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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2014.11.30
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 中森明菜は、献身と背信を併せ持つ、依存性が強いタイプ。
 ヴァージニア・ウルフは、ガラス細工のように繊細、失調型の傾向が強いタイプ。
 飯島愛は、性と外見に異常にこだわる、演技性が強いタイプ。

 ジェームス・ディーンは、危険なスリルを求める、反社会性が強いタイプ。
 その他にも、傷つくことに敏感すぎる、回避性の強いタイプや、
 過剰な自信と劣等感を抱える、自己愛性が強いタイプ等々があり、
 境界性パーソナリティ障害と言っても、ベースにある性格により、その症状の出方は様々。

このように、本著はタイトル通り「境界性パーソナリティ障害」について記したものであるが、

それは、境界性パーソナリティ障害の克服は、
万人における自己確立の歩みと、ほぼ軌を一にするものだからである。

  境界性パーソナリティ障害の核となる病理を克服する過程は、
  分裂した自分を統合することである。
  それは、優れて弁証法的な過程でもあるが、
  それは単なる二分法的な認知を克服するということに留まらず、
  自己の確立そのものに関わる問題である。
  思春期を迎えるまでは、親から与えられたものをそのまま鵜呑みにして、自分を形成する。
  それが自分だと素朴に思っている。
  それは親の価値観に支配された「よい自分」である。
  ところが、思春期頃から自己意識が育ってくるにつれて、今まで自分だと思っていたものが、

  ことに、親から与えられた「よい子の自分」が外の世界で通用しない状況にぶつかると、
  このお仕着せが次第に腹立たしいものに思えてくる。
  そうなってくると、それを脱ぎ捨て、否定し、まったく正反対の自分を纏おうとする。
  それが、「悪い子の自分」である。
  親のアラ探しをして恨みつらみを言い、困らせることをし、

  生まれてこなければよかったと、コレまでの人生をすべて否定するのである。
  そこで起きていることは、親に与えられた「よい子の自分」を一旦、すべて葬り去り、
  自分の手で自分を作り直そうとする試みなのである。(p.245)

ここで、境界性パーソナリティ障害の人は、
「よい子の自分」と「悪い子の自分」が統合されることなく、バランス悪く並存してしまい、
そのため、二分法的で極端に揺れ、不安定になってしまうのである。
裏返せば、統合前の思春期は、誰もがこのバランスの悪い状態であるということ。
つまり、「よい子の自分」も「悪い子の自分」も、どちらも大切な自分だと受け止め、
それを統合して、「本来の自分」に辿り着くまでの間は、それなりの対応が必要なのだ。

  どんな親でも、偏りや欠点を抱えている。
  関係が濃厚になるとき、悪い影響も出やすくなる。
  子どもは、悪影響の部分をまともに蒙るようになった。
  昔であれば、祖父母や雑多な人がその影響を中和し、補うことができたが、
  緩衝材の役割を果たすものがなくなってしまい、
  親が子どもをかまってやれないときに、代わってそれを補う存在もいなければ、
  親の事情や気分や考え方に歯止めをかける存在もなくなり、
  子どもは親に大きく左右されるようになったのである。(p.126)

このように、核家族化が進んだ現在の家族は、根本的な問題を孕んでいる。
そして、この状態を、個人的に打開していくことは、そう容易いことではない。

  自殺企図を伴う境界性パーソナリティ障害の改善に有効なプログラムを開発した
  マーシャ・リネハンは、境界性パーソナリティ障害の治療に取り組むことは、
  「リーグ最下位のハイスクールのフットボールチームの、
  シーズン最終試合でコーチするようなもの」だと述べている。
  どん底から、大逆転を果たして、
  チームを勝利へと導くのと同じような技量と情熱が必要なのである。(中略)
  弱って死の瀬戸際にいる者が奮い立ち、もう一度現実に向かい合い、
  それを乗り越えて生き抜いていこうとするのには、
  敗色濃厚で意気消沈した選手を、もう一度自分の足で立たせ、
  チャレンジさせようとする名コーチのような手腕が必要なのである。(p.198)

どんな事態にも動じず、安心させ、逆転の発想を刷り込み、
優れている部分に焦点を当て、本人の可能性を信じ、それを伝える。
「聞く」テクニックを磨き、ピンチをチャンスに変える言葉を使い、
発症のきっかけと本当の原因を区別し、悪いパターンを見つけ出し、
過去と現在を結びつけ、囚われを解除する。

境界性パーソナリティ障害の改善に取り組む者と同じことが、
現在の家庭や学校、教育機関等に求められているのである。   





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Last updated  2014.12.01 14:15:45
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