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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.02.11
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 それらを自分の血肉として、生きていくことは、
 そう容易いことではないように感じた。    
 「生きる」ということは、それほどに意味深長なこと。

 特に、親鸞や『歎異抄』に関わる事柄が前面に押し出された後半部の記述は、
 それと知らずに、本著を購入した者にとって、
 読み進めるだけでも、相当骨が折れる作業であろう。
 ましてや、一読でそれらの記述に共感するに至るのは、至難の業かもしれない。

しかし、そんな境地にいきなり至らずとも、

例えば、次の、南の国でのアメリカ人と現地人の会話から。

  ヤシの木の下で、いつも昼寝をしている男をつかまえてアメリカ人が説教している。
  「怠けていずに、働いて金を儲けたらどうだ」
  じろりと見あげて、男が言う。
  「金を儲けて、どうするのだ」
  「銀行にあずけておけば、大きな金になる」
  「大きな金ができたら、どうする」
  「りっぱな家を建て、もっと金ができれば、暖かい所に別荘でも持つか」
  「別荘を持って、どうするのだ」
  「別荘の庭のヤシの下で、昼寝でもするよ」
  「オレはもう前から、ヤシの下で昼寝をしているさ」


思わず、「自分が、本当に求めているものは何なのか」問い直したくなるお話し。
さらに、次の一文は、人間社会というものをズバリ言い表している。

  人間の価値判断は、いかにいい加減なものなのか、
  「今日ほめて、明日悪く言う人の口、泣くも笑うも、ウソの世の中」と、一休も笑っている。
  自分に都合のよいときは善い人で、都合が悪くなれば悪い人という。

  人の心は変化するから善悪の判断も変転する。
  「昨日の味方は、今日の敵」の裏切りがおきるのもうなずけよう。(P.211)

何だか、人間不信に陥りそうで、イヤーな気分になってしまう内容だが、
「そんなものに煩わされるのはバカらしい」と割り切ってしまえば、
他人の目を気にし過ぎず、自らの意志・判断で行動していくきっかけには、十分なるお話し。

そして、酒好きな男が、禁酒を決意した記念にと、
著名な博士から揮毫してもらった「今日一日禁酒」のお話しも、なかなかのもの。

  “今日一日禁酒”の紙を部屋の壁に張りつけた男は、時計とにらめっこしながら、
  明日の来るのをひたすら待った。
  夜になり十二時が近づくと、一升ビンをグイと引き寄せ、ノドをグーグーうならせる。
  十二時の時計を合図に「さあ、のむぞ」と、酒を手にした男が壁を見て、
  「あっ、今日もまた禁酒か」と叫んでがっくりする。
  「今日一日」とは、死ぬまでのことだったのか。
  「今日」の真意を知った男は死ぬまで酒を断ったという。(p.264)

「今日を生きる」ということの意味を知り、「明日を生きる」ということの意味を知る。
そして、「生きる」ということは、全てを「過去」にしていく営みと知る。





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Last updated  2009.02.11 22:24:24
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