全13件 (13件中 1-13件目)
1
モトが待っていたのは石川美紀。「付き合ってほしい」と書いた手紙を、昨日美紀に渡した。でも、そこにやってきたのはブン。ブンと美紀は、2年の終わり頃から、つまり、もう2~3ヶ月付き合っていたのです。サッカーの市内選抜チームに選ばれ、オーストラリアに行くことになったのもブン。選考合宿中、ブンは調子があまり良くなかった。そして、モトは合宿の仕上げの紅白戦で1ゴールを決めていたのに……。出会ったばかりの頃は、モトの方が少し前を歩いていた。その頃、ブンはモトに追いつこうと、じたばたあせっていた。二人で並んでいる頃は楽しかった。でも、ブンは一人で前に出て、ぐいぐいと一気に差を付けてしまった。美紀から、ブンが選抜チームをやめようとしていることを聞いたモト。持っていた傘を美紀に手渡し、雨の中を、ブンの家に駆けつける。ブンは、車で、恵美と共に墓参りにいくところだった。命日は2月。亡くなって、今年で8年目。恵美が中学校を卒業する直前、その友だちは亡くなっていた。恵美が花を買いに行っている間に、モトとブン交わした言葉は、やっぱり、モトとブンらしいものでした。そして、ブンが水をくみに行っている間に、恵美がモトに語りかけた言葉は、やっぱり、恵美らしいものでした。恵美と由香そして、ブンとモト。友だち。
2006.01.30
コメント(2)
第3章からは、「会議の進め方」のハウ・ツー本です。 それはそれで、たいへん参考になるものであり、 丁寧なことには、巻末の付録として 「すごい会議のやり方」を再度まとめ直してくれています。 この会議の進め方を、一度試してみようという場合には、 とても便利なつくりになっていると言えるでしょう。 しかし、私が興味を持ったのは、第1章と第2章。この部分は、著者の大橋さんが、大学を卒業後どのような環境で働いてきたかを描いた部分なのですが、「こんな世界、こんな人もいるんだ……。」と大いに驚かされました。彼が務めた始めた石油探査を行う会社では、新卒でも手取り1000万円で、社長の給料は3億円!彼が入社した年には、全世界から200人が採用され、日本からは2人の採用。そこでの勤務は、予想を上回る、なかなかに厳しいもの。そして、彼は2年で1000万円ほどの資金を貯めると、新たなビジネスを始めるため、日本に帰国。次々に、世界を股にかけた挑戦をしていくことになったのです。やはり、これぐらいのバイタリティーを持ちながら、当然「無一文になるかも知れない」というリスクは、覚悟の上で、人生を賭けたギャンブルを続けていかないと、こうは、なれないんだなぁ……。思わず、溜息が出てしまいました。著 者:大橋禅太郎発行所:大和書房※ この記事は、他サイトに2005年10月30日に投稿した記事を 移転したものです。
2006.01.30
コメント(0)
「相手に何でも信じ込ませる禁断のテクニック」 などと言われると、 つい、知りたくなってしまうのが人情というもの。 新聞広告で見かけて、早速購入しました。 読み進めていくと、 確かに「人の心理を利用」するために、 相手を「巻き込む」テクニックが満載。 「ニセ占い師」や「エセ霊能者」対策には、効果がありそうです。しかし、改めて考えてみると、この著作に書かれているような技法は、知らず知らずのうちに、私たちが普段の会話の中で駆使しているものが、結構あるのでは?つまり「コールドリーディング」などという難しい専門用語で言われると、構えてしまいますが、何て言うことはない「良い人間関係を構築するために必要なコミュニケーション技術」なんでしょうね。だからこそ、普段の生活の中で「使える技術」であると言えると思います。もちろん、間違った使い方をすると、とんでもないことになりかねないので、要注意ですが……。著 者:石井裕之発行所:フォレスト出版株式会社※ この記事は、他サイトに2005年09月19日に投稿した記事を 移転したものです。
2006.01.30
コメント(0)
このままで良いんだろうか? このまま突き進んで、その先に何があるのだろうか? 今の生き方は、将来、後悔することがないものなのだろうか? 普段は、日々の仕事に追われ、 そんなことを考える余裕すらないけれど、 ちょっとしたエアポケット・タイムに、 ふと、気付いたら、こんなことを考えている……。あと、何年かすれば、確実に今の日常は終わる。その先に、何か目指すものはあるのだろうか?その時、自分は、人生に何を求めるのだろうか?そんな自問自答への答えを見出すべく、本書を手に取った。著者は、尊敬すべきビジネス・リーダー大前研一氏。どうすれば、もっと潤いのある、豊かな日々を過ごすことが出来るのか。どうすれば、将来、さらに充実した人生を送ることが出来るのか。その答えのヒントが、確かにこの一冊の中にはある。もちろん、それらは、自分流にアレンジしなくてはならない。そのアレンジこそが、自分にとって、とても大事なことだと思う。この著作で最も印象に残ったセンテンス「断言するが、 自分の健康を犠牲にする価値がある仕事など存在しない。」著者:大前研一発行:小学館※ この記事は、他サイトに2005年09月05日に投稿した記事を 移転したものです。
2006.01.30
コメント(0)
このお話の主人公は、中学3年生の9月に転校してきたばかりの西村さん。それと入れ替わるように、由香ちゃんは入院。西村さんの提案で、由香ちゃんのためにクラスのみんなで千羽鶴を折ることに。でも、恵美は、その提案を無視。しばらくすると、千羽鶴を折ってくれるメンバーは次第に減っていく。一人で、帰宅後も夜遅くまで千羽鶴を折る西村さん。前の学校にいたとき、西村さんはいじめられていた。そんな西村さんが入院したとき、担任の先生が千羽鶴を持ってきた。クラス全員で、反省とお詫びの心を込めて折ったという。でも、その千羽鶴は3日でゴミ箱に放り込んだ。その本当の理由は、母親にも言わなかった。千羽鶴の1羽を糸から抜き取り、中を広げると、<死ね>と書いてあった。次の1羽には、赤いインクで<呪>。三羽目は<嫌われ者>……。1羽だけ手元に残したのは<死んでもいいよ。でも死んだあとも嫌い>と書かれた折り鶴。千羽鶴を折る友だちは、誰もいなくなった。そんな時、恵美は西村さんを、由香のいる病院に連れて行く。そこで、恵美が西村さんに言った言葉 「西村さんは、友だち、たくさん欲しいひとでしょ」 「わたしは違う」 「いなくなっても一生忘れない友だちが、一人、いればいい」 「一生忘れたくないから、たくさん思い出、ほしい」 「だから……『みんな』に付き合ってる暇なんてない」恵美と由香の深い結びつき。西村さんは、きっと何かに気付いたことでしょう。
2006.01.29
コメント(0)
これは、ブンちゃんやモト君のサッカー部の先輩、佐藤君のお話。そう、ブンちゃんとモト君が入学早々大活躍したため、2年生たちがレギュラーの座を奪われたとき、ブンちゃんを河原に呼び出して、シメようとしたあの佐藤先輩。彼は、今3年生。ずっと補欠だったサッカー部をすでに引退している。でも、グラウンドに現れては、下級生たちに偉そうに振る舞う。ある夜、そのことを仲間だった河野君から電話で咎められる。にもかかわらず、翌日、ブンちゃんに会うと、早速いちゃもん。周囲の冷ややかな視線を感じながら……。彼が好きなのは、同級生の梅村琴乃さん。彼の母親が開いているピアノ教室に、彼女は通い続けている。そして、彼も、以前はピアノを習っていたのです。秘められた特技ですね……そんなに特別に上手なわけではないけれど……。そんな彼女に頼まれて、佐藤君は3年生の引退試合のビデオを貸す。自分は、全く出場できなかった試合のビデオ……自分は全く見ていない……。バレンタインデーの放課後、琴乃さんが、誰か他の男子にチョコを手渡したとの噂を聞いて、意気消沈でグラウンドへ。そこにいた、ブンちゃんに声をかけ、サッカーを始める。でも、その最中、ブンちゃんの足首に怪我をさせてしまう。病院で、診察結果を心配しながら待っているとき、恵美が現れる。そして、佐藤君のことをビデオで見たと言う。試合に出ていない補欠を、恵美は覚えているという。そこでの恵美の佐藤君への語りかけは、さすがに恵美。そして、ブンちゃんのために買ったチョコレートをそっと佐藤君に差し出すのでした。こんな佐藤君にも、彼だけの人生があるのだということを、強く感じさせられました。
2006.01.29
コメント(0)
1988年「国語入試問題必勝法」で、第9回吉川英治文学新人賞を受賞した 作家の清水義範さんによる、ちくま新書最新刊です。 いきなり、巻頭が歴史ショートショートで始まったり、 疑似対談形式の部分があったりするなど、ユニークな構成の本著。 しかも、内容はとっても濃いものになっています。 まずは「大人」とは何かという定義付けから始まります。 生物として成長しているか否かで…… 「大人」←→「子供」 人間として老成しているかどうかで…… 「大人」←→「大人でない」そして、後者の分類の「大人」のよい面と悪い面、「大人でない」のよい面と悪い面を挙げていきます。ちなみに「大人」のよい面としては、「豊かな経験をもとに正しい判断ができる」「自己のコントロールができる」「対人関係が構築できる」「子を教育する」等「大人でない」の悪い面としては、「自分本位になりがちである」「視野が狭い」「生活力がない」等々。本著で、著者が述べようとしているのは、今の日本人は、「大人」のよい面が薄れてきていて、「大人でない」の悪い面が目立つようになってきているんじゃないだろうかということです。「若いですね」が褒め言葉になる日本。未熟なのが「可愛い」と言われる、可愛らしい国日本。そして、アニメやゲームのような「お子様たちの文化」が、世界への売りになっている日本。その他、諸々の社会現象が、確かに幼児化しているように、私も感じます。「大人」として生きることが必要とされないのなら、「大人でない」まま、時を過ごす方が、うんと楽でしょう。その方が、「責任」という荷物を背負わなくてすみますから。そんな「未熟なままでOK!」という風潮が、フリーターという選択肢を創造し、そこからニートの急増に繋がっていったような気がします。ところで、「大人でない思考」の氾濫は、本当に気になります。何か事件・事故が起こると、マスコミを中心に早速犯人捜しが開始され、誰かが、犯人を発見・確定してくれると、みんな、それですっかり納得気分。「ぼくが悪いんじゃないもん」という子供並の思考・発想が蔓延しています。「大人」らしい思考・発想を示せる人は、もういないのか……。それを受け入れるだけの「大人」らしさを、すでにこの国は失ってしまったのか……。これから先の苦境の時代、確かに「大人」が必要だと感じます。「何があっても、今の生活を変えたくない、少しでも変わるのはこわい」では、もうやっていけそうにないのは明らか。悪い状況に耐えられる逞しさ、その状況を受け入れて耐えてみせるという「大人」の気概が必要です。著 者:清水義範発行所:筑摩書房
2006.01.29
コメント(0)
JET日本語学校理事長の金 美齢さんの著作。 テレビ番組にコメンテーターとして出演されることも多く、 常に大きな存在感を示しておられるので、ご存知の方も多いでしょう。 「子育ては闘い」という言葉は、まさに言い得て妙。 一人の人間を育てあげるということは、 自分の人生を賭けるだけの価値がある大事業だと私は思いますが、 その覚悟を決め、子育てに臨んでいる人が、どれほどいるでしょうか。そして、その「子育て」の目指すところ、即ち、子どもを「自立した責任感のある大人」に育てあげるために、親として、どのように振る舞っていけばよいのかを、明快に示してくれています。また、「学校」についても、そこがどのような場であるべきかを見つめ直すことで、親・教師・社会が、どのように関わっていけばいいかを示してくれています。さらに、「国家」への関わりについても、独自の主張を展開します。「阿吽の呼吸」を期待して、婉曲的な表現を好む日本人とは違い、台湾人である彼女の言葉は、まさに外連味のないストレート。私たちが見失っている、いや見失っているつもりでいることをズバッと指摘し、日本が今後、世界で通用する国になれるよう、叱咤激励してくれているのです。一言一言が、「本当に日本を愛してくれているなぁ」と感じさせてくれる一冊です。著 者:金 美齢発行所:PHP研究所
2006.01.29
コメント(0)
職場の上司に勧められて、早速購入。 昨年10月に発行された新潮新書の一冊で、全部で11話。 たいへん読みやすく、あっという間に読み終えました。 著者は、非言語(ノン・バーバル)コミュニケーションの重要性を、 11のお話の中で説いていきます。 それは、仕草や色、臭い、タイミング(間)、距離、外見、行儀作法、顔色等々。 私が特に印象に残ったのは、 第4話「マンガの伝達力」と第9話「舞台は人生だ」です。昔、結構本気で(?)漫画家になりたかった私にとって、第4話は、大変興味深いもので、「コマのマジック」の部分は、さすが漫画家でもある作者の記述と感心させられました。また、第9話では、ユニホームの威力を再確認することができました。ところで、第1話「人は見た目で判断する」の中に出てくる、「言葉は7%しか伝えない」という事実。日々、一生懸命に言葉で伝えようと努力している人にとっては、結構、厳しい現実かもしれませんね。でも、7%とは言え、やはり言葉はとても大切。非言語コミュニケーションと言語コミュニケーションの両方が上手く駆使できれば、鬼に金棒と言ったところでしょうか。とにかく、気楽に読み進めることができるのが、本著の特徴。これまでに、心理学やコミュニケーションについて、それなりに学んできた人には、ちょっと物足りなさが残るかもしれません。著 者:竹内 一郎発行所:新潮社
2006.01.28
コメント(0)
お茶の水女子大学理学部教授の藤原正彦さんの著作。 藤原氏は、作家の新田次郎さん、藤原ていさんの次男と言うことで、 その文体には、まさに血統書付きの「品格」が漂っています。 氏の「論理だけでは世界が破綻する」という考えは、 衝撃的でありながらも、誰もが納得せざるを得ないものになっています。 まず、「論理には出発点が必要」だとしたうえで、 「その出発点は、論理的帰結ではなく常に仮説であり、その仮説を選ぶのは論理ではなく、主にそれを選ぶ人の情緒なのです」との指摘は、言われてみれば、全くその通りで、何の抵抗もなく、当然のこととして受けとめることができます。だからこそ、「最も重要なことは論理で説明できない」「重要なことは押しつけよ」といった大胆な指摘を、ハッとさせらながらも、スッと受け入れてしまうのでしょう。また、我々がこれまで自明の理として学んできた「自由、平等、民主主義」について、また、経済だけでなく様々な分野で推し進められている「グローバリズム」について、これほどまでに、正面から疑問を投げかけた書は、皆無だったのではないでしょうか。戦後、日本が捨て去ってしまった、いや捨て去るように仕向けられたものを、もう一度見直す価値が十分にあることを、この著作は教えてくれています。世界に共通する普遍的な「情緒と形」を大切にすることを念頭に置きながら、日本の真の素晴らしさを取り戻し、本来あるべき姿へと導いていかねばなりません。著 者:藤原正彦発行所:新潮社
2006.01.28
コメント(0)
大阪大学大学院人間科学科教授の志水宏吉さんの著作。 志水さんは、兵庫県西宮市の材木屋に、長男として生まれ、 公立の小・中学校で学んだ後、岐阜県の私立全寮制男女共学校に進学。 そして、その高校で初めての東京大学進学者となった方だそうです。 こんな感じの著者自身の学力形成のあゆみを、まず最初に振り返った後、 「学力」についての研究成果が述べられていきます。 そこで紹介されている「カリキュラム改革の振り子」や「学力の氷山モデル」、 そして、氏の唱える「学力の樹」の説明は、たいへん分かりやすいものです。今、世間を騒がせている「学力低下」問題については、学力実態調査の具体的なデータを示しながら、説得力ある記述を展開し、そこに見られる「階層間格差」を指摘しています。さらには、バーンステインの「言語コード論」やブルデューの「文化資本論」を引き合いにして、学力の基礎を形づくる家庭の役割の大きさについて述べ、「習慣づけ」こそが、学力形成において決定的に重要だとしています。一方、学校については、不利な環境のもとにありながら、それを克服して、子ども達に基礎学力を定着させている「効果のある学校」の存在に着目し、小・中学校から、その実例を一つずつ挙げ、そこに共通する要因を見出そうとしています。そして最後には、「学力の樹」を育てる地域の役割に言及し、首都圏発の「学校選択制」と結びついたコミュニティ・スクールと大阪発の「校区制」と結びついたコミュニティ・スクールの違いを述べています。結びでは、これからの学校は「学力」だけでなく、「社会性」をも育む場として、積極的な役割を担っていくべきだとしています。私は、幸いにも、今日、志水氏のお話を直接伺う機会に恵まれ、この著作について、より一層理解を深めることができました。志水氏は、自らを「米元大統領クリントンに似ている」と紹介されましたが、その風貌は、実際の年齢以上に、風格を漂わせておられました。今後のさらなる研究活動を期待したいです。著 者:志水宏吉発行所:岩波書店
2006.01.28
コメント(0)
以前、映画で、この作品を観た知人から 「なかなか良かったので、観てみるといいよ。」と勧められました。 ただし、「一人で観に行った方が良いよ。」というアドバイスももらっていました。 映画の方は、残念ながら上映中に映画館に足を運ぶことが出来ず、 また、近所のレンタルショップでは、陳列棚にDVDを発見出来ないので、 まだ見ることが出来ていません。 そんな時、古本屋さんで、この本を見つけ、あまりに値段が安かった(157円!)ので、思わず購入してしまいました。原作は、わずか100ページ余りの短編です。読み始めると、なかなか激しい描写表現が続き、途中でちょっと気分が悪くなってしまいました。そのため、少し休憩をしてから、再び読み始めることに。 ただ消えていくのではなく、ひたむきに一日一日を「生きる」ことを選び、 「死ぬまでにしたいこと」をかなえていく強さを持った女性「あとがき」にかえてでは、訳者の方が、主人公の女性について、このように述べています。主人公の女性の「生き方」に共感する女性がどれくらいいるのか、また、実際にそのような行動をとれる女性がどれくらいいるものなのか、私としては「モヤッと」気分の読後感でした。知人の「一人で観に行った方が良いよ。」というアドバイスの意味が分かったような気がしました。でも、映画は機会があれば観てみたいと思っています。著 者:ナンシー・キンケイド訳 者:和田まゆ子発行所:祥伝社
2006.01.24
コメント(0)
この作品は、重松さんが、1999年に山本周五郎賞を受賞したものです。 主人公のエイジは、中学2年生で、14歳になったばかりの男の子。 元々バスケットボール部に所属していたんだけれど、 オスグッド病になってしまったため、現在はリタイア中で帰宅部。 一緒にプレイしていた友人の岡野君は、バスケ部キャプテン。 でも、副部長だったエイジからのサポートが無くなってしまい、 他の部員たちからは、浮いた存在で、かなり苦しい状況。エイジが好意を持っている女生徒は、相沢志保ちゃん。一緒にクラスの福祉委員をやっているけれど、志保ちゃんからは、後輩の本条めぐみを紹介され、そちらと付き合うことになってしまいます。家族は、高校教師の父に母、そして女子高生の姉の4人。皆で誕生日を祝ったり、海釣り公園に出かけたりしようとする暖かい家庭。もちろん、思春期を迎える子どもにとっては、それが結構鬱陶しかったりするのですが。クラスメイトには、実にさまざまな人達がいます。エイジのお気に入りは、ツカちゃん。クールで理論的なのは、タモツくん。そして、連続通り魔事件の犯人も……。ところで、『おはよう運動』や『さよなら運動』が、何か特別のことのように描かれているのには、ちょっと驚きました。こんなの、普通に、どこの中学校でもやってることじゃないの?そして、最後の解説は、杉並区立和田中学校校長の藤原和博さんによるもの。「よのなか」科の授業で知られる、リクルート社のビジネスマンから民間人校長に転身した著名人。私は、小説を読むとき、解説を先に読んでしまうことが多いんですが、この作品は、是非とも先に解説を読んでから、本編を読むことをお勧めします。作品理解の度合いが、きっと全然違ってくると思いますから。
2006.01.22
コメント(0)
全13件 (13件中 1-13件目)
1