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2009.01.03
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カテゴリ: I experienced
新入生として中学に入学したのを機に知り合ったちーちゃんは、

1年生の1学期の間は、少しずつ、でも確実に成長し、夏休みを過ぎたころから
目を見張るほどの成長を見せるようになりました。
私と一緒にいるちーちゃんを見るクラスメートの目が変わったからだと思います。

人は、より多くの人間と接することで能力を伸ばし、世界を広めることが
できるのだと知りました。
一般の生徒であれば、「学校」は「学問をする場」といえるかもしれませんが、
実は、「人間としてのあらゆる能力を伸ばすための場」と言えるのかもしれません。

多種多様な能力を開発し、“できない”と思っていたことができるようになったり、
“得意”と自信を持っていたことが、他人より劣っていると知ったり、そしてそれを
伸ばすための努力をしたり。

ちーちゃんを見ていて、私はそう思いました。

1年生の間、ちーちゃんは楽しそうに生活をしていました。

が、別のクラスになった2年生のときのことはほとんどわかりません。
休み時間に私のところに遊びに来たちーちゃんはにこやかだったし、
いつもどおり「あれをして」「これを教えて」とねだってきたので、
自分のクラスでも、他のクラスメートにそうしているのだと思っていました。

しかし、3年で再び同じクラスになってみると、2年生のときが「空白」になって
いることに気づきました。

なりました。
そこで私は、漢字が書けるようになってもらおうと、小学低学年から中学年
くらいの漢字(生活に密着したもの)をピックアップした漢字練習帳をつくりました。

ちーちゃんは、最初拒否反応を示しました。
「いのさん、書けへん」

ちーちゃんの中に、自分を確認する能力が芽生えたのだと思います。
焦らないように、ゆっくり、丁寧に書き方を教えました。
少しわかってくると、再び目を輝かせてちーちゃんは漢字の練習に取り組みました。

そして、できたときのうれしそうな顔は、1年のときのそれとは比較にならないくらいで、幸せそうでした。
それを見たクラスメートは、私と同じようなことをちーちゃんにし始めました。
うれしかったのは、私が考えつかないようなアイデアを盛り込んで、
ちーちゃんが楽しく漢字の練習ができるように工夫してくれたり、
正解の○の横にかわいいイラストを描いたりして、ちーちゃんが喜ぶ方法を
考えてくれたりしたことです。

そんな中、球技大会が開催されました。
女子の競技種目はソフトボールでした。
私のクラスには、ソフトボール部員が3人いたことから、「1チーム2名まで」
という規制が設けられました。
部員と一般生徒の実力差を考えて、チーム編成をしました。
私は部員であり、ピッチャーでしたから、私はそのままピッチャーを、
ファーストにも部員を配置し、黄金の1塁アウト体制を敷きました。
私は大差で勝つだろうと確信していました。
ですから、代走や代打はもちろん、守備交代も頻繁に行い、全員参加を目指しました。

もちろん、ちーちゃんにも参加してもらいました。
打ったり守ったり、というのは難しいし、けがが心配でしたので、「代走」で
出場してもらうようにしました。
私は1塁のコーチスボックスに立ち、ちーちゃんにスタートの指示をしました。
ちーちゃんは私の指示どおり一生懸命走り、ホームに帰りました。
そのときのうれしそうな顔、興奮した声は忘れることができません。
多分、それまでの学校生活で最も感動した瞬間だったのだと思います。

球技大会は大勝しました。
ちーちゃんは「戦う」経験、そして「勝つ」経験、自分がその輪の中にいる経験をし、自信を得ることができたのではないかと思います。

夏になると、水泳大会が開催されました。
他のクラスは棄権する子が続出しましたが、我がクラスはほとんどが参加し、
またもや圧勝しました。ちーちゃんもレースに参戦しました。
残念ながら、泳ぐことができないちーちゃんは、水の中を歩くという競技に出て、
善戦しました。
優勝をコールされ、歓喜するクラスメートと一緒に、ちーちゃんも飛び跳ねて
喜んでいました。
国語や数学に自分の居場所を見つけることができないちーちゃんも
体育やその関連行事では皆に貢献できる喜び、体を動かす喜びがあることを知ったのだと思います。

秋口には体育大会。
もちろん、我がクラスは全員参加を目指していましたので、ちーちゃんも競技に
参加しました。大きな得点の獲得できるレースを総ナメにした我がクラスは、
他のクラスに大差をつけて優勝しました。ちーちゃんは1位にはなれませんでしたが、
クラスが優勝したことで、自分自身の悔しさは払拭されたようでした。
さすがに「体育大会」だけあり、感動もひとしおでした。

その興奮は「文化祭」まで冷めず、クラス全員がフルパワーで取り組むことが
できました。
我がクラスは芝居を披露することになりました。
作品は「夕鶴」です。何と、登場人物が4人というこぢんまりした物語を
選んだ経緯は私にはよくわかりませんでした(用事があって、クラスを離れたときに
決まってしまっていました)。そんな状況なのに、私がシナリオを書くことが
決まっていて、これには閉口しました。
「全員参加」を目指す私は、4人の登場人物を残しながら、あと20人のキャストを
つくり、演者24人、残り10数人は大道具、小道具、衣装係になってもらい、
裏方を固めることができました。

大道具も衣装も、大掛かりですごいものが出来上がりました。
農家の男の子は、家からおじいさんがつくってくれたというわら草履を持ってきて
くれたり、お婆さんのモンペを持ってきてくれたり、建具を家から抱えてきてくれる
男子生徒もいました。
ちーちゃんは、小道具係にいて、同じ係の女の子の指示に従って作業をしていました。

芝居は大成功でした。
下級生からも、教師からも、校長先生からも絶賛されました。
我がクラスの生徒は全員、感動の渦の中にいました。
文化祭終了後、不要になった舞台道具や展示で使ったものを燃やして処分する
キャンプファイヤーが焚かれました。
燃えていく大道具を見ながら、それらをつくるために使った日々や、仲間と衝突したり、
思うものができて喜んだりした思い出が蘇ったのか、女生徒のほとんどが
涙を流していました。
ちーちゃんもその光景を見て、しばらく戸惑っていましたが、隣にいた女生徒が
ちーちゃんの肩を持ったとき、何かが伝わったのか、ちーちゃんも涙していました。

文化祭が終わると、高校を目指す者はすべて受験体制に入ります。

日に日に緊張感が増していく同級生に囲まれて、ちーちゃんの顔からも
笑顔が消えがちになりました。

そんなさなか、ちょっとした事件が起きました。
我がクラスではない、クラスの階も違う女の子が助けを求めて私のところに
やってきたのです。

この女の子も知的障害を持っていました。
そして、その事件は、学校全体を揺るがすような事件になったのです。


今回は、少し書き過ぎました。
次回、事件のことと、中学卒業から18歳までのちーちゃんとの出来事を書くつもりです(前回もそう書きましたが…。スミマセン)。






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Last updated  2009.01.03 20:03:33
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