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軽くおさらいをしますが、公正証書遺言は、遺言者が公証人に遺言の趣旨を口授し、それを今度は公証人が筆記して遺言者と証人に読み聞かせるのでしたよね。これがもちろん正しい手続なのですが、「わかりきったことは、そういうことにして」なんていうのは実務上も起こりうることですし、法律は解釈をして世の中の現象の適否を決めていく要素を持つものですから、「じゃあ、この場合はどうなの」といった問題がよく起こります。公正証書遺言では「遺言者による公証人への口授」に該当するのかどうかがよく問題になるポイントなのです。では判例を基にちょっとしたクイズを出しますから、次のケースがそれぞれ公正証書遺言として「遺言者による公証人への口授」に該当するかどうか考えて○×をつけてみてください。答えは、このブログでそのうち出します。1.疾病のため遺言者が言語明瞭を欠き、公証人の質問に対してわずかに挙動をもってうなずき、または首を左右に振る程度のとき2.近親者達が誘導的に質問をし、公証人が聞き取れないくらいの応答があったのを、近親者達が公証人に通訳するように伝えて説明したものを、公証人が筆記したとき3.公証人が既に遺言内容の筆記を終えた後、はじめて証人が立会い、さらに公証人が筆記内容を読み聞かせたのに対し、遺言者がうなずくのみであったとき4.公証人があらかじめ他人から遺言の趣旨を聴き、これを筆記して証書に作成しておき、その後に行われた遺言者の口授を聴いたうえで、前の筆記を遺言者と証人に読み聞かせて間違いないことを確かめたとき5.遺言者があらかじめ原稿を作成して公証人に渡し、それに基づいて公証人が書面を作り、証人立会いの下、遺言者に面接して遺言の趣旨は前に交付した書面の通りだという口授だけを聴き、これを読み聞かせたときさあ、どうでしたか。遺言はあくまでも「遺言者本人の意思」を残すものだということ、公正証書の場合は公文書としてその意思をきちんと証明するものであること、をキーにしてよく考えてください。全問正解した方は、もう公正証書遺言は完璧ですよ。ではまた次回にお会いしましょう。
2005/10/29
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東京地裁が前コクド会長に下した判決は、懲役2年6ヶ月、執行猶予4年、罰金500万円でした。証券取引法や商法に違反した経済犯罪については、この程度の判決が妥当なのでしょうか。執行猶予が付くのはわからないでもないですが、罰金500万って一体なんでしょうね。バブル期の元世界一の長者からすると、1ヶ月の小遣いを我慢したくらいの金額でしょうか。判決の中に、「企業利益を優先し、社会的責任と法を無視した」とあるのですが、経済行為で犯した犯罪には「金額で」責任と違法性を示すのが1つの手段としては、有効かと思われます。グループ企業の全取締役を辞職している堤氏ですが、大量に保有している株式があるので(こちらも親族から訴訟を起こされていますね)、黒幕として事実上の経営支配を続けるかもしれません。コクドグループの経営が、これで刷新されるのでしょうか。なんか「安い」判決でしたね。
2005/10/28
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さて、これまで公正証書とは何か、から始めて公正証書遺言の法律上の定義を述べました。ポイントは(1)公正証書は公証人が作成すること、(2)2人以上の証人の立会いが必要なことですね。最後に遺言者、証人、公証人がそれぞれ署名押印して仕上げでしたね。ところで、公正証書は通常、公証人が公証役場で作成しなければならないのですが、公正証書遺言の場合は、必ずしも公証役場で作成される必要はありません。遺言者の病床へ公証人に出張させて、作成してもらうこともできます。また遺言者の病状が重くて自署できないなど「遺言者が署名することができない」事情があれば、その旨を公証人が付記して、遺言者の自署に代えることができます。過去の判例でも、遺言の趣旨を遺言者が公証人に口授した後、公証人が遺言者の疲労、病状を気遣い、遺言者の自署を押し止めたため、自署することができなかったケースで、「遺言者が署名することができない場合」に当たるとしたものがあります。ただこれはですねえ、私の経験から言うと、公証人は避けたがりますね。遺言者が自署できない旨を打合せ段階でわかっているはずなのに、遺言書作成当日に遺言者に自署させようとしましたからねえ(たまたま遺言者ご本人の体調が良かったから無事すんだものの)。実は問題が多いのは遺言者による公証人への口授に関してなのですが、それは次回にするとしましょう。ではまた。
2005/10/26
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ありゃ、気がつけば、今日は行政書士試験の当日ではありませんか(ちと白々しかったですな、ご容赦を)。今年はどんな問題が出て、合格率はどのくらいになるのでしょうか。いずれにせよ、いつも私のブログを読んでくれている受験生の方(そんな人いなかったりして)、あなたは必ず合格します。たった今、私が合格を祈念いたしましたので、大丈夫です。何しろこうして早起きして、願掛けしているではありませんか。まあ、余談はさておき(ご、ごめん)、みなさんは公証人ってご存知でしょうか。公証人というのは、特殊な公務員でして、そう簡単になれる地位ではありません。裁判官、検察官、法務局長を永く務めた人の中から、法務大臣が任命した人が公証人となります。永く勤めただけではたくさんいますから、ちょっとくだけて言いますと、永く勤めた上に偉くなった人、の中から選ばれる法律専門職といえます。一応今年初めて公募で司法書士の人が任命されることになりましたけどね。そこで、公正証書遺言とは何か、ですよね。これは「2人以上の証人の立会いを得て、遺言者が公証人に遺言の趣旨を口授し、公証人がこれを筆記して遺言者および証人に読み聞かせ、遺言者および証人が筆記の正確なことを承認した後、各自署名押印し、公証人が方式に従って作成された旨を付記して署名押印する方式をとる遺言」ということです。法律上の定義をすると、難しく感じますけど、今回は我慢してください。ですから次回以降かみ砕いていきますので、今日のところはこの辺で。
2005/10/23
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何と、スーパーJチャンネルのスタッフ(なんでしょうね)から電話が来まして、「最近結婚前に家事の分担等を取り決めてから結婚するカップルが日本に増えてきているそうだけども、佐々木先生のところにそういう相談がもちかけられたご経験はありませんか。」等と聞かれてしまいました。テレビ番組が世相を反映する面白エピソードやほのぼのエピソードなどを行政書士から聞きたがる、という話は結構聞いたことがありましたが、まさか自分のところにも来るなんて思ってもみませんでした。ちょうどいいエピソードを持ち合わせていれば、よくある数秒間のTV出演になってたりして・・・。しかし、残念ながら(?)私のところにその手の相談は今のところなく、テレビ初出演のチャンスを逃しました(笑)。「ヨーロッパでは婚姻前の取り決めとして契約書を交わしておく、ということは伝統的にしばしばあるのですが、日本では、少なくとも私のところにはまだそういうご相談はないですね」こう答えるのが精一杯でした。多分、楽天広場の他の先生のところにも、電話が来ていると思いますけど、テレビ局が喜びそうなエピソード持っている先生いらっしゃいましたか?
2005/10/21
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14日は支部の無料相談会が無事終了し、その後の打ち上げでは、楽しい酒を飲ませていただきました。しかし帰宅後はちょこちょこメール作業をした後は「ぐだぐだ」、翌15日まで不覚にも「ぐだぐだ」してしまいました。しかしたまには支部の仲間とはしゃぐのもよろしいですか。さあ、話変わって今日からは公正証書遺言ですが、そもそも公正証書になじみのない人がほとんどではないでしょうか。ですから、順を追って説明しますので、安心してください。遺言についてもう一度振り返りますと、普通方式の遺言書は3つあり、1つ目は遺言者本人が書く自筆証書遺言、2つ目は公証人が書く公正証書遺言、3つ目は第三者が作成できる秘密証書遺言でしたよね。そこで、まずはじめに公正証書とは何か、皆さんはご存知ですか。これは公証役場という公的機関の公証人が作成した「合法・適正・有効な」書面のことです。公正証書は公文書になります。通常、契約書や遺言書は、法律を知らずに作成すると一部または全部(!)が無効になったり、偽造、変造されたりする可能性があります。そこで、公証人に作成依頼して公正証書にしておくと、公文書として強い証明力を持つことになる訳です。覚えておいてほしいのですが、公正証書の原本は公証役場に保管されます。ですから、「合法・適正・有効な」書面が盗難されたり、偽造、変造される心配もない、ということになります。どうですか、公正証書のイメージ沸いてきましたか。次回もこの続きをお話しますが、今回はここまでにしておきますね。それから、世田谷のSOHO記帳代行人/いやまさん、支部相談会のことを覚えてくださいまして、ありがとうございました。
2005/10/16
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マスコミの怪しいところなんて、あり過ぎて書ききれないですが、世論をリードしようとして、勝手に世論形成してくれることが多々ありますよね。本当は記者の好き嫌いのレベルだったりすることが、「世論はこうですけど」みたいに記事になったり、インタビューになったり。放送事業へのIT企業の進出に対する反応も、明らかにライブドアのときと楽天のときとでは異なります。その間に世論が動いたとか経済情勢が変わったとかいうより、三木谷氏より堀江氏のほうが、記者から見て「生意気な年下に見える」ということのほうが、「世論」に決定的な影響を与えている可能性すらあります。確かに堀江氏のやり方より三木谷氏のやり方のほうがスマートで老獪な印象はありますが、こういう印象は個人的な付き合いがない一般人(私もその一人です)から言えることは、半分はマスコミが勝手に作ったもの、だということですよ。しかし経営者の生い立ちや、中核企業の成り立ちが全然違うタイプなのに、やっていることは、よう似てますな、楽天とライブドア。
2005/10/13
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今日は体育の日なのに、東京は雨ですね。運動会は屋外では中止ですか。さて、話変わっておさらいになりますが、遺言者本人が遺言書の全文、作成年月日および氏名を自署し、これに押印することによって成立するのが自筆証書遺言でしたよね。作成年月日を記載しないと無効になること、ワープロでの作成やレコーダーに吹き込んだものは自筆証書にならないことを述べました。では、押印についてはどうでしょう。実印でなければ無効でしょうか。いえいえ、そんなことはありません。遺言者自身の印鑑であれば認印でもかまいませんし、それどころか拇印でも法的に有効です。印章に代えて、拇印その他指頭に墨・朱肉等をつけて押印することでも足りるとする判例があります。また、遺言書本文の自署名下に押印がなくても、その封筒の封じ目に押印があれば、押印の要件に欠けないとされています。厳格な要式が求められる遺言も、ポイントを押さえておけば、法的に無効な遺言を書かなくて済むわけですが、お分かりになりましたか。ではまた。
2005/10/10
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さあ、いよいよ10月に入り、行政書士試験の日も近づいてきました。季節の変わり目だけに受験生の皆さんは体調管理に気をつけてください。遺言については、ここまで細かく試験に出るとは思いませんが(笑)、気がまぎれるでしょうから、受験生の方も気楽に読んでください。さて、遺言者本人が作成する遺言である自筆証書遺言は、作成年月日も本人が記入しないと無効になるのでしたよね。ですから、年月だけで「日」の記入がされていない遺言は無効となる、というのが最高裁判所の見解です。しかし、この遺言書の日付は、必ずしも遺言書本文に自署する必要はなく、これを入れて封印した封筒に日付が自署してある場合でも有効です。また日付は、必ずしも「何年何月何日」という書き方である必要はなく、「第何回目の誕生日」とか「古希祝賀の日」のように正確に年月日を知りうるものであれば、差し支えありません。ただし「何年何月吉日」というのは日付のないものとされ、無効になりますから注意してくださいね。なんか自分で遺言書でも書いてみたくなりませんか。自筆証書遺言については、まだ書く予定ですので、ご期待ください。ではまた。
2005/10/03
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