全9件 (9件中 1-9件目)
1
『霊魂修繕工』は、ヒロインがBPDという設定の韓ドラ。 BPDについては、岡田尊司さんの著書を読んだことがあったのですが、 もう少し詳しいことを知りたいと思い、本著を購入。 かなりのボリュームがあり、手に取るとずっしりと重い一冊です。 副題は「はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ」で、 本著は、BPDの周囲でその対応に苦慮している人たちに向けて書かれたもの。 「第Ⅰ部 境界性パーソナリティ障害の行動を理解すること」を読み進めていくと、 『霊魂修繕工』が、その特性を上手く捉え、エピソードを作っていると感じられます。 今度は、飛行機に乗っていると想像してください。 あなたは安全器具の説明書を読んでいます。 説明書には、酸素濃度が下がったら酸素マスクが出てきます、 子どもに酸素マスクをつける前に、まず自分の酸素マスクをつけてください、 と書いてあります。 これは理にかなったことです。 息ができなければ、子どもを助けることもできませんから。 このように、まずあなた自身を大切にすることが肝要です。 感情的に疲れ果て、肉体的にも疲れ切った親には、 感情的に健全な子どもを養育することさえほとんどできません。 ボーダーラインの子どもならなおさらです。(p.269)この一文が、本著において何度も繰り返し述べられていることを集約したものです。それは、子どもに対してだけでなく、どの発達段階のBDPに対しても。本著には、スーザン・フォワードやキューブラー・ロスの名前も登場します。対BDPだけでなく、様々な対人関係について考えさせられる一冊です。
2023.01.29
コメント(0)
これまで「定年」に関する本を結構読んできましたが、 本著は、勢古 浩爾さんが書かれたものとは全く趣が異なりました。 しかし、河合 薫さんが書かれたものには少し近いものを感じ、 さらに、楠木 新さんが書かれたものには、より近いものを感じました。 ***本著では定年後の仕事について、第1部で「15の事実」を確認していきます。それは、「年収は300万円以下が大半」や「生活費は月30万円弱まで低下する」、「稼ぐべきは月60万円から月10万円に」、「70歳男性就業率45.7%」、「デスクワークから現場仕事へ」等で、どれも「なるほど」と思えるものばかり。 実際に、高齢期において必要となる収入はそう多くないのである。 そうであれば、一心に成長を追い求め続けるキャリアから距離を置き、 ペースを落としながらも着実にいまできる仕事で活躍するという選択は、 成長し続けるキャリアと同様に肯定されるべきなのではないだろうか。(p.99)これは、「高齢期の働き方」について、とても考えさせられる一文。このような発想の転換が、いつかは求められるということでしょう。続く第2部では、具体的な事例が7つ示され、当事者が「仕事」をどのようにとらえ、向き合っていったかを知ることが出来ます。そして第3部では、「小さな仕事」を積み上げることの大切さが述べられており、ここに著者の考えや思いが集約されているように感じました。 年800万円の報酬を得る傍らで、800万円分の仕事をなす社員は良い社員である。 それと同時に、300万円分の仕事をして、 その対価として300万円分の報酬を得る社員も良い社員である。 ペイフォーパフォーマンスの原則が成立していれば、 この二者の企業に対する貢献は同一であり、 報酬の高低の差はあっても、従業員としての優劣はない。 これはつまり、企業は高齢期の小さな仕事を もっと尊重してもいいのではないかということである。(p.227)これには、「目から鱗が落ちる」思いでした。当然と言えば当然なのですが、実際の現場では、再雇用となり報酬が激減したはずの従業員に対して、以前と同等のパフォーマンスを期待し、要求しているように感じることが多いです。 働き手が急速に減少するこれからの日本社会において、 働かなくても豊かに暮らせる社会は早晩諦めなければならなくなる。 しかし、これは必ずしも現役時代の働き方を 永遠に続ける必要があるということを示しているわけではない。 日本社会が今後目指すべきは、地域に根差した小さな仕事で働き続けることで、 自身の老後の豊かな生活の実現と社会への貢献を無理なく両立させる社会である。(p.237)これも、今後発想の転換が必要不可欠となる部分。「定年退職後は隠居して年金生活」というのは、もう昔話の世界になるのですね。 働き手に気持ちよく仕事をしてもらえる環境をいかにして作り上げるか。 また、その結果として、いかにして多くの人に働いてもらえるか。 日本に住むすべての消費者にとって、 こうした考え方はこれからますます大切になっていくだろう。(p.240)これは、経済活動における消費者の姿勢にまで言及した部分で、大いに共感出来ました。本著は、「定年後の仕事」を扱いながら、これからの日本経済のあり方についても述べた一冊で、これまでに私が読んだ「定年」関連本の中でも、特に心に残るものとなりました。
2023.01.29
コメント(0)
「プロローグ」では、小春が陰陽師関東本部で東の本部長・菅原昭と対面。 本部長が発した『こら、ほんまに「斎王」やな』の言葉に 周囲の陰陽師たちも、皆相槌を打ちます。 そして、今回の事件への協力を正式に要請されたのでした。 第1章「甘酸っぱい想いの中に。」では、朔也たちが愛衣の新居の調査を開始。 吉乃の仲介で、徳松学園長からかつて神社だった場所の変遷を聞くことに成功します。 一方、澪人と小春は結界補強のため東京を巡り、若宮とコウメもそれに加わります。 しかし、日枝神社で純白の少年を見かけると、若宮とコウメは姿を消してしまったのでした。第2章「禁忌の術式。」では、由里子が大伯父の家を訪ねた際、『呪術』の書物を目にします。その帰途、学園に寄って朔也に自分の想いを伝えますが、良い返事は得られませんでした。一方、愛衣は、教室に元担任の早乙女を呼び出し、自分の父との関係を確認します。早乙女の気持ちを確認し、自身の思いも伝えた愛衣は、気持ちが落ち着くのでした。第3章「紐解かれる過去。」では、澪人と小春が東京で結界補強を継続しつつ、今回の事件に関わる元関西審神者頭・谷口透の行方を追います。しかし、あの純白の少年が姿を現し、2人の行動を妨害しようとしたのでした。そんな中、杏奈がEU国際芸術映画祭で主演女優賞を受賞、宗次朗に求婚宣言をします。第4章「重なる影。」では、由里子が一条戻橋で『召喚図』を発見。由里子を心配して駆けつけた和人は、その場で恋に落ちてしまったことを告白します。一方、澪人と小春は、谷口が宗次朗の師匠の息子だと気付き、浅草の和菓子店に向かいます。そして、宗次朗と一緒に店のカウンターにいた師匠に、その事実を確認したのでした。「エピローグ」では、タブレットを通し、京都と東京で関係者が揃ってミーティング。『凶星』のリーダー・谷口が、『禍津日神』の力を用い、陰陽師組織を解体に追い込もうと画策していると気付き、それを阻止すべく動き始めます。その頃、若宮が純白の少年に「これから面白いことが起こりますよ」と話しかけていました。 ***谷口と宗次朗の師匠の関係は、前巻から何となく予想できていましたが、由里子と和人の関係が、こんなにも一気に進展するとは、全く予想していませんでした。それにしても気になるのは、純白の少年と若宮の関係ですね。若宮君、ひょっとして闇落ちしてしまったのでしょうか……
2023.01.29
コメント(0)
『探偵の探偵』シリーズのスピンオフ。 『高校事変』シリーズのスピンオフ『優莉凜香 高校事変 劃篇』も出ましたが、 凜香がヒロインの妹として度々登場する重要キャラクターだったのに対し、 「桐嶋颯太」の方は、私はすぐに思い出せませんでした。 それでも、自身の書いた過去記事を見る限り、結構名前が登場しているので、 それなりの重要キャラでありながら、シリーズが比較的短期間で終了したことや、 発行されてから、既に程々の年月を経ていることから、 私の記憶に留まってくれていなかったということなのでしょう。 ***ガールズバーでアルバイトをしていた19歳の大学生・曽篠璃香は、ボールベアリング分野で世界シェア1位の大企業社長・漆久保宗治に気に入られ、執拗に付き纏われるようになったことから、紆余曲折を経て桐嶋颯太に助けを求めることに。しかし、桐嶋は漆久保に一泡吹かせることに成功するものの、璃香は殺されてしまいます。その後、桐嶋は、姉の復讐を果たそうとする晶穂と共に漆久保に捕らえられてしまい、ここからは、延々と厳しい状況が続くことになります(あれで死なないのは逆にスゴイ)。二人の危機を救い、日本国内での拳銃所持をアメリカに近い法規制に落ち着かせ、市場独占を目論む漆久保に対し、反撃の狼煙を上げたのは、やはり紗崎玲奈でした。 ***紗崎玲奈は、『高校事変Ⅺ』や『高校事変Ⅻ』で登場した時には、随分大人しめでしたが、今回は、かなり「らしさ」が出ていました。時間的に言うと、他の記述から推測しても、『高校事変Ⅻ』後のお話のようですね。
2023.01.22
コメント(0)
中野信子さんと三浦瑠璃さんの対談を一冊にまとめたもので、 お二人ともTVでよく見かけ、ネットニュース等で取り上げられることも多い方。 中野さんについては、内田也哉子さんとの対談を読ませてもらいましたが、 三浦さんとはどんな感じになるのだろうと、期待しながら読み進めていきました。 *** だから、片方のタイプの脳の人がもう片方のタイプの脳の人を 「そんなの人間としておかしい」とかあれこれ言ってみてもあまり意味がない。 それぞれの機構で「自分の感覚が普通だ」と脳が処理しているから。 それなのに「生まれたからにはいろんな人と付き合いたい」だとか 「1人の人と添い遂げるのが本当の幸せ」などと言い合っても話がかみ合わないわけです。 あなたの茶色の目はおかしい、いやあなたの青い目こそいかがなものか、 と言い合っているようなものです。(p.29)これは中野さんのことば。『不倫』を既に読んでいたので、言わんとすることはよく分かりました。 つまりは、社会のあり方の違いでも、 不倫の捉えられ方は変わってきたんだと思うんですよね。 何をもって不倫と言うのか、何がその社会の倫理から外れているのかというのは、 時代背景にっても異なる。(p.33)これは三浦さんの言葉。このことは、「不倫」以外の様々なことについて言えるのではないかと思います。今現在良しとされている「尺度」に当てはめて、全てのことを測ろうとする姿勢は、本当にそれでいいのだろうかと、私も疑問を感じます。 そういう「オーバーサンクション」と言われる現象があるんですが、 面白いことに、オーバーサンクションを加えている側には快感が生じるんですね。 制裁というのは他者への攻撃なので、元来はリベンジのリスクがあるわけです。 でも、リベンジのリスクを怖れて制裁を加えないと集団が壊れちゃう。 だからこういうときは攻撃に快感を持たされているわけなんです。 この攻撃の快感をエンタメとして形にしたのが週刊誌と言っていいんじゃないですかね。 いじめもきっと同じ構造ですよね。(p.67)これは、中野さんの言葉に、三浦さんが言葉を足した部分。ネット上でバッシングが過激化していく理由を、見事に言い当てているのではないでしょうか。これがビジネスと繋がってしまっていることが、とても恐ろしいです。
2023.01.22
コメント(0)
「プロローグ」は、賀茂邸で行われた澪人の審神者頭就任を祝う儀式の様子と、 宗次朗が倒れた師匠を助けるため浅草に帰ると皆に報告する様子が描かれます。 第1章「七色かき氷と、西と東の都にて。」では、宗次朗が浅草に出発した後、 関東本部の依頼で澪人の東京行きが決定し、小春も実家に帰省することに。 一方、京都ではOGMのメンバーと和人が三角形の結界の挨拶詣りを開始します。第2章「夏カレーと迷子の翁。」では、不思議投稿サイトに投稿された事件を解決すべく、朔也が単独で六波羅蜜時辺りに出かけ、仙人のような翁に遭遇します。後日、和人と共にそこを再訪した朔也が持つスマホ越しに、澪人が翁に語りかけると、翁は「黄泉がえりの井戸」のある六道珍皇寺へと向かうべく、姿を消したのでした。第3章「空を泳ぐ蛇と東京星図。」では、小春が巨大な蛇が東京の空を泳ぐ姿を目撃。その後、関東本部で星詠みの審神者・川瀬博也から西洋占星術についてレクチャーを受けます。それからは、両親や澪人と実家で夕食を共にしたり、宗次朗、杏奈、澪人と、杏奈の映画祭受賞を願って東京大神宮へお詣りに行ったりします。そして、そこで久しぶりに若宮と再会し、禁忌の祝詞を上げていた犯人も判明したのでした。「エピローグ」では、OGMのメンバーが京都と東京でスマホ越しに集結し、その後、由里子が朔也に告白しようと思っていると和人に伝えたのでした。掌編「甘酸っぱい恋と苺大福。」は、「あとがき」によると7巻発売時に一部書店で配られた特典の書き下ろしショートショートとのこと。舞台は、1巻の頃で、小春が宗次朗に教えてもらいながら苺大福を作り、それを澪人に食べてもらおうとするというお話で、レシピがちゃんと載っています。 ***先日、今巻でも登場した神泉苑を参拝してきました。新たな御朱印帖を購入し、「善女龍王」の御朱印を頂きました。また、近隣の二条城では、文化庁移転記念事業「世界遺産 二条城の早春」として、「国宝・二の丸御殿 黒書院 二の間特別入室」が行われていたので、足を運んできました。さらに、二条城障壁画展示収蔵館では、重要文化財・二の丸御殿障壁画 原画公開「新春を 寿(ことほ)ぐ ~松竹梅~」が行われており、こちらも見てきました。外国から来られた方の姿が、随分目立つようになってきましたね。
2023.01.14
コメント(0)
文庫本上下2分冊の下巻。 上巻の454頁に比べると403頁と少なめですが、それでもずっしりと重い。 今巻も、原マルティノら天正遣欧使節の一行と俵屋宗達が大活躍しますが、 印象に残るのは、バロック期のイタリア人画家・カラヴァッジョとの出会いです。 ***「第2章 承前」では、ゴアでヴァリニャーノと別れた少年遣欧使節団一行が、幾多の嵐や荒波を乗り越え、遂にポルトガルの陸地を目にするまでが描かれます。「第3章」では、使節団一行が各地で枢機卿や司祭、副王、国王などに会いながら、リスボンからマドリード、ローマへと陸路を東進していく様子が描かれます。その途上、ブロンズィーノやダ・ヴィンチ、ミケランジェロの作品を目にした宗達は、ローマ教皇との謁見を果たし、信長からの献上品
2023.01.14
コメント(0)
本著は、ダイヤモンド・オンラインに連載された 「『うつ』にまつわる24の誤解(2008.10~2009.9)」と 「現代人に突きつけられた『うつ』というメッセージを読み解く (2009.10~2010.3)」をまとめて再構成し、若干の加筆・訂正を行った 『クスリに頼らなくても「うつ」は治る』(ダイヤモンド社 2010.11発行)を、 さらに加筆修正したもので、副題は「生まれ直しの哲学」。 著者は『仕事なんか生きがいにするな』の泉谷閑示さん。 *** 「うつ」とは、「頭」の一方的な独裁に対して、 「心=身体」がある時点でたまりかねてストライキを決行した状態です。(中略) つまり「励ます」ということは、 「頭」の《意志》による自己コントロールを再び強化せよと言っているわけですから、 ストライキに対して軍隊を向けるようなもので、事態が泥沼化するのは明らかです。(p.136)これは「なぜ『励ましてはならない』のか?」について記述したもので、とても上手く説明してくれていると思います。本著には、このように「うつ」に関する様々な疑問や対応について、スッと納得できる説明をしてくれている部分が、とても多いと感じました。 戦後の「食べられるか否か」という「生理的欲求」の時代から、 雇用や身分の安定を求める「安全の欲求」の時代が到来し、 それは同時に、会社組織や家族・友人のみならず、 学生運動・労働運動・派閥などの絆を重視し、 何らかの居場所を求める「所属と愛の欲求」の時代でもありました。 そして、持ち物のみならず学歴や職業にまでブランドを求め、 周囲からの評価や羨望を得ようと躍起になった 「認められることへの欲求」の時代の頂点で、バブル経済は崩壊しました。(p.158)これは、戦後日本の価値観の移り変わりを、「マズローの欲求段階説」に対応させながら説明している部分ですが、すんなりと納得できる内容ではないでしょうか。さらに、これに関連する次の部分についても、とても腑に落ちるものです。 人間の基本的価値観は、どんな価値観が支配的な時代に人格形成期を迎えたかによって、 少なからず方向づけられてしまうところがあります。 もちろん、それ以外の個別的要因も重要なファクターではありますが、 いずれにせよ一度できあがってしまった基本的価値観は、 時代が移り変わっても、深いところでは「なかなか簡単には変化しにくいものです。(p.159)
2023.01.09
コメント(0)
文庫本上下2分冊で、上巻が454頁、下巻が403頁。 マハさんの作品の中でも、最大級のボリュームを誇る本作は、 俵屋宗達、原マルティノ、中浦ジュリアン、伊東マンショ、千々和ミゲル、 狩野永徳、織田信長、ヴァリニャーノら、歴史上の有名人が繰り広げる冒険譚。 ***「プロローグ」では、京都国立博物館研究員・望月彩が、6歳で『白象図』と出会い、以降、30年以上も俵屋宗達を追いかけてきた様子が描かれます。そんな彩を、マカオ博物館学芸員・レイモンド・ウォンは、自らが勤務する博物館に招き、油彩画「ユピテル、アイオロス」と共に、「俵屋宗達」と記された古文書を見せるのでした。「第1章」では、セミナリオで学ぶ14歳の原マルティノと、同い年の俵屋宗達との出会いや、宗達が12歳の時に、織田信長の面前で絵を披露するに至った経緯が描かれます。さらに、織田信長の命により、狩野永徳がかつて『洛中洛外図』を描いた際の様子や、新たな『洛中洛外図』描くことになった際、宗達がそれを手伝った様子も明らかに。そして、この新たな『洛中洛外図』の披露後、信長は宗達にローマに行けと命じたのでした。「第2章」では、ヴァリニャーノを団長とする4人の少年遣欧使節と共に、宗達が長崎を出航し、ローマへと向かう様子が描かれます。マカオ、マラッカ、コチン、ゴアへと船は進み、その後、再びコチンに戻ってから、喜望峰を経てセント・ヘレナ島、リスボンを目指すのです。 *** 空を覆い尽くしていた暗雲が、少しずつ消えていく。 雷鳴がしだいに遠ざかる。 大海原を揺るがしていた轟は、はるかに、かすかになっていく。 風はまだ強く吹いている。 が、その風を帆いっぱいに受けて、船は力強く波間を渡っていく。 雲間から一条の光が差し込んだ。 その光が帆柱(マスト)を照らし出す。 まるで祝福しているかのように。(p.366)第2章の冒頭部ですが、本当にスゴイ……まるで音楽を聴いているかのような、流れるような旋律と心地良いリズムに、その光景がまざまざと目に浮かび、その中に包み込まれてしまいそう。マハさん、まだまだ進化し続けていますね。
2023.01.08
コメント(0)
全9件 (9件中 1-9件目)
1