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2024.09.15
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カテゴリ: I whisper




5月末の検査で転移が見つかってからは、
2週間に一度というとんでもないペースで
怖い主治医と会っているが、
それまでは3ヵ月に一度、しかも診察時間は3〜10分と短かった。

ゆえに、会話は病気や症状に限定したもので、
会話らしい会話をしたことがなかった。

虫けらは虫けら扱いされることが当たり前になっていたし、
怖い主治医は、ほとんど言葉を発しない姿勢だった。



その言葉を聞くたび、毎回「???」である。

『変なこと』とは──虫けらが 『怒る』 というのだ。

虫けらが怒ったことは一度もない。

怖い主治医相手に怒るなど、身の程知らずもいいところだ。


最初にその言葉を聞いたのは、
最初の入院・退院後、3度目の外来診察のとき。

2度目の外来診察のときに、
予防的抗がん剤治療の意思確認をされたのだが、
虫けらははっきり断った。

3度目の診察で、

虫けらは、「なぜ肝臓の血液検査なんかした…?」と思いながら
怖い主治医の話を聞いていた。
(血液検査は毎回する。そこに、肝臓関連の項目を追加されたということ)

怖「抗がん剤が肝臓に影響する場合があって…」
と言うので、虫けらはすかさず、


と言うと、

怖「怒られた…」

と言うのだ。
怒った口調でも、厳しい表情でもなく、
ごく普通のトーンで言ったはずなのに。

虫「いえ、怒ってはいませんが」

という言葉を返すのが、精一杯だった。
(虫けらは怖い主治医が怖い。いつも萎縮しているし、
言葉を発すると、手が震えるほど緊張している)

実は、特殊な血液検査は費用が驚くほど高い。
いやだなぁ、という気持ちはあったが、
怖い主治医相手にそんなことを言う勇気はなかった。



2度目は、抗がん剤治療の専門看護師が診察室に入ってくれていて、
3人で会話したときだった。

怖い主治医がおかしなことを言ったので、
笑い話というか、世間話のような会話ができて、
場が和んだ後、

怖「申し訳ないけど、この後血液検査をしていただきます」

虫「はい」

怖「抗がん剤が肝臓に影響を与える場合があって…」

虫「その検査、もうしてますよ」

怖「え、いつ?」

虫「予防的抗がん剤治療は不要と言っていたのに、その後検査されて」

怖「あ、また怒られた」

そう言いながら、カルテの中にそのデータがないか探し、

怖「あ、ほんとやね」

と独り言のように言って、大きな体を小さくしていた。

それは1年前の検査だったので、新たなデータが欲しいということで、
再度血液検査をすることになったのだが。



3度目は、2度目の入院・手術の後。

病室を訪ねてくれた怖い主治医は、とても怖い表情をしていた。
これまでに見たことがない、厳しく鋭い目。
しかし、虫けらには、怖い主治医に聞きたいこと、
言いたいことがあったので、余りそのことを意識せず会話できた。

怖「どうでした? 手術は」

と聞かれる。
依然として鋭い表情。

虫「痛かったです。生き地獄みたいな痛さでした」

怖「そんなに痛かった?」
少し心配気だが、表情は硬いまま。

虫「先生が執刀してくださるんじゃなかったんですか?」

怖「怒られると思ってたんや」

怖い主治医が表情を緩めて笑った。

多分、怖い主治医の怖い表情は、
私が怒るだろう事態への危惧(恐怖)からのもの
ということで間違いないと思う。


もう一度だけ、 「怒られた」 という言葉が
怖い主治医の口から放たれたことがあるように思う。
どういうシーンだったか思い出せないのだが。

あ、 「怒られた」 という言葉ではなかったものの、
もっとすごいことがあった。

転移が分かったとき、
一通り怖い主治医からの状況説明を聞き、
「この結果をどう思うか」
というえげつない質問に明後日の回答を返した後、
虫けらが、

虫「半年前なら、もっと少なかったか、なかったか…?」

怖「それ、僕も考えたんや」

虫「PETと言わんまでも、これ(造影剤CT検査)を
  半年前にやっていたら…、ね」

怖「すみません」

「すみません」と「怒られた」は同義語のような意味合いだと思う。
「怒られた」には反省は含まれないが、
「すみません」には、若干の、ほんの若干の反省が含まれるということか。

いずれにしても、怖い主治医が、いまの立場で
「怒られる」ということは決してないだろう。
そして、患者が怒る、という事態も多分ない。

虫けらぐらいのような気がする。

怖い主治医の患者は、
そのほとんどががんの手術をした者で、
しかも年寄りばかりだ。
外科というのは、そういう診療科だ。

待合室を眺めてみると、虫けらのような年齢の患者は滅多にいない。

杖、シルバーカー、車椅子利用者が大変多い。

元気のある患者がいないのだ。

「先生様、お任せいたします」
という姿勢であろうことは容易に想像できる。

が、誤解のないように言っておきたい。

虫けらは一度も怒ったことがない。

しかし、怖い主治医は 「怒られた」 と言う。

怖い主治医が虫けらをどう見ているのかは理解不能だが、
医者を一喝するような、恐ろしい性格と思っているか、
怖い主治医に不満を抱いている鬱陶しい患者か、
はたまた、怒りんぼのやりにくい奴だと、
クレーマー扱いされているかのいずれかだろう。


このことは、直接弁解したり、説明したわけではないが、
入院中に他のことに触れながら、
誤解を解く努力をしたことがある。

そのことは、後述することにして。

あと3日もすれば、また怖い主治医に会う。

次には、いろいろ会話しなければならないことがある。
副作用とトラブルについて、所見を聞きたいのだ。

できれば、虫けらが誤解されないように、
慎重に言葉を選ばねばならないと思うが、
怖い主治医はきっとまた変な誤解をして、
虫けらを変人扱いするに違いない。

これが、波長の合わない人間が
絡み合ったときに起きるどうにもならない事態であり、
ジレンマである。


さて、またご報告ネタができるのではないかと思いつつ。
今回はこれにて。


               自爆





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Last updated  2024.09.15 23:32:25
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