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八話後編


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第十二話「その名はポリスマン・グレート」


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第二十二話「これぞ恐怖の血まみれ殺法」


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第二十六話「ああ、愛しの怪盗様  前編」


後編


第二十七話「暗殺者」


第二十八話「プロジェクトの恐怖」


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第三十一話「デスマスクが割れた日」


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2010.05.03
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(せめて手がかりの一つでもあればいいんだが……)

 其処まで考えた、正にその時だった。
 自分の居るスクラップ置き場とは反対側のスクラップ置き場から不意にがらり、と音が鳴ったのである。

「!」

 音がした方向のスクラップ置き場は既に調べ終えている。
 それ故にスクラップが崩れ落ちたのではないかと言う可能性も否定できないのだが、

(…………足音か?)

 きゅいん、きゅいん、と何か金属物が軋む音が聞こえてくる。
 それは自分が調べた時には無かったスクラップ音だった。



 なら答えは一つ。
 背後からこの世界の住人が迫ってきている。

「…………」

 しかしカイトの頭は冷静だった。
 何故ならこの世界の住人についてのデータは既にあるからだ。
 住人は老朽化したお世話ロボット。
 大した戦闘能力も持たず、こちらの戦闘要員の邪魔をするだけの力は持っていないと聞いている。

 ならばギリギリまで引き付けてから、

(スクラップの仲間入りをさせてやる!)

 自分たちはこの世界に来て間もない。
 しかもこれから侵攻しようとしている組織の一員だ。

 そんなシンプルな考え方から生まれた結論だった。

「そ、そんな怖い顔しなくてもいいじゃんか!」

 だがそんな考えを見透かされたかのようにして、少年の声が聞こえた。

「!?」

 未だ気配を感じなかったので遠くからかと思ったが、



 振り返ってみると、殆ど零距離で『ソイツ』がいた。
 キャタピラで移動するタイプらしく、脚部にはそれしか見られない。
 胴体についているのも細い棒と二つの万能アームだけ。
 更に顔の作りは双眼鏡をそのまま箱の中に入れたかのようなシンプルな作り。
 極めつけは全体的なカラーリングが白。

 どう見ても何処かで見たことのあるような典型的デザインだった。
 しかし何故か頭の上にバケツが置かれている。
 このバケツには一体何の意味があるというのか?

「そ、そんな驚くこと無いじゃないか! 失礼しちゃうなぁ、もう!」

 ぷんすか、と態々擬音をつけてまで不満を表現してくれた。
 しかし万能アームからこちらに向けて突き出されているドリルは笑えない。

「貴様、何者だ」

 取りあえず疑問に思ったので聞いておいた。
 するとロボは待ってました、と言わんばかりに顔を上げる。

「僕、M-10。通称ムートンさ! 君も親しみをこめてムートンって呼んでね!」

「よし、エムテン。早速だが貴様の頭の上に置かれているバケツは何だ?」

「何で直ぐに僕の言う事無視するの!? ソレに正式番号は『エムテン』じゃなくて『M-10』だよ! 数字だよ10は!」

「訴えたいのかドリルを向けたいのかどっちか一つにしてくれ。後、お前の頭の上に置かれているバケツは何だ?」

「ちぇっ、人間って不憫だよな。聞き分けの無い奴は特にそうだ」

「いや、だからバケツ……」

 どうやらバケツについて問い詰めるのは無理らしい。
 無理矢理話題の方向を無視されつつも、カイトはムートンに別の問いを投げかけた。

「よーし、じゃあ百歩譲ってムートン。貴様、何の用だ」

「百歩譲られてムートンなんだね……」

 わざとらしく肩を落として脱力していることをアピールするムートン。
 妙に人間味溢れる行動だった。

「用って言うか、多分君の方が僕に用件があると思うな」

「何?」

 頭の上のバケツを揺らしつつも、ムートンは言う。

「君、デビットを探しに来たんだろ? この世界に人間が来るなんて滅多にないからね」

 デビット、という言葉にカイトは反応する。
 確か画面トリオの一人の名前がデビットと呼ばれていた筈だ。
 しかし彼等はトリオで活動していると聞く。
 デビットがムートンの元にいるのなら、他の二人の名前が挙がってもいい筈なのだ。

「他にもジュリーとトーマスと言う人間が居る筈だ。ソイツ等は?」

 ムートンに聞くが、彼は俯いて答えようとしなかった。
 心なしか頭の上に置かれているバケツもぐらぐらと揺れていない。

「……デビットは無事なんだな?」

「うん、そうだよクズ野朗!」

「何でクズ野朗の時だけ妙に嬉しそうな口調になりやがったエムテン」

 万能アームから突き出されたドリルを警戒しつつもカイトは苛立ちを隠そうともせずに言い放つ。
 どうやらお互いにお友達になれそうにもないようである。

「だって君は自分の質問ばっかりで僕に名前も教えてくれないじゃないか! クズ野朗って呼ぶしかないじゃないか!」

「エムテンの思考回路はどっかバケツで水浸しになっていると見た」

 しかし向こうも要求しなかったとは言え、自分の要求ばかり言うのは確かにナンセンスだ。
 こちらにも否はある。

「で、クズ野朗は何て呼べばいいのさ?」

「……好きに呼べばいい」

 しかし神鷹・カイトにとって目の前にいるバケツメカに名前を教える事が重要なのではなかった。
 ムートンが自分をクズ野朗と呼びたければそれでいい。
 それが自分の呼び名になるだけだ。

「……クズ野朗はさぁ、話の流れを掴もうとしないよね」

「大きなお世話だエムテン」

 いかん、話が自分の望む方向に進もうとしない。
 そう思うと同時、カイトはすぐさま会話を切り上げて次の話題へと移行する。

「で? 結局デビットは無事なんだな?」

 カイトとしては話の本筋を逸らしたくはなかった。
 今時分がここにいる最大の理由はデビットが居るからであり、ムートンがコチラに接触してきた理由もまたデビットにある。

「うん、今は隠れ家に居るから付いて来るといいよ! ……でも周囲には気をつけてね」

 言い終えると同時、ムートンは回れ右。
 着いてくるように促すと、キャタピラを回転させてから前進を開始した。

「周囲に気をつけろとは?」

 ムートンの後に続くようにしてカイトも移動を開始。
 本来ならゼクティスに連絡するべきなのだろうが、『今後』の事を考えると今は連絡しない方がいいかもしれないと判断し、港の探索を続行してもらうことにした。
 デビットと直接交渉するとなると、ゼクティスは居ない方がいい。

 だが、同時にムートンが言っていた『気をつけろ』と言う言葉が気がかりだった。

「『彼』が狙ってくるかもしれないからさ」

 すると、ムートンは前進しながらもこの世界を事実上支配する『御主人様』の存在について語り始めた。

「確認しておくけど、この世界にいた人間は皆死んじゃってるって知ってるよね?」

「確か不治の病が流行った結果、人類は死滅して残ったのはお世話ロボットだけらしいな」

「その残ったお世話ロボットの中にね、『心』を持ったロボットがいたんだ」






 当時、まだ試作段階の『ハートロボ』は自分の意思・感情を持つロボットとして開発が進められていた。
 人と同じように悲しみ、怒り、喜び、恋をし、そして生きていく。
 そんな『パートナー』として売り出される予定だった。

 だが、試作段階が後一歩で終わるという矢先に病が開発者達を襲った。
 薬の開発も間に合わず、恐るべき勢いで繁殖していくウィルスに人類はあっけなく滅ぼされたのである。

 問題は人類が死滅した後だった。

 開発者が誰も居なくなった後、まだ試作段階であった筈のハートロボが突然動き出したのである。





「動き出した『彼』は貪欲に知識を求め始めた。先ず彼がやった事は自分と行動できる仲間を作り出すことだったんだ」

「お世話ロボットなら他にも居るんじゃないのか?」

 同じロボットなら街で作業を続けているお世話ロボットをかき集めれば済む話だ。
 しかし『彼』が求めた仲間には『条件』があった。

「同じ作業をするだけのお世話ロボットではなく、自分の判断で動ける……詰まり、自分と同じ『ハートロボ』を作りたかったんだよ」

「何の為に?」

「自分の手足になってもらうためさ」

 益々解せなかった。
 それなら忠実に作業を進めてくれるであろうお世話ロボットの方がいいのではないだろうか。

「『彼』は自分が試作段階のロボットであることを自覚していたからね。自分を完成品に近づけるため、目の前に完成品を作り出そうと考えたらしいよ」

 その結果生まれたハートロボが、

「僕と、M-9……クルーガーって呼ばれているハートロボだよ」

 ムートンは俯きながらも話し続ける。
 そういう動作が一々人間らしいな、と思っていたがそれが『ハートロボ』なのか、とカイトは考えた。

「それからかなりの年月が流れて今に至るんだけど、『彼』は現在この街と一つになって今も知識を吸収し続けている」

「一つに?」

「うん。何だかんだで『彼』もロボだからね。僕とクルーガーが協力して、色んなコードを繋げまくったのさ」

 その代償として、『彼』は身動きが封じられてしまった。
 しかし無数のケーブルを通して『彼』は残された街から知識を搾り取り、そしてこの崩壊した世界を監視し続けている。

 そんな時だった。
 この崩壊した筈の世界に人間がやって来たのである。

「ガーディアンの調査部隊か」

「うん。当然『彼』は突然やって来た人間と、その技術に興味を持ったよ。だから近くにいたデビットたちを捕まえるように命じたのさ」

「……じゃあ、デビット以外の二人は?」

「……『彼』に取り込まれたよ。知識として、ね」

 しかしデビットは助かった。
 ムートンの手によって、だ。

「だがお前はあくまで『彼』のお手伝いロボットとして作られたはずだ。何故デビットを助けた?」






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最終更新日  2010.05.03 21:15:49
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