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発行されたのは、昨年の年末。 1も2も読んでるのだから、早々に手にしていてもよさそうなのに、 一年近く経っても、まだ読んでなかった。 なぜ? 確かに、2冊目は1冊目よりレベルダウンしていた(と思う)。 だから、3冊目となると、さらに期待薄(と思ったのか?) そして、カスタマーレビューも、当初低かったような気がする(記憶違い?)。 けれど、今それを見てみると、かなり高評価……じゃあ、なぜ?まぁ、その時は、読んでみようという気分にならなかったのだろう。何だかよくわからないけれど、とりあえず読んでみればいいわけだし……ということで、読んでみました。出だしは、「どうかな?」っていう感じ。そして、ちょっと進んだところでは、「やっぱり……」という感じ。でも、もう少し進むと、「おやっ?」となって、次の文章のあたりでは、「なかなか!」。 「みんな、『夢』ちゅう山の頂上に向かう道は一本やて思てる。 - 自分が園山くんのことだけ追いかけとったみたいにな。 でも、ほんまはちゃうねん。 それ以外にも、山頂に至る道はたくさんあんねん。 そんで一つの道を行ってみて違うて分かったら、他の道が見えてくる。 それを繰り返しながら登って行けば、最後は必ず山頂にたどりつけるんやで」 ガネーシャは続けた。 「そんで、山頂に立ったとき初めて分かんねん。 『自分が来るべき道はこれだったんだな』て。 『無駄な出来事なんて一つもなかった。 この場所に来るために、全部必要なことだったんだな』てな」(p.384)そして、p.390からのガネーシャから主人公へのアドバイスは、これまでにはなかったパターンで、結構グッと来た。(何しろ、私は有川さんのラブコメが好きな人なので)だから、本作の最後の一文は、本当に最高でした。
2015.11.23
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鈴は、清秀の命を奪った郷長・昇紘を追う。 そして、同じく昇紘を倒そうとする虎嘯たちと出会い、その一員となる。 一方、祥瓊は桓魋に危機を救われ、その家で世話になる。 そして、桓魋もまた、昇紘を倒そうとしていた。 鈴は虎嘯の命で、祥瓊は桓魋の命で豊鶴の街に赴き、 冬器取引の現場で出会い、意気投合する。 そして、連れ去られた遠甫を探す陽子は、 虎嘯、鈴らと出会い、昇紘に対する反逆を開始する。ここからの戦乱の描写は、迫力満点。また、その中で遂に一堂に会した三人の少女の描写もイイ。祥瓊と鈴は、それぞれの背負ってきたものを活かし、陽子は、延王尚隆と並ぶほどにカッコイイ。そして「終章」こそが、上巻から続く長編の、最大のクライマックスシーンである。読み終えて、その満足感にドップリと浸れる、秀作。当然、「十二国記」の次のお話しへと、読書は進んで行きます。
2015.11.21
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わずか167ページ。 手元に届いてみると、想像以上にコンパクト。 それでも読んでみようと思ったのは、 『死にゆく者からの言葉』の鈴木秀子さんが著者だったから。 「あきらめる」には、「諦める」のほかに、 「明らめる」があると、鈴木さんは言います。 現状を把握するため「明らめ」、 自分の力では変えられないことは「諦める」。「ほめられること」「人から何かしてもらうこと」「見返り」。これらは、第4章のタイトルに示された「あきらめる」こと。「他人に自分と同じものを求めない」は、第2章。『「もし」という気持ちをあきらめる』は、第5章のタイトル。こうしてみると、「あきらめる」というのは、「固執しない」或いは「固執しすぎない」ということか。確かに、他人の行動に過度に期待し過ぎると、決して思い通りにはならないことに、振り回され続けることになる。「聖なるあきらめとは正しい選択をすること」。そう、現実を見失わず、自分の道を切り開いていかねば。
2015.11.21
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貧しい農家に生まれ、年季奉公で売られていく途上、 崖から転落し、蓬莱から慶東国へと辿り着いた鈴。 才州国の翠微君・梨耀の居で下女として働く日々だったが、 梨耀の無理難題を果たす際起きた事故が、采王・黄姑に会う契機となる。 黄姑に、同じ海客の景王に会いたいという願いを受け入れてもらった鈴は、 慶を目指し、旅を続ける中で、清秀と過ごすことになる。芳極国・仲韃は、その圧政に蜂起した月渓が率いる兵に討たれる。仲韃の娘・公主祥瓊は、里家で土を耕し、家畜を養う生活に転落。さらに、供王珠晶の下では、掌舎下官の下僕となるが、宮中で飾りを奪うと、騎獣を駆って脱走する。祥瓊は、同年代の景王の生活を妬み、その玉座を簒奪しようと、慶を目指し、旅を続ける中で、楽俊と過ごすことになる。虚海の東からやって来た陽子は、景王に即位したものの、朝廷内で権を争う二派の双方を満足させることができず苦悩する。そして、民が何を考え、何を望んでいるのかを知るため、しばらく街で暮らすことにしたのだった。景麒の手配で、遠甫の里家で預かられることになった陽子は、遠甫を訪ねてくる怪しい男の姿を追うことになる。 ***3人の同年代の少女たちのお話しが、並行して進められていく本作。かつて、陽子が楽俊との出会いによって、大きく変わっていった ように、鈴は清秀との出会いで、祥瓊は楽俊との出会いで、大きく変わっていく。そして陽子は、真の国王への階段を上り始めるのだった。
2015.11.17
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有川さんらしい、ほんわかした空気が心地よい一冊。 本著は、『図書館内乱』で、小牧が毬江に勧めた一冊ですが、 小説の中の架空の一冊だったものが、こうして現実の一冊となり、 今、こうして私の手元にあるのは、本当に凄いことですね。 それにまつわるエピソードは、 巻末の有川さん自身の「あとがき」や、 山本さんの「解説」で紹介されていますが、 これが、なかなか面白いです。そして、本編の方はというと、有川さん定番の、イチャイチャ・カップルが織りなすラブ・ロマンスですが、女性の主人公・ひとみに聴覚障害があるという設定のため、やはり、考えさせられるとことも多かったです。 これだけ差があって、「気にすることないよ」なんて言えますか? 伸さんは気にしないかもしれないけど、私は気にするんです。 気にするしかない人に、そんなこと気にするなよというのはむごいです。 ハンデなんか気にするなって言えるのは、ハンデがない人だけなんです。 私に迷惑かけないならあなたにハンデがあっても気にしないよって人が ほとんどだと私は思います。 自分に迷惑がかかったら、途端にうるさそうな顔になる人はいっぱいいるんです。 それが現実なんです。(p.99)ひとみのこの気持ちは、とてもよく分かります。実際、それが現実です。でも本当は、少しでも自分のこの気持ちを推し量ってほしい。全てを分かってもらえることは、決してないとは分かっていても。 だって、障害のことは「そんなの健聴者の伸さんには分からない!」で終わりやし。 ちょっと卑怯やでそれ。 俺、どんな頑張っても障害のことなんか本当には分かれへんもん。 最初から分かるはずないもん。 「分からんから言うても無駄や」で逃げられたら話をしたい俺は置いてけぼりや。(p.104)伸さんは、さらにこの後、怒涛の攻撃でひとみを罵倒します。「卑怯」ですか……こう返されたら、それこそ、もう終わりです。このお話では、ここで終わらずに、二人の仲は回復していくのですが、この部分に関しては、正直、伸さん側にいる人が書いた作品だなと思いました。ここまで言われたら、もう本当に、とても無理です……障害を持ち、そのことでたくさん傷つき、心が弱っている人にとっては、二度と立ち直れないほどの衝撃でしょう。そうでない人の側から見れば、それが至極真っ当な正論だとしても。本当は、伸さんには、もっと好ましいアプローチがあったと思います。ひとみが「こうして欲しい」ということを、上手く伝えることが出来ればいいのですが、それを、経験したことがない人に、言葉で上手く伝えることは本当に難しいことで、そのことが、本人にとっては、一番辛いところなのですから。グチャグチャと書きましたが、それでも、ページを捲る手を止めてしまわずに、最後まで読ませて、ほんわか気分にしてしまうところは、さすがに有川さんです。読み終えてから知ったのですが、映画化もされたんですね。あのシーンは、どんな風に描かれているんでしょうか?
2015.11.12
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以前から、読みたいと思っていた作品。 なのに、これまでなぜか読んでいなかった作品。 カスタマーレビューの評価は、とても高い。 映画化された作品の評価も、とても高い。 大いに期待して読み始めた。 いい感じで、お話が流れていく。 登場する人たちも、 それを取り巻く自然や生物も、とてもイイ。なのに、読み終わった後のこの気分は何?これでいいの……か・な?みんな、とてもイイって言ってるけど……何か、スッキリしない……まいのゲンジさんに対する思いは放置されたまま、どこにも回収されなかった。ということは、おばあちゃんのビンタは、何も理解されないままに放置されているということ?私は、後日談「渡りの一日」の方が、断然好きです。
2015.11.10
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一週間前に試験を受けてきました。 今回は、テキストを読んで、過去問を解いて、 本著を読んで、第10章の<大項目と小項目の分類例>については、 1テーマを1ページでノートにまとめていきました。 2種と3種の時は、テキスト全体をまとめる作業をしましたが、 今回は、本著を読むことで、その代わりとしました。 それから、もう一度テキストを読み直したところで時間切れ。 やっぱり、準備期間一か月では厳しかったです。試験会場でも、本著を見直している人が、とても多かったです。そして、記述対策に、第10章はとても役立ちました。2種と3種の「重要ポイント&問題集」より、コスパは断然高かったです。それでも、やはり本著だけでは、抜け落ちるところが出てしまいます。やはり、試験に向けては、テキストの隅から隅まで頭に入れる必要があります。今回は、記述で「仕事のストレス判定図」の使用方法が出題されましたが、これについては、本著だけではもちろん、テキスト本文を読んでいても対応できません。テキストの図表の細かい説明まで読み込んでいて、初めて正答できる問題です。まぁ、実際に「仕事のストレス判定図」を用いたことがある人なら、どうっていうことないレベルの問題だと思いますが、そうでなければ、相当な難問だと思います。私は、もちろん手も足も出ませんでした。また、来年頑張ります!
2015.11.08
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いよいよ延王尚隆と延麒六太が登場。 時間が行き来しつつ、尚隆と六太が制約を結ぶまでと、 尚隆に謀反を図る斡由が、妖魔を乗りこなす更夜を使って六太を拉致し、 王座をめぐる戦が勃発するお話が、並行して描かれている。 それにしても尚隆は、これまで「十二国記」で登場したどのキャラクターよりも、 相当魅力的に描かれており、まさにシリーズの主役に相応しい。 普段、かなりちゃらんぽらんに振る舞っているようで、 実は思慮深く密かに行動し、いざというときにビシッと決める。それが、六太の救出と反乱制圧に繋がっていくという、終盤の活躍ぶりは、本当に、カッコイイの一言。そして、本作のサプライズは、巻末の解説に。アッと驚く養老孟司さんの文章は、サスガの一言。
2015.11.05
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プロローグは、まさに『魔性の子』のワンシーン。 本作は、実が熟し孵る直前に、女怪の汕子の目の前で 蝕の歪の中に飲み込まれてしまった泰麒が、 十年の後に蓬莱から蓬山に帰還し、成長していくお話。 それを支えた一番手が景麒。 『月の影 影の海』の陽子に仕えた麒麟。 さらには、将軍の李斎や驍宗らによって、 黒麒に転変し、傲濫を使令とする。天啓については、大いに悩み苦しむことになるが、これも、景麒が延王・延麒の力を借りて、解決へと導く。ここからどのように『魔性の子』のお話しに繋がっていくのかは不明だが、それも、いずれ解き明かされることになるのだろう。
2015.11.05
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