若い母親に頼む。それはきっと、赤ん坊が大きくなった時、道に迷ったとき、道しるべとなる。何の先入観もなく、何のしがらみもなく、ただ心が求めるものに夢中になっていた頃。私は物語の続きを考えるのが好きだった。月刊誌の漫画を読んで、次号まであれこれと続きを自分で作って楽しんだ。そういうものって、変わらないんだなと思う。著者は最後には思い切りを付けて、仕事を辞める。でも、それまでは二足の草鞋を履いて、ハードワークをこなしながら趣味を仕事にするため、時間と情熱、お金を注ぎこむ。すごい。子供もいて、年齢的にも、安定した職業を捨ててチャレンジするのは怖いと思う。けど、それまでずーっと積み上げてきたものがあったから、一歩踏み出せたんだと思う。何も、すぱっと仕事を辞めることだけがすべてじゃない。仕事をしながらその力を蓄えることも、あるいはそれを仕事にせずに楽しむことも、ひとつだ。本人は「英語が得意じゃなくても仕事ができるか」と訊くくらい英語に自信がないけど、現地駐在だし英語のマニュアル読破しているし、きっとかなりの英語力はあるんだろう。それでも、著者は他の外国人CGアーティストたちが、英語を話せないままガンガン押せ押せで売り込んでくることに驚く。言葉はツール。著者が大学受験の時に作っていたスケジュールのノートの写真が載っている。升目にページ数が書いてあり、ひたすらそれをこなして×で消していく。このやり方、モチベーション保てて良さそう。最近、自分は何がしたいのか、を考える。仕事を変えるのもいい。変えなくてもいい。ただ自分が何を好きで、何がしたいのか。それをどうすればやれるのか。続けていけるのか。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.19
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本のタイトル・作者マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法 [ 北野 唯我 ]本の目次・あらすじプロローグ 私には「武器」がない第1章 私の「市場価値」第2章 転職は「裏切り」?第3章 いいエージェント、ダメなエージェント第4章 もう、後悔したくないエピローグ 私たちは「居場所」を選べる引用意味のある意思決定とは必ずなにかを捨てることを伴う多くの人が転職に恐怖を感じるのはなにかを手にするからではなく人生で初めて自分の意思でなにかを手放すからだ感想2021年読書:196冊目おすすめ度:★★★★2018年刊行『転職の思考法』の漫画版。いやあ、面白かったです。ぽろぽろ目から鱗が落ちた。転職したいなあ、とぼんやり思っていても、何をどうすればいいのか、どう一歩を踏み出せばいいのか分からなかった。主人公・29歳の奈美は、海外勤務がしたくて入社した会社で総務課に配属され7年目。会社が外資系企業に買収され、転職を考えるように。面談で海外を希望するが、大学時代にとったTOEIC650点では話にならない。海外事業部は700点以上が最低条件。社会人になってからは何をしてたの?あああ~刺さる~~~~。笑結婚相手を見つけるにはたくさんの人に会う。けれど、会社だけはなぜか皆ひとつしか見ようとしない。これ、思うんですよね。私は今の会社しか知らない。ここの「当たり前」は、もしかしたら違うのかもしれない。小さな子供がいて、これから転職するなんて、バカみたい?子育てでリタイアした女性が、正社員として職を得ることがどんなに困難か。さて、どうなのだろう。何もできない、と私は思う。その場その場でやれることをやってきたけれど、何ができるわけでもない。私は、何者なんだろう。引用部分にあったように、進学や就職は社会のレールに乗っかって生きてきて、転職は初めてそこから外れることだと言う。私は大学卒業後、すぐに就職しなかった。新卒カードを捨てて、その時初めて「道から外れた」と思った。その時の苦しさと、解放感。いつでも期待通り、「良い子」だった自分。親が「学校名」で誇れた自分。それが剥がれて、私は何がしたいのか考えた。不確かな未来に言い訳しながら、モラトリアムを延長しながら。アルバイトをして、専門学校に通い、バックパッカーをして。今の私は、その結果だ。さて私は、なりたいものに、なれたいんだろうか。結局、私は「良い子」にしがみついてるんじゃないだろうか。親が、世間が、認めてくれる肩書き。「いつでも転職できる」というカードを持つこと。結果、転職しなくてもいい。ただ、自分の居場所はここだけではないと知っておくこと。あなたには価値があるのだ、と本の中で言う。だから会社はあなたに給料を払っているのだ。そうか。そうだね。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.19
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本のタイトル・作者暮らしやすい家づくり [ 本多 さおり ]本の目次・あらすじ1章 わたしの住まい考2章 暮らしたくなる家づくり リノベ編3章 家事のしやすさにこだわった新しいわが家 新居完成編4章 それぞれの家、住まいのかたち お宅訪問編感想2021年読書:195冊目おすすめ度:★★★社宅の団地暮らし時代から著書を拝見している本多さん。賃貸を経て、お家を購入された。今回は、その中古マンション購入~リノベーションに至るまでを克明に記録した本。どうやって家を探して、買って、住むのか。具体的にそこに至るまでのプロセスが見えて興味深かった。廊下がなく、回遊できる家、いいな。フローリングのリビング、続きの和室。和室は昼間はプレイスペースとして使え、夜は仕切って寝室になる。空間が有効に使える。個室がその一部屋しかないので、子供が成長したあとどうするんだろう?男の子2人だから同室でもう一部屋、どこかを区切って作るのかな?緑がたっぷり見えるのも素敵。ルーフバルコニーも広い。私も壁付けキッチンの方が好き。家の真ん中にファミリークローゼットがあるのも効率的。窓側にずらーっと洗濯物を干せるスペースがあるのはいいな。我が家は当分賃貸で良いと思っていて、家を購入する予定はない。今の家も、広いし日当たりは良いし、家賃は安いし、諸所不便はあるが気に入っている。今後、家を買うのか?というと、たぶんノー。夫の亡くなった祖母の家を継がないか、という話もあるが、築40年以上・駅徒歩30分。雨漏りしていて、中には亡くなった祖父母、その子供たち(夫の父きょうだい)の荷物がぎっしり詰まっている。はたしてそこを今後、リフォームして住む、ということがあるんだろうか…。(夫はゆくゆくそのつもりなようなのだが…モヤモヤ。)これまでのレビュー家事がしやすい部屋づくり [ 本多さおり ]もっともっと知りたい無印良品の収納 [ 本多さおり ]モノが私を助けてくれる 10年先も使いたい暮らしに投資するモノ選び [ 本多さおり ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.18
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本のタイトル・作者青森の八戸にある小さな本屋さんの 猫がかわいいポップの本 [ ポプ担 ]本の目次・あらすじ第1章 やんちゃな気分の本第2章 自分を大切にのんびりする本第3章 心をじんわりさせる本第4章 未知の世界にわくわくする本第5章 かなしみやさみしさとともにある本第6章 こんなことあったらいいのになの本第6章 ゾワゾワワクワクしちゃう本第7章 東北を旅する本感想2021年読書:194冊目おすすめ度:★★★青森県八戸市にある木村書店のポップの本。可愛いので読んでみた。可愛い(結論)。本を購入すると手描きポップも付いてくるんだって。いいなあ!こういう本の紹介の仕方、やりたい!ブックレビューを書く時、「どう紹介したらいいのかな」と考えるのが楽しい。絵を描くの、いいなー。ヴィレヴァンみたいに、お店に置いてあるポップが好き。「へー」って思って手に取ってみたくなる。本のポップ、いいですね。つくってみる!紹介されていて気になった本本を読めなくなった人のための読書論 [ 若松 英輔 ]百貨の魔法 (ポプラ文庫 日本文学 424) [ 村山 早紀 ]月の光を飲んだ少女 [ ケリー・バーンヒル ]世界の終わりの天文台【電子書籍】[ リリー・ブルックス=ダルトン ]偶然仕掛け人 [ ヨアブ・ブルーム ]不思議の国の少女たち (創元推理文庫) [ ショーニン・マグワイア ]パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (SB文庫) [ ツイアビ ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.18
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本のタイトル・作者保健室のアン・ウニョン先生 [ チョン・セラン ]”보건교사 안은영”by 정세랑 (2015)本の目次・あらすじ幼い頃から、見えないものが見えた。アン・ウニョンは、それと戦ってきた――独学で、BB弾の銃と、おもちゃの剣で。病院から転職し、学校に勤務することになった彼女は、そこで禍々しい気配を察する。しかし学校の跡取り御曹司である漢文教師のホン・インピョは、まったく気が付くこと無く封印を解いてしまい――。大好きだよ、ジェリーフィッシュ土曜日のデートメイト幸運と混乱ネイティブ教師マッケンジーアヒルの先生、ハン・アルムてんとう虫のレディ街灯の下のキム・ガンソンムシ捕り転校生穏健教師パク・デフン突風の中で私たち二人は抱き合ってたねあとがき訳者解説引用どうせいつか負けることになってるんです。親切な人たちが悪人に勝ちつづけるなんて、どうやったらできますか。絶対に勝てないことも親切さの一部なんだから、いいんです。負けてもいいんです。それが今回だとしても大丈夫。逃げよう。だめだと思ったら逃げよう。後でまた、どうにかできる。感想2021年読書:193冊目おすすめ度:★★★★『屋上で会いましょう』のチョン・セラン氏の本。『屋上で会いましょう』がすごく不思議な話で、グロいしキモいしセンチメンタルだし、何なんだコレと思って、同じような系統の話を書くのかと思ったら、今回はSFファンタジー?ラノベちっくで、恋愛もあり、アクションもあって、面白かった。解説にあったけど、韓国では保健室の先生は「スクールナース」で看護師よりなんですって。へー。アン・ウニョンのキャラクターが姉御(というより兄貴)でカッコイイ。なにより私は、ホン・インピョが好き。巨大なエネルギーのカーテン、人間装甲車、補助バッテリー。ウニョンに散々言われてるけど、こういう存在自体がパワースポットみたいな、「強いものに守られてしまった無自覚な人」好きです。「GS美神」でいうと六道冥子。ボンボンで漢文教師ってのもツボ。いいなー。優しくて弱くてちょっとずるくて甘えたで、でも芯が強い人。Netflixでドラマ化もされてます。短編集でサラサラ読めて、最後はちゃんと大乱闘で完結。私はこの中では、「ムシ捕り転校生」が好き。転生を繰り返す人も好きなの。笑これまでのレビュー屋上で会いましょう [ チョン・セラン ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.16
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本のタイトル・作者鎌倉うずまき案内所 (宝島社文庫) [ 青山 美智子 ]本の目次・あらすじ2019年4月30日。平成が終わる。憧れの青年雑誌を作る出版社に入社するも、総務部から主婦向け雑誌を担当するうち、雑誌が廃刊になってしまった早坂。退職届を鞄に入れて、はや2ヶ月。SF作家・黒祖ロイドの取材のため、鎌倉へ向かった早坂は、そこで不思議な店に足を踏み入れる。「鎌倉うずまき案内所」。妙な双子の老紳士が、所長のアンモナイトと助言をする謎の場所。6年ごとに遡る、渦を巻く時。二〇一九年 蚊取り線香の巻二〇一三年 つむじの巻二〇〇七年 巻き寿司の巻二〇〇一年 ト音記号の巻一九九五年 花丸の巻一九八九年 ソフトクリームの巻引用ロイド先生は少しの沈黙のあと、こう言った。「そうだよ」そしてサングラスを外して私をまっすぐに見る。「あなたに向けて、書いたんです」涙があふれた。そうだったんだ、ほんとうにそうだったんだ。(略)「読んでくれてありがとう。あなたに、ちゃんと届いてよかった」感想2021年読書:192冊目おすすめ度:★★★★青山さん三作目。すべて同じ構成なんだけど、それぞれの本がちゃんと面白いのですごい。今回は、黒祖ロイドの叙述トリックは最後まで気付かなかった!それぞれ、悩みの渦の中にいる主人公たち。転職に悩む、子育てに悩む、結婚に悩む、友人関係に悩む、夢を追い続けるか悩む、来し方に悩む。私は「巻き寿司の巻」が好き。過去にどんどん遡って行って、その人がなぜそうなったのかが明かされる。人と人のつながりが見えて、楽しい。こういう構成の話がとても好きなんだけど(映画だと「ラブ・アクチュアリー」)なんでこんなに好きなのか分からない。誰もが主人公、ということなのかな。誰かの物語での脇役は、誰かの物語の主人公で。時がくるくると螺旋を描くように、無限の物語が広がっている。それには、終わりがない。すごくワクワクする。青山さん、既刊はあと『猫のお告げは樹の下で』が未読。新刊『月曜日の抹茶カフェ』も楽しみです。これまでのレビューお探し物は図書室まで [ 青山美智子 ]木曜日にはココアを [ 青山美智子 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.15
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本のタイトル・作者暮らしを変える書く力(1) [ 一田 憲子 ]本の目次・あらすじ1章 「書く」ってどういうこと?2章 日常の言葉3章 「聞く」ことから「書く」ことが始まる4章 「言葉」による刺激5章 書くことで自分の内面を掘り起こす引用大事なのは、今目の前にあることから、ふわりと視線を上げてみること。日常というものの上に、ぷかぷか浮かんでいる「真実」を見つけて言語化すれば、個人の体験が、みんなが手を伸ばせば届く言葉になる。今日のささいな体験が、あの人やこの人の生活ともつながる……。その手応えを感じたとき、「ああ、書いていてよかったなあ」と思え、その実感が次に書く力を育ててくれると思っています。感想2021年読書:191冊目おすすめ度:★★★「暮らしのおへそ」の編集者による書き方の本。「これをこうすると、もっとよくなりますよ」という例が数多く掲載されていた。正直、私としては「よくなっている…か?」と思う面もあるのだが、これは文体の問題なんだろう。私の好みではない文体。でもこれはこれで、ひとつのスタイル。暮らし系の雑誌って、なんでこういう書き方なんだろう。引用部分、村上春樹の「井戸を掘る」という表現を思い出した。みんなが見えている建物部分。けれどそこから地下に潜って掘っていくと、共通の水脈がある。なぜ書くのだろう。書いたって、書かなくたって、同じ。別に一般人だ。それを仕事にしているわけではない。生きていけるのだ。それでも書くのは、書かずにおれないのは、なぜ?結局は、書くと言うのは「深く潜る」ことなんだろう。地下に穴を掘り、空に手を伸ばし。万葉集がずっと読み継がれるのは、きっと同じ水脈を自分の中に見つけるから。空を見上げ、その美しさに目を見張る。それを言葉にして、届ける。とめどなく流れゆく暮らしを、儚いこの生を。その流れの中に、その一瞬の中に見出せたなら。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.14
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本のタイトル・作者海外の有名大学に、リモートで留学する 働きながら、安い学費で、コロナ禍でも! [ 姫松冬紫 ]本の目次・あらすじ1 海外大学はリモートでお得に通える!2 海外大学の多様な通信課程3 海外大学の入学・通学・卒業感想2021年読書:190冊目おすすめ度:★★★日本の大学や教育について書かれた本を読むと、本当に希望がなく、オワコンだという気がしてくる。それで、自分の子供にどういう教育や選択肢を示せばよいのか―――それすら御伽話である、というのはまだ未就学児なので夢を見させてほしい―――と考えると、「大学に行かない」や「海外の大学に行く」ということが見えてくる。海外の大学に行くには、とにかくお金がかかる。このコロナで、大学がリモート授業を始めた。それを見ていて思った。地方の学生が、東京に行く必要は、あるのだろうか?それと同じことが、海外の大学についても言えるのではないか?知識についてはオンラインで習得できる。理系なら実験があるのでまた別かもしれない。文系も資料の問題がある。しかし基礎的なところはオンラインで十分だ。となると、やはり学校に求められるのは「コミュニティ」?「コミュニティ」。上京も留学も、むしろ、勉学より違う環境に身を置くということに重要性があるのでは?そういう意味では、ミネルヴァ大学―――全寮制の4年制総合大学だが、特定のキャンパスを保有していないことが特徴で、学生は4年間で世界7都市に移り住みながら、オンラインで授業を受講する(ウィキペディア)―――に私の考えは近い。というわけで、子供にはそういう道もあるよと教えてあげたい。日本の大学に通いながら、通信制で海外の大学にも通える(二重在籍が許されれば)。私は大学の卒業単位が253あって、通常の卒業必要単位124なので、4年間で2回卒業できるくらい授業を取った。だから、海外の大学との二重在学、やろうと思えばできるだろうな。でも、自分がそういう経験を出来なかったからといって、子供に夢を託すのは間違っているよな。というわけで、この本を読みました。最近、仕事に面白みを感じられないこともあり、大学院進学や大学で学び直すことを考えている。放送大学のカリキュラムを眺めて見たり。…英語を勉強しているなら、通信制で海外の大学もいけるのでは?著者は、国内大学卒業後、苦手な英語の勉強を再開。TOEIC930点を取得し、海外赴任。働きながら通信過程でロンドン大学のグラデュエート・ディブロマを取得。この本を読むと、そんなに英語力がなくても(とはいってもIELTS5・5=TOEFL60点)、お金もものすごくかかるわけではなく(数十万~)、時間がかかるわけでもなく(週に15~20時間)海外の大学に通信制で通える。しかし、私がやりたいことって「ジェンダー×言語学」なので、ちょっと違う。英語学習の目標にはなるが、目的にはならないかなあ。読んでいた中では、幅広いコースのあるイギリスのオープン大学が向いてるかな?とりあえず「大規模公開オンライン講義(MOOCs)」でハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の提供するedX、スタンフォード大学のCoursera、オープン大学のFutureLearnを見てみようかな。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.13
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本のタイトル・作者あたしだけ何も起こらない “その年”になったあなたに捧げる日常共感書 [ ハン・ソルヒ ]"나만 아무일도 일어나지 않는다"by 한설희 (2016)本の目次・あらすじPROLOGUE また1歳、年を取る最近よく聞く言葉、“その年”でいざ結婚のプレッシャーが消えると毛穴が開く時間私の頭の中の消しゴム誰にでも輝いていた時期がある私に残された卵子の数生まれ変わったら誰になりたい?君の存在シングル、ずっと美しければいいけれどアイスクリームの隣に精子遅れるということの美学痩せたことのない姉さんの弁忠告が難しい年齢感情の中年太り赤毛のアンとB舎監の間四度の結婚式と一度のお葬式40年ブランドの意地こうして仲間外れになっていく人妻>バツイチ>独身アラフォー人生、その無謀な挑戦心の空白虹の橋を渡る君へ総体的遅刻人生私は再び渇望する、愛を引用取り返しがつかなくてもつらくても、傷のある人生はだからこそ大切だ。痛みのぶんだけ成長できるから。感想2021年読書:189冊目おすすめ度:★★★1976年生まれ、40代の著者によるエッセイ。著者は、2007年~2019年にわたって放送されている『ブッとび!ヨンエさん』の脚本家。(これ、有名みたい。知らなかった。あらすじ見ると面白そう。)著者がユーモラスでチャーミングで、酒のみで面白かった。たまに、自分が独身だったら、どうしていたんだろうな、と思う。親にやきもきされ、腫れ物に触るように結婚の話題に触れられ、「結婚だけがすべてじゃない」と最後には言われたのだろうか。結婚して子供を持つことで、何かしらの「免除」という資格を得られたような気がしている。兵役免除みたいな。そのことにほっとしている自分がいる。結婚していなければ/子供がいなければ、まるでいつでも出征しなければいけないようだ。何なんだろうね、これは。多様性なんて、御伽話のように聞こえる。独身であることを嘆く著者に、子供のいる友人は言う。「生まれ変われるなら独身女を選ぶわよ」きっとどの選択も、よい面ばかりではない。選ばなかった道を「こうであったなら」と思いながら生きていく。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.12
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本のタイトル・作者日本の女性がグローバル社会で戦う方法【電子書籍】[ 谷本真由美 ]本の目次・あらすじ1 日本の「女子」特殊事情生きにくい日本のワタシ海外メディアは「日本は男尊女卑の国」と報じている「なんで日本人女性って、鳥みたいに声が高いの?」先進国における理想の女性は「ガールパワー」女性専用車両で女性を隔離する日本イギリスなら「レディースデー」は訴訟問題日本女性の同調圧力が凄まじい理由先輩面した人達の呪いが若い人を苦しめるコラム 世界の七不思議「日本女性の鳥声」2 女性を活用しないと日本は没落する外資系企業に日本人女性が多いワケ日本の管理職は「マネージメント」を理解していない女性取締役が一人でもいれば、倒産の可能性が20%下がる女性を活用する企業は「多様性予測定理」を実践している部下のワークライフバランスこそ管理職の腕の見せ所出産退職させるよりサポートする方が低コスト高学歴女性が労働市場で活かされていない政府の施策は大間違い!保育サービスを増やせ少子化のそもそもの原因は「日本の働き方」働き方が変われば「イクメン」がいかにバカげた言葉かわかるコラム 日本政府は本当に出生率を上げたいのか?3 こんなに言っても専業主婦になりたい人へ確かなものは自分だけ。リスクヘッジを怠るな子育てが一段落、いざ働こうとしても仕事はないスキルがないと海外の人材に負けてしまう年齢、経歴、失敗を気にして挑戦しないのは人生の大損アナタが働くことが将来自分の子供を救う「ガンガン働いて管理職」だけが仕事ではないコラム「リケジョ」と騒ぐ日本の新聞4 どんなキャリアならハッピーになれるわけ?テンパリスト喪女に死を勝ち組は競歩、細く長くこっそり働く仕事は「銭をもらえるサークル活動」ぐらいのノリでいいちょっと休んでも、長~い勤労人生の中では大したことない人様に求められるから儲かるワンナップキノコをゲットしてもっと稼げ女性は特に師匠を探してコピーしまくれこれから可能性のあるジャンルコラム 国によって違う「過酷な職業」5 日本の女はどうやって生きていくべきか提案1 海外へ逃亡せよ提案2 外資系企業へ転職せよ提案3 結果を出しまくって黙らせろ提案4 女が有利な職場へ転職せよ提案5 稼げるスキルを身につけなさい提案6 起業せよ提案7 自分のために生きよ提案8 「女子力」を葬り去って自由になれ、必要なのは「ガールズパワー」引用仕事なんかみんな嫌いなんです。だから人生とか自分の人格を懸けちゃいけませんね。銭をもらえるサークル活動ぐらいのノリでやっておかないと、人格崩壊して死にますから。感想2021年読書:188冊目おすすめ度:★★ちょっと古い(2014年)ので、色々状況が変わっていることもあるなあ、と思う。あと著者の口が悪い(笑)。それが持ち味で、イヤな感じではないんだけど、わりと下品(貶してるわけじゃない)。「海外から見たらこーなのよ、日本オワコン」的な感じ。途中の各種記事引用は、英文も掲載されているんですが、英文載せる必要ある…?と思った。(参考文献、引用元として文末に掲載すればいいんじゃない?誤訳ではないと証拠を示すために掲載しているんだろうけど)私はこの日本社会しか知らなくて、そこで働いていて、「なんだかなあ、もう」と思っている。女性活躍推進、女性管理職登用。けれど、体制側は何も変わらない。これまでと同じ仕組みの中に、女を置いただけ。だから、分かる。上にあがりたがらない人の気持ちが。私はずっと、「なぜ上にあがりたいと思わないのだろう」と思っていた。同期の女性ほとんどが、「ずっと平でいいよね」「その方が楽だもん」と笑い合うたびに。自分を試してみたいと思わないのだろうか。あの時挑戦しておけばよかったと、後で悔やむことはないのだろうか。自分より能力が高いと思えない人たちが、男だからと昇進していくことを、「おかしい」と思わないんだろうか。自分が上にあがって感じる。彼女たちは、ある意味では賢いのだと。上にあがるなんて、ノマちゃん馬鹿だね。同期の言葉に、私は言い返せない。得るものが、少ないから。ここから先に、見えるものがないから。自分のマネジメント能力の未熟さや、コミュニケーション能力の欠如、仕事に対する知識量の不足。係長になってから、「できないこと」に気付くばかり。なってよかった、と思う。天狗の鼻はボキボキに折られる。これはきっと、この立場にならないと見えないものだった。知らないままだった。でも、私はこれを、ずっと続けるんだろうか?「ノマちゃんなら、すぐに課長になれるよ」「課長補佐までは上がってみたら?」でも、それは、何のため?平社員のまま、上にあがらないことを選択した男性社員もいる。家族の病気、親の介護、趣味。優先したいものがあったから、昇格していく道を選ばなかった人たち。どこかでその人たちを、馬鹿にしていた自分がいた。でも、違う。彼らは、自分が大切にするものをちゃんと分かっていた。「男だからこれくらい」というポジションに囚われていなかった。私も「女だからこれくらいでいいや」と思っている。降格したい、と気軽に口に出来るのは、私が女だからかもしれない。重圧から解放されて、ゲームから降りたい。あとはゲームを楽しめる男性でどうぞ。でもそれ、ゲームに参加せざるを得ない男性に、役割を押し付けているともいえるよね?性別の役割と、私がどう生きていきたいか。さてどうしようか、と思いながら。これまでのレビュー日本人が知らない世界標準の働き方 [ 谷本真由美 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.11
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本のタイトル・作者零の晩夏 [ 岩井 俊二 ]本の目次・あらすじ広告代理店に勤める私・八千草花音は、ある日後輩から一枚の写真を受け取る。この人、先輩に似てません?窓辺に佇む一人の高校生。写真と見紛う精緻な油絵。「零」という画家の「晩夏」という作品だった。その後、上司との不倫を疑われ会社を去った花音は、つてを頼り、季刊誌『絵と詩と歌』のトライアウト(研修生)となる。任されたのは、顔も履歴も公表していない謎の画家・ナユタの特集記事。その画家に描かれたモデルは、皆死に至るという死神伝説を持つ。高校時代の後輩、加瀬と再会し、ナユタを巡る人々を取材する花音。過去を辿るほど分からなくなる。ナユタは、いったい何者なのか。その絵に隠された謎は、解き明かされることを待っている。終わるために、始めるために――――救いを求めるように。引用なかなか理解に苦しむ世界観ではあったが、羨ましいと感じたのは事実だ。夕焼けを見て泣けるような感受性が手に入るなら私も是非欲しいものだと思った。感想2021年読書:187冊目おすすめ度:★★★★ああ、面白かった!「スワロウテイル」「リリィ・シュシュのすべて」「花とアリス」などの映画監督であり、小説家でもある岩井俊二さん。(NHKの東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」の作詞も手掛けている)映画監督の人が書く小説って、説明的で台本っぽかったり、ぎこちなかったりするのだけど、この人の小説はもう、それだけですごく素晴らしいんですよ。シンプルで、最近の小説にありがちな「ここで良いことを言ってやろう」みたいな気負いもなくて、そういう意味では見る人に解釈を委ねる映画的な映像を文字で書く。『ウォーレスの人魚』もすごく良いので、ぜひ読んでほしい。今回は謎の絵画、謎の画家をめぐる物語。ミステリのようであり、恋愛小説のようであり。加瀬くんが出てきた当たりで「ああ、こいつだな」ともう見当がついていて、コロボックルの話も「あー」と思い至っていたので、驚きは少なかったのだけど、すべてが明かされた後ではじめから読み返すと「そうか、だからここでこの人はこういう行動を・言動をとっていたのか」と分かって二度おいしい。続きが読みたくてどんどん読んでしまった。ああ、もっと岩井さんの小説読みたいな。『番犬は庭を守る』『リップヴァンウィンクルの花嫁』『ヴァンパイア』も未読だ。まず映画が好きで、その作品のノベライズだと思って読んだらご本人の小説が映画と同じくらい素晴らしくてびっくりしたのを覚えてる。同じ世界観で、同じ目で、違う方法で物語を描いている。言葉で、映像で。私の中で、岩井さんの世界はこの『零の晩夏』の表紙のブルー。淡くて、くすんでいて、透明で、灰色がかっていて。フィルター越しの世界。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.10
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本のタイトル・作者スタンフォード式 世界一やさしいパラレルキャリアの育て方 [ 江端 浩人 ]本の目次・あらすじ第1章 「やりたいこと」&「ニーズがある仕事」を見つける多様なスキルを身につけるには?3カ月ごとの趣味を持て本質にたどりつくには?質問を5回繰り返せ「できないこと」はどうする?「やらないこと」をポリシーにしろ自分に合う複業はどう見つける?「1日48分」は新しいことに挑戦しろ知識を効率よく身につけるには?「教える」から逆算して、やりたいことを見つけろ知識の幅を広げるには?とにかく相談に乗れ、そして相談しろ自分を差別化するには?時代の「すごく先」ではなく「少し先」を読め時代の少し先を読むには?クイズ番組の答えを予想しろやりたいことが見つからない場合は?自分のやりたいことは「未来」から見つけろいつ始めるのがベスト?「今がタイミングか」判断する力を養えどんな複業が有望かわからないときは?複業候補のベストテンをつくれ世相をつかむには?テレビは番組を飛ばしてCMを見よ自分の強みはどう作る?スキルの掛け合わせで「振り幅」をつくれ特別対談 秋元里奈氏 やりたいことは「誰かに話す」と見つかる!?若手経営者が教える「自分の強み」の探し方第2章 未経験でも安心!一歩目の踏み出し方失敗が怖いときはどうする?「Contingency Plan」をつくれ最初の一歩を踏み出すには?「心配性」の人こそ成功確率は高い失敗への対処法は?トラウマを忘却しろどの分野で勝負する?あえて不得意な分野にも行け迷ったときはどうする?一度は騙されたつもりでやれ行動を起こせないときは?やる気がなくても「やる」と言え目標を達成するには?デッドラインを決めて逆算しろなかなか進まないときは?退路を断って取り組め成功法則を学ぶには?一流のやり方を分析白スキルアップするには?資格でなく事例をつくれ複業の最初の一歩は?まずは個人事業主の登録をしろ開業届の次にすべきことは?個人事業の銀行口座をつくれメールアドレスはどうする?自分のドメインを取れサイトをつくる際に必要なことは?ミッションとビジョンをつくれ目標はどうつくる?プレスリリースをつくって可視化せよ仕事はどう探す?有名なマッチングサイトに登録しろ効果的なアピール表現に迷ったときは?「Google Trends」で比較せよ特別対談 松田海氏 未経験でも「手をあげる」ことが大切。複業宣言をすれば、予想外のニーズが見えてくる。第3章 パラレルワークの成果を最大化!超効率タイムマネジメント複業はいつやればいい?いつでも、どこでも、やれいつやるのがベスト?脳のゴールデンタイムには一気にやれ効率的に問題を解決するには?シーンに合わせた「ながら」をせよ時間ロスをなくすには?同じデジタル環境を2つ以上用意せよマルチタスクを習得するには?予定を詰め込め時間を効率的に使うには?飯は1人でSNSをしながら食べろ時間を増やすには?ロジスティクスに使う時間を買え結果を出すには?始発と終点にこだわれ特別対談 案野裕行氏 仕組みさえ整えれば、組織に属さなくとも、一人でも楽しく稼げる。第4章 信頼できる仲間を見つけ、ビジネスの規模を拡大する仲間はどうつくる?コミュニティに参加しろキーマンと知り合うには?キーマンのアシスタントを仲間にせよ仕事の分担をどうする?人を信用して任せてしまえフラットな関係をつくるには?プライドを持ち、威厳は持つな嫌いな相手とどう付き合う?怒るな、可哀想と思え多くの人に覚えてもらうには?自分をクイズにして印象づけろ交渉の前にすべきことは?相手の反応は予測しろ差別化するには?人とは違う「マイ・オンリーワン」を探せ交渉力上手になるには?ディベートをしろ上手なプレゼンは?結論を先に出せ効率的に規模拡大するには?いつもやることは自動化しろ本業の資産を生かすには?名刺をまとめろツールはどう使い分ける?メインのコミュニケーションツールを決めろ特別対談 落合絵美氏 独立を目指すならプロボノから始めて「経験と人脈」を手に入れる方法も。第5章 脳も体も進化する!パラレルワークに必須の習慣づくり脳を活性化するには?無意識の脳を活用して、結論を出せ秒速で結論を導き出すには?妄想のストックをつくれ判断力をつけるには?「視点×思考パターン」で解決策を探せ関連づける力をつけるには?ダジャレをつくれ記憶力は訓練できる?記憶するな、タグ付けしろ記憶力が弱いと感じたら?短期記憶はSNSに残せ推測する力を鍛えるには?スマホの画面はなるべく整理するなわからないことがあったら?「すぐググれ」の重要性を理解しろ情報処理を素早くするには?動体視力を上げろ仮説構築能力を養うには?推理小説の古典を読め睡眠時間は何時間が正解?「時間」より「質」にこだわれ眠れないときはどうする?熟睡したければ温度差を利用しろ熟睡するには?枕元にパソコンをスタンバイせよ素早く疲れを取るには?足裏マッサージで脳を活性化せよ集中したいときは?クラシック音楽と「マスキング効果」を利用せよ問題解決能力を高めるには?とにかく自分事化しろ自己投資は必要?自分の再教育に投資しろToDoリストは必要?やることは書いては消せ特別対談 大橋桃太郎氏 複業は+αを求めつつ無理しないことが重要特別対談 フリーランス★ニンジャ氏 複業を探す裏ワザと案件ポートフォリオを駆使して仕事を絶やさない。引用私が「農業でやりたい」と思ったのも、たくさん課題があったのは事実ですが、厳密にいえば「私にしかできないこと」がどれくらいあるかわかっていませんでした。でも、「私にできることがある」という自分なりの納得感が大事だったんです。秋元里奈氏感想2021年読書:186冊目おすすめ度:★★複業(副業)禁止の会社に勤めているので、まず転職しないといけないんですけど。「パラレルキャリア」に興味がある。生活のすべてを、ひとつのものに掛けるのではなく、多数の点で自分を支えたい。それがお金になる/仕事になるものでなくても。書いてあることが散逸的で、自己啓発本のまとめのようでもあり、いまいちどこに主軸を置いているのかよく分からなかった。パラレルキャリアの本、なので、その作り方や始め方について書いてあるのだけど、それ以外についてのことも多い。「スタンフォード式」と「世界一やさしい」という看板は疑問。スタンフォード…関係あったんか…?(著者が通っていたのは事実なんだが)「英語で書いて日本語に訳すと結論を先に出す訓練ができる」というのは英語の勉強にも役立つ。○この本で初めて知ったことスラッシャー…肩書がスラッシュ(/)で複数併記する人FIRE…Final Independence(経済的自立)、Retire Early(早期退職)VUCA…Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(あいまいさ)サクセッションプラン…後継者の育成を目的として、経営者視点に立った横断的な育成。Free Video Lectures…世界中の大学の授業の動画が見られる以前、セミナーに参加した時。講師に「あなたのまとめる力、構成力、デザイン力は素晴らしい!イラストは商売に出来るレベル。美術系で勉強されたんですか?」と言われ、たいそう嬉しかったことを覚えている。ただのオタクスキル、こんなところで活かされるなんて。その時、思った。私が当たり前に出来ること、みんな出来ると思っていることって、意外とそうじゃないのかもしれない。何の本だったか、「自分が得意で、息をするように自然にできること」に注力すべきだ、と言っていた。『六人の嘘つきな大学生』でも、採用試験のいびつさについて描いていたけれど、会社は「置換可能な人材」を求めている。希望なんて考慮されない。何が得意か、得意でないかなんて。私は数字が苦手で、コツコツこなすより、何かをつくったり考えたりするほうが得意。けれど人事異動にそんなものは関係ない。年齢や性別、役職、年数。それだけでパズルのように当てはめられる。置かれた場所で咲きなさい。枯れても、知らない。自分のパラレルキャリアを考えた時、それでは不味いなと感じた。日本の会社はそういう人材育成(育成か?)をするけれど、私は「得意なこと」をちゃんと握りしめて、それを離さず育てておいた方が良い。会社のために生かすんじゃなく、自分のために。スラッシャーとして、何と書く?Twitterの紹介文には、娘5才&息子3才/年200冊読書/腐女子の字書きNHK講座で毎朝英語を学習中/ミニマリストプレイングマネジャー 1年目(フルタイム)と書いていて、私は何を売りにしていけるんだろう?と考える。『おばあちゃん、青い自転車で世界に出逢う』で、マルおばあちゃんが若い母親に言う。赤ん坊が興味を示したもの、好きになったものをメモしておいて、大きくなったら教えてあげて。それがその子が、まっさらな状態で熱中したものだから。私は子供の頃から絵を描いて、勝手に文字を覚えて本を読んだ。私は、文章を書くのが好き。得意、いつまでもやっていられる。英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、インドネシア語。いろんな言葉を学んだのも、「言葉」が好きだから。私の「売り」になるとしたら、これかなあ。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.09
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本のタイトル・作者木曜日にはココアを (宝島社文庫) [ 青山美智子 ]本の目次・あらすじ東京、川沿いの桜並木の陰に、マーブル・カフェがある。カフェの雇われ店長の「僕」は、木曜日にココアを飲みに来る「彼女」に恋をしている。熱心にエアメールを書き綴る彼女が、ある日涙を流していて―――。1 木曜日にはココアを(Brown/Tokyo)2 きまじめな卵焼き(Yellow/Tokyo)3 のびゆくわれら(Pink/Tokyo)4 聖者の直進(Blue/Tokyo)5 めぐりあい(Red/Sydney)6 半世紀ロマンス(Grey/Sydney)7 カウントダウン(Green/Sydney)8 ラルフさんの一番良き日(Orange/Sydney)9 帰ってきた魔女(Turquoise/Sydney)10 あなたに出会わなければ(Black/Sydney)11 トリコロールの約束(Purple/Sydney)12 恋文(White/Tokyo)引用私は思うんだけど、正しい謙虚さというのは正しい自信だし、本当のやさしさは本当のたくましさじゃないかしら。感想2021年読書:185冊目おすすめ度:★★★青山美智子さんのデビュー作。登場人物のリレー形式で続いていく物語。もとは、シドニーの情報誌『月刊ジャパラリア』の公式サイトで連載されていたもの。だから、分量的に余白たっぷりの文庫版で一編20ページ程度で、ひとつずつ読みやすい。ちょっとファンタジーっぽいものもあって、色が変わるように楽しめる。カフェでお茶しながら一篇、なんて素敵。なんでオーストラリア?と思ったら、著者は2年間シドニーの日経新聞社で記者をしていたんですね。この方は、一貫してこういうものを書く人なんだな、というのがよく分かった。書きたいものが、「こういうもの」っていうのがあるんだろうな。人が救われ、立ち直り、治っていく。涙の味のあとの、わたあめみたいにやさしい物語。私は「ラルフさんの一番良き日」の設定が好き。こういう短編の海外映画(単館系)みたいなの、好み。何色が好き?って訊かれるんですよね。で、ラルフさんはオレンジって答える。私なら何色って答えるかなあ、と考えた。子供の頃から、「好きな色は?」と訊かれたらずっと「青」と答えていた(一時期、私の部屋は何から何まで真っ青だったのだ)けれど、最近は黄色に惹かれる。ぱきっとした黄色。それで太陽と星と月を描く。色鉛筆は黄色ばかりがなくなっていく。何故なのか、分からない。以前、「プレゼントするから、何色が好き?」と訊かれたとき、何と答えていいものか分からず、「オレンジや紫、緑は好きじゃない」と答えた。それで、「ああ、混ざり合っているから?あなたは中途半端なのが嫌いなんだね」と苦笑され、自分でも意識していなかったので「そうか」と思った。黒と白、青。黄色。好きな色は、原色だった。でも、赤も好きではないのだけど。それは私には、キツすぎる。この本にはたくさんの色が登場する。ココアの茶色、卵焼きの黄色、マニキュアのピンク、ブルーのショーツ、赤い糸、ロマンスグレーの髪、緑色の絵、オレンジのお店、ターコイズのお守り、黒い目、紫のジャカランダ、雪の白。私が今は楽しめない色を、きっといつか楽しめるようになるのだろうな、と思う。だとしたら年を重ねるのも悪くはないだろうな。そうして12色の色鉛筆が揃うように、いろんな色を手に入れて、いろんな絵が描けるようになったらいいな。これまでのレビューお探し物は図書室まで [ 青山美智子 ]ただいま神様当番 [ 青山美智子 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.08
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本のタイトル・作者狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割 (単行本) [ みくろママ ]本の目次・あらすじ1章 今すぐ役立つ「空間の活用法」「狭い家でも、子どもがいてもゆとり」は、「仕組み」が9割!2章 心のゆとりを生み出す「時産家事」「思い込み」を手放して家事の手間を劇的にカット!3章 「持ちすぎない」から片づけがラク!モノを絞り込んでスッキリ暮らす!「捨て方&収納ルール」4章 子どもの能力を伸ばす!ママにゆとり、子どもに自信!「お片づけ&お手伝い共育」5章 「おうちのポスト」で提出物出し忘れ防止家族6人分の書類だって問題なし!「みくろママ流書類管理」感想2021年読書:184冊目おすすめ度:★★★6人家族で、3DKの賃貸55平米。す、すごすぎる…。はじめ、「みろくママ」だと思っていて、「さぞ菩薩のような御仁であるのだろう」と思っていたら弥勒じゃなくてミクロだった(身長146センチから付けたそう)。家の片付けだけじゃなく、家事や子どものお手伝いについても。しっかし、何が凄いって、家族構成が・夫婦・長男 高校2年生・長女 高校1年生・次男 中学2年生・三男 小学2年生と、ティーンエイジャー真っ盛り、思春期の子どもが4人もいてですよ!しかも性別が違う子もいてですよ!・ダイニングキッチン・リビング・ファミリークローゼット兼洋室・和室で暮らしている…!「ミニマリストじゃない」「モノ多いです」って書いてるんですが、いやいやいやいや!少ないですよ。どんなに綺麗に収めようと、収納場所を工夫しようと、ひとりひとりのモノが少なくないと、収まらないよ。あと子どもたちがすごく親のポリシーを理解しているんだろうな…?じゃないと出来ない。小さい家や狭い家で少ないものでコンパクトに暮らしている人を見るのが好物なので、「はへー!」と興奮しながら読みました。そこにはどんな工夫と知恵が詰まっているのかと。著者はもともと家族3人で80平米の家に住んでいたけれど、過去13回に及ぶ引っ越しでコンパクトな家を選択したそう。いいですね、「あえて選んだ狭い家」。「家全体がフリースペース」という考え方、すてき。学習スペースも、いろんなところに設けてあって、来年娘が小学生になる我が家も参考にさせてもらいたい。私はいつもキッチンの片隅に置いた机(夫の両親が新婚時代に使っていたもの)でパソコンしたり勉強したりしている。道具は都度、私スペース(押入)から持参。夕食時は配膳台になるし、買ってきた物のちょい置きスペースにもなっている。多目的に使いたいよね。子どもにもコワーキングスペース的なリビングの使い方を提案したい。フリーアドレス制オフィス。ただ、自分が子どもの頃を思い返すと、1人部屋欲しかったよなあ…。何なら今も欲しいもんな…。好きなだけBLアニメをにやけながら見たいよ…。押入も美しいし、ファミリークローゼットも綺麗。やはり白で揃えるの大事だなあ。視覚の圧迫感がないし、反射で広く明るく見える。きっちりモノが収まっているのにギチギチじゃなくて、ゆとりがある。箱の内側に「(戻してくれて)ありがとう」と貼ってあるの、ほっこりする。いろんな家を見ていて思うんだ。モノを減らせ、話はそれからだ。収納が必要かな?新しい家具・収納用品を買おうかな?と思うときに立ち止まる。まずは、減らす。そうすると、収まる。あれ?じゃあ、必要ない。あるものでまかなえる。今あるもので、十分だった。環境が変わるとき、状況が変わるとき、ともすれば一気に買い揃えがち。私でいうと、次は子どもの就学。様子を見ながら、とりあえず工夫してみて、それから「増やす」か考えて。その前に「減らす」ことで、解決できることって結構あることを、覚えておこう。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.07
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本のタイトル・作者六人の嘘つきな大学生 [ 浅倉 秋成 ]本の目次・あらすじ5000人の応募から、IT企業スピラリンクスの最終選考に残った6人の大学生。全員に内定を出す可能性もあるという、1か月後のグループディスカッションに向け、6人は親交を深めていく。ーーーこのチーム全員で同期になろう。しかし当日、2時間半のディスカッションの場に用意されていたのは、人数分の封筒。ひとつ封筒が開くたび、明らかになっていくそれぞれの「悪事」。封筒は、誰が用意したものなのか。犯人は、誰なのか。人は、人を見抜くことが出来るのか。引用だからね、やるしかないんですよ。この馬鹿馬鹿しい、毎年恒例の、頭の悪いイベントをね。『将来的に何をやらせるのかは決まっていないけど、向こう数十年にわたって活躍してくれそうな、なんとなく、いい人っぽい雰囲気の人を選ぶ』日本国民全員で作り上げた、全員が被害者で、全員が加害者になる馬鹿げた儀式です。完璧なんて目指せるわけがないです。感想2021年読書:183冊目おすすめ度:★★★★面白かったー!Twitterの読書アカウントの人々が続々読んでいて、口々に面白かったと言っていたので読んでみた。正解…。続きが気になって一気に読んじゃった。2019年。就活から8年後。ひとりの死という「結論」が分かっているはじまり。そこから当時、2011年の回想。2019年のインタビュー。2011年の封筒の中身。そして「犯人」による、謎解き。構成も良かったし、内容も良かった。犯人だと思った人が犯人じゃなかったり、犯人がそもそも犯人なのか?という話や、「うわこいつ最低やな」と思った人が、最後になってみれば、「はじめから読み返したらこの人こういう人だったのか、ずっと」と思ったり。空白だった封筒に、何が入っていたのか。その繋がりには、最後まで気付かなかった。これを読んで、就活生だったころのことを思い出す―――。恥辱の限り。東京への夜行バスに乗り、ヒールで足を痛めながら、慣れない場所を歩き回る。ぺらぺらと嘘を吐き、話を盛り、さも自分が有能な人物であるように売り込んだ。過大広告も甚だしい。弱みを聞かれたら、とりようによって強みに見えるように答えましょう。何の話をしたのだっけ?よくもまあ、私を採用したものだな。と、何とかもぐりこんだ今の会社で思う。今年昇格して、私にも採用側のお鉢が回ってくるようになった。この人たちはこれで、人生が決まるのだ。私の印象で。たった数十分の受け答えで。初めに抱いた責任感は、人数をこなすうちに霧散する。新卒の、判で押したように繰り返される同じ回答を、ニコニコ笑ってうんざりしながら聴く。途中採用の、自分より年齢も経験もはるかに上の人へ、何様のつもりだと自分に突っ込みを入れながら質問する。どうだろう。短い時間でも、その人となりの性格の欠片は垣間見える。それがすべてではないにしろ。そんなふうに感じた。たぶん、完璧に演じ切ることは出来ないのだ。素の自分の上にコーティングしたものから、地が見える。そこを目を眇めて見る。多分に個人の嗜好が反映される基準に照らし合わせて。月の話が出てくる。月が表しか見えていない、裏側は見えない。けれど、月はきれいだ。裏側を知った後でも。誰かのことを「こうだ」と思うとき。自分のことを「こうだ」と思うとき。月の裏側のことを思い出そう。きれいだ、と無邪気に言える時期を過ぎても。ただそのことを知っているだけでいい。またいつか、きれいだと思えるかもしれない。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.06
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本のタイトル・作者麦本三歩の好きなもの [ 住野よる ]本の目次・あらすじ大学の図書館に勤める二十代女子・麦本三歩。ぼうっとしていて、食べ過ぎで、おっちょこちょいで、間抜け。周囲の人はそう言うけれど、三歩は気に―――ちょっとはするけれど―――しない。麦本三歩は歩くのが好き麦本三歩は図書館が好き麦本三歩はワンポイントが好き麦本三歩は年上が好き麦本三歩はライムが好き麦本三歩は生クリームが好き麦本三歩は君が好き麦本三歩はブルボンが好き麦本三歩は魔女宅が好き麦本三歩はファンサービスが好き麦本三歩はモントレーが好き麦本三歩は今日が好き引用ようは気楽な無意味さも大切なのだと三歩は思う。無意味と大切じゃないは一緒じゃない。そして、無意味は意味の引き立て役でもない。無意味な日常があるから、意味ある日が大切に思える、とかじゃない。無意味な日々も、意味ある瞬間もどっちも大切で、それが一番いいということなんだとのんきに思う。感想2021年読書:182冊目おすすめ度:★★★しんどい話も頭使う話も読みたくない。頭ぱかーんとして、ゆるーい、ゆるゆるゆるーっとした話が読みたい。痛くなくて、辛くなくて、読み終わった後にちょっぴり今の日常を慈しめるような。そんな本をお求めの方に。メンタル弱った時におすすめ。はじめ、表紙から、最近のタレントさんかモデルかアイドルが日常を綴ったエッセイだと勘違いしていた(このパターン多い。表紙で本の内容を推測しすぎ)。Twitter読書アカウントの方々がおススメされていたので読んでいた。良かったです。読書アカウントの人すごいな。おススメにハズレがない。どっから見つけてくるの。漫画『凪のお暇』とか好きな人は好きと思う感じ。住野よるさん、『君の膵臓をたべたい』の人ですね。正直好みでなかったので、それっきり敬遠していた。いや、こういうのも書かはるんや。私は絶対こっちのほうがいい。好み。私はこの中では、「麦本三歩はモントレーが好き」が好き。三歩だから許されてきたこと、あるでしょ?それを享受してきたことに、イラつく。先輩のこの気持ち、分かる…!でも、その反対もあるのだろうな。三歩が先輩に反論したみたいに。私だから許されてきたこと、が。図書館が出てくるお話、良い。すき。三歩のシリーズ、2巻まで出ているみたい。続き読みたい。楽しみ。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.05
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本のタイトル・作者ドラゴン桜 超バカ読書 思考力↑表現力↑読解力↑の東大式99冊! [ 桜木建二 ]本の目次・あらすじ〈学ぶ目的を考える〉ための3冊『動的平衡』福岡伸一『君たちはどう生きるか』吉野源三郎『論語』孔子〈学ぶ方法を学ぶ〉ための3冊『勉強の哲学』千葉雅也『二つの文化と科学革命』C・P・スノー『方法序説』デカルト〈言葉を武器にする〉ための3冊『具体と抽象』細谷 功『日本文化私観』坂口安吾『弁論術』アリストテレス〈メンタルコントロール〉のための3冊『手の倫理』伊藤亜紗『笑い』ベルクソン『風土』和辻哲郎〈記憶力を高める〉ための3冊『クオリアと人工意識』茂木健一郎『徴候・記憶・外傷』中井久夫『失われた時を求めて』プルースト〈エディターシップを身につける〉ための3冊『才能をひらく編集工学』安藤昭子『エディターシップ』外山滋比古『ホモ・ルーデンス』ホイジンガ〈歴史をマスターする〉ための3冊『歴史の終わり』フランシス・フクヤマ『歴史とは何か』E・H・カー『ニュー・アトランティス』ベーコン〈読解力を強化する〉ための3冊『論理トレーニング101題』野矢茂樹『調べてみよう、書いてみよう』最相葉月『レトリック感覚』佐藤信夫〈要約力を強化する〉ための3冊『ブルーピリオド』山口つばさ『小僧の神様』志賀直哉『枕草子』清少納言〈集中力アップ〉のための3冊『あなたの脳のしつけ方』中野信子『皇帝の新しい心』ロジャー・ペンローズ『生命とは何か』シュレーディンガー〈「暗黙知」を獲得する〉ための3冊『問いのデザイン』安斎勇樹&塩瀬隆之『暗黙知の次元』マイケル・ポランニー『オリエンタリズム』エドワード・W・サイードー〈日本文化の特質を知る〉ための3冊『日本文学史序説』加藤周一『私の個人主義』夏目漱石『うひ山ぶみ』本居宣長〈リーガルマインドを身につける〉ための3冊『法学を学ぶのはなぜ?』森田 果『人権宣言集』高木八尺&末延三次&宮沢俊義 (編)『法の精神』モンテスキュー引用だからオレは、何度だって強調してやる。学べ!学べ!学べ!それが人生を拓く唯一の方法だ。つまり、学ぶことでバカな自分を脱して超えていき、次のステージへ進めということ。(略)本を読むこと。ただそれだけでいい。感想2021年読書:181冊目おすすめ度:★★★10年前。偏差値30の龍山高校の再建を任され、東大合格者を出した弁護士・桜木建二。しかし、中堅高校となった龍山高校は、東大合格者ゼロに。そこで、桜木は東大専門コースを新設。早瀬奈緒と天野晃一郎の2名を合格させるため、新たなツールを駆使し、合格を目指す!…というわけで、マンガのストーリーを追いながら、本を紹介する内容。本の内容紹介がダイジェストでされていて、これを読むだけでも楽しめる。福岡伸一『動的平衡』の、「生命はエントロピー増大の法則に抗うため、先回りして自らを壊し、再構築し、動的平衡を生み出す」という内容、けっこう衝撃だった。ドラゴン桜、昔のドラマしか知らない(し、ちゃんと見たことがない)のだけど、今のも面白そう。マンガ読みたい。スタディサプリ推し。「頑張る」という言葉はやめて、目的と手段を明確にする…というアドバイス良かった。紹介されている本は古典が多く、高校生が実際に読むか?というと疑問。読書の習慣がある人でないと(人であっても)読みやすくはないラインナップ。読もうと思うと、かなり時間もかかりそう。でも、高校生くらいがちょうどいいんですよね、背伸びして古典を読む時期だから。受験生になると時間がなくなってしまうから、1・2年生くらいの時に読んでほしい。私が『太陽がいっぱい』『異邦人』『アンネの日記』『燃えよ剣』といった本を読んでいったのは、高校生の頃。カッコつけて読んでいたなあ、と今なら思う。毎日3冊学校に本を持って行き、帰る頃には読み終えていた(ので、授業はまったく聞いていなかった)。けれど今、その基礎体力が生きてるなと思う。もっと体力つけないとな、とも。社会人になると、古典を読むのがしんどくなる。もっとこう、すーっと読めるものを心身が欲する。かみ砕いてのみ込むのが辛くなる。若くて体力がある時に、うんと古典を読んだ方がいいんだろう。意味も分からなくても。世の中には素晴らしい本がたくさんあり、私はその多くを読んだことがない。そして読まずに死んでいく。でも本はそこにある。残る。誰かが手に取れるように。必要とした時のために。そのことに救われる。なぜいつも本を読んでいるの?と訊かれる。私はどう答えていいものか迷う。そんなに本を読んで偉いね。子供の頃から何度も言われた。私はきょとんと首を傾げる。私にとって読書は、生きていくために必要なことだ。食事をしなければ肉体を維持できないように。本を読まなければ、言葉を食べなければ、私の精神は壊死してしまう。先の福岡伸一『動的平衡』にあった細胞の話と同じだ。「先回りして自らを壊し、再構築し、動的平衡を生み出す」そのために私は本を読む。これまでのレビュー2019.10.28 樺沢紫苑『読んだら忘れない読書術 』2019.11.14 齋藤 孝『本は読んだらすぐアウトプットする! 』2020.02.29 学び効率が最大化するインプット大全 [ 樺沢紫苑 ] ↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.04
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本のタイトル・作者ねこマンガ 在宅医たんぽぽ先生物語 さいごはおうちで [ 永井康徳 ]本の目次・あらすじプロローグーあこがれの「ゆうの森」見学第1話 じゃがいものきんぴら第2話 102歳の大往生第3話 余命1週間からの復活家でおだやかに過ごす 在宅医療とはどんなもの?第4話 最期の入浴第5話 いつか私も。人生会議をしよう第6話 枯れるように逝きたい第7話 クリスマスピーチをママへ第8話 92歳のバースデーケーキみんなが納得&安心できる よりよい在宅医療を受けるためにエピローグ たんぽぽ先生とおばあちゃん感想2021年読書:180冊目おすすめ度:★★★★佐々涼子『エンド・オブ・ライフ』を読んで、在宅診療についてもっと知りたいと思ったので読んでみた。コミックエッセイ風。登場人物がネコで、可愛くて読みやすかった。愛媛県松山市にある、在宅医療専門クリニック「ゆうの森」(医療法人 ゆうの森 たんぽぽクリニック)。まず、これだけの人が携わっているのだと驚く。医師、看護師だけではない。ケアマネージャー、ソーシャルワーカー、管理栄養士、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士、調理師、医療事務…。そしてその人たちが真摯に「人の終わり方」に向き合っている。本の中で、繰り返し点滴について出てきて、初めて「点滴をしない」という選択肢があることを知った。人は老衰で、病で、天寿を全うするため、身体を空っぽにしようとする。そこに無理に点滴で栄養と水分を入れると、身体は苦しむ。点滴をしないことで、口から食事をすることも出来たーーー。自分が、親が、伴侶が、死んでいくとき。何を選んで、どうしたいか、どうしてほしいか。よくよく考えておかないと、辛い選択をしたり、させたり、するだろう。呼吸器をつけなくてもいい、というのもハッとした。母の死に目にあえないかもしれないから、最後に呼吸器をつけてほしいと希望した娘。でも、亡くなる瞬間を見るために、苦しい思いをさせる必要はない。楽に、その人のタイミングで、逝けること。漫画『コインロッカーのネジ。』で、祖母の呼吸器を外した孫が出てくる。「本人が『苦しいからもう外してくれ』というまで分からないなんて、バカだ」というようなことを言っていた。そのことを思い出した。生きていてほしいと願うこと。けれどそれは、エゴなんだろうか。愛情が、その人を苦しめて、無理やりにこの世につなぎとめようとする。最近、漫画『ミステリという勿れ』を読んで、そこで「死の瞬間を見せないという思いやり」(だったかな?)と主人公が言っていた。死の瞬間を見られないよう、獣は去る。人も、それと同じことが言えるかもしれない。これまでのレビュー2020.08.11 ライオンのおやつ [ 小川糸 ]2021.07.22 エンド・オブ・ライフ [ 佐々涼子 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.03
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本のタイトル・作者あなたの24時間はどこへ消えるのか [ スワン ]本の目次・あらすじ第1章 さよならタイムセール 「知る」編無意識の仕事中毒みんな使えない仕事術時間を安売りする「自分」セルフノートを作ろうブレインダンプ強い感情を吐き出す赤ペン先生になる事実と想像を分ける自分を縛っているルールを書き出す自分を褒めるコンプレックス100本ノック最も自分に厳しい人、ジブン第2章 時間泥棒はすぐそこに 「減らす」編わたしの時間はどこへ消えた?消える時間の不思議恐ろしいスクリーンタイム情報のフルコース1日をレコーディングするアプリを消す取り戻せるチャレンジ通知を減らすそれでも見たいものメールを減らす返信を減らすニュースを減らすじゃあ、何しよう減らさないと、始まらない第3章 人生を進める1週間の使い方 「整える」編記憶喪失のプライベート人生を進めるタスク管理術1.すべてのタスクを同等に扱う人生のタスクを洗い出す2. タスクを親子で管理する親のないタスクは何が危ないのか3. タスクを1週間で管理する月曜を制する者は1週間を制す見積もりは余裕を持って4. 今日の作業時間を守るカレンダーを埋める重要性まずはあなたの「今日」を守ろうおすすめのツールタスクの偏りを振り返る自分を大切にする勇気あとがき働くのも自分、休むのも自分週末の楽しみは平日に、定年後の夢は今年に引用昨日見たニュースや記事、誰かの投稿内容をどれだけ思い出せるでしょうか。(略)ちょっと表現が乱暴かも知れませんが、これを食事にたとえるなら「毎食フルコースを食べて、その場で吐いている」と言ってもいいかもしれません。感想2021年読書:179冊目おすすめ度:★★★著者は1991年生まれの事業デザイナー、スタートアップデザイン顧問。サイバーエージェントやメルカリで働き、無理な生活で心身を壊す。そこから考え始めた、「働くこと」と「時間の使い方」。noteにも書いてらっしゃる。自分の時間の使い方を見直したい、という人には良い内容。いろんな本を読んで勉強して試したということがよく分かる。・自分の気持ちを書き出し、「想像(思い込み)」を赤、「事実」を青で色分けする・仕事とプライベートの一週間分のタスクを書き出す。ジャンルごとにストック(週のうちいつかやるもの)も書き出す。ここらへんは、マネしたい。「事実」と「感情」を分けるのって本当に大事。自分が被害者ぶってるとき、だいたい思い込みやから。で、その受け止め方は自分で「変えられるもの」なので。この仕分けが出来るようになるだけでも、かなり生きるのが楽になりました。タスクはやっぱり一週間単位で管理した方がいいんだよなあ。1日1ページの手帳を使っていると、どうしても近視眼的になってしまう。本書のイラストではA4の紙を横向きにしてずらーっと書き出してたけど、手帳に拘らずそれでいいのかも。(他の本で、A4の紙に予定もスケジュールも一週間分書き出して、スマホカバーに挟んでいるという人もいた)こういう本、私はもう読まなくてもいいのではないか?(書いてあることは同じなので)と思うのだけど、読む。定期的に読まないとすぐ、ダメになっちゃうから。水は低きに流れ、人は易きに流れる。本の中にデジタルデトックス、ネットに使う時間を減らそう、という話があった。スクリーンタイムを計るの、怖すぎてできない…。ただ、それが息抜きになっているのも事実。仕事と家事、育児。息つく暇のない日々。好きなアニメや漫画の話、本の話、英語学習の話を、誰とすればいいの?そんなとき、Twitterは私にサードプレイスを与えてくれる。なにごとも、「意識的に」やることが大事ですよね。(私はTwitterもpixivもやりすぎるので、30分ごとにタイマーかけてます)手帳術の本なんかで、「ダラダラする」と手帳に書こう、というようなのがある。「ダラダラしちゃった」と自己嫌悪にひたるのではなく、自分で「ダラダラする」と決める。それだけで自己肯定感爆上がり。それと同じで、「Twitterする」と決めて、やる。ただし、その時間しかやらない。これ大事。なかなかできないんだけども!工夫して、折り合いをつけて、自分となんとかやっていっている人を見るのが好きなので、やっぱりこういう本を読むの、やめられないなあ。すき。これまでのレビュー○デジタル断ち2020.06.22 デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する [ カル・ニューポート ]2020.09.13 ミニマリスト スマホの中を片付ける [ 飯島彩香 ]○時間術、仕事術2020.06.06 私が変わる、家族が変わる時間術 [ 鈴木尚子 ]2021.03.22 子育てがプラスを生む「逆転」仕事術 [ 小室淑恵 ]2021.04.07 要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑 [ F太 ]2021.08.12 やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ [ 尾石晴(ワーママはる)]○働き方2019.10.18 毎日を好きなことだけで埋めていく [ 本田晃一 ] 2020.06.29 仕事も人生も自分らしく イマドキ女性管理職の働き方 [ 麓幸子 ]2021.07.13 日本人が知らない世界標準の働き方 [ 谷本真由美 ]2021.03.24 これが私の生きる道! [ 世界文化社 ]2021.08.06 人生改造宣言 成功するためのセルフコーチングプログラム [ タレン・ミーダナー ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.02
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本のタイトル・作者毎日がもっと輝くみんなの文具術 [ 日本能率協会マネジメントセンター ]本の目次・あらすじはじめにSpecial Interviewお笑い芸人かが屋 賀屋壮也さんイラストレーター 兎村彩野さんモデル KanocoさんChapter1みんなのお道具の使い方Chapter2みんなの収納術大公開Chapter3文具愛が止まらない!ときめき文房具&活用術をご紹介教えて和気文具さん ノートが輝くワンアイデア使い方無限大 キングジムさんに聞くマステ活用術北星鉛筆の製造現場に潜入取材!MYお道具箱を作ってみよう!文房具屋さんがオススメする最新推し文具10選!かわいいレトロ文具を集めたい海外文具こんなところで!? ときめき文房具に出会えちゃう感想2021年読書:178冊目おすすめ度:★★★8月が来ると~思い出す~来年の手帳の季節だと~♪はい、というわけで手帳熱高めていこうぜ!と、文房具本やノート・手帳本を読む。私気付いたんですが、コンビニスイーツ買うよりこういう本読む方がストレス軽減される(ゼロカロリーだし)。すんごい癒されるねん…。インスタグラムで有名な人たちの使い方集め。インスタやってないので知らない人ばかり。好みだったのは、○chieさんブルーブラックでびっっっしり書き込まれた文字が呪いのノート(褒めてます)。ああこういう書き込みが過ぎるの大好きっ!○foodmotifloverさんお惣菜や弁当に貼られている食品シールのコレクション。こういうの好き。私も集めてます。○純さんシンプルでミニマムなバレットジャーナル。○Eizaさんスタンプ使いが素敵。あと今回新しいなと思ったのが、文具の収納術の特集。みんなIKEAのキッチンワゴン使ってますねえ。便利なんだな。手帳楽しいな。さて、来年の手帳どうしようか。A6(文庫本サイズ)の週間バーチカル(24時間軸)がいいなあ、と思っているけど、なかなか無い。A6だと24時間軸にすると枠が小さくなりすぎるんだな。24時間バーチカルだと最低でもB6。24時間軸を優先すると、A6は1日1ページのほうがいいかも。となると、エディットの1日1ページにする?でも、予定管理や時間の可視化は週間バーチカルがいいんだけど。エディットにもA6の週間バーチカルあるけど、時間が24時間じゃない。24時間軸じゃなくていいなら、A6でバーチカルのミドリのオジサン手帳なんかも範囲に入って来る…。いや、そもそもA6に拘っているのはほぼ日手帳の革カバーを使いたいからで、B6でカバー付きのものならそれでも良いのでは?(現在使っているバレットジャーナルもA6ではないのだし)というようなことをグルグル手帳会議しています。(結論出ない)手帳スタンプ 育児スタンプ 手帳 スタンプ ネコポス発送OK私がずっとお気に入りに登録したまんまのはんこ。バーチカルの24時間軸、これなら押すだけで簡単に作れる。A6のキャラクターマンスリー+無印良品の文庫本ノートでバレットジャーナルでもいいかなあ…とちょっと悩む。でも作るの大変なんっすよ…。紹介されていて気になったもの・プラスクリップ BOOKS 日本文学(トラベラーズファクトリー)芥川龍之介の『蜘蛛の糸』、梶井基次郎の『檸檬』、太宰治の『富嶽百景』をモチーフにした型抜き真鍮の本のしおり。・TF コーヒー缶 丸(トラベラーズファクトリー)色味が可愛い。北欧って感じ。アアルトだし。・#手帳はんこ部(KODOMO NO KAO)0402-013 の本のやついいなあ。04042-006 も、マンスリー作るなら、サイズ感あえば便利だね。これまでのレビュー2020.01.30 ほぼ日手帳公式ガイドブック2020 [ ほぼ日刊イトイ新聞 ]2020.03.05 文具LOVERが教える手書きを楽しむヒント200! カワイイ手帳の作り方 [ KADOKAWA ]2020.04.29 幸せも実現したいことも引き寄せる手帳術 [ 大山春樹 ]2020.06.01 文房具図鑑 [ 山本健太郎 ]2020.06.09 13歳からの手帳活用術 [ 小澤淳 ]2020.06.10 測量野帳スタイルブック2020.06.16 開くたびにワクワクする和気文具の手帳アイデア[ 今田里美 ]2020.12.04 毎日がもっと輝くみんなのノート術 [ 日本能率協会マネジメントセンター ]2020.12.18 書くだけで心、もの、お金が整う 私のノート、手帳術 [ 主婦の友社 ]2021.03.24 ほぼ日手帳公式ガイドブック2021 [ ほぼ日刊イトイ新聞 ]2021.04.12 ジブン手帳公式ガイドブック2021 [ 佐久間英彰 ]2021.08.11 わたしのノートの使い方 [ KADOKAWAライフスタイル統括部 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.09.01
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本のタイトル・作者絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている [ 左巻 健男 ]本の目次・あらすじすべての物質は何からできているのか?デモクリトスもアインシュタインも原子を見つめた万物をつくる元素と周期表火の発見とエネルギー革命世界でもっともおそろしい化学物質カレーライスから見る食物の歴史歴史を変えたビール、ワイン、蒸留酒土器から「セラミックス」へ都市の風景はガラスで一変する金属が生み出した鉄器文明金・銀への欲望が世界をグローバル化した美しく染めよ医学の革命と合成染料麻薬・覚醒剤・タバコ石油に浮かぶ文明夢の物質の暗転人類は火の薬を求める化学兵器と核兵器感想2021年読書:177冊目おすすめ度:★★★面白かった。人間の歴史って、化学の歴史なんだな…とあらためて感じる一冊。時系列順かと思ったら、テーマごとだった。化学的な陶器づくりをはじめたジョサイア・ウェッジウッド。その娘がスザンナ・ウェッジウッド・ダーウィン。その息子がチャールズ・ダーウィンだって知ってた?!(お金の心配がなかったから研究に没頭できたそう)知らないことだらけで、「化学」が苦手な文系人間(私はこの本を読んでいる間、小難しい込み入った化学の話になって来ると数回睡魔に襲われた)でも楽しめた。私は化学の名前が何から来ているかという言語学的なところに興味を抱いた。こんな化学の授業だったなら、もう少し勉強したかも…いや、本筋ではないから化学は関係ないか…。個人的には研究材料を何でも舐めちゃうカール・ヴィルヘルム・シェーレ(酸素を発見した人)が好きだな…。それで死んじゃってるけど。何が使えて、使えないのか。気の遠くなるような試行錯誤と取捨選択。ヒトが、ご先祖たちが積み上げて、繋いで、作り上げてきたもの。今当たり前に享受している生活が、果てしない犠牲と努力の上に成り立っていることに気付く。そして、身のまわりに普通にあるものが、ほんの百年やそこら前には、なかったことに驚く。私は、死ぬまでに何かを「発見」することはないだろうなあ。誰かのおかげで、より便利になる世界。そして、より残酷になる世界。その均衡をどう保てばいいんだろう。ひとりとして、化学とは関係のないところで(けれど強固に結びついて)、私は生きていく。正しいほうの天秤に、重りを載せられるよう祈りながら。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.08.31
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本のタイトル・作者みんな知ってる、みんな知らない [ チョン・ミジン ]”누구나 다 아는, 아무도 모르는”by 정미진 (2017)本の目次・あらすじ1995年、ひとりの少女が姿を消した。天真爛漫な一人娘、9歳のチョン・ヨヌ。誘拐犯は、韓国社会に少女が虐待されている音声と写真を送り続けた。49日後、彼女は解放され―――その間のすべての記憶を失っていた。全国民の耳目を集め、全ての人が記憶した事件。犯人は捕まらないまま、誹謗中傷にさらされた少女の一家はアメリカに移住する。そして20年後、両親を亡くした彼女は再び、韓国の地を踏んだ。足跡をたどる彼女。しかし誰も、20年前の事件のことなんて、覚えていなかった。○ヨヌの同級生、ユシンは、医師の夫と結婚し、双子の男の子に恵まれて幸せに暮らしていた。ある日、マンションのエレベーターに閉じ込められるまでは。そこで彼女は、子どもの姿を見る。カウンセリングで、忘れていた記憶が蘇る。9歳だった彼女に、何が起きたのか。みんな知ってる、みんな知らない。あなたは知ってる、私は知らない。私は知ってる。誰も、知らない。引用今の私は、人の反応など気にしない。相手が私のことをどう思おうが、どう記憶しようがかまわない。あるがままの私を見せるだけ。私はもっとたくさんの人と知り合い、より広い世界へ進み、よりよい人生を生きるつもりだ。感想2021年読書:176冊目おすすめ度:★★★朝日新聞書評で紹介されていた本。ところどころに挿絵が入って、なんだか少し絵本のような雰囲気もある、ひたすら暗くて悲しい、傷跡がじくじく痛むような話なのだけど、御伽話みたいだった。色彩の抑えられた、単純化されているけど写真みたいな絵。特に三日月と顔の絵、ぞくっとした。著者は、1983年生まれ。現在はチェコで執筆しているそう。男性だとばかり思って読み進めていたので、女性だと知って驚いた。(外国の作家の名前、それだけで性別が分からないので、先入観なくていいかも)内容はサイコミステリー。前半は誘拐されていた女の子、後半は誘拐犯と目された男の娘の話。前半で「なぜ友達のお父さんがヨヌを車に乗せ、山で降ろしたのか?」と疑問だったので、後半で謎が解けた。前半は『西洋骨董洋菓子店』のオーナー(橘)の話を思い出した。私は、後半の方が物語に深みがあって好き。しんと静まり返った貯水槽の底。ざわめきに包まれた森の中。ふたりが「閉じ込められていた」記憶。そして、それを忘れなくては生きていけなかった、子ども。辛い。韓国語の原題は「누구(誰も)」「아무(誰も)」と2つあって、これってどう違うんだろう、と調べたら、名前だけわからない(特定されている)時は「누구」、漠然とした不特定多数は「아무(誰も)」らしい。へえ。英題は "Everybody knows, Nobody knows" で、누구にEverybody、아무にNobodyをあてている。日本語はどちらも「みんな」と訳しているけど、確かに「みんな知ってる」のは特定されたみんな、で、「みんな知らない」のみんなは漠然とした全体としての集合体だなあ。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.08.30
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本のタイトル・作者小説 サイダーのように言葉が湧き上がる【電子書籍】[ イシグロ キョウヘイ ]本の目次・あらすじ音の出ていないヘッドホンをいつも身につける佐倉(チェリー)。赤面症の彼は、いつも歳時記を持ち歩き、俳句をしたためてはSNS「キュリオシティ」に投稿している。夏の間、腰を痛めた母の代打として、デイサービスでバイトしている。ある日、ショッピングモールでぶつかった矯正器具を付けた少女―――スマイル。ふたりのスマホが入れ替わったことから、ひと夏の交流が始まる。引用夕立のように言葉は降る混ざることのはも花火も使いきれぬほどサイダーのように言葉が湧き上がる感想2021年読書:175冊目おすすめ度:★★アニメーション映画の、監督によるノベライズ。だから、多分に台本ぽかった。夏らしい物語。寡黙な少年が俳句でだけ心情を吐露できる。この子、赤面症だけど、ほかに特に問題があるわけではない。スマイルも、すくすく真っ直ぐ育った少女。こんな近所で顔出しで動画配信していて大丈夫?と心配になる…。心を開く、ひと夏の恋。最後に米津さんの「花火」を流したい。デイサービスのおじいちゃん・フジヤマさんの「思い出のレコード探し」を軸に、物語は進む。ラストシーンは映画で見たいなあ。俳句が道路沿いの看板に1文字ずつ描かれているの、いいですね。言葉の逸る疾走感。ビーバーが、俳句はライムだ、と言っていて、そういう捉え方もあるのかと思った。いいですね、俳句。私は詩がすきだけど、俳句の定型にぎゅぎゅっと詰めた感じ、この本の中では「写真を撮る」と表現されていた感じも味わってみたい。歳時記は面倒な気もするんだけど…。「プレバト」の俳句回見るの大好き。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.08.29
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本のタイトル・作者おばあちゃん、青い自転車で世界に出逢う [ ガブリ・ ローデナス ]"La abuela que cruzó el mundo en una bicicleta"by Gabri Rodenas (2018)本の目次・あらすじ90歳のマルおばあちゃん。チリの孤児院に捨てられて、12歳で脱走。サンティアゴに辿り着いたところで、メキシコ・シティから来ていたウンベルト夫妻にメイドとして雇われ、メキシコへ。13歳で雇用主に妊娠させられ、逃亡。20歳でオアハカに腰を落ち着けた。息子のサンティアゴも13歳で家を飛び出し、その後の行方は知れない。今、マルおばあちゃんは近所の孤児院に得意のチリ風アルファホールを持って行く。ある日、孤児院の院長が息子の消息を聞いたと教えてくれる。閉鎖された孤児院に記録が残っていたのだ。エルメル―――サンティアゴの息子。マルおばあちゃんの孫。おばあちゃんは、ターコイズブルーの自転車で旅に出る。エルメルを探すために。引用魔法の杖かなにかみたいに、外部の力が知識や幸福を運んできてくれると期待しているのだ。でもじつは、知識や幸福はすでに自分の中にある。そのことを知らない人が多すぎるのだ。とはいえ、いいアイデアを考えたり、綿密に計画を立てたり、すばらしい目標をもったりするだけでは足りない。心の目を大きく見開き、一歩踏み出す必要がある。その一歩とは、「行動に移すこと」。どんなに望んでも、人にそれをやってもらうことはできない。最後に頼れるのは自分だけだ。感想2021年読書:174冊目おすすめ度:★★★★南米の小説が読みたくなって読んでみた。おばあちゃんは、自転車に乗って旅をする。道中様々な人に出会う。そのすべてが、孫に出会うための道しるべとなり、行く先を示す。自己啓発と神秘主義。出来過ぎの御伽話。「星の王子様」みたいな、次々と出会う旅の寓話。でも、勇気をもらえる。落ち込んでいる人、道に迷っている人がいたら、ぜひ読んでほしい。著者ははじめに、この本の対象を述べている。「胸に巣食う哀しみの原因をさがして、つい何度も後ろを振り返ってしまう人へ」まずその一文に引かれた。訳者あとがきによれば、オアハカからベラクルスは、450km。読み終わってからGoogleで場所を調べた。だいたい、東京~京都が470km前後。結構遠い…。おばあちゃんは1日30kmと決めていたけど、それでも15日はかかる。それがまた、あり得ないほど旅支度が軽装なのだ。ちょっとそこまで、というふうに。マルおばあちゃんは、現在という瞬間の中で生きる、という。これ、目が開かれた気がした。過去を悔やみ、未来に悩む。そんな日々を送っている。山積の課題が押し寄せる中で藻掻いている。でも、違うのかもしれない。私は今を生きることしか出来ない。今の中でしか。おばあちゃんは毎朝、「なにもしない」ことで、生まれたての赤ん坊のように世界を見る。そのうつくしさを味わい尽くす。ああ、これ、忘れたくないなあ。長ずるにつれ、見慣れたもの、既知のものが増えていく。否、「そうである」と決めつけてよく見ようともしない。世界は前と同じではないのに。幾千の夕暮れ、星の輝き。朝焼けの染める空。木々が風に揺れて光る。子どもが笑う。雨が地面を叩きつける。そのすべてを、初めて見るように見ることができたら。以前、『たんぽぽのお酒』を読んだときに思った。レイ・ブラッドベリは、この本を書いた人は、きっと毎朝、生まれたての赤ん坊のように世界を見ることができたのだろう。そうして世界を見ることは、どれほど美しく、どれほど辛いのだろうか。いつまでも世界に馴染まない者として、存在し続けることは。重要な意味をもつ「アルファホール」というお菓子?がずっと謎で、読了後に検索。私の脳内ではドイツのプレッツェルみたいな見た目だったんだけど、違った。チョコパイっぽい。旭化成のレシピ「アルファフォール」を見ると、ココナッツクッキーみたいなんだけど。間にドルセ・デ・レチェというミルクジャムを挟んである。美味しそう。自分で作るのは面倒だから作らないけど、食べてみたい…。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.08.28
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本のタイトル・作者コロナの時代の僕ら [ パオロ・ジョルダーノ ]"NEL CONTAGIO"by Paolo Giordano(2020)本の目次・あらすじ地に足を着けたままでおたくの午後感染症の数学アールノートこのまともじゃない非線形の世界で流行を止める最善を望む流行を本当に止める慎重さの数学手足口病隔離生活のジレンマ運命論への反論もう一度。運命論への反論誰もひとつの島ではない飛ぶカオス市場にてスーパーマーケットにて引っ越しあまりにたやすい予言パラドックス寄生細菌専門家外国のグローバル企業万里の長城パン神日々を数えるコロナウイルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと引用到来するのは闇夜のようでもあり、また忘却の始まりでもある。もしも、僕たちがあえて今から、元に戻ってほしくないことについて考えない限りは、そうなってしまうはずだ。まずはめいめいが自分のために、そしていつかは一緒に考えてみよう。感想2021年読書:173冊目おすすめ度:★★★2020年2月29日から3月4日までのエッセイと、3月20日付『コリエーレ』紙に掲載された「コロナウイルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと」。著者は1982年トリノ生まれ。『素数たちの孤独』は、イタリアで200万部を売り上げたそう(イタリアの人口6,000万人)。1年以上前。今から思うと遠い、あの時。それから世界がどう変わったのか(変わらなかったのか)を考える。医療従事者に拍手をしていたあの、当初の気持ちはどこへ行ってしまったのだろう?今こそ拍手が必要な時であるのに。どんな暴力も、理不尽も、非日常も、いつか日常になるのだと知った。毎日毎日、いちいち反応していたら精神がもたないからだろう。私たちはコロナウィルスのある世界で生きている。収まるかと思えば変異種が現れる。驚異的な速さでワクチン接種が進んでいく。誰かが作り、調べ、運び、打ち…たくさんの人の手を経て、人類の英知はあまねく行き渡る。貧富の差を歴然とさせて。忘れたくない、と著者は書く。すべてが過ぎ去った後に、「あんなときもあったね」と私たちは言うのだろう。そして何事もなかったように元のシステムに戻っていく。それじゃだめなんだ。忘れたくない。忘れないように。この新しい感染症が、人種間の、国家間の、民族間の、不平等と不公平をあぶり出したことを。経済のシステムと資本主義の不具合を露呈したことを。強者が弱いものをさらに追い詰めたことを。そして、どんな時でも、人を助けようとした人がいたことを。家にいることで、自分が出来る範囲で、人が人を救おうとしたことを。今、そのことを考えなくては、舵をとらなくては、私たちはいつ世界を変えられるのだろう?全世界に同時に、年齢も性別も国籍も関係なく、皆が共有した災厄。稀有な共通の記憶を、契機とせずして。どうすればいいかわからない、と著者は言う。私だってそうだ。相変わらず通勤電車に乗り、仕事へ行く。マスク以外に、たいして変化のない日常。それでも何かを忘れないとしたら、変えられるとしたら、何を?新型コロナ関連本レビュー2020.10.26 年収200万円でもたのしく暮らせます コロナ恐慌を生き抜く経済学 [ 森永卓郎 ]2020.10.28 パンデミックブルー(感染爆発不安)から心と体と暮らしを守る50の方法 [ 古賀良彦 ]2020.12.14 コロナ後の世界を生きる 私たちの提言 [ 村上陽一郎 ]2020.12.18 コロナ後の世界 いま、この地点から考える [ 筑摩書房編集部 ]2020.12.23 なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない [ 辻仁成 ]2021.01.06 コロナ禍日記 [ 辻本力 ]2021.01.08 武漢支援日記 コロナウイルスと闘った68日の記録 [ 査瓊芳 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.08.27
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本のタイトル・作者ふたりが遺したラブレター [ リディア・フレム ]"Lettres d'amour en héritage"by Lydia Flem (2006)本の目次・あらすじ1 親の家を片づけながら2 出会い3 警報4 一九四七年の春5 ピエップスとパップス6 消えた手紙 失われた手紙7 結婚通知引用人は、平凡な日常をちゃんと満喫しているかしら?たとえば、歯が痛まないこと、おなかいっぱい食べられること、投獄されていないこと、爆撃にさらされることもなく、自分の肉体も思考も自由であること、親しい人がそばにいること。幸せは自分でつくるものだし、そこにある時にちゃんと気づくことが大事だ、とつねづね思う。それ以上は欲張らない。目がくらんではいけない。正しい物だけ、よく探してつかみとればいい。感想2021年読書:172冊目おすすめ度:★★エッセイ?著者は、フロイト研究で知られる精神分析学者。ベルギーブリュッセル在住のフランス人。『親の家を片づけながら』がフランスでベストセラーに。本書はその続編。親の荷物を片づけ、残された3つの段ボールに収められた750通の手紙。2歳でロシアから亡命し、バイエルンの強制労働所へ収容されていた23歳の男性。アウシュビッツ強制収容所と死の行進を経た25歳の肺を病んだ女性。1946年9月末にふたりが出会い、結婚する1949年12月1日までの3年間。すごい量の手紙があるので、それを並べて往復書簡として見せるのかと思ったら、抜粋してその合間に著者の回想が入る形式だった。もっと手紙のやりとりが読みたかったなあ。親が戦争のさなかに生き、消えない傷を負う被害者であったこと。それは、どう受け止めればよいのだろう。あるいは加害者であったこと。彼らは語らない。言葉は失われる。彼らの死と共に。著者も懊悩しているけれど、死者の言葉を暴くことはどこまで許されるのでしょうね?子どもが語る親の物語は、別のもの。彼らは「Before 親」と「After 親」で語られがち。けれどそれらは地続きで、その人の生は一本のラインの上にある。子どもの登場はエポックメイキングではあれ、全てではない。彼らが何を感じ、考え、思い、生きてきたのか。それを書き残したものがあれば、知りたいだろうか?どうだろうな。私は、知りたくないし、知って欲しくない。私は手帳をつけていて、昔のものは詳細に日記を書きつけてある。娘や息子には見られたくないなあ、と思う。たとえばこのブログだってそう。子どもたちが私がどんな人間だったか覚えていられないくらい幼いうちに私が死んだら、見せてほしい。でも彼らが大人になってしまえば、火をつけて燃やしたい。(個人の日記は、後世には貴重な歴史的資料になるのだけど、私は恥ずかしい。)けれど同時に、両親がいかにして恋に落ち、結ばれたかという創世記は、子どもにとって寄る辺となるんだろう。世界の成り立ちを解き明かすように。私は夫と出会った日、「私はこの人と結婚するんだろうな」と思った。そういうことを、子どもに伝える機会はあるのかしら。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.08.26
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本のタイトル・作者ムゲンのi(下) [ 知念実希人 ]本の目次・あらすじ2人のイレス患者が目覚めた。残す患者は、あと2人。愛衣は、加納環の音楽にあふれた世界へマブイグミに入る。一方の現実世界では、不可解なことが立て続けに起こり――。特別病棟で厳重に守られた患者。救急搬送された被虐待児。院長の不審な行動。消えた父と祖父母。連続殺人事件の犯人は?引用「僕のことは忘れてもいい。けど、これだけは忘れないでね。みんなが君を愛していることは」感想2021年読書:171冊目おすすめ度:★★★表紙を見て、「ああそうか」と思った。ククルは、動物の姿でしたっけ。脳内で勝手に猫耳とうさ耳のついたショタっ子に変換されていたぜ。上巻で「ふわー、面白い!続きが気になる!」となって下巻は一気読み。でも、「あああ、そういうことね…」となって最後のマブイグミのところは「うーん」となった。あんまり展開が好みではなかったので。「赦し」については、自分の中で正解が出てないんだ…。でも面白かった。上巻冒頭から感じていた違和感。ライトノベル的な唐突な展開や登場の仕方。「まあ、小説だから/物語だから」と看過していた違和感が、やはりそうだったのかと納得。こういう物語の中に物語の仕組みが仕込んであるの、好き。知念さん、ちょっと他の作品も読んでから好みかどうか考えよう。これまでのレビュー2021.08.22 ムゲンのi(上) [ 知念実希人 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.08.25
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本のタイトル・作者女であるだけで (新しいマヤの文学) [ ソル・ケー・モオ ]”Chéen tumeen x chu'uupen / Sólo por ser mujer”by Sol Ceh Moo, 2015本の目次・あらすじメキシコ南東・チアパス州の刑務所から、恩赦で出所したオノリーナ・カデナ・ガルシーア。マヤ系ツォツィル先住民の彼女は、14歳で夫フロレンシオに売られてから、その絶え間ない暴力に曝され、貧困にあえぎ、ついに夫を殺した罪で服役していた。彼女が語る悲惨な人生。女であるだけで。引用「あんたの言う法とやらをきちんと機能させるにはどうすればいいのか教えてもらいたいものだね。最初からおかしなものが後で良くなるわけなんかないだろ。(略)インディオで女なんていったら、不幸の塊さ。(略)あんたの言う法は何も見てやしないじゃないか。あんたの言う法はいい加減に目を覚まして、あたしたちにも平等に扱ってもらえる権利があるってことを教えてくれてもいいんじゃないのかい。あたしが自由になれたのは、あたしがインディオだからなんかじゃない。自分の罪を少しでも償うための手段を、たくさんの人があたしに見出したからこそ、あたしは自由になれたんだ。その罪っていうのはあたしたちの存在をずっと忘れていたことなんだ」感想2021年読書:170冊目おすすめ度:★★★著者は、史上初のマヤ語先住民女性作家。「え?」と思って読んでみた。マヤ語?解説によると、モオ・ソル・ケーは1974年生まれ。16歳で高校を中退して結婚。二児の出産後、20歳で高校に入りなおし、2018年に法学修士号取得。三児の母。夫は医師。「闘牛士」で2006年にユカタン大学実施文学コンクールの先住民文学部門 アルフレド・バレラ・バスケス賞を受賞。『女であるだけで』は2014年にメキシコ文化省下部機関CONACULTAが先住民文学発展のために実施しているネサワルコヨトル賞を受賞。(この本は、メキシコ政府文化省による2018年度CONACULTA翻訳助成プログラム(PROTRAD)の助成を受けたもの。)彼女は、ノーベル文学賞を最終目標に掲げて執筆を行っているそうだ。以前に読んだ本で、長くフェミニズムは「中産階級」の「白人」女性のものだった、というのを読んだ。それが時間を経るにつれ、「違うよね」となってきた。女であることは、共通項ではあるのだけれど、縦糸と横糸の一編に過ぎない。この本は、まさにそのことを描いている。美しい織物に目を凝らすと、様々な色の集まりに見えるように。私なんて、日本で生まれ育った、てんでふにゃけた奴だけど。それでも、分かるのだ。「女であるだけで」という、理不尽が。オノリーナの受ける肉体的、精神的暴力は、どこかで聞いた話であり、自分であったかもしれない。そして私はそちらに立つ。なぜだろう、そこにある、普遍的な共感覚性。本の中で、お嬢様育ちの新人弁護士・デリアがオノリーナを弁護する。デリアの母もまた、オノリーナに付く。上流階級でオノリーナの支援は広がっていく。「女であるだけで」出来る連帯も、ある。オノリーナは本当に酷い目にずっと遭っていて、打ちのめされて、それを当然のこととして受け入れる。彼女は力なく笑う。習慣的無気力。けれど、夫が刑務所に入り、自分で稼ぐようになって彼女は変わる。シュトゥヒル村のドニャ・ティバは、オノリーナに箒の作り方を教える。オノリーナは刑務所に入り、スペイン語の読み書きを教わる。大事なことはこれだ、と思った。「解説」で、著者は農村の支援プログラムは受け取る人を侮辱し、男たちをアルコールと麻薬漬けにして、女たちがその仕事まで引き受けているとスピーチで述べたことを紹介している。魚を与えてはいけない、と言っていたのは誰だっけ?魚の釣り方を教えてあげなければ、その人は飢えたままなのだと。忘れられた言葉、忘れられた世界。現代の作家が、私とそう年の離れていない作家が、それを描いている。見えないもの。見えていないもの、見ていないもの。この人に見えているもの。見せてくれたもの。目を開かせてくれるもの。だから、読書は面白い。私の中に、場所が出来る。今まで知らなかったことのためのスペース。そこを開けておく。彼女のために。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.08.24
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本のタイトル・作者パパのトリセツ 2.0 [ おおた としまさ ]本の目次・あらすじはじめにまずはパパのタイプを調べてみようパパのタイプ チェックシート第1章 パパの機能と特徴ーパパにできること、パパの役割「母乳を出す」以外は何でもできる「隣の芝生」と比べないでください!冷凍ピザでもいいじゃない!目指せ!「これでいいのだ!」「ママが二人」じゃもったいない!パパとママは違ってナンボ第2章 パパスイッチの入れ方ーパパとしての自覚を促す起動待機時間が長めにかかる「時間差」が広げる夫婦の溝パパスイッチは本当にあった!五感で赤ちゃんを感じると脳が変化する!?パパスイッチはママが入れるもの!?パパになると男性ホルモンが激減する子どもといっしょの週末は人生の何%?スイッチONのタイミングとコツ ①妊娠中 将来の話をする ②出産直後 頼りなくても頼る ③乳児期 スキンシップをとらせる ④幼児期 パパをヒーローに仕立てる「夫スイッチ」をOFFにしないために意地でも夫婦の時間を確保する第3章 機種タイプについてー性格による性能や扱い方の違いパパにも得意・不得意がある □厳格律儀カミナリオヤジタイプ □母性優勢二人目ママタイプ □冷静沈着コンピュータタイプ □天真爛漫わんぱく坊主タイプ □従順無口いい子ちゃんタイプ夫婦のタイプの違いにご用心第4章 アプリのインストール方法ー実務を覚えてもらうには命令ではなく気持ちを伝える基本はまかせて、ほめる勘違いパパにご用心!育児の実務を覚えさせるには丸投げでバージョンアップ!?家事にまつわる勘違い家事を覚えさせるにはルールで縛りつけるのはNG第5章 故障かな?と思ったらー暴走、離脱などに対処するエラーメッセージを見逃さないで!テクニックを子育てにも活かそうテクニックを社会世界にも活かそう!第6章 日ごろのお手入れー夫婦対等の落とし穴とその対処法「鬼に金棒」に隠されたワナ子育て夫婦の「皮肉な葛藤」「上手な夫婦ゲンカ」の3か条 ①勝とうとしない ②仲直りまでがケンカ ③無理にまとめようとしない無意識の歩み寄りが始まる夫婦ゲンカで夫婦が進化夫婦ゲンカにもルールが必要 ①犯人捜しをしない ②別の話を持ち出さない ③勝手に土俵を下りない ④堂々巡りを始めたらいったんおしまい ⑤あいさつは欠かさない夫婦ゲンカを子どもに見せよう!そして、パパロボットの極みへおわりに引用本来ならわざわざ妻がこんな方便を使わなくとも、夫が当たり前のように子育てするのが筋です。でも現実がそうはなっていないときに、しかもその現実を真正面から変える時間も気力もないときに、「あえて現実のとらえ方をちょっと変えてみたら?」という提案です。感想2021年読書:169冊目おすすめ度:★★★心理学の「リフレーミング」の手法を応用したもの。いったん夫をルンバか何かだと思ってみようぜ、そっから考えよ?という提案が面白い。本の中で紹介されていた、ノルウェーでは冷凍ピザの消費量が世界一。それは男女平等のこの国では夕食になっているから、だそう。ベルギーでもパスタにレトルトソースを絡めただけの夕食を「夫が素敵なディナーを作ってくれる」と評するのだとか。冷凍ピザとレトルトパスタで、十分「男も料理が出来るでしょ?」となる。ここのハードルを下げていくの大事。これが、引いては女性に対する食事作りのプレッシャーをなくしていく。日本のごはんに対するレベル高過ぎだよね。ごはん大好きか(好きだけども!)。もう、日本さん食い意地はりすぎ!(ヘタリア)昔と今の家族を比較した図で、今の核家族は「ママ」と「子ども」が主になっているとあった。だからパパが大事なんですよ~と。私、ここに「テレビ」も入れたい。たった2人の大人の世界観や価値観に、子供が縛られませんように。テレビ、ネットは、昔の「いろんなひと」そのものじゃなかろうか。上手な夫婦ゲンカのやり方は、心に留めておこうと思いました。私は口で言うより、態度で示してしまうタイプ(無視する、物にあたる…)。それって、親を見てきたからなんですよね。父は不機嫌になると黙り込み、物に当たった。母は黙ってやり過ごし、後から悪口を言った。祖父母も同じパターンだった。私は、父の態度を再現し、母の行動をなぞっている。そのことに気付いたとき、ぞっとした。でも最近、だいぶ口で言えるようになってきた。何が嫌なのか、どうしてほしいのか。これ、とっても大事なこと。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.08.23
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本のタイトル・作者ムゲンのi(上) [ 知念実希人 ]本の目次・あらすじイレス―――特発性嗜眠症候群(Idiopathic lethargy syndrome)。世界でも400例しかない症例の患者が、同時に4人も発生した。主治医となった敷名愛衣は、沖縄のユタであった祖母に、患者らの「マブイグミ」(吸い取られた魂を戻す)をするよう言われる。愛衣は、眠り続ける患者の「夢幻の世界」に入り込み、相棒「ククル」とともに、彼らのマブイを救う。引用「そんなことないよ」優しい声とともに、羽毛で撫でられたような感触が頬を包み込む。ククルの耳の感触。「愛衣がどれだけ頑張ってきたのか、僕は知っている。人を救おうと、どれだけ努力をしてきたのかをね。だから、自分を卑下しないで。自分の能力を限定しないで。君は自分が思っている以上に、素晴らしい存在なんだから」感想2021年読書:168冊目おすすめ度:★★★★2020年本屋大賞第8位。いやあ、面白かった。こういう、精神世界に入り込んでいって、その人が構築した世界を漂うみたいなの、めっちゃ好き。そしてその世界にとらわれた人を救いだす、という展開、もう私の性癖ドストライクです。4人の患者がいて、今回は2人の夢幻の世界に入り込む。ジャンルはミステリ。2021.07.30「本と鍵の季節 [ 米澤穂信 ]」が好きな人はこれも好きだと思う。愛衣のトラウマとなった事件とは何なのか?巷を騒がせている連続殺人事件とは?先輩とイレス患者の「大切な人」である関係とは?残り2人のイレス患者が眠った原因は?イレス患者同士をつなぐものは?「ククル」とは何なのか?謎が入れ子式に、複数張り巡らされていて、下巻で解き明かされるのが楽しみ!そして私、勝手にこの本が2021.03.15「medium 霊媒探偵 城塚翡翠 [ 相沢沙呼 ]」の相沢沙呼さんの作品だと勘違いしていて(表紙の感じが似ていたから?)、「ちょっとキャラが好みじゃない感じだったんだよなあ」と読み始めたら、「ん?」となって著者名確認したら別人だった(このパターン多いな)。知念実希人さん、お医者さんなんですね。すごいな。専門職の書く小説、やっぱりリアリティ違うよな…。別に、この職業だけ、をやらなくてもいいんですよね。二足の草鞋、上等。海堂尊さん、椹野道流さんなんかも、いずれも専門知識を活かしながら、ストーリーとしても抜群に面白くてすごい。知念実希人さん、『優しい死神の飼い方』『仮面病棟』『崩れる脳を抱きしめて』なんかの聞いたことのあるタイトルを書いてらっしゃった。うん、読んでみたいかも。冒頭で医療ものかと読み始めて、沖縄出身の祖母(ユタ)が出てきて面食らった。その組み合わせ、新しいな。知念さん、沖縄のご出身らしい。ウィキペディア情報。だからなのか。作中に登場する「ククル」。これ、沖縄の言葉だと「こころ」。その昔、言語学の授業で習った。戦後、沖縄が日本に返還されるか否かという話が出た時、言語学が日本に属することの証明の一端を担った。「kukuru」→「kokoro」沖縄の方言の u は o に変換され、沖縄が日本と同じ言語圏に属すると示した。らしい。私のククルはどんなのかしらん、と考えてみた。ぴょこん、とパソコンの前に現れたのは、「サマーウォーズ」に登場するアバターみたいなコミカルな見た目のククル。自分だけのグループLINEで、自分のククルと会話ごっこ。これ、ドン引きだけど地味に楽しいし、自分の深層心理が明らかになるので面白いです。あー、はやく下巻読みたいなー!↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2021.08.22
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