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東京フィルメックスTOKYO FILMeX 2012で第69回ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した김기덕『ピエタ/PIETA』が日本初上映されました(観客賞も受賞!)。10月に釜山国際映画祭で観ましたが...上映後のQ&Aのようすも追記して再掲。釜山での上映は何回かありましたが私が行った回は김기덕監督が上映後に丁寧に観客の質問に答えてくださっただけでなく、김기덕監督サイン入り映画祭カタログが抽選で5名の方にプレゼントされました♡(≧∀≦*)なんとExciting!!(抽選はずれました...)釜山映画祭は何度か行っていますが...上映後のQ&Aで観客にプレゼントがある、監督のサイン入りプレゼントがある、というのは初めて。もっと前から釜山に行っている友人に聞いてもプレゼントは聞いたことがない、そうです。あらすじ借金取り立て屋ガンド(イ・ジョンジン)は今日も下町の債務者を訪れる。相手が借金を返済できないとわかると暴力を振るってケガをさせ保険金の支払いから借金を返済させるという冷酷ぶり。そんな日々を送るガンドのところにある日突然女(チョ・ミンス)が現れる。女は私はお前の母親だと名乗ってガンドの世話をかいがいしく始めたが...(以下、物語の核心に言及する記述もございます)監督が「ガンドは成長しきっていない。15、16歳くらいの少年のようなところもある」と話していた通り、極悪非道な借金の取り立て屋でありながらどこか純粋なところのあるガンド。母親と名乗る女はほんとうに自分の母親なのかどうかほとんど疑いもせず信じきってしまう。一方、復讐を誓う女も冷徹な復讐者になりきれない。母性を捨てきれない、どこか無垢で純粋、純心さが伝わってきた。ストーリーだけ追うと清らかな...という言葉はそぐわないようだが主人公ふたりは取り立て屋の鬼でもなく復讐の鬼でもなく...どこか非道になりきれない、純な心や情、弱さを持ち合わせていてその心が清らかに響いて、通奏しているようにも感じられた。김기덕監督の作品はすきな作品もあれば苦手な作品もあるけれど...そんなわけで『ピエタ』はなかなか気に入った。映画の中で「清渓川を上から見下ろしたことがあるか」といったセリフが登場する。清渓川、とくに鍾路あたりを。そのあたりは家族経営の多い小規模な工場密集地。小さな部品だけを作っているような工場。ガンドの会社に借金を申し込んでいたのはほとんどがそういった零細な町工場の経営者。日々資金繰りに追われ100ウォンにもならないような小さな部品を作り続け疲弊し借金をしそして...借金が返せなくなる。上空から俯瞰する鳥瞰する小さな工場が密集する地域。それは過去のようにも遠くのようにも見える。地上からは這うように迷路をめぐるようにも動くカメラ。手の届く、近くにある現在。地上に偏在する世界。その演出は...『アリラン』と対比できる。『アリラン』では私小説のように김기덕監督自身の少年時代、来し方を思わせるような形で工具などが登場していたが...『ピエタ』では韓国があるいは世界が抱える断絶の問題としてより広い地平で社会問題としての視座と地平を孕みながら工場や工具を見せてもいる。『アリラン』では自分史の一部として、少年時代の一部を占めた工具や機械、その作動や動作だったが、『ピエタ』では市井の民の生としての、痛み悲しみ呻きとしての工具、機械、その作動や動作に視界が地平が拡がっている。監督自身映画上映後のトークで「そういった工場の機械、そしてその作動こそが生そのもの」と語っていた。監督の少年時代と現代も生が息づき、悲しみと痛み呻き声さえ聞こえてきそうな清渓川、鍾路あたりの工場の人々への視点と視線が時を越えてリンクし結びつきながら...世界の断絶という現代的な問題、底辺の人々へのまなざしは社会性普遍性を備えて人間の生への深い理解を湛えながら心に余韻を残す。今回文語体でセリフを書いていたのでちょっと演劇っぽいかもしれないとも語る監督。カメラの動きが少し『アーメン』を思わせるなぁと考えながら見ていたので今回もエンド・クレジットをしっかり見たところ...Bカメラは김기덕監督でした。『アリラン』や『アーメン』の(カメラ)経験(!?)も生かされているという印象も。buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2023 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Nov 30, 2012
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Nov 29, 2012
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Nov 28, 2012
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Nov 27, 2012
韓国現代演劇界を牽引する演出家ユン・ハンソルが主宰するグリーンピグ。そのグリーンピグが2010年に韓国で上演した舞台がついに日本へ。「ステップメモリーズ 抑圧されたものの帰還/Step-Memories - Return of the Oppressed」by greenpig & Hansol Yoonテーマは朝鮮戦争。朝鮮戦争の記憶は平和と忘却に抑圧され、埋葬され忘却者・記憶喪失者が平和を語る。生き埋めにした人間がゾンビのように生き返るのを追い返す「生きた」人々。ゾンビは戦争の記憶、抑圧された記憶を象徴しているようで興味深かった。沈黙する、沈黙せざるを得ない歴史、哀悼されない歴史を表象する。ヨハネの首がほしいと希ったサロメの逸話からはじまる舞台は...廃校となった巣鴨の小学校の校舎を校庭から2階、地下へまた校庭へ校庭から体育館へ。観客は移動しながら展示形式の舞台芸術を体感する。ちょうど2年前のF/Tで観たHIROSHIMA HAPCHEONも展示形式だった。クライマックスのひとつ、ロシアンルーレットは朝鮮戦争の本質を看過し暗示しているかのよう。ロシアンルーレットの銃弾で倒れるのは南北のどちらかだけでロシアンルーレットの輪を囲む傍観者は米ソ中日だったのだろう...こんなふうに歴史的資料映像、パフォーマンス、当時の証言の再現にトロットなど韓国の演歌もコラージュし、あらゆるメディアと表現を駆使して観客を歴史生き埋めの穴、抑圧された歴史の穴に誘引する。移動の過程が記憶装置にスイッチを入れる舞台。忘却は歴史への哀悼を駆逐し、歴史を圧殺すること、と再認識する。ずっしり重い2時間だった。2007年に釜山国際映画祭で観たドキュメンタリー、最優秀ドキュメンタリー賞のムン・ジョンヒョン『ハルメ花』も想起した。2013年朝鮮戦争休戦60年は韓米同盟60年でもある。韓国版サタデーナイトライブ/SNL Koreaの米中に板挟みの悲哀を感じさせるコントも思い出し... 日本初上演ということで上映場所・巣鴨の歴史も踏まえて上演された。曰く、巣鴨にも映画撮影所が戦前あったとか。そのあたりももっと知りたくなった。上演前の写真は後ほど...2012年F/Tは韓国の振付家によるこんな舞台も...to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Nov 25, 2012
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東京フィルメックスTOKYO FILMeX 2012で『グレープ・キャンディ』を。原題は『청포도 사탕: 17년 전의 약속/マスカット・キャンディ:17年前の約束』あらすじソンジュ(パク・ジニ)は出版社に勤める婚約者ジフン(チェ・ウォニョン)との結婚を控えた銀行員。ある日ジフンが事故に遭ったという知らせを聞いて病院へ駆けつけると中学校のクラスメイト・ソラ(パク・ジユン)がソンジュを待っていた。ジフンの事故の知らせを先に聞いたという。そうしてソンジュはジフンが新しく担当する作家が、釜山の取材にジフンが車で連れて行く予定の作家がソラだったと知る。親友ヨウンをめぐる中学生時代の葛藤を思い出し当時の思い出話は避けようとする一方で、ジフンとソラとの間に特別な関係があると疑ってソラの本心を探ろうとするが...『13歳、スア』のキム・ヒジョン監督作品。パク・ジニは人気ドラマ「ジャイアント」の主演をはじめ数多くのドラマや映画に出演。今回は過去と現在の間で揺れ悩みながら自覚できないほど深いトラウマを表現するむずかしい役どころを演じ切っていました。パク・ジユンはカン・ジファン主演ドラマ「私に嘘をついてみて」等にも出演していますがもともとは90年代後半から人気を博していた歌手。元祖K-Popアーティスト(!?)イ・ジョンヒョンと同世代。あいかわらず美しい~♪2000年代に入ってからは中韓合作ドラマ等にも出演し中華圏でも人気。最近は演技活動が多いようですね。堂々とした作家ながら、弱さも率直にかいま見せる大人の女性を演じています。個性の違うふたりの女性をふたりの女優の演技のキャッチボールでクライマックスまで高めていく印象。アン・ネサンが特別出演。女子学生の友情、友人関係は3人がいちばんむずかしい...たいてい、ひとり対二人に分裂しそうになるから。女性ならきっと思い当たることもあるそんな学生時代。ほんのすこしの感情の行き違い、思い込みや誤解が積み重なり...相手を信じきれずに傷ついたり相手を傷つけたり。ちいさな嘘もついたり。混血といじめられてトイレの個室で泣いている転校したばかりのソラにソンジュが差し出したマスカット・キャンディ、授業中にヨウンからもらったマスカット・キャンディを思わずカリッと音をたてて齧ってしまい先生に見つかるソンジュ、マスカット・キャンディをたくさん机の中に入れていたヨウン...マスカット・キャンディのように甘いけれどちょっと酸っぱい少女時代の思い出たち。プルーストの「失われた時を求めて」では紅茶にひたしたプチット・マドレーヌの香りや味が過去の思い出にいざなうけれど...(チャ・テヒョン主演『ハロー!?ゴースト』ではキムパが記憶にカチッとスイッチを入れる)ジフンがもらってきたマスカット・キャンディを口に入れてもソンジュの表情に大きな変化はなく少女時代の、17年前の思い出は深くふかーく封印されていることがわかります。それは思い出がただつらいからではなく記憶喪失に近いPTSDとも言えるほど重かったから。その理由は後半明らかになるのですが...17年前に少女たちに起こったことが少しずつ明らかになっていくにつれ2006年のユ・ジテ主演キム・デスン監督『ノートに眠った願いごと(原題:가을로/秋へ/Traces of Love)』を想起。1980年代の韓国は嵐のような時代、軍事政権と民主化運動に光州事件...でしたが、1990年代は『ノートに眠った願いごと』に描かれる三豊百貨店の事故や『グレープ・キャンディ』に実際の写真映像で登場する聖水大橋崩落が発生。そんな90年代のトラウマ、韓国民が共有する社会的PTSDが少女時代の友情と葛藤と渦のように混然となりながら記憶が呼び覚まされる。以下、映画の核心に触れる解題が含まれますので映画をご覧になっていない方はご注意ください。「ヨウンは海外に引っ越すって(移民に行くって)」ソラから聞いたソンジュは愕然。知らなかった...ソラが転校して来るまではヨウンはソンジュだけの無二の親友だったのにどうしてわたしが聞いていない話をソラだけがヨウンから聞いて知っているの?翌日朝は30分早く登校し水飲み場に3人で集合、ヨウンから秘密の話を聞く予定だった。でも...自分の知らない、ソラとヨウンふたりだけが知っている移民の話を聞いてソンジュはヨウンに電話する。「あしたソラは来れないって言うからいつもの登校時間に裏門でね」そしてその朝いつも通りの時間に登校したヨウンは事故に巻き込まれたのだった。ソンジュの嫉妬が生んだ小さな嘘さえなければ...さいしょの約束通り30分早く登校していれば...ヨウンが永遠にいなくなることなどは...なかったかもしれない。心に負った傷や過去への沈黙と、歴史の痛みが重なり合う韓国らしさを備えた作品。少女たちの友情や葛藤、繊細な心理描写もからめて。マスカット・キャンディがつなぐ思い出に、外国人との離婚前後ショックのあまり一週間分の記憶を失った同僚知人のエピソード、自動車事故を起こした後は運転をしないソラ、そしてソンジュ...記憶と、記憶への沈黙(記憶の封印や記憶喪失のような沈黙)のモチーフをつなぎ多くの伏線が絡まり合いながら17年前の約束の重さを解放し、ソンジュを過去から解き放とうとする。ソンジュを過去のトラウマから解き放つ過程は象徴的で抽象的な部分もあったけれど...少女時代の心の痛みを乗り越え現実と自画像に向き合う成長痛が描かれる。2010年放映の人気ドラマ「製パン王キム・タック」2011年映画『サニー』やK-PopのT-ara「Roly, Poly」の大ヒット等韓国コンテンツ界は1980年代レトロ・ブームが続く最近。2012年も『南営洞1985』や『みにくいアヒルの子』で1980年代を振り返り過去の歴史の痛みを描き出す映画が登場する一方、2012年は1990年代を時代設定にしたドラマ「応答せよ1997」や映画『建築学概論』人気、90年代っぽさも感じる!?音のBusker Buskerの楽曲人気、と復古調レトロ・ブームは1980年代だけでなく1990年代にも広がっている感が。そんなブームとはべつで...先に書いた通りじっさい1980年代も1990年代も韓国の人たちにとっては心に痛みをともなう記憶が多くある。ありすぎるかもしれない。韓国の人たちの心に傷を残した、そして多感なだけに当時恐らく最も深い傷を受けたかもしれない少女たちの心理や思春期らしい友人との葛藤を通してあの時代を再構成して観た、という印象も。ひとりの女性のトラウマからの脱却・回復の過程は救われるような思いでもあり...時代の相とは対照的。そうやって心の痛みを歴史を乗り越える個人の姿が、おおきな歴史の中にある。ちょうど今年のF/T(Festival Tokyo)で観た韓国の現代劇「ステップメモリーズ-抑圧されたものの帰還」(ユン・ハンソル、グリーンピグ)も歴史の記憶や記憶への沈黙等をテーマにしていてなんだか響き合うものがあった。アピチャッポン・ウィーラセタクンの『メコンホテル』もそうかも。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Nov 24, 2012
あらすじタイとラオスの国境を流れるメコン川。川をゆったり眺めるようなメコンホテルでポブと呼ばれる、人間や動物の肉を喰らう幽霊をめぐる怪奇譚のリハーサルが行われている。「ボブ」である母親は600年もの生命を持ち、その娘はついに母親に食べられると言うが...アピチャッポン・ウィーラセタクン/Apichatpong Weerasethakul監督最新作『メコンホテル/Mekong Hotel』を東京フィルメックスTOKYO FILMeX 2012で。『真昼の不思議な物体/Mysterious Object at Noon』は現在と過去、フィクションとノンフィクションが交錯していた。が、もっと短いスパンで。一方『メコンホテル』は600年の生命を持つ幽霊を通してあるいは国境のメコン川を通じてもっと長いスパンで歴史を見つめ歴史を想起し川の底に眠る歴史を揺り起こしているようでもあった。ただ、61分という短さの中それが十分に伝わっていたとは言い難い。また、『ブンミおじさんの森/Loong Boonmee Raleuk Chat』の話法、手法を連想して若干陳腐な印象も受けた。夢と現実のあわいのように、ねじれたメビウスの輪でつながるフィクションとドキュメンタリーの薄れていく境界。「映画の仕事をすればするほど自分たちはフィクションとドキュメンタリーの間を行き来しているだけではないかと思えてきます」とQ&Aで語ったアピチャッポン監督。主演のジェンチラーの父親はラオス難民だが、本作の中でセリフとしてタイに異国の、ラオスの難民が来た時嫉妬を覚えた、と語る。彼女の現実のアイデンティティと相反するような設定のセリフは現実と非現実、ドキュメンタリーとフィクションの境界をさらに溶解し眩暈を起こさせるかのようだった。そんなふうにもフィクションとドキュメンタリーがねじれたメビウスの輪でつながっているようだった。アピチャッポン監督の境界/ボーダー/国境への言及を聴いていると...6月にお話をうかがったホセ・ルイス・ゲリン/Jose Luis Guerin監督の言葉や作品も思い出す。「詩と現実に相違はない」その言葉の通りゲリン監督の作品『ゲスト』が詩と現実、すなわちフィクションとドキュメンタリーのあわいを自由に行き来していたことを。まったく作風も違うふたりの監督だがやがて到達する真理が近しく、ほぼ等しいことに驚嘆する。映画を作るとはそういうことなのかもしれない。高校時代の友人が奏でるギター音楽は美しく心に沁みいった。メコン川の深さまでわたしの心に沁み込んで...その後浮上する感じ。(浮上したのはだいすきなタイのウィスキー、メコンのせい!?)前半、ちょっと思い出し間違えて弾き違えるところはドキュメンタリーっぽく、その後はフィクション、ドラマっぽく幽玄も感じた。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Nov 23, 2012
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東京フィルメックスTOKYO FILMeX 2012で2012年カンヌ国際映画祭コンペティションホン・サンス監督『3人のアンヌ(原題:다른나라에서/ほかの国で/In Another Country)』を。あらすじ海辺の町モハンにフランス女性アンヌ(イザベル・ユペール)がやって来た。ひとり目はフランスの映画監督アンヌ。韓国の映画監督ジョンス(クォン・ヘヒョ)や臨月のその妻グムヒ(ムン・ソリ)と夏の休暇を楽しんでいる。ペンション管理人ウォンジュ(チョン・ユミ)に傘を借りたりライフセイバー(ユ・ジュンサン)に道をたずねたり。ふたり目は韓国の映画監督ムンス(ムン・ソングン)と不倫をするアンヌ。外資系自動車会社重役夫人の彼女は監督と密かに会うためにわざわざモハンまでやって来たのだが、ムンスはなかなか来ない。三人目は韓国人女性に夫を奪われ離婚したアンヌ。大学教授パク・スク(ユン・ヨジョン)の案内で僧(キム・ヨンオク)に会いに行く...ユ・ジュンサンのドヤ顔、カメラ目線がまるでそこにあるポスター、韓国のポスターあるいは韓国観光のポスターのようにステレオタイプで不動で...アンヌを彩る不動不変の背景、舞台装置のよう。3つのオムニバス・ストーリーの中で三者三様のアンヌだけが生き生きと動き回っているようにも見えるが...金太郎飴のようで金太郎飴ではない生。版画のようで版画ではない生。アンディ・ウォーホル/Andy Warholの作品のようにすこしずつずらしやはみ出しがあり、違っている。ただ、すこしずつ違っている3つのストーリーの中でアンヌはいつも必ず灯台/Light Houseを探している。自分の国ではなく、ほかの国で、ほかの国でも灯台を探すアンヌ。自分の国で自分の生を見失って彷徨い大海で人生の航海で難破しそうになって灯台を探す気持ちがよその国ほかの国でも発露している。すっかり大人ででも、どこに行くのかどこへ行こうか...アンヌが切実でシリアスというわけではないけれど、「ほかの国で」ほかの国でも灯台を探す行動にその心情は象徴されているよう。ポラリス(北極星)を探す韓国人のよう。ホン・サンス監督の恋愛と生に満ちたこれまでの作品に比べると恋愛はセンターではなく恋愛模様がやや副次的。あるいはアンヌの属性、設定のひとつとして薄まっている。ひとり目のアンヌはさばさばと一人で海外に来るのを楽しみふたり目のアンヌは愛(不倫)に生きる一途で情熱的な女三人目のアンヌは離婚したばかり。アンヌの、大人になってからの彷徨する魂がよその国でも浮き彫りになるさまが感じられて興味深い。いっぽうでアンヌを彩る韓国らしさ、女好きな男たち(ジョンス、ムンス、ライフセイバー)と親切な韓国の女たち(ウォンジュ、グムヒ、スク)は画に描いたようなステレオタイプ。それでもぐるぐると繰り返されるアンヌの灯台探しの背景となっている韓国人が金太郎飴のように外国人に見せるほほえみは曖昧な微笑にしてもその繰り返しによって輪郭を徐々に露わにし韓国人の本質を浮き立たせている印象も。というのもスタンプのように判で押したようにステレオタイプに終始するかと言えばそうでもなく...特に一部の韓国男性にありがちな(!?)本性がじんわり浮き彫りにされたり浮かび上がってきたり。アンヌが出会うほかの国、即ち韓国を舞台装置のように固定しアンヌだけ、3人のアンヌだけがその中で生き生きとくるくると動くと思いきや韓国側も対象化され、外国人が韓国人の表面に視る曖昧な微笑の愛想の良さと親切心のうしろからじわじわ本性と真実が貌を現わす。動的なアンヌと対照的に表面的で静的に見えた韓国は実は無機的な背景ではなくアンヌの動きとともに有機的に次第に相貌をくっきりさせていく。そのインタラクティブな構造も興味深い。さいしょはステレオタイプすぎて滑稽にも見えるがおもしろうてやがて哀しき...男のダメダメさ、真実をあいかわらずユーモアをまじえながらアンヌの生を映し出す一方で喝破している。(女性の観客にとってはちょっと爽快感、カタルシスもあるかも)アンディ・ウォーホルのシルクスクリーンによる作品/silk screen printmakingは同じ版を利用しながら意図的にプリントをずらしたり、インクをはみ出させ同一のモチーフでありながらずらしのある作品が一堂に会するとそのリズミカルな差異がポップな絵の背後の本質を浮かび上がらせる気もする。日本の版画は同一に画一的に同じように摺っていくけれど、ホン・サンスの映画は同一のモチーフのプリントをずらしたり、インクをはみ出させちょっとずつ差異をつけていくウォーホルのシルクスクリーン作品とも共通点があるようで興味深かった。映画の構造、短編との関係などについて(『教授とわたし、そして映画』なども)「それが私にとってどのような意味があるのかということよりもそのような手法を用いて効果を上げる、もしくは映画的な実験を試みる、ということに重点があったと思う。映画を観ると私たちはそこに意味を感じます。それは世界を眺める時の道具となるものです。しかし、人生を振り返ろうとした時に日常的に使っている意味を使っただけでは不満に感じることがあると思うのです。ですから、映画を通して通常感じる意味以外のことを生み出すこと、一つの映画のなかに幾つかの関係を並べること、構造がぶつかり合うことで、それが新しい意味を生み出すことを狙っているのです」と語っていた通り、版の異なる、ずらしやはみ出しの相違がある三版のような3人のアンヌの像がひとつの映画の中で有機的に化学反応を起こしとある女性の生を立ち上がらせていくあえかな情趣。傘などの小道具も3人のアンヌそれぞれの違いを示唆して象徴的。特に、自分で隠した傘をまた取り出す姿は人間の業や価値観の変遷、視点の変化等を示唆して人生が凝縮されたようでもあり興味深い。ホン・サンス監督作品に欠かせない小道具・酒はマッコリばかりの時もあるけれど海辺なので今回はソジュ(焼酎)ばかり。酒食宮合で刺身やサムギョプサルにはソジュだから。画面に咲く紫陽花の色にも目がとまり、梅雨明けころの季節と思いながら観ていた。『教授とわたし、そして映画』でも表現されていた初老男性の嫉妬心(未来の老いを予め対象化しているのかも)の光景もまた。灯台が^^韓国の灯台は白と赤のセットでカワイイ♪余談ですが...ユ・ジュンサンは『苔/黒く濁る村』でパク・ヘイルと電話で話している時もカメラ目線のドヤ顔で...(主役ではないのに...)と、ちょっと思ってしまったことを思い出す。主演映画ミン・ビョンフン監督『터치/TOUCH/タッチ』の舞台挨拶では監督との交友を真面目に熱く語っていましたが!to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2024 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Nov 23, 2012
韓国の薄茶のお点前。学生時代習っていた裏千家茶道と比較すると...似ているところもあれば異なるところもあって興味深かったです!高麗時代が終わると抹茶はあまり嗜まなくなったそうですね。日本の茶道はお抹茶と煎茶道でわかれているけれど韓国で茶道家といえば両方できることが必須。袱紗の赤と青は陰陽を表しているのですか?と先生に伺ったらやはりそうだとか。興味深いです。習いにいらっしゃいとお誘いを受けました♡(≧∀≦*)年上の女性の誘いによわいからどーしよー...いただいた煎茶は智異山のもの。馥郁たる香りのやわらかな一煎目、かすかな苦みが爽やかな二煎目。香りと味の違いを堪能。そのお茶の先生からおみやげにいただいたよもぎ茶も美味しかった♪美肌に効果があるそう♡(≧∀≦*)草餅だいすきだから蓬の香りだけでうっとり。とうもろこしひげ茶の次はヨモギ茶が流行るかも~ 写真は後ほど...to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2024 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Nov 20, 2012
東アジアの古代瓦展。瓦の作り方も勉強になりました。to be continued...!?鬼面紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡酒岩里 高句麗 径14.3鬼面紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡酒岩里 高句麗 径16.0鬼面紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡揚岩里 高句麗 径14.6獣面紋谷瓦 朝鮮半島 大同郡上五里 高句麗 幅19.5結紐紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡平川里 高句麗 径16.2巻雲紋谷瓦 朝鮮半島 平壌府土本町 高句麗 幅20.1獣面紋谷瓦 朝鮮半島 大同郡新水里 高句麗 幅15.4重弁8弁蓮華紋軒楕円瓦 朝鮮半島 臨海殿跡 統一新羅 径16.7禽獣紋楕円瓦 朝鮮半島 出土地不明 統一新羅 径16.14弁蓮蕾紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡土城里 高句麗 径14.45弁蓮蕾紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡東大院里 高句麗 径15.05弁蓮蕾紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡東大院里 高句麗 径14.0複弁6弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡酒岩里 高句麗 径19.46弁蓮蕾紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡大聖山 高句麗 径15.3連続渦巻紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡平川里 高句麗 径15.2重弁8弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡上五里 高句麗 径16.08弁蓮蕾紋軒丸瓦 朝鮮半島 平壌府内橋口町 高句麗 径14.88弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡平川里 高句麗 径17.315弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 平壌市櫻町 高句麗 径16.916弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 大同郡平川里 高句麗 径15.08弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 出土地不明 百済 径15.08弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 出土地不明 百済 現幅12.38弁蓮華紋垂木先瓦 朝鮮半島 出土地不明 百済 現幅12.58弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 忠清南道扶余 百済 径13.86弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 出土地不明 古新羅 径16.28弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 皇聖寺 古新羅 径14.7迦陵頻迦紋軒丸瓦 朝鮮半島 普門寺 統一新羅 径15.08弁複弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 出土地不明 統一新羅 径14.0重弁8弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 普門寺 統一新羅 径12.1重弁8弁蓮華紋軒丸瓦 朝鮮半島 出土地不明 統一新羅 径13.48弁宝相華紋軒丸瓦 朝鮮半島 臨海殿跡 統一新羅 径15.3宝相華双禽紋軒平瓦 朝鮮半島 慶州 統一 新羅 幅31.8葡萄唐草紋軒平瓦 朝鮮半島 興輪寺 統一新羅 幅29.7唐草紋軒平瓦 朝鮮半島 出土地不明 統一新羅 幅26.8鬼面紋鬼瓦 朝鮮半島 慶州 統一新羅 高24.1鬼面紋鬼瓦 朝鮮半島 慶州 統一新羅 高25.0to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2021 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃もお断り。複製のみならず、翻案等も著作権侵害です。
Nov 18, 2012
to be continued...
Nov 17, 2012
明治大シンポジウムto be continued...
Nov 16, 2012
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出会って別れまた出会って別れ...出会いと別れは平行宇宙のように似かよった宇宙・あらたな宇宙を生み...小宇宙は時間差でaccumulateしやがて銀河系を、もっとおおきな宇宙を形成する。永遠回帰のような世界。でもその永遠回帰の繰り返しのなか平行宇宙の中、反復の中鏡像ではないそれぞれの物語が秘める匂いや差異にも思いいたる。それが恋愛。恋愛の真理。シノプシスオッキ(チョン・ユミ)ナム・ジング/若い男(イ・ソンギュン)ソン教授/年上の男(ムン・ソングン)の三角関係を4つの章で描く。ホン・サンス監督作品。『次の朝は他人』もパラレルワールドのように鏡の中に展開し続いて行く世界のようによく似ている反復のようだけれどほんの少しのずらしや差異があった。ちょっとSF的世界観のような、デジャブのような恋愛世界でもあった。呪文をおぼえる日キス王大雪の後オッキの映画の4章も現在から過去へ大学生が映画監督になりやがて大学教授になるけれど...おなじようなどこかで見たような聞いたようなパラレルな情景を反復しながら少しずつ違っている。相似と差異がらせん形にぐるぐるめぐる宇宙はSF的デジャブもあるけれど恋愛の本質、リアルをよく映し出している。特にオッキの映画。同じ場所で別の男とデートしてしまうとおなじ行動似たような発話を繰り返しているだけに差異がより際立つ。恋愛の本性が同じ場所をデートに使うことで炙り出されてくるのだ。見ているとなんだかハラハラしてくる。男性は知るよしもないけれど女性は心の中で比べてしまうのだから。若い男と年上の男の振る舞いの違い、会話の違い、視点の違い...同じ山をおなじ冬に歩いていておのずから際立ってしまう差異。比べるつもりはないけれど、どうしたって...(そうなる)両方知ってしまったらふたりの男を知ってしまったら女はクールに相対化してしまう。恋愛それぞれをそれぞれの宇宙に相対化してしまう。よく似ているけれど差異がある、鏡の国のもうひとつの世界のように。ホン・サンス監督の過去の作品とくらべて女性が恋愛をこんなふうに相対化しているのがすこし新鮮な感覚。しかも映画を通して、オッキは自作の映画を通して恋愛をつき放して相対化している。日本では男は過去の恋愛を名前を付けて保存し女は過去の恋愛は別名保存せず上書き保存するというけれど...女も別名保存している、という本質が立ちのぼるのが興味深かった。なにより...おなじ場所をデートすることになって過去が思い出され意図せず無意識にクールに比べてしまうことは...思い当たるから。リアルに伝わる。若い男は大人になって映画監督になって大学教授になったら...かつての老教授のようにまるで老教授に輪廻転生した生物のように似たようなこと、同じようなことをしてしまいそうなあやうさと既視感におかしさと共感、やがてかなしさと。となりのだれか、あるいはホン・サンス監督の個人的なストーリー、私小説のようで時はめぐり「歴史は繰り返す」...的に「恋愛は繰り返す」という真理もはらんでいておもしろい。印象的、でちょっと好きなシーンがふたつ。ひとつは老教授が雪道を帰る時活きタコを雪の上に吐き出すシーン。その前に教室でオッキやジングと話していた「人間なのか獣なのか」というトークを想起させて...人間の中から(獣とまでは言わないまでも)異物、異なる生体が吐き出され蠢き人間が獣を体内に飼いならしていたかのような錯覚から人間性と獣性の二重性をも感じさせて興味深かった。そんなにギラギラしているわけでもなく獣っぽいわけでもないけれど...初老のちょっと枯れた教授から生きたタコが吐き出される。なまなましいような...でもしずかな雪道の上にちいさなさびしさも感じさせる。あり得ないようなファンタジックなシーンが雪のようにしんと、そっと差し出されると一見非現実的な出来事も老教授の業、恋愛の業を的確に表現していると納得していた。もうひとつはオッキが帰ってくるまで寒い中表玄関で待つジングをよそに自室で女友達とクリスマスらしくチキンを食べるオッキが教授との関係について「余韻が長ーいの」といった内容の本音を吐露するところ。チョン・ユミがその言葉を言う時の、ちょっとかすれた感じの声で単語を延ばして言うところが得も言われずリアルで繊細でせつなくって...女心が伝わってきた。外ではジングが寒い中すっかり待たされているというのにべつの男への思いをクリスマスにちいさくつぶやくオッキ。宇宙はまだ平行になっていないから彼女の宇宙はひとつで彼女はそのひとつだけの宇宙に没頭していたしひとつの宇宙に誠実で長~い余韻にひたっている。そんなふうに恋愛が瞬間的にはなつ季節のうつくしさも思い出され...うつくしいなぁ、と印象的だった次第。映画の構造もなかなか気に入った。デジャブのように反復し重なる私小説的映画の中にもうひとつの映画オッキの映画が入っている。エルガーの「威風堂々」が各章を作為的に幕引きする一方で、「かくっかくっ」とぎこちなくズームインするカメラは不器用に真実を伝えているようにも見える。こんなふうに、作為と相反する不器用さ、リアルが共存している。冒頭ナム・ジングが「作為の中から真実が出てくるから演出に作為は必要」といった内容の話をしながら学生を指導していた通りに映画は収束していたのだ。作為的にも見えた章立てを茶化すようにエルガーの「威風堂々」が通り一遍に反復される一方、最終章オッキの映画が再現する記憶は反復の中に差異と恋愛の真理を浮かび上がらせた。4つの章が見せるばらばらとつかず離れずな恋愛小宇宙の集まりは一見カオスのようでもオッキの映画が相対化する恋愛の相似形から浮かび上がる差異はソウルのぴりっとした冬のようになんだかすっきり、カタルシスをももたらしている。清々しい。記憶と忘却と反復と作為と真実の間に落ちた氷の粒をかじったみたい。ホン・サンス/恋愛についての4つの考察にて。チョン・ユミはやっぱりカワイイ。ラブストーリーが似合う...『トガニ』のチョン・ユミイ・ソンギュンはカッコよすぎて!?(≧ω≦*)ホン・サンスの分身に見えるかしら?と半信半疑で観はじめたものの...なかなかしっくりきていてあたらしい魅力を感じさせた。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Nov 14, 2012
韓国関連の舞台だけでも観ようと機会を作ってここ何年か出かけているF/T(今年はインドネシアの作品も)。ベルリンとソウル。遠く離れた二つの都市に住むふたりの振付家。ふたりの間のその距離が、そして思考や感情の変化が舞台の上でダンスに映像、アートなどと即興的に結びつきながら描かれる。会うことのできない、面と向かって会って話すことのできないベルリンとソウルの距離はさまざまなメディアを通して埋められていくようにみえる。インターネットを通した映像、テキスト(メッセンジャー)、声などを媒介にふたりの振付家は、そして人々はつながり、つなげられていく。(原文ではKAKAO、日本語訳ではLINEとなっていたメッセンジャーへの言及)一方で、その距離はメディアを通して視覚化され、くっきりとした輪郭を際立たせている。この舞台芸術のテーマである「会うことの意味」とは...さまざまなメディア、手段をもって会うことがそしてさまざまなメディアによって会うことも現代の「会うことの意味」であり、会うことが近くなった・距離は近づいた、と思わせながら、そういったメディアを通した「会うことの意味」に不在の身体性、その身体的な距離をもメディアが同時に炙り出し、陰翳深く刻まれる。近くなったのか遠くなったのか、ほんとうはどっちなのか...つらつら考えてしまう。会うことの意味について。舞台の上でつかう映像、メディアの持つ空間的時間的拡張性からは昨年のF/Tジョン・グムヒョンの「油圧ヴァイブレーター」を思い出したりも。拡張性のあるSynchronicityのメディア・ミックス。あるいは拡張していく現実のような…多元芸術。少女時代の「Gee」に韓国らしくRapを歌い、バレエの振付に韓国伝統舞踊の動きも加味されていた。ファン・スヒョン、イム・ジエ振付、出演。2011年はジョン・グムヒョンの「油圧ヴァイブレーター」ほか。2010年はHIROSHIMA HAPCHEONto be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Nov 11, 2012
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この味がいいねと君が言ったから11月10日はマッコリヌーボーの日♡(≧∀≦*)(俵万智さん、替え歌にしてすみません...)ボジョレー・ヌーボーよりも早く!?今年とれたお米で作られたできたてほやほやの新米マッコリ=マッコリヌーボーをいただきに!2011年にはマッコリヌーボーは269万本売れ(農林水産部)ボジョレー・ヌーボーの販売量をはるかに上回ったとか。胃袋に入る直前まで、あわあわと発酵し続けています。い、生きているっ!美味しい♡(≧∀≦*) ふつーのマッコリよりボジョレーは炭酸やや強めで爽やかなのど越し。ミドル・ノートで微かに苦みを感じたり飲んだ後の盃には酒粕のようなマッコリの滓/粕も残って見た目からも得も言われぬフレッシュさを醸し出す。新酒の喜びもひとしお(≧∀≦*)マッコリと言えば合わせるのはチヂミですね、酒食宮合で。今回はふっくら海鮮チヂミ(パジョン)、ポッサムも。そして豆腐とキムチ。豆腐とキムチを食べよい大きさに切って盛り合わせるだけでも十分な豆腐キムチ=トゥブキムチですが...韓国でよくいただく豆腐キムチと異なるのは...まず豆腐が絹ごし豆腐。韓国のトゥブキムチの豆腐は沖縄の豆腐のようなしっかりめの固い豆腐がつかわれます。そしてキムチは酸味の十分に出た古漬けを炒めてあるのがちょっと違うところ。酸っぱいキムチはだいすきですが家では酸っぱくなる前にいつも食べきってしまうので...(≧ω≦*)久しぶりに古漬けをいただいてうれしい♪キムチを冷蔵庫から出すだけではなく軽く炒めてあるので古漬けの酸味がまろやかになり、且つ人肌の温かさのキムチが豆腐の肌に寄り添って木枯らし寒い季節は冷蔵庫から出したてのキムチよりあたたかみがある分美味しいかも。炒めた古漬けキムチのやわらかさと絹ごし豆腐の柔肌のバランス、季節感とのマッチが絶妙!そしてちょっとピリ辛のスンドゥブもマッコリのお供に。ほんとうに豆腐はマッコリに合いますね(≧∀≦*)梨花酒というとろりとしたマッコリもすき♡(≧∀≦*)夏至にはじゃがいも料理にマッコリを合わせて。ピマッコルでマッコリ。玄米のマッコリかぼちゃ色の...忍冬マッコリto be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Nov 10, 2012
Festival Tokyoインドネシア作品。to be continued...!?
Nov 9, 2012
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学生のころ茶道部だった時使っていた袱紗入れは龍村織物製。正倉院裂等を復元した精緻な織物にうっとりしながら茶道に勤しむ日々。一方、川島織物の名称もどこかで記憶にあって。建築を彩るテキスタイル 川島織物の美と技 展へ。Textiles for Architecture--The Beauty and Artistry of Kawashima Textiles「衣」の役割の織物を「住」へ移行・発展させるプロセス、苦心と華やかさが印象的。子どものころ住んでいた家の壁紙はビニールクロスなどではなく織物の、布の壁だったことも思い出し川島織物がその原点だったのかもと考えつつ旧岩崎邸などで見た金唐紙も連想しつつ。若冲好きなのでセントルイス万博でお披露目された「若冲の間」再現模型にうっとり。悉皆屋さん、など今はもうまったく耳にしない、手の仕事にまつわる言葉も思い出して。「悉皆屋康吉」という小説も学生の頃読んだかも。さまざまな記憶、古風な思い出も行き交った展覧会。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2021 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃もお断り。複製のみならず、翻案等も著作権侵害です。
Nov 4, 2012
井筒和幸監督『黄金を抱いて翔べ』to be continued...!?
Nov 3, 2012
to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2020 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃もお断り。複製のみならず、翻案等も著作権侵害です。
Nov 1, 2012
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