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2023年10月13日
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テーマ: ニュース(96576)
カテゴリ: ニュース
一年前に選挙運動中に銃撃されて死亡した安倍晋三議員を、国会に諮ることもなく勝手に国葬にしたことについて、京都大学大学院教授の曽我部真裕氏は、9月27日の朝日新聞に、次のように書いている;





 安倍氏の国葬から1年が経って憂うのは、政府への批判や反対意見が十分考慮されない「民主主義の空洞化」が進んでいることだ。

 戦後最長の政権を担った政治家が銃撃によって亡くなり、悼む思いを表したい人がいるのは当然だ。そうした思いも踏まえたうえで、慣例の内閣・自民党の合同葬ではなく、国葬というやり方が妥当だったのか、その実施を決める過程への疑念はなお残っている。

 国葬は国論を二分するテーマで、幅広い合意を得るために手を尽くすべきだった。しかし、岸田文雄首相は国会に諮ることなく、閣議で決めてしまった。国民全体の儀式とするためには、国会で議論すべきだったと改めて思う。

 そしてその後も、岸田政権は マイナンバー制度の推進や防衛費の大幅な増額、安保3文書の改定、敵基地攻撃能力の保持、原発再稼働など、重要な問題をさしたる議論もないまま次々と決めている。

 9月の内閣改造では、ウクライナを訪問するなど、各国の要人とやり取りしてきた林芳正外相を交代させた。外交の合理性よりも党内の派閥を重視するような内向き思考で、ことを進めているように見えるのは私だけではないだろう。聞く力を標榜(ひょうぼう)しているが、国民との乖離(かいり)は大きくなっているのではないか。

 「自民1強」と呼ばれる政治状況が続き、 野党やメディアは弱体化していて、政府を批判しても影響力を持てていない。かつ、政府も野党・メディアも支持できない人々は政治全体を冷ややかに見ている。 国葬が進められた背景にあったのは、こうした危うい政治構造だ。民主主義の状況について、国民全体で危機感をもつ必要がある。
(構成・長野佑介)


【解説】安倍元首相の国葬

 昨年9月27日、東京都千代田区の日本武道館で執り行われ、国内外の4170人が参列。費用は約11億9900万円だった。開催をめぐり国論が二分されたことから、岸田文雄首相は国会で「一定のルールを設けることをめざす」とし、識者に意見を聞くなどした。しかし今年7月、松野博一官房長官は「国会の関与の具体的方法についての意見の一致はみなかった」などとしてルールを明文化しない考えを表明した。

<そがべ・まさひろ> 京都大大学院教授。専門は憲法・情報法。


2023年9月27日 朝日新聞朝刊 13版S 29ページ 「安倍氏国葬1年-議論なき政治 危機感を」から引用

 日本銀行総裁や内閣法制局長官、日本放送協会会長などは内閣総理大臣が任命するという「形式」になってはいるが、これらの組織は内閣の支配を受けてはならない独立の組織であるという「建て前」があり、歴代総理大臣はこれらの組織の長を任命する際には、建て前を尊重して与野党のいずれからも強い反対が出ることのない穏当な人物を任命するという「神経」を使ってきたのであったが、この「建て前尊重主義」を覆して、政府方針に絶対服従の「人物」を登用したのが安倍晋三議員で、安倍政権によって戦後歴代政権が維持してきた「戦後民主主義」があっさりと崩壊してしまっったのが、今の日本の姿である。敵地攻撃能力の保有だの、集団的自衛権行使だの、本来であれば内閣法制局から「それはダメです」とストップがかかったであろう事案も、安倍政権以降は総理大臣のやりたい放題で、やってしまえば野党も少々文句は言っても、政府にとっては痛くもかゆくもないことが判明したので、安倍以降の政権はそれをそのまま模倣しているのが現状である。これを放置していけば、やがては大日本帝国が復活することになりかねないわけで、これを是正するためには、どのような「事件」が必要なのか、沈思黙考の秋である。





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最終更新日  2023年10月13日 01時00分07秒


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