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鳩山内閣が昨年12月30日に策定した「新成長戦略(基本方針)」を受けてのものです。
「成長戦略2010」には、政府の「基本方針」の方向性は「概(おおむ)ね、経団連の考え方と一致している」とあります。「基本方針」を評価したうえで、いかにして経済成長を実現していくかを論じているもので、いわば経団連から政府にあてた提言の書、もしくは指南の書といった趣の文書といえます。
「成長戦略2010」の基本にある考え方は、「企業が国民の生活を支えている」「企業活動がなければ、雇用を創出することも…より豊かな国民生活を享受することも不可能である」というものです。
だから、企業に力をつけさせなければならない。そのためには、「わが国企業が…国際競争上不利になることがなく…海外企業にとっても(日本が)魅力ある立地条件となるよう…ビジネス環境を整備することが喫緊の課題である」と説いています。
とりわけ法人税率の引き下げ、加えて規制撤廃やPFI事業(公共施設の建設等を民間の資金、経営能力、技術などを活用して行う事業)の拡大などが重要であると述べています。
また一方で、消費税については、「2011年度から速やかかつ段階的に(たとえば、毎年2%ずつ引き上げ)…少なくとも10%まで引き上げ」「2020年代半ばまでには…10%台後半ないしはそれ以上へ引き上げていかざるをえない」と提言しています。
こうした内容の「成長戦略2010」をどう読むべきでしょうか。
まず言えることは、過去の「構造改革」政策についての反省が、まったくないことです。
「構造改革」政策は、ここで主張されているのとまったく同じ考え方に立ちました。「企業に活力」を与えるよう法人減税を行い、規制緩和を行うなどしてきました。
その結果はどうだったでしょう。大企業は大いにもうかるようになりましたが、人々の暮らしはかえって貧しくなりました。
そればかりではありません。「構造改革」政策のもとで、大企業の力が強くなり、中小企業との取引条件を厳しくしました(下請け単価の切り下げなど)。労働者の処遇を劣悪なものとしました(非正規雇用の拡大、賃金の抑制など)。その結果、日本経済は国内需要がまったく伸びない、輸出依存型の経済になったのです。
総需要(国内需要と輸出の合計)の8割以上を占める国内需要が伸びてこそ、日本経済は成長できる-そのもとでこそ日本企業の国際競争力は強くなる、と考えるべきでしょう。
そして消費税の引き上げといえば、国内需要を抑える増税であり、経済成長率の視点からみてさえ、最悪の選択というほかありません。 山家悠紀夫(やんべ・ゆきお 暮らしと経済研究室主宰)
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