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旧日本軍慰安婦問題に「心を痛めている」との安倍首相の言葉にうそはないと思います。 しかし「慰安婦は売春婦だった」と主張する人たちに支えられていることに問題を感じます。慰安婦問題などをめぐる国民感情や日韓間の政治的対立も、2年前の第2次安倍政権の誕生に影響したのではないでしょうか。
河野洋平官房長官談話の作成過程を検証した日本政府の報告書は、韓国社会では全面的に否定されました。しかし私は安倍政権が「河野談話の継承」を表明したことを評価します。重要なのは問題解決に向け、安倍政権をどう動かすかでしょう。
安倍首相は慰安婦問題を認識し、発言もしてきた。 この問題に最も否定的な人たちに支持される政権だからこそ、私は逆に安倍首相の役割は大きいと思うし、期待もしています。
日韓両政府は外務省局長級協議で解決策を模索していますが密室議論のため、両国民には中身が分かりません。日韓の国民の大半がある程度の知識を持ったので、政府だけで決められる段階は超えたと思います。 安倍首相には、問題解決を前提に第三者を交えた協議体を立ち上げる決断をしてほしいです。 何が問題なのかを公開しつつ、両国民の了解を得ながらの解決でなければ、両国間のわだかまりは解消されないでしょう。
慰安婦問題は、私は植民地支配の問題だと考えています。 重要なことは、形が強制であれ自発的であれ、大日本帝国が必要としたために「動員された存在」だったという点です。
研究者たちは、誘拐や甘言などの手段で女性たちが連れてこられた事実を日本軍が知っていたと考え、それゆえに不法で法的責任を問うべきだと主張しています。一方で軍は(就労に関する)契約書を確認したり、女性がだまされたことが分かったりした場合は、その女性を別の仕事に就かせた例もあったので「知っていて法を犯した」とみるのは難しい。私は日本政府に法的責任を問うのは難しいとの立場です。
安倍政権は過去の植民地支配が引き起こした問題を正面から謝罪する国会決議の採択を実現すべきです。 戦争への反省が中心だった95年の国会決議は不十分でした。帝国主義への批判と植民地支配への謝罪を決議することが、「戦後日本」ならぬ「帝国後日本」の完成になると思います。(聞き手・中村清)
パク・ユハ1957年、ソウル生まれ。早稲田大大学院修了。日本文学と日韓歴史問題の研究に取り組む。2010年から現職。近著に『帝国の慰安婦・植民地支配と記憶の闘い』など。
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