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政府は米軍再編の協議で、米側から在沖縄海兵隊の兵員数は定数1万8千人との説明を受け、このうち8千人をグアム移転させることで日米合意した。
◆中東派遣◆
だが、沖縄県庁は米軍への聴取から実数1万2401人(2008年9月末)としている。この人数から8千人を引くと、4千人強しか残らない。定数からの引き算なら1万人残る計算だが、沖縄から中東へ派遣された兵員がいつ戻るか不明だ。
沖縄に部隊があれば、兵士不在でも「抑止力」になるのか。湾岸戦争では沖縄から2千人が派遣され、この穴埋めに同数の予備役兵が米本土から沖縄に派遣された。しかし、04年2月にイラクに送り込まれた歩兵3千人の補充はなかった。
同年8月から翌年3月まで唯一の実戦部隊「第31海兵遠征隊」(約2200人)が普天間飛行場のヘリ部隊とともにイラク戦争に派遣され、8カ月間不在になった。イラクとアフガンで二つの戦争が同時進行したとはいえ、沖縄の海兵隊は「空席」が目立つ。
◆ちぐはぐ◆
沖縄の海兵隊は「第3海兵遠征軍」と呼ばれ、米本土にある第1、第2海兵遠征軍の3分の1の規模でしかない。その役割について、防衛省幹部は「朝鮮半島や台湾での有事に対応する」という。
だが、06年の米軍再編合意で、米海兵隊岩国基地(山口県)のCH53Dへリ8機はグアム移転することになった。朝鮮半島有事の際、米兵の家族を韓国から空輸する人道支援との名目で01年に配備されたヘリだ。
在日米軍全体をみると、ちぐはぐぶりはより鮮明になる。米空軍三沢基地(青森県)のF16戦闘機は、レーダー破壊が専門で朝鮮半島有事にも対応する部隊だが、昨年4月、米軍は全面撤退を非公式に防衛省に打診した。
また、米軍再編の議論を通じ、米側は横田基地(東京都)にある在日米空軍司令部を兼ねた第5空軍をグアムの第13空軍と合併させた後、グアム移転させる案を提示した。日本側の反対で実現しなかったが、その後、第5空軍指揮下の複数部隊は第13空軍に配置換えされ、司令部の空洞化が進んでいる。
◆出撃基地◆
日本側が在日米軍の「現状維持」を叫ぶのに対し、米国の考えはより柔軟なようだ。しかし、米側は日米で一度は決めた普天間代替施設のV字案にはこだわりをみせる。
キャンプ・シュワブ(名護市辺野古)を一部埋め立てて滑走路2本をV字形に造る施設には、240メートルの係船岸壁が追加される。歩兵部隊は目の前の岸壁を使い、佐世保基地(長崎県)から来る強襲揚陸艦に乗り込むことが可能になる。現在は沖縄南西部の桟橋まで約一時間かけてトラック移動しているため、出撃機能は強化される。
海に面して弾薬搭載エリアも確保。普天間飛行場は周辺に住宅がたて込み、米軍の基準で弾薬搭載エリアが確保できず、裏手的基地で搭載している。
V字案のように格段に強化された普天間代替施設を再び、他にみつけることは難しい。だが、それは出撃基地としての「利便性」であり、「抑止力」とは別次元だ。丁寧な日米協議が求められる。
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